人権デー(12月10日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 25-077-J 2025年12月05日

「人権:私たちの日常に欠かせないもの」
80年近く前、世界人権宣言は、あらゆる人が生き延びて、繁栄する上で欠かせないものを定義しました。それは思想的にも政治的にも画期的な突破口となり、以来、私たちの国際社会の礎となってきています。
市民的、政治的、経済的、社会的、そして文化的権利を含む人権は、不可侵かつ不可分であり、相互に依存するものです。しかし近年、市民空間が縮小しています。深刻な権利侵害が起きており、権利に対する目に余るほどの軽視と、人々の苦しみに対する冷淡なまでの無関心が露呈しています。
私たちは共に力を合わせ、人権を現実のものにする制度を守ることで、そうした不公正に立ち向かう力を持てます。
国連は日々、世界中の人々が最も基本的な権利を実現できるよう支援しています。市民社会や各国政府と協力し、食料や避難所の提供、教育や選挙の支援、地雷の除去、環境の保護、女性のエンパワーメント、そして平和への取り組みを行っています。
しかしそれは、国連だけでは成し得ません。この活動においては、あらゆる場所のあらゆる人々が声を上げることが必要です。私たちが最も脆弱な立場に置かれた人々を守り、目を背けることを拒み、自らの権利を代弁している制度のために声を上げる時、人権を生かし続けることができるのです。
私たちの権利よりも利益や権力が優先されるようなことは、あってはなりません。すべての人々の尊厳と自由のために、私たちの権利を守るべく団結しようではありませんか。
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