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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第85号】3/11付資料

2015年03月13日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第85号/2015311

UNRWA事務局長、シリアのパレスチナ難民を訪問

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のピエール・クレヘンビュール事務局長は、パレスチナ難民やUNRWA職員との連帯を示し、人道アクセスの拡大を訴えるため、39日から11日にかけてシリアを訪問しました。UNRWA事務局長は政府担当者との会談で、シリア全土のパレスチナ難民に対する人道援助提供にシリア当局が便宜を図っていることを認め、UNRWAの活動に対する支援を増大、持続するよう要請しました。事務局長は、一層の取り組みが必要であることを指摘するとともに、特にヤルムークでは、安全で中断のない、実質的な人道援助の配給を当然に行えるようにせねばならないことを強調しました。ヤルムークを訪問した事務局長は、シリア当局の支援で設置された新たな配給地点を通じ、UNRWAが3月4日以来、取り残された民間人に対する人道援助を再開していることを歓迎しました。それまでは、2014年12月上旬から2015年3月上旬にかけて、3カ月以上も人道援助の中断が続き、ヤルムークの住民の間で欠乏と栄養不良が広がっていることが報告されていました。

-クレヘンビュール事務局長のシリア訪問について、詳しくは以下をご覧ください。

http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/visit-unrwa-commissioner-general-syria

 

◆国連の支援による報告書、シリア紛争で社会経済に壊滅的な影響が及んでいることを指摘

国連開発計画(UNDP)とUNRWAの支援を受け、シリア政策調査センターが作成した報告書によると、シリアでは4年にわたる武力紛争で、人間開発と経済開発が劇的な後退を強いられています。『Syria: Alienation and Violence, Impact of the Syria Crisis Report(シリア:疎外と暴力、シリア危機影響報告書)』と題するこの報告書は、人口の15%が流出した結果、シリアの人文地理が一変したと述べています。シリア国民全体が直面する悲劇的な状況も詳しく取り上げており、中でも46万人のパレスチナ難民は、最低限の生活必需品をUNRWAからの人道援助にすべて依存せねばならなくなっています。報告書はまた、紛争の勃発以来、シリア経済に2,026億ドルの損失が生じたことも明らかにしています。この経済縮小の結果、シリアの失業率は58%にも上り、ほぼ300万人が仕事を失うことで、1,200万人を超える扶養家族の生計を維持できなくなりました。現在、シリア人の5人に4人が国内貧困ライン未満で暮らしているものと見られており、国民のほぼ3分の2が、極度の貧困の中で、基本的ニーズの充足に苦心しつつ、かろうじて生き延びています。

-報告書は以下をご覧ください。

http://www.unrwa.org/sites/default/files/alienation_and_violence_impact_of_the_syria_crisis_in_2014_eng.pdf

 

WHO、シリア保健当局に移動診療所30台を供与

世界保健機関(WHO)は310、シリア国民に対する紛争の影響を軽減するため、移動診療所30台を供与したことを明らかにしました。エリザベス・ホフWHOシリア常駐代表はダマスカスでの引き渡し式で、この移動診療所が、WHOのシリア保健当局に対する戦略的支援の一環として、すべてのシリア人、特に立入困難な地域に暮らす人々が医療サービスを受けられるようにすることを目的に供与されたと述べました。代表は、目下の危機がシリアの保健部門にますます大きな影響を及ぼしていることを指摘し、WHOが今後も、保健制度全体を強化するための専門的なノウハウと医薬品の提供や、各種負傷者の治療援助により、保健当局への支援を続けてゆく意思を表明しています。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.emro.who.int/syr/syria-news/who-boosts-health-services-in-syria-with-30-mobile-clinics.html

 

◆安全保障理事会、シリアでの化学兵器使用を非難

安全保障理事会36、シリアで塩素をはじめとする有毒化学物質が兵器として用いられていることを強く非難する決議を採択しました。理事国は、化学兵器の使用が国際法の重大な違反に当たることを再確認し、化学兵器使用の首謀者個人の責任が問われなければならないことを強調しつつ、化学兵器禁止機関(OPCW)事実調査団が高い確度を持って結論づけたとおり、シリアで有毒化学物質が使用されていることにつき、深い懸念を表明しました。安保理はこの決議で、シリアのいかなる当事者も、化学兵器を使用、開発、生産、調達、備蓄、維持または移転すべきでないことを改めて強調しました。また、決議2118(2013)で下された決定を想起するとともに、この関連で今後、決議2118の違反があった場合、国連憲章第7章に基づく措置を講じることも決定しました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50266

-安保理決議2209(2015)は以下をご覧ください。

http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/RES/2209%20(2015)

 

WFP、トルコのシリア難民への援助縮小へ

国連世界食糧計画(WFP)は36、深刻な資金不足により、電子引換券システムを通じたトルコのシリア難民に対する援助を縮小せざるを得なくなったことを明らかにしました。エリザベス・バースWFP報道官はジュネーブで記者団に対し、2015年1月の時点で、WFPはトルコ全土のキャンプ20カ所で暮らす難民22万人に援助を提供できていたものの、先月には、9カ所のキャンプからの撤退を余儀なくされ、援助対象の難民を15万4,000人に絞らざるを得なくなったと語りました。

WFPは毎月、シリア難民支援に900万ドルを必要としていますが、拠出される資金は2015年全体で7,100万ドル不足するものと見られています。トルコはシリア難民の最大の受入国となっており、全国20カ所のキャンプには、およそ170万人が収容されています。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpBriefingsLatest_en)/40B6A8ECC76C3769C1257E00004017A8?OpenDocument

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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安全保障理事会は3月6日、シリアで塩素をはじめとする有毒化学物質が兵器として用いられていることを強く非難する決議を採択した©UN Photo/Loey Felipe
世界保健機関(WHO)は3月10日、シリア国民に対する紛争の影響を軽減するため、移動診療所30台を供与したことを明らかにした。写真はダマスカスで行われた引き渡し式の模様© Photo/WHO
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