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国連総会決議
2005年は「スポーツと体育の国際年」

プレスリリース 04/077-J 2004年09月01日

 国連は来たる2005年を「スポーツと体育の国際年(International Year of Sport and Physical Education)」とすることを決定しています。教育、健康、開発および平和を促進する上でスポーツと体育が果たす重要な役割について、国際社会の理解を高めることが目的です。
 以下は、同国際年の決定にあたって採択された国連総会の決議です。


第58会期
A/RES/58/5
検討項目23(b)
配布:一般

2003年11月17日

総会によって採択された決議
[主要委員会への付託なし(A/58/L.2and Add.1)]
58/5. 教育、健康、開発および平和を促進する手段としてのスポーツ

 国連総会は、

 その議題に「平和と開発のためのスポーツ」と題する検討項目と、その一要素として「スポーツと体育の国際年」と題する細目を含めるとの決定 を想起し、

 教育、健康、開発および平和を促進する手段としてのスポーツと体育の役割を考慮し、

 国連、その基金および計画、ならびに、国連教育科学文化機関(UNESCO)およびその他の専門機関が、その国別プログラムを通じ、スポーツと体育による人間開発の促進に果たす重要な役割を認識し、

 2003年1月9日から10日にかけてパリで開催されたスポーツ・体育担当閣僚懇談会で出されたコミュニケでは、体育とスポーツの役割が十分に認識、促進されるようにするとの公約が表明されていることに留意し、

 児童の権利に関する条約2、および、「子どもたちにふさわしい世界」と題する国連子ども特別総会の成果文書3で、教育は子どもの個性、才能および精神的・身体的能力を最大限に発揮させることを目指すものとすることが強調されていることを想起し、

 また、国連教育科学文化機関の体育・スポーツに関する国際憲章4、および、2000年4月の世界教育フォーラムで採択されたダカール行動枠組み5、ならびに、スポーツと体育の役割を強調するその他関連文書も想起し、

 開発と平和のためのスポーツに関する国連機関間タスクフォースの報告書に留意し、

 スポーツと体育は、健康と身体発育だけでなく、社会的一体性と文化間の対話に必要な価値観の習得にとっても重要な手段であるにもかかわらず、多くの国々の教育制度で片隅に追いやられつつあることに留意し、

 とりわけ子どもの労働、暴力、ドーピング、早期の専門化、過剰なトレーニング、搾取的な形態をとる商品化など、スポーツに携わる男女、特に若いスポーツ選手が直面する危険、ならびに、家族との時期尚早な別離、スポーツ、社会および文化面での絆の喪失といった、より目に見えにくい脅威や損失を憂慮し、

 国際レベルで、より効果的なドーピング対策を促進する取り組みをさらに調整する必要性を認識するとともに、これに関連して、欧州理事会が確立したドーピング防止条約6、2003年3月3日から5日にかけて開催されたスポーツにおけるドーピングに関する世界会議で採択された「スポーツにおけるドーピング対策に関するコペンハーゲン宣言」、および、その他の関連国際法文書に留意し、

  1. 政府、国連、その基金および計画、適切な場合には専門機関、ならびに、スポーツ関連の機関に対し、以下を呼びかける。
    1. 開発プログラムや政策を推進する際、すべての人々にとってのスポーツと体育の役割を促進し、健康に対する認識、物事を成し遂げる精神および文化とのつながりを強めるとともに、集団的な価値観を定着させること。
    2. 国連ミレニアム宣言7に含まれるものをはじめ、国際的に合意された開発目標、および、開発と平和というより幅広い目標の実現に向けて貢献する手段の一環として、スポーツと体育を位置づけること。
    3. 平和の文化、社会的平等および男女平等を促進し、対話と調和を提唱するために、スポーツと体育が連帯と協力の機会を作り出せるよう、集団的な取り組みを図ること。
    4. 経済と社会の発展に向けたスポーツと体育の貢献を認識し、スポーツ基盤の整備と復興を奨励すること。
    5. 各地でのニーズ評価に基づき、健康、教育、社会と文化の発展のための手段として、スポーツと体育をさらに促進すること。
    6. 補完性を確保し、スポーツと体育をあらゆる人々にとって身近な存在とするため、家庭、学校、クラブ/リーグ、地域社会、青少年のスポーツ団体、政策決定者、さらには一般市民や民間を含むあらゆる関係者間で、協力とパートナーシップを強化すること。
    7. 才能のある青少年が、安全と身体的・道徳的健全性への脅威を受けることなく、その運動能力を高められるようにすること。
  2. 政府、国際スポーツ団体およびスポーツ関連組織に対し、あらゆる学校レベルで行われている教育と矛盾しないパートナーシップ構想と開発プロジェクトを策定、実施し、ミレニアム開発目標の達成に貢献するよう促す。
  3. 政府および国際スポーツ団体に対し、開発途上国、特に後発開発途上国と小島嶼開発途上国が、スポーツと体育に関する能力育成について行う取り組みを支援するよう呼びかける。
  4. 国連に対し、スポーツ組織、スポーツ協会、民間を含め、幅広い利害関係者との戦略的パートナーシップを確立し、開発のためのスポーツ・プログラムの実施を支援するよう促す。
  5. 政府と国連システムに対し、特に国家、地域および地方レベルで、積極的な参加を通じて市民社会を関与させ、対象者に声が届くようにすることで、コミュニケーションと社会的流動化のためにスポーツを用いる新しい画期的な方法を模索するよう促す。
  6. すべての関係者が国際スポーツ団体と密接に協力し、「よい実践の規範」を策定する必要性を強調する。
  7. 政府に対し、あらゆるスポーツ活動について国際ドーピング防止条約の策定を加速させるよう呼びかけるとともに、国連教育科学文化機関に対し、関係するその他の国際・地域機関と協力して、このような条約策定の調整を図るよう要請する。
  8. 教育、健康、開発および平和を促進する手段として、2005年を「スポーツと体育の国際年」と宣言することを決定するとともに、政府に対し、その意欲を強調するためのイベントを開催して、スポーツ選手の支援を求めるよう呼びかける。
  9. 事務総長に対し、本決議の実施、ならびに、国家および国際レベルで2005年の国際年を祝うためのイベントの準備状況に関し、「スポーツと体育の国際年」と題する検討細目の下で第59回総会に報告を行うよう要請する。

第52回本会議
2003年11月3日


1 See Official Records of the General Assembly, Fifty-eighth Session, Plenary Meetings, 2nd meeting (A/58/PV.2) and corrigendum.
2 Resolution 44/25, annex.
3 Resolution S-27/2, annex.
4 See United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, Records of the General Conference, Twentieth Session, Paris, 24 October-28 November 1978, vol. 1: Resolutions.
5 Ibid, Final Report of the World Education Forum, Dakar, Senegal, 26-28 April 2000, Paris, 2000.
6 Council of Europe, European Treaty Series, No. 135.
7 See Resolution 55/2.