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【シリーズ第2回】 「国際女性の日」2013 未来を担う女性たちと教育 ~日本にある国連アカデミック・インパクト(UNAI)参加大学で学ぶ アフリカ大陸からの女子留学生の声~ 

2013年03月07日

経済発展が進み成長を遂げるアフリカ。国際社会からの注目が集まり、アフリカはますますその重要性を増しています。今年6月には第5回アフリカ開発会議(TICADⅤ)が横浜市で開催されるなど、日本国内においてアフリカに対する注目が高まっています。

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成長するアフリカにおける女性の役割

シリーズ第2回目は、国連アカデミック・インパクト(UNAI)参加大学で学ぶ、4名のアフリカ出身女子留学生に、国連広報センターで働くインターンがインタビューを行いました。アフリカの成長は、女性にどのような変化をもたらしているのか。彼女たちの声を紹介します。

【学生参加者(計4名)】
ムコマ・ラヘル・ナソニさん タンザニア連合共和国出身 
明治大学大学院 ガバナンス研究科 修士1年生 
ラティ・ステラ・トゥムワさん ガーナ共和国出身
 国際大学大学院 国際関係研究科 修士2年生
マカティアニ・ジャクリン・クボチさん ケニア共和国出身 
九州大学大学院 生物資源環境科学府 博士3年生
カブァザ・ポニャディラさん マラウィ共和国出身 
愛媛大学大学院 理工学研究科 博士1年生

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日本女性の印象
「日本に長く滞在している方もいますが、暮らしの中で何か気づいたことはありますか。また、日本女性に対してどのような印象を持っていますか。」

ムコマ・ラヘル・ナソニ:私は日本人が他人を大切にする姿勢に驚きました。バス停や駅のホームでは列を作って並び、道にごみを捨てることもしません。これらの点は私の国と全く異なります。タンザニアでは人々は平気で道にごみを捨てます。私は自分の国に戻ったら、このような日本のすばらしいことを伝えていきたいです。その一方で、日本の女性は一歩引いているように感じますね。例えば、あるシンポジウムに出席した際、発表者は全て男性でした。登壇できるのは、男性だけなのでしょうか。また、同僚に、結婚しているか、子どもはいるかと聞くと、答えは大体Noです。理由を聞くと、彼らはこう言います。「日本では、子どもが生まれたら会社を辞める人が多い。また産休を取っても復帰するのは難しい」と。これが本当なら、女性を取り巻く現状は決してよいものとはいえません。

カブァザ・ポニャディラ: 私も同じように感じます。日本では全ての女性が教育を受けられますが、仕事となると女性であるからという理由で壁があるように感じます。私には子どもがいますが、マラウィにいた時、家族と仕事のバランスを取ることができました。日本の女性にも、そのバランスを保てるような環境が整えられるといいと思います。

ラティ・ステラ・トゥムワ: 私も日本の女性は子どもを持つと仕事を辞めなければならないということに驚きました。アフリカでは何人子どもがいても、家族と仕事を両立する場合が多いです。日本でも女性を支援する仕組みができればいいのではないでしょうか。

進む女性のエンパワーメント
「現在、アフリカには2人の女性大統領がいます。また、2011年にはリベリア共和国から2人のノーベル平和賞受賞者が誕生しました。アフリカでは女性のエンパワーメントが進んでいるのでしょうか。女性の状況は変化していると感じますか。」

ムコマ: 家庭と仕事を両立しなければならないという事実はありますが、専門職に就く女性が増えてきているなど、その状況は変化しています。政治的改革が行われる以前は、女性があらゆる場面で高い地位につくことはなく、国会における女性議員の割合もわずかでした。女性の大統領がいるということは現状を反映しています。

マカティアニ・ジャクリン・クボチ: アフリカでの女性のエンパワーメントは進んでいると言えます。例えば教育分野においてです。これまで女性は家で過ごし、家事をするだけでした。しかし現在は、女の子であっても学校に通い、教育を受けられる環境にいます。

カブァザ: より多くの女性がビジネスに参加する機会が増えているのは事実でしょう。かつて男性がしてきた仕事を、今では女性も行うようになりました。女性の役割ははっきりと変わりつつあり、その重要性も高まっています。これはマラウィでも同じことがいえますし、将来もこの傾向は続くと確信しています。

求められる教育支援
「これまで日本は、アフリカの発展のため様々な形で支援を続けてきました。今後はどのような分野で連携を深めていけると思いますか。また、日本に期待することは何ですか。」

カブァザ: アフリカは今日も財政的苦難の立場にあり、政治の腐敗や民主化の不十分さなどの問題があります。しかし、アフリカは将来への可能性を秘めた場所であると私は信じています。私は日本に若者への教育分野での支援を期待します。彼らは時代の流れの中心にいます。彼らを援助することは将来の利益となります。

ラティ: 私も教育分野での支援を期待します。教育は女性のエンパワーメントにとって必要であり、私たちが抱える課題の解決にも寄与するでしょう。なぜならそれらの課題は、人々が十分な教育を受けられないことが原因となっているからです。

今後の夢・展望
「将来へ向けてどのようなビジョンを持っていますか。日本での留学を終え自国へ戻った時、どのような役割を担いたいと思いますか。」

ムコマ: 私は大学の教師をしていたので、これからも教師として生徒たちをよき方向へ導きたいと考えています。教師の役割のひとつは、教育を通して国を発展に導くことなので、将来の国の担い手である若者の人材教育や能力開発の分野に貢献したいと考えています。また地球温暖化に興味を持っており、環境に関するコンサルタントをしたいと思っています。環境問題を扱う女性としての役割も果たしていきたいです。

マカティアニ: 大学で働きたいと考えています。これは、自分の研究を進めたいという思いと、ケニアを平和に導きたいという思いがあるからです。女性が科学を専攻することはあまりありませんので、もし躊躇している女性がいれば、彼女たちの見本にもなりたいです。

教育の重要性
アフリカでの女性の役割の変化、そして未来へ向けて掲げるビジョンを熱く語っていただいた4名の方々。「国際女性の日」に向けた世界の女性へのメッセージをうかがうと、みなさん揃って「教育の重要性」を訴えました。

マカティアニ:あなたが一生懸命勉強を頑張っても、目標を達成するまで時間がかかるかもしれません。しかし、挑戦し続けてください。今日私たち女性が直面している問題を解決するためには、私たちが進み続けなければならないのです。

ラティ:教育は女性のエンパワーメント、そして国の発展のための最善の方法です。私たちはよりよい世界にするためのチャンスを見逃してはいけません。教育はあなたのためになり、そしてそれが世界のためにもなるのです。

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日本女性に対して抱く印象を語るムコマ・ラヘル・ナソニさん(前列中央)
インターネット電話サービスを使い、インタビューを行うUNIC Tokyoインターン
「教育分野において女性のエンパワーメントが進んでいる」マカティアニ・ジャクリン・クボチさん 
日本へ教育支援を求めるカブァザ・ポニャディラさん 
「教育はあなたのためになり、そしてそれが世界のためにもなるのです」と語るラティ・ステラ・トゥムワさん(左から2番目)