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国連、テロリストの移動の発見・阻止に向け、革新的なプログラムを発表

2019年05月15日

イラクのモスル、アル=アンダルス地区で、ISILの自動車爆弾による自爆テロ攻撃から数分後、破壊された自宅を脱出する家族©UNHCR/Ivor Prickett

201957-国連テロ対策事務所(UNOCT)はきょう、最先端のソフトウェアを用いてテロ容疑者の追跡を改善することをねらいとする新たなプログラムを発足させました。

イラクとシリアを拠点とするテロ集団「イラクとレバントのイスラム国(ISIL)」の支配地域での敗北を受け、ニューヨークの国連本部では、国連テロリスト移動対策プログラムが発足しました。数千人の外国人テロ戦闘員(FTFs)が帰国したり、安全な隠れ場や紛争地域に移動したりしようとする中で、国際の安全と平和に大きな脅威が生じています。

UNOCTが「フラッグシップ・イニシアティブ」と称するこのプログラムは、旅客データの収集、身元確認および分析を通じ、各国によるFTFsと凶悪犯の発見を支援することを目的としています。

テクノロジーと立法の組み合わせ

国連のいくつかのテロ対策部署と国際民間航空機関(ICAO)は、密接な連携のもと、この取り組みを実施し、各国に進化したソフトウェア「goTravel」への無償アクセスを提供します。このソフトウェアは、渡航データを分析することで、各国がテロリストの移動を発見し、これを阻むことに役立ちます。

プログラムのもう一つの側面として、国連はソフトウェアを合法的かつ実効的に運用するための研修や認証を通じ、各国当局による立法措置や国内の専門知識の開発を支援します。

「goTravel」は、オランダが国連に寄贈したシステムに手を加え、再構成したソフトウェアです。

最近の攻撃 「テロの惨劇の世界的拡散を想起させる悲劇的事件」

国連テロリスト移動対策プログラムの発足式で挨拶した国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ケニアやニュージーランド、スリランカで発生したものをはじめ、最近の攻撃は「テロの惨劇が世界的に広がっていることを改めて知らせる悲劇的な事件」だと述べました

事務総長は、過去7年間、全世界の紛争地域にテロリストが「多数出入り」しており、特に110カ国から4万人のFTFsがシリアやイラクでテロ集団に合流した可能性があると見られることを指摘しました。

グテーレス事務総長はまた、今回のプログラムは、各国がプライバシーやその他の基本的自由を全面的に尊重しつつ、渡航データを収集、処理し、これを他の権限ある国内、国際当局と共有することに役立つだろうと述べています。

監視とデータ保護、人権擁護の両立

イェレ・ポストマ連テロ対策事務所テロリスト移動対策・航空安全課長はUN Newsのインタビューに応じ、採用されたテクノロジーには、データ保護と人権擁護のためのセーフガードが組み込まれているとしたうえで、性的指向や労働組合加入など、取り扱いに慎重を要するデータ要素は一定期間経過後、システムによって自動的に削除されると説明しました。

ポストマ課長によると、国連は新たに制定される監視法に独立の透明な監督メカニズムが盛り込まれるよう、各国の議会と連携を図ることになっています。

このプログラムには現在、インド、日本、オランダ王国、カタール、サウジアラビアの各国が資金を提供しています。

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原文(English)はこちらをご覧ください。