平和の創出と維持に努める国連平和活動とは?(UN News 記事・日本語訳)
2026年09月23日

UN Photo/Gregorio Cunha
2026年8月26日 – モザンビークやカンボジアにおける残虐な内戦後初の民主的選挙の支援。シエラレオネでの子ども兵士数千人の武装解除。ナミビアの南アフリカからの独立確保への援助。これらは世界各地で展開する国連のオペレーション活動が、紛争から恒久的平和への移行に貢献した事例の一部にすぎません。
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世界が1945年以来最多の紛争と戦争による死者の増大に直面し、平和活動が合意の履行よりも暴力を抑え込むために展開されるケースが増える中で、国連とその加盟国はこれに適応し、平和ミッションの妥当性を確保しなければならない―アントニオ・グテーレス国連事務総長は本日、国連総会でこのように発言しました。
グテーレス事務総長は「国連の平和活動は、国際の平和と安全の維持に欠かせないツールではあるものの、その実効性をさらに高めるには、新たな現実に適応しなければなりません」と述べています。
ニューヨークの国連本部において、事務総長は画期的な「未来のための協定」による要請を受けて、あらゆる形態の国連平和活動の未来に関する史上初のレビューを提出し、変化するニーズや将来の課題に対処するため、国連のツールボックスをどのように適応できるかについて、加盟国が検討すべき提言を行いました。
国連平和活動とは
事務総長によるこのレビューは、国連平和活動の幅広い領域全体をカバーしています。その中には、文民活動である特別政治ミッションや、安全保障理事会が承認する平和執行活動など、個人特使を支援する2人体制の事務所から大規模な多面的平和維持活動に至るまで、多様な活動が含まれています。
グテーレス事務総長は「国連の平和活動は、多国間の行動に欠かせない形態」だと述べています。
「それは危機を打開し、紛争を止めさせ、停戦を持続させ、民間人を保護することに役立ちます。流血の事態に見舞われた場所で、対話の場を創出し、平和への道筋を切り開いているのです」
“ブルーヘルメット”をめぐる環境
安保理は1948年以来、紛争当事者による政治的解決を支援し、対立が紛争へと激化するのを防ぎ、政治的解決の模索が続く中で武器を用いた暴力を減らすことを目的に、国連平和維持要員の展開を承認してきました。現在、11件のミッションが展開中です。
着用する独特の制服から“ブルーヘルメット”で知られる国連平和維持要員は、3つの主要原理を指針として活動しています。具体的には、紛争当事者の同意があること、不偏不党、そして自衛またはマンデートの防衛以外の目的での武力行使禁止の3つです。
その活動には危険が伴い、これまでに世界各地で4,500人を超える国連平和維持要員がミッション展開中に命を失っています。その功績は幅広く認知されており、1988年には「武力衝突を防止し、交渉に向けた条件を整備」しているとして、ノーベル平和賞を受賞しています。
特別政治ミッション
特別政治ミッションは、紛争を防止し、和平交渉を仲介し、政治的移行を支援することを目的に、安全保障理事会から与えられたマンデートに基づき展開される文民要員で構成されます。
大規模な軍事力や武力に依存するのではなく、その代わりに政府や紛争当事者、地域機関、市民社会と連携しながら活動を行っています。
国連政治・平和構築局の報告書によると、1948年以来、国連は167件の特別政治ミッションを展開しており、2024年時点で展開中のミッションは約40件となっています。

平和執行
安全保障理事会は国連憲章第VII章に基づき、軍事力の行使を含む幅広い措置の適用を認可する平和執行活動の承認も行います。
平和執行は平和維持活動や特別政治ミッションとは異なり、常に紛争当事者の同意は必要としないため、“ブルーヘルメット”がこれに直接的に参加することはありません。
最近ではハイチ、マリ、ソマリアなど数多くの状況下で、国連平和ミッションが安保理の承認を受けた非国連部隊による平和執行活動と並行して展開され、国内の政治プロセスや、さらに幅広い平和の定着に向けた任務を主眼とするマンデートを履行しています。
安保理のマンデートを受けて、アフリカ連合(AU)が展開する平和支援活動も、このカテゴリーに入ります。
活動の現状
事務総長はレビューの中で、平和活動を取り巻く環境が悪化している現状に警鐘を鳴らしています。
紛争はますます複合化し、包括的な和平合意はなかなか成立しなくなる一方で、使える資金は縮小しており、事務総長報告によると、最近では平和維持活動の予算がほぼ5億ドル、特別政治ミッションの予算が9千630万ドル、それぞれ削減されています。
グテーレス事務総長は、平和活動が当事者による紛争終結に向けた政治的意志に代わるものではないものの、現状のミッションの中には、交渉が行き詰まり、暴力が激化する中で活動しているものもあるとしたうえで、次のように述べています。
「国連がいかなる平和活動や政治プロセスを支援しようとも、加盟国による一致団結した支持がなければ、成功は望めません」
ドローンから偽情報まで
グテーレス事務総長は、平和活動ミッションのマンデートを達成可能な目標に焦点を絞り、状況に応じて適応力と費用対効果を備え、特に性的搾取や虐待の申し立てに対して説明責任を負い、かつ、加盟国や国連部局との協調を図るものとせねばならないと述べています。
実際のところ、適応は単にマンデートを書き換えれば済むというわけではありません。報告書は、ミッションのフットプリントの軽量化と機動力の改善、データと脅威の分析の強化、ドローンや偽情報に対処するための技術、さらには平和維持要員の安全を確保するための措置の充実を求めています。
グテーレス事務総長は、適切な条件下で平和維持活動が達成できる成果を示す具体例として、コロンビアにおける和平と、カメルーン・ナイジェリア間の国境紛争に焦点を絞ったミッションを挙げています。
将来の展望
事務総長のレビューには、戦争の増大や厳しい財政的制約、さらには平和維持ミッションに対する支援のばらつきを特徴とする「新たな地政学的時代に向けた平和活動のリセット」を図るための数十項目の提言も含まれています。
具体的提言としては、下記が挙げられます。
- 政治プロセスが前進できる条件の整備を優先すること
- 信頼できる政治的目的ついてのみミッションを展開すること
- 受入国とのパートナーシップを強化すること
- 国連機関間の役割分担を明確化すること
- 当初から出口戦略と移行計画を策定しておくこと
事務総長によると、国連の平和活動の未来はとりわけ、欠陥はあっても、平和活動が依然として、紛争終結に向けた条件の整備に不可欠な手段であるとの信念を加盟国が持ち続けるかどうかにかかっています。
グテーレス事務総長は「私たちは一緒に、各々のミッションがその活動期間を通じ、何を達成できるかについて共通のビジョンを構築しなければなりません」と述べています。
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原文(English)はこちらをご覧ください。


