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報告書 “Strengthening the Global Partnership for Development in a Time of Crisis(危機における開発のためのグローバル・パートナーシップの強化)”

プレスリリース 09-059-J 2009年11月04日

“世界が経済、食料、気候変動の危機を抱える中で、グローバルな貧困対策はこれまでよりもさらに重要になっている”。 国連は2009年9月16日、ミレニアム開発目標(MDGs)の支援に関する報告書を発表し、このように述べました。

国連の推計によると、開発援助額は2008年に記録的な水準に達したものの、2005年のG8グレンイーグルス・サミットでの誓約と比べた場合、ドナーの援助額は総供与額で年間350億ドル、対アフリカ援助額で年間200億ドル、それぞれ不足しています。

「Strengthening the Global Partnership for Development in a Time of Crisis (危機における開発のためのグローバル・パートナーシップの強化)」と題するこの報告書は、20を超える国連の機関と国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)、経済協力開発機構(OECD)も参加する事務総長MDGギャップ・タスクフォースが、MDGsの目標8で求められている開発パートナーシップの進展状況を審査するために作成したものです。

アシャ=ローズ・ミギロ国連副事務総長は、MDGs達成に向けた進展を阻む要因として、昨年の急激な景気後退と食料難の同時発生、今年中に予測されるインフルエンザの世界的流行、そして気候変動の継続的影響をあげました。

「私たちは成長期に大きな進歩を遂げました」。ミギロ氏はこのように述べ、さらに「世界は逆境の中でも前進を遂げられることを示さねばなりません。貧しい人々、飢えに苦しむ人々、弱い立場に置かれた人々が私たちをもっとも必要としているのです」と付け加えました。

ODAの「カバレッジ・ギャップ」

報告書によれば、政府開発援助(ODA)は2008年に約10%増額され、1,198億ドルに達しました。ドナー国の国民総所得に占めるODAの割合も、2007年の0.28%から2008年には0.30%へと改善しました。しかしそれでも、2015年までに0.7%という合意済み目標の達成には、はるかに及びません。また、2010年までに年間援助供与額を約1,550億ドルにまで引き上げるという公約も実現できていません。グローバル危機でドナー国の援助予算がしわ寄せを受ける中で、この中間目標の達成はさらに難しくなっています。

報告書はまた、2000年以来のODA増額の大半がイラクやアフガニスタンをはじめとする一部の紛争終結国に限定されていることをあげ、ODA分配に「カバレッジ・ギャップ(補償のギャップ)」があると指摘しています。事実、アフリカの最貧国の多くはこれと対照的に、ほとんど援助増額の恩恵に浴していません。

開発途上国は金融危機の発生以来、1,000億ドルから3,000億ドルにも及ぶと見られる貿易金融の急減により、打撃を受けています。この貿易金融の収縮に追い討ちをかけているのが、多くの国で導入されている新規の貿易制限と、ドーハ開発ラウンド貿易交渉の行き詰まりです。

2005年、世界貿易機関(WTO)は香港で、最貧国からの輸出品の97%に無税の輸入を認めるという合意に達しましたが、実際に先進国市場で無税輸入を認められているのは、後発開発国(LDC)の輸出品の80%にすぎません。

報告書ではさらに、2つの大規模な債務救済イニシアティブの成果にもかかわらず、輸入燃料と食料の価格高騰に一次産品輸出に対する需要の低迷が重なり、多くの開発途上国が対外債務の返済に窮しているという調査結果も明らかにされました。

医薬品と技術の普及

国連報告書によると、貧困層の購買力が脅威にさらされる一方で、多くの必須医薬品の値上がりが進んでいます。開発途上国の人々は平均で、もっとも安く手に入るジェネリック医薬品にさえ、国際基準価格の3倍から6倍もの代金を支払わなければなりません。

富裕層と貧困層の間のデジタル・ディバイド(情報技術格差)は、国家間でも国内でも広がったままになっています。アフリカでは2007年、新たに6,500万人以上が携帯電話に加入しましたが、その普及率は先進国の100%に対し、まだ3分の1にも達していません。固定回線のブロードバンド・インターネット・サービスに至っては、先進国との間で10倍もの料金の開きがあるため、開発途上地域の人々にとっては、とても手が出ないというのが現状です。

報告書「Strengthening the Global Partnership for Development in a Time of Crisis」は、官民の連携による必須医薬品や携帯電話、インターネット・サービスの普及促進を提言しています。

国連の調査からは、グローバルな公約を全面的に履行すれば、経済的にも環境的にも持続可能な成長を実質的に推進できるという重要な事実が浮かび上がっています。それはまさに、気候変動を緩和しながら、極度の貧困と結びついている政治上、経済上、公衆衛生上の課題に取り組める成長に他ならないのです。

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