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若者から国連へ:「私たちの声を聞き、私たちに投資し、私たちと組んで」(UN News 記事・日本語訳)

2025年10月22日

グアテマラのアルタ・ベラパス県サン・クリストバルでサッカーをしようと集まった10代の若者たち© UNICEF/Patricia Willocq

2025925世界人口の半数近くを30歳未満が占める中、国連は、すべての人々にとって公正、公平で、持続可能な未来を実現するための意思決定において、若者たちが果たす欠かせない役割を強調し続けています。

「若者の参加は、単に会議に招くということではありません」アンナレーナ・ベアボック国連総会議長は本日このように述べました

「それは、政策の成果を形づくる上で、若者たちの生きた経験や専門性をしっかりと取り入れるということです」

権利と願いを優先する

ベアボック総会議長が挨拶を行ったのは、「世界ユース行動計画(WPAY)の30周年を記念するイベントです。

この枠組みは15の優先分野を網羅し、その中には教育、雇用、飢餓と貧困、健康と環境、グローバル化、情報・通信テクノロジー、武力紛争、世代間問題などが含まれます。

これは、若者のための行動があらゆる課題に関わっていること、そして若者たちが変革の原動力であることを示しています。

タンザニアの若者たちが主導する非営利団体「持続可能な海洋同盟(SOA)」のメンバーたち© UNDP

先導する存在

およそ12億人に上る現在の若者世代(15歳から24歳)の人口は、おそらく史上最大と言えます。

事務総長に代わりスピーチを行ったガイ・ライダー国連事務次長(政策担当)は、気候行動、デジタル・イノベーション、地域の解決策の構築、人権の擁護において、若者たちが最前線に立っていると述べました

「にもかかわらず、若者たちは自分自身の生活を形づくる意思決定から締め出され、教育、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、医療サービス、政治参加において障壁に直面することがあまりにも多くなっています

「同時に、暴力、不安定、市民空間の縮小が、若者たちの声を封じ、彼らの有意義な貢献を妨害しています」

代償を払う存在

この記念イベントは、「行動計画」という画期的な枠組みの採択以降になされた前進を祝うと共に、未解決の課題に対処する目的で開催されました。

国連ユース・オフィスのトップが述べたように、国際社会は「何百万もの若者たちが取り残され続けているという厳しい現実に向き合わねばなりません」

フェリペ・ポーリエ氏は、気候危機、デジタル・ディスラプション(デジタルによる破壊)、平和に対する脅威の高まりという点において、「最も大きな代償を払っている」のは若者たちだと言います。

ポーリエ氏は、こう述べています。「現実として、紛争関連死は『世界ユース行動計画(WPAY)』の採択以降、最も高い水準にまで急増しています」

「これは、何百万人もの若者たちが、命を失うか、避難するか、生涯にわたる影響を受けるかしているということです。ガザからウクライナ、ハイチからコンゴ民主共和国、スーダン、その他危機にある数多くの地域で、若者たちは教育、安全、そして未来を奪われているのです

若者世代の声

イベントに先立ち、182カ国の75,000人を超える若者たちが、国連ユース・オフィスが調整した「フォーサイト(未来洞察)活動」を通じて、自分たちの課題や希望を共有しました。

ここで得られた洞察は今後の行動の指針となりますが、この世代の影響はすでに世界中で現れています。

「若者たちは、明日リーダーになることを待っているのではありません。彼らは今日のリーダーなのです」ベアボック議長はこのように語り、気候変動対策が各国の義務であることを認めた国際司法裁判所ICJによる最近の歴史的な判決は、太平洋諸国の学生グループがきっかけであったことを振り返りました。

「私たちと組んで」

マラウィの国連機関と連携する若者アドボケートのアミーナ・アリディ氏にとって、このイベントは「単なる記念イベントにはとどまらず、行動呼びかけ」でした。

アリディ氏はこう述べています。「若者たちは、よりよい未来を築くというその楽観論と決意において、揺るぎない姿勢を保ち続けています」

「私たちが国連とその加盟国に求めることは、シンプルながらも切実なことです。私たちの声を聞き、私たちに投資し、そして何よりも重要なのは、私たちと組んでほしいということです」

障害のある若者たちのアドボケートである、アイルランド出身のジェームズ・キャサリー氏は、世界の指導者たちに向けて若者の参加が持つ真の意味について意見を述べました。

それは、権力を持つ人たちが、私たちの声を聞き、行動を起こす場なのです。行動は、言葉よりも雄弁ですから」

「それは、形式的な作業であってはなりません。それは、私たち自身が決断を下すことのできる機会なのであって、他の人たちに代理で決定してもらう機会などでは決してないのです。私たちがいつも言っているように、私たちのことを私たち抜きで決めないでほしいのです」

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原文(English)はこちらをご覧ください。