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サッカーの力、SDGs達成に向けたチームの取り組みを後押し(UN News 記事・日本語訳)

2025年08月28日

ガンバ大阪のスタジアムに掲示されている持続可能な開発目標(SDGs)© UN Japan/Shota Urano

執筆者:ダニエル・ディッキンソン(日本、大阪)

2025618 持続可能な地球の未来の構築に焦点を当てた国際博覧会「2025年大阪・関西万博」において、より健全な地球とより公平な社会の実現に向けてファンを通した積極的な行動を後押しするサッカーの力に注目が集まっています。

米国でFIFAクラブワールドカップが開催されている中、地球の反対側では、日本のガンバ大阪が、持続可能な開発に対するコミットメントを新たにし、同国のプロリーグのチームとしては初めて国連の「フットボール・フォー・ザ・ゴールズ(Football for the Goals)」イニシアチブに参加しました。

このイニシアチブは、世界のサッカー・コミュニティーが国際的に合意された持続可能な開発目標(SDGs)に取り組み、これを広めるためのプラットフォームを提供しています。

「フットボール・フォー・ザ・ゴールズ」へのガンバ大阪の参加を記念する、国連のマーヘル・ナセル陳列区域代表(左)と同チームの伊藤慎次執行役員 ©UN News/Daniel Dickinson

ガンバ大阪の伊藤慎次執行役員(渉外担当)は、大阪・関西万博の国連パビリオンにおいて、SDGsを支援することはクラブにとって重要なことだとUN Newsに語りました。

「私たちはサッカークラブとして、サポーターと連携し、環境、気候、持続可能性、健康、そしてインクルーシブな社会などのSDGsに含まれる諸課題に対する姿勢や行動を変えるよう、働きかけることができます」

日本の第二の都市、大阪にあるガンバ大阪のスタジアムでは、カラフルなSDGsロゴが目立つように掲示されています。ロゴはチームのユニフォームに入ることもあり、また、選手たちは地元の学校を訪問し、なぜSDGsが重要なのかを説明してきました。

スタジアムでは、ファンに向けて、リサイクルのためにごみを分別するよう促す取り組みが行われています。こうしたごみの分別は、多くの日本人が注目し、強化すべきと考えている行動の一つです。プラスチック製のコップは紙コップに置き替わり、選手が着用するチームのユニフォームは、より持続可能で環境に配慮した素材で作られています。

伊藤執行役員はこう語っています。「SDGsの重要性は広く認知されるようになってきています。私たちは、これが長期にわたるコミットメントであり、大きな変化が起こるには10年以上はかかるものと認識しています」

チームでの取り組み

ガンバ大阪は、日本のプロチームとして初めて、国連の「フットボール・フォー・ザ・ゴールズ」イニシアチブに参加しました。

国連パビリオンを訪れたシンザト・タロウさん(左)とシンザト・サトカさん ©UN News/Daniel Dickinson

このイニシアチブは、各連盟から各国の協会やリーグ、各クラブから選手会、ファンによる組織、メディア、商業パートナーに至るまで、持続可能性の価値を認識するすべてのスポーツ関係者を後押しし、その指針となることを目的としています。

また、そうした団体に対し、既存の持続可能性に関するアプローチを足がかりとし、行動変容につながる戦略を実施するよう促しています。

このイニシアチブは、SDGs達成に向けた前進が停滞し続けていた2022年に発足したものですが、現在では370もの団体が参加しています。

「世界のサッカー業界は極めて大きな影響力を持っており、世界の何十億もの人々とコミュニケーションを取る力があるのです」マーヘル・ナセル2025年⼤阪・関⻄万博国連陳列区域代表はこのように述べています。

「フットボール・フォー・ザ・ゴールズの参加団体は、スポーツを含めたあらゆるビジネスモデルにおいて、持続可能な活動を主流化できることを示すことで、行動を促していきます」ナセル代表は、そう付け加えました。

ボールから目を離さずに

日本ではSDGsが学習指導要領に組み込まれており、多くの若者たちがその重要性を認識しています。

ライバルチームである名古屋グランパスエイトを応援しているシンザト・タロウさんは、大阪・関西万博の国連パビリオンを訪問した際、UN Newsにこう語っています。「私たちはSDGsについて考えるとき、日本での環境や持続可能な生活に注目しがちです。他の国のSDGsのことは、おそらくあまり十分には考えられていないかもしれませんが、私たちは皆同じ地球を共有しているのですから、(他の国でのSDGsも)とても重要だと思います」

補足:大阪・関西万博の機会に、日本サッカー協会と日本障がい者サッカー連盟もフットボール・フォー・ザ・ゴールズに参加しました。

フットボール・フォー・ザ・ゴールズの概要

  • 「フットボール・フォー・ザ・ゴールズ」は2022年7月に発足
  • 同イニシアチブには、約120カ国から370のメンバーが参加
  • 国際サッカー連盟(FIFA)の6つの大陸別連盟すべてが参加
  • 各参加団体は、それぞれの事業において持続可能性を導入し、SDGsの促進に取り組んでいる

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原文(English)はこちらをご覧ください。