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10年以上にわたり成果を上げてきたSDGs ― 世界は今こそ有効な 施策を緊急にスケールアップすべき:国連報告書が調査結果を発表(2026年7月7日付プレスリリース・日本語訳)

プレスリリース 26-037-J 2026年07月08日

Photo: UN DESA/Jennifer Kim

2030年の達成期限まで5年を切った今、
SDGsの達成を射程距離に捉えるためのラストスパートが必要

202677日、ニューヨーク発持続可能な開発目標(SDGs)は2015年の採択以来、何十億もの人々に水や電力、保健医療へのアクセスを提供するなど、幅広い成果を上げてきました。しかし、その進捗は依然としてばらつきがあり、かつ不十分です。本日発表された『持続可能な開発目標報告2026』によると、有効な施策をスケールアップするための決定的なひと押しがなければ、SDGsの達成は手の届かない場所にまで遠のいてしまいかねません。

10年間のエビデンスは、SDGsが成果を上げていることを実証

持続的な投資や健全な政策、国際協力は2015年以来、世界中で何十億もの人々の暮らしを改善し、SDGs全般にわたり目に見える利益をもたらしてきました。ほぼ10億人が安全に管理された飲み水を、そして12億人が安全に管理された衛生施設を、利用できるようになりました。2015年から2024年にかけてHIVの新規感染者は30%、エイズ関連の死者数は35%とそれぞれ減少しました。現在、電力は世界人口の92%に届いています。インターネットへのアクセス率も40%から74%へと急拡大しました。そして史上初めて、世界人口の過半数が社会保障制度の対象となっています。

こうした成果の背景には、重要かつ見落とされがちな事実が隠れています。それがデータ革命です。10年前には、SDGs指標のうち、わずか半数のデータしか入手できませんでした。現在では、320万を超えるデータ点を擁するグローバル・データベースが、ほぼあらゆる指標をカバーしているため、各国はどこで前進が加速し、どこにギャップが残り、その政策がどこで成果を上げているのかを特定できるようになっています。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は「この報告書のデータを指針とすれば、2030アジェンダで掲げた私たちのビジョンは引き続き達成可能です。持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて決定的なラストスパートをかけ、あらゆる人にとって健全で豊かな未来をともに築いていこうではありませんか」と述べています。

世界が目標を達成できていないのは、危機が積み重なり、資金不足が拡大しているため

前進こそ見られるものの、まだ大きな課題が残っています。SDGsの139あるターゲットの中で、達成のめどが立っているか、ある程度の前進が見られるものは36%にすぎません。半数近い49%のターゲットについては、進捗があまりにも遅く、2015年のベースライン水準から後退を見せているものも15%あります。

10人に1人は依然として、極度の貧困の中で暮らしています。中程度の、または深刻な食料不安を抱える人々はおよそ23億人に上ります。発育不良の子どももまだ1億5,000万人を超えています。妊産婦死亡率はSDGsターゲットのほぼ3倍に上ります。ジェンダー平等関連のターゲットの中に、達成のめどが立っているものはありません。2015年以降、気候関連災害の被災者数は2倍以上に増えました。紛争の激化や気候変動、経済成長の鈍化、債務の累積、そして政府開発援助(ODA)の記録的な減少はいずれも、目標達成をさらに困難にするとともに、世界で最も脆弱な立場に置かれている人々に不当に大きな影響を及ぼしています。

いま必要なのは、有効な施策のスケールアップ

報告書は、SDGsが引き続き、平和と豊かさ、サステナビリティを目指す世界共通の青写真であることを強調しています。10年を超える実施期間を通じて蓄積されたエビデンスは、有意義な前進が達成可能であるとはいえ、そのためには政治的なコミットメントや資金調達、イノベーション、国際協力の整合を図らねばならないことを示しています。

李軍華(リ・ジュンファ)国連経済社会問題担当事務次長は「実施期間が10年を超える中で、何が可能かもわかってきました。今こそ、2030アジェンダの約束を果たすために必要な切迫感、投資、協力とともに、有効な施策をスケールアップすべきです」と語りました。

そのためには、セビリア・コミットメントや国際金融アーキテクチャの改革を通じ、年間およそ4兆ドルに上るSDGs達成資金のギャップを埋めることが欠かせません。これに対応して、メデジン行動枠組みを通じてデータシステムを強化し、最も弱い立場にいる人々に対する優先的な投資配分も図らねばなりません。また、エネルギー移行を加速すること、人工知能(AI)をはじめとする先端技術を持続可能な開発に活用すること、分野横断的な優先課題としてジェンダー平等を前進させること、多国間協力をさらに強化することも、成功に不可欠な要素となるでしょう。

報告書によると、資金調達、協力、危機への集団的対応に関して、今後4年間にどのような選択を行うかが、今後数世代にわたって永続的な影響を及ぼすことになります。 

その他の重要な事実と数値

進捗状況

  • サハラ以南アフリカ、中東、北アフリカ、オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド以外)を除き、ほとんどの地域は2030年までに、極度の貧困をほぼ根絶できるものと見られます。
  • 2012年から2024年にかけ、5歳未満児の発育不良率は低下し、世界全体の発育不良児の総数も3,020万人減少しました。
  • 出生時の熟練医療従事者の立ち合い率は、2015年の80%から2025年には87%に上昇しており、2030年までに90%というターゲット達成のめどが立っています。
  • 2019年から2025年までに、差別的な法律を廃止し、ジェンダー平等の枠組みを確立するための法改正が99件成立しており、女性国会議員の割合も2015年の22.3%から27.4%に増えています。
  • 2020年から2024年にかけ、児童労働は2,000万件以上減少しています。
  • 2025年の世界の失業率は4.9%と過去最低水準に近い数値となりました。
  • 再生可能エネルギーによる1人当たり発電容量は2023年から2024年にかけて14%という記録的な成長を遂げ、2015年の水準の2.2倍に達しています。

課題

  • 世界全体の極度の貧困率は2026年までに10%と、2015年の水準をわずか3ポイント下回る程度にとどまる見込みであり、極度の貧困を終わらせるというターゲットには、はるかに及ばない状況です。
  • 就学できていない子どもと若者の数は2億7,300万人に達し、15歳から24歳の若者の5人に1人は就業も就学も訓練受講もしておらず、しかも若者が失業する確率は成人の4倍近くに上ります。
  • 推計で都市住民のおよそ4人に1人に相当する11.6億人が、スラムまたは非公式居住区に暮らしています。
  • 政府開発援助(ODA)は2025年、23.1%減と記録史上最大の下げ幅となり、ほぼ2015年の水準に逆戻りしました。
  • 世界全体の難民の数は2025年半ばまでに、人口10万人当たり440人に達し、10年前の水準の2倍を超えています。
  • あらゆる生物種群について、絶滅のリスクが高まっている一方で、生物多様性重要地域のうち、2025年に保護対象となっているものは平均で45%に止まっています。
  • 暴力的紛争は数十年ぶりの最高水準にまで激化しています。2025年12月の時点で、全世界の強制避難民は1億1,780万人を超え、長年にわたる開発の成果がわずか数カ月で失われました。
  • 世界の平均気温は2025年、産業革命前の水準を1.43°C上回り、大気中の二酸化炭素濃度も200万年ぶりの高水準に達しています。
  • 低・中所得国の対外債務は2024年に過去最高の8.9兆米ドルに達しました。

さらに詳しい情報については、https://unstats.un.org/sdgs/report/2026をご覧ください。

ハッシュタグ:#SDGreport #SDGs #GlobalGoals

メディアのお問い合わせ先:

Sharon Birch, UN Department of Global Communications, birchs@un.org

Helen Rosengren, UN Department of Economic and Social Affairs, rosengrenh@un.org

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原文(English)はこちらをご覧ください。