クリーンエネルギーの国際デー(1月26日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
2026年01月23日

今年の「クリーンエネルギーの国際デー」を迎える中、私たちは世界が変わってきていることを感じています。しかし、私たちはそのペースを速めなければなりません。
科学者によると、私たちは1.5°Cという温暖化抑制目標を一時的にオーバーシュートする見込みです。 私たちの責任は、化石燃料からの公正で秩序ある公平な移行を通じ、このオーバーシュートをできるだけ小幅で短期的かつ安全なものに抑えることにあります。
再生可能エネルギーは、この移行を牽引できる原動力です。また、ほとんどの場所では、最も安価な新電源でもあります。そして昨年は、風力、太陽光、その他の再生可能エネルギーによる全世界の発電量が、はじめて石炭の発電量を越えました。
再生可能エネルギーは、今なお暗闇に包まれるコミュニティをつなげ、クリーンな調理を可能にし、より良い健康や教育、機会への扉を開きます。再生可能エネルギーは新たな産業を根づかせ、ディーセント・ジョブ(働きがいのある人間らしい仕事)を創出し、エネルギー価格を低下させる一方で、国々を地政学的ショックや市場の乱高下から守ります。
ところが、再生エネルギー革命は十分な速さで進んでもいなければ、十分に進展してもいません。送電インフラは、クリーンエネルギー容量の拡大への対応に大幅に遅れを取っており、コストの高さによって、依然として多くの国が移行から完全に締め出されています。
進むべき道のりは明らかです。私たちは障壁を取り払い、コストを引き下げ、人々と産業にクリーンな電力を届けることにより、2030年までに全世界の再生エネルギー容量を3倍に増やさなければなりません ― 大規模に、スピードと連帯をもって。
規制当局は、人々と自然を守りながら、クリーンな電力を奨励し、許可を合理化する政策を採用しなければなりません。電力会社は、必要な場所にクリーンな電力を届けるために送電網や相互接続を改善、拡大、デジタル化し、再生エネルギーの成長とともに電力系統の安定を保てるよう蓄電能力を拡大しなければなりません。産業は、さらに多くの国がクリーンエネルギー・システムを製造、設置、維持できるよう、サプライチェーンを多様化しなければなりません。その中には、移行に不可欠な重要鉱物の恩恵をグローバル市場だけでなく、生産国やそのコミュニティにも行き渡るようにすることが含まれます。
金融界は特に再生エネルギーのポテンシャルが極めて大きい開発途上国に対し、資本コストを低下させねばなりません。そして多国間開発銀行は、リスクを削減し、はるかに多額の民間投資を引き出さなければなりません。
そして、最も重要なこととして、私たちはエネルギーシステムが進化を遂げる中で、労働者とコミュニティを守り、教育や工業開発、すべての人の機会を支援することで、この移行を公正なものとしなければなりません。
クリーンエネルギーの未来は手の届く所にあります。このチャンスを捉えて、世界の隅々にまで再生可能エネルギー革命を届けようではありませんか。
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