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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第33号】3/5付資料

2014年03月07日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第33号/201435

事務総長、ジュネーブ交渉再開に向けた取り組みを継続

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長33、ジュネーブでの記者会見で、シリア危機は交渉によってのみ解決できるという考えを改めて示しました。そして、ラクダール・ブラヒミ共同特別代表ともども、当事者を再びジュネーブでの交渉のテーブルに着かせる決意を固めていると述べました。事務総長は、できるだけ早期に3回目の交渉を開くことの重要性を指摘しつつ、シリア政府と反体制派に対し、建設的な対話にかかるよう強く促しました。また、両当事者に対して影響力を持つ国々に対し、シリアの人々と中東地域が緊急に必要とする前進を交渉でどのように達成できるか、じっくり考えるよう呼びかけました。

-記者会見での発言は以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/infocus/sgspeeches/statments_full.asp?statID=2155#.UxYy_YXyL-s

 

3分の1の化学兵器をシリア国外に搬出

OPCW(化学兵器禁止機関)国連合同査察団特別調整官35、安全保障理事会(安保理)の非公開協議で、シリアの化学兵器全廃に向けた最近の進捗状況を報告しました。OPCW国連合同調査団の第5回月次報告書によると、コンテナ保護用の装甲カバーを含め、残る化学物質のシリアからの迅速な搬出に必要な物資と機材はすべて整備されています。会合後、シグリッド・カーグ特別調整官は記者団に対し、シリアが保有する化学兵器のうち、約3分の1を搬出または廃棄済みとする合同査察団の結論を明らかにしたうえで、次のように付け加えました。「安保理に対し、最終的な期限(2014年6月)に向けた進捗状況を見極めるうえで、3月は重要な時期になるとの報告をしています」

-カーグ特別調整官による記者会見(動画)は以下をご覧ください。

http://webtv.un.org/watch/sigrid-kaag-joint-opcw-un-mission-on-syria-security-council-media-stakeout-5-march-2014/3297479478001/

 

UNRWA、ヤルムーク難民キャンプへの立ち入りを要求

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の報道官は34、UNRWAが引き続き、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの絶望的な人道状況、および、緊張状態と高まりと武力行使の増大で、民間人の厳しい窮状を緩和するための取り組みに支障をきたしている現状を深く憂慮していると述べました。UNRWAは声明の中で、すべての当事者に戦闘行為を止め、平和的手段のみによって紛争の解決を図るよう求めました。また、すべての関係者に対し、ヤルムーク・キャンプ内の民間人に対する食料配給再開を直ちに認め、これに便宜を図るよう強く促しました。

-ヤルムーク難民キャンプに関するUNRWAの最新情報は以下をご覧ください。

http://www.unrwa.org/yarmouk-updates

 

◆独立調査委員会、第7次報告書を発表

シリアに関する独立調査委員会35、第7次報告書を発表しました。今回の報告書は、2013年7月15日から2014年1月20日にかけて行われた調査をまとめたもので、延べ563人との面談をはじめとする証拠収集に基づくものとなっています。報告書によると、親政府軍によるシリア国内の幅広い民間人居住地域に対する攻撃と包囲による死傷、栄養不良、飢餓が蔓延しています。また、委員会は初めて、具体的な非国家武装集団がラッカ県で、人道に対する罪に相当する拷問を働いた事実を突き止めました。調査結果では、親政府、非国家双方の武装集団が虐殺を行ったとされています。この報告書は3月18日、人権理事会に提出される予定です。

-第7次報告書の発表に関するプレスリリースは以下をご覧ください。

http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14314&LangID=E

-シリアに関する独立調査委員会については以下をご覧ください。

http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/HRC/IICISyria/Pages/IndependentInternationalCommission.aspx

 

主な国連ニュース記事

UNESCOIRC、ドミズ難民キャンプに初のシリア難民向け中等学校を開校

ドホーク(イラク)、3月3日 – イラクでのシリア難民危機に対応し、キャンプで暮らす若者数千人に学習機会を提供するための大がかりな取り組みとして、国連教育科学文化機関(UNESCO)と国際救済員会(IRC)は、ドホークのドミズ難民キャンプに設けられた初のシリア難民向け中等学校、デレク中等学校の開校を正式に宣言する式典を開催しました。9つの教室に学生600人を収容できるこの新しい学校は、キャンプに暮らすシリアの子どもと若者たちの教育ニーズへの直接かつ極めて効果的な対応策となっています。

http://reliefweb.int/report/iraq/unesco-and-irc-open-first-secondary-school-syrian-refugees-domiz-camp

 

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク

国連広報局(DPI)シリア特集ページ

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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レバノンの難民キャンプで暮らす2人の少女は従妹(いとこ)同士。それぞれの家族とともに、1つのテント下で生活している©UNICEF/NYHQ/2013-1424/Noorani
OPCW国連合同査察団を率いるシグリッド・カーグ特別調整官。安保理の非公開協議で、シリアの化学兵器全廃に向けた進捗状況を報告した©UN Photo/Paulo Figueiras
シリアに関する独立調査委員会は第7次報告書を発表した©UN Photo/Violaine Martin