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ハビエル・ペレス・デ・クエヤル氏を世界に「大きな影響」を残した「優れた政治家」と称賛

2020年03月09日

 

2020年3月5日 ― 対話を育むその能力と、混乱の10年を通じて国連を率いた指導力で高く評価されているハビエル・ペレス・デ・クエヤル第5代国連事務総長は、100歳でその生涯を閉じました。

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ペルーのベテラン外交官で弁護士や教授としても活躍したデ・クエヤル氏は、これまで国連のトップの職に就いた唯一のラテンアメリカ出身者です。

現職のアントニオ・グテーレス国連事務総長は3月4日の晩に声明を発表し、デ・クエヤル氏の死去によって深い悲しみに包まれたと述べるとともに、「優れた政治家であり、献身的な外交官であり、インスピレーションを与える個人として国連と私たちの世界に大きな影響を残した」元事務総長を称えました。

1920年1月19日、ペルーのリマで生まれたデ・クエヤル氏は、42年にわたって外交官を務めた後、国連の指導者に任命されました。

外交官としての輝かしいキャリア

「デクエヤル氏の生涯は1世紀に及んだだけでなく、1946年の第1回総会への出席から、国連の歴史全体にわたるものでもありました」グテーレス事務総長はこのように述べています。

スイスのほか、当時のソ連、ポーランド、ベネズエラでも大使を務めた経験のあるデクエヤル氏は、キャリア全体を通じペルー外務省でハイレベルの要職を多く歴任しましたが、その中には1971年の国連常駐代表への任命も含まれます。

1974年7月、国連安全保障理事会で議長を務めた際には、キプロス危機の管理に手腕を発揮しました。その1年後には、事務総長のキプロス担当特別代表に2年の任期で任命されたのに続き、国連政治局長兼国連アフガニスタン代表に起用されました。

ウィントフック(ナミビア)のスイデルホフ基地にある国連ナミビア独立移行支援グループ(UNTAG)軍司令部を訪れたハビエル・ペレス・デクエヤル国連事務総長(1989年7月)© UN Photo/Milton Grant

冷戦時代と国連の役割増大

グテーレス事務総長は、その先任者の事務総長としての任期が、国際情勢における2つの、大きく異なる時代と重なったとして、初めに冷戦の最も厳しい数年間を、続いて、イデオロギー的対立の終焉を受け、国連が創設者たちの思い描いた役割をよりよく果たし始める時期を経験したと語りました。

国連事務総長としてのデクエヤル氏の任期は1982年、フォークランド/マルビナス諸島の領有権をめぐる英国とアルゼンチンの集中協議とともに幕を開けました。数限りない課題に粘り強く取り組んだデクエヤル氏の口からは、和平協議を指して「患者は集中治療を受けているが、まだ生きている」という、今では有名な言葉も生まれました。

健康上の問題があったにもかかわらず、デクエヤル氏は事務総長を2期務めることに同意しました。1986年の指名受諾演説では当時、国連が抱えていた財政危機に触れ、「このような状況で留任を拒絶すれば、国連に対する道徳的義務を放棄することに等しい」と述べています。

そして、国連の「恒久的有効性」に対する「揺るぎない信念」を改めて表明し、国連の「困難な状況」が「再生と改革のための創造的機会」を提供していると付け加えました。

「デクエヤル氏は、ナミビアの独立、イラン・イラク戦争の終結、レバノンで捕らえられていた米国人人質の釈放、カンボジアでの和平協定、そして任期が終わる直前に実現したエルサルバドルでの歴史的な和平合意を含め、数多くの外交上の成功で欠かせない役割を果たしました」グテーレス事務総長はこのように述べています。

2期目に起きた重要な出来事としては、アフガニスタンからのソ連軍撤退も挙げられます。その他、デクエヤル氏のチームはニカラグアの政情安定化にも貢献しました。

マザー・テレサと会談するハビエル・ペレス・デクエヤル国連事務総長(1985年10月)© UN Photo/John Isaac

1987年には、イベロアメリカ協力の功績を称えられ、スペインからアストゥリアス皇太子賞を受賞しました。1989年には、国際理解と共通の安全保障のためのオロフ・パルメ賞と、国際理解のためのジャワハルラール・ネルー賞も受賞しています。

1991年に事務総長としての任期を終えてからも、デクエヤル氏は長い間、国連の価値を忠実に守り、その生涯を通じて平和、正義、人権、人間としての尊厳を求める活動を続けました。約25カ国から叙勲を受けたほか、数校から名誉学位も授与されています。

1989年、国連PKOがノーベル平和賞を受賞したことを受けて行ったノーベル委員会でのスピーチで、デクエヤル氏は国連のような政府間機関の役割を「闘争と紛争の間の一線を画すこと」と定義しました。事実、デクエヤル氏の揺るぎない決意は、多くの国が「この線の正しい側にとどまる」ことに貢献しています。

「私はデクエヤル氏のご家族の皆様、ペルーの人々、そのほか、私たちの世界をはるかに良い場所にしてくれた優秀で情に厚いグローバル・リーダーによって影響を受けた世界中の人々に対し、深い哀悼の意を表します」グテーレス事務総長はこのように述べました。

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