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UNEP、東アジアでの酸性雨対策に助力

2000年10月30日

バンコク発、20001027 _ 東アジアの森林と建物を酸性雨による破壊から守るための努力はきのう、国連環境計画(UNEP)が支援する「酸性物質堆積監視ネットワーク」の結成によって強化された。

「東アジア酸性物質堆積監視ネットワーク(EANET)」の第2回政府間会合は今週(1026日)、新潟で閉幕した。参加した10カ国は、酸性物質堆積問題に関する情報の監視と共有を助ける計画と制度的機構に合意した。

UNEPのクラウス・テプファー事務局長は、監視・報告方法の実施可能性とネットワークの運営に重点を置いた準備段階を経て、EANETを発足させる決定が下されたこと、および、UNEPがその事務局に指定されたことを歓迎した。

「これまで、監視方法と分析技術が地域内各国で大きく異なっていたため、入手できるデータを用いて東アジアにおける酸性物質堆積の状況を把握することは困難であった。」

「私達は今、この問題について共通の理解を育み、地方、国内および地域レベルで意思決定者がこの問題に取り組む手助けができるはずだ」と同氏は語る。

東アジア地域は、急速な経済成長とエネルギー需要の増大の結果、酸性物質の堆積による深刻な環境問題に直面している。

UNEPの『2000年地球環境見通し』報告書によれば、石炭の燃焼によってアジア地域で生じる二酸化硫黄の排出量は、現在のパターンが続けば、今後12年間に3倍に増大しかねない。アジアの排出量はすでに、抑制措置が施行されるまで酸性雨に悩まされていた欧米を合計したレベルを超えている。

二酸化硫黄(SOx)と窒素酸化物(NOx)は、化石燃料の燃焼によって大気中に排出される。これらは複雑な化学反応を経て硫酸および硝酸となった後、湿式(雨、雪および霧)・乾式(ガスおよびエーロゾル)双方のプロセスによって大気中から地表に放出される。これによって発生する酸性物質の堆積は植物の葉、土壌、地表水および建物に深刻な被害を与える。

酸性化物質の堆積は、最初の排出源から数千キロも離れた場所で起こり得る。ヨーロッパでは1979年、「長距離越境大気汚染条約」に署名が行われたこともあって、10年間でSOxの排出量が半減しており、UNEPはアジアでもこのアプローチの醸成を図っている。

テプファー氏によれば、UNEPはまた、代替エネルギー開発戦略の大気汚染と酸性雨に対する意味合いの研究にも貢献している。Rains(地域大気汚染情報およびシミュレーション)と呼ばれるモデルは、今後の排出動向を分析し、酸性物質の堆積レベルの各地域に対する影響を推計するとともに、影響緩和策の費用と効果の評価にも貢献している。

「良質の科学的情報を入手し、これを用いてシナリオを作成することは、意思決定者がアジアにおける持続可能な開発に向けた方途を策定するのを助ける上で、強力な道具だ」とテプファー氏は語る。

EANETには現在、中国、インドネシア、日本、マレーシア、モンゴル、フィリピン、韓国、ロシア連邦、タイおよびベトナムが加盟している。

以上

詳しくは以下にお問い合わせください。

Tim Higham

Regional Information Officer

UNEP/ROAP, Bangkok, Thailand

電話:662-288-2127

電子メール:higham.unescap@un.org