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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第63号】10/8付資料

2014年10月11日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

 国連広報局(DPI)第63号/20141010

 

◆事務総長と特使、コバニの民間人保護に向けた国際的対応を要求

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長107、シリア北部の町アインアルアラブ(クルド名コバニ)で「イスラム国」の攻撃が続いていることで、多数の避難民が発生し、一部はトルコにも流入している事態につき、深い憂慮の念を表明しました。「テロ集団は、シリアとイラクの支配地域で残虐なキャンペーンを展開し、目に余る広範な人権侵害を働いています」。事務総長は声明の中で、このように付け加えています。事務総長は、コバニの民間人を保護できる手段を有する者に対し、直ちにそのための行動を起こすよう強く促しました。

ステファン・デ・ミストゥーラ特使も同日、ビデオ・メッセージの中で、国際社会に対し、コバニの人々を守り、人道的悲劇を回避するため、直ちに対策を講じるよう呼びかけました。「民間人はイスラム国のタンクや迫撃砲に、通常の武器で立ち向かっています。国際社会はこれらの人々を守る必要があります。国際社会は、もうひとつの町が「イスラム国」の手に落ちることを容認できません。直ちに行動が必要です」。特使はこのように述べました。

-事務総長の声明は以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=8084

-デ・ミストゥーラ特使の声明は以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=3668

-特使のビデオ・メッセージは以下をご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=uN6b7R21AVU&feature=youtu.be

 

OHCHR、「イスラム国」による爆撃の激化に懸念を表明

人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、「イスラム国」がコバニへの進撃を続ける中で、国境地帯に逃れる人々が約1万人に達しています。OHCHRは107、コバニが「イスラム国」による無差別的な爆撃や迫撃砲攻撃を受けていることを報告するとともに、トルコに入国できていない民間人の安全に関し、深い懸念を表明しました。ジュネーブで記者会見に臨んだOHCHRの報道官は、記者団に対し、コバニの一部では市街戦も起きていることを明らかにしました。また、「イスラム国」が、イラクとシリアで捕らえた戦闘員に残虐行為を働いていることから、OHCHRは、捕虜が出た場合の結末についても、大きな懸念を抱いています。

-OHCHR報道官による記者会見の詳細は以下をご覧ください。

http://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpBriefingsLatest_en)/29DCD1FBBFEC5252C1257D6A0032F0E1?OpenDocument

 

UNICEF、クルド人の子ども70人の解放を歓迎

国連児童基金(UNICEF)は103、4カ月にわたって拘束されていたクルド人の子ども70人の解放を歓迎しました。子どもたちは今年5月29日、卒業試験を受けるために、シリア北部のアインアルアラブの自宅からアレッポ県に向かう途中で拉致されました。

「子どもの拉致、徴用、そして戦闘行為での利用は、子どもの権利の重大な侵害にあたります。紛争が続く現状において、シリアの子どもたちを危険から守り、教育への支障のない安全なアクセスを確保することは、すべての当事者の義務となっています」。UNICEFは記者声明でこのように強調しました。

-UNICEFの発表した声明は以下をご覧ください。

http://www.unicef.org/media/media_76131.html

 

UNRWA:ヤルムークのパレスチナ難民が水不足に直面

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は108、ヤルムークへの水道本管が9月上旬以来、通水していないことを明らかにしました。その結果、1万8,000人の住民は、いずれも安全性を欠き、しかも不十分な地下水とわずか1カ所の井戸に頼らなければならない状態が続いています。UNRWA報道官によると、同機関は関係当局との連携により、この問題に取り組んでいますが、現在までのところ、ヤルムークで給水を行う許可も、給水管の補修を行う許可も得られていません。同機関はまた、援助物資の配給が週3回に制限されていることを受け、難民キャンプ内の人道状況の悪化についても、懸念を表しました。UNRWAはこれらの問題に取り組むため、即座かつ持続的な人道アクセスを改めて求めています。

-UNRWA報道官による報告の詳細は以下をご覧ください。

http://www.unrwa.org/crisis-in-yarmouk

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

化学兵器禁止機関・国連合同査察団(OPCW-UN):

http://opcw.unmissions.org

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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シリア北部の町アインアルアラブ(クルド名コバニ)で「イスラム国」の攻撃が続いていることにより、多数の避難民が発生。一部はトルコに流入している©UNHCR/I.Prickett
潘事務総長とデ・ミストゥーラ特使【写真】は国際社会に対し、コバニの人々を守り、人道的悲劇を回避するため、直ちに対策を講じるよう呼びかけた©UN Photo/ Jean-Marc Ferré