世界人口の45%が都市に居住、巨大都市の成長が続く 国連報告書が発表(2025年11月18日付 国連経済社会局プレスリリース・日本語訳)
プレスリリース 25-078-J 2025年12月09日

現在、ジャカルタ(インドネシア)がおよそ4,200万人で最多、
次いでダッカ(バングラデシュ)がおよそ4,000万人、
東京(日本)が3,300万人で続く
ニューヨーク、2025年11月18日 — 国連経済社会局(UN DESA)が本日発表した『世界都市化見通し2025年版:結果概要(World Urbanization Prospects 2025: Summary of Results)』によると、世界はますます都市化が進み、現在、世界人口82億人の45%が都市に居住しています。都市に住む人々が占める割合は1950年以降2倍以上増えています。当時の世界人口25億人に占める都市居住者の割合は20%にすぎませんでした。2050年までの見通しでは、世界の人口増加の3分の2は都市で、残り3分の1の大半は町で起こると予測されています。
人口1,000万人以上の都市圏である「巨大都市(メガシティ)」の数は、1975年の8都市から、2025年には33都市へと4倍に増加しました。この半数以上の19都市がアジアに位置しています。
現在、世界最多の人口を擁するのはジャカルタ(インドネシア)でおよそ4,200万人、次いでダッカ(バングラデシュ)がおよそ4,000万人、東京(日本)が3,300万人で続いています。上位10都市のうちアジア以外の都市は、カイロ(エジプト)のみです。巨大都市の数は2050年までに37に増加する見通しで、アディスアベバ(エチオピア)、ダルエスサラーム(タンザニア連合共和国)、ハジプール(インド)、クアラルンプール(マレーシア)などの都市が1,000万人を超える見込みです。
巨大都市が目立つ一方で、報告書は、「中小都市」に居住する人の数がより多く、より速いペースで、特にアフリカとアジアにおいて成長していると明らかにしています。分析対象の1万2,000都市のうち、96%は人口100万人未満、81%は25万人未満です。今回の新しいデータによると、世界全体の都市の総数は1975年から2025年の間に2倍以上増加しており、2050年までには1万5,000を超え、その大半の人口が25万人未満となる見込みです。
報告書はまた、都市の成長パターンが多様であることも強調しています。多くの都市が拡大し続けている一方で、人口が減少している都市もあります。注目すべきは、国の人口が増加しているにもかかわらず都市人口が減少している例や、逆に国の人口が減少している中で都市人口が増加している例もある点です。人口が減少している都市の大半は2025年時点で人口が25万人未満であり、その3分の1超が中国、17%がインドに集中しています。しかし、メキシコシティ(メキシコ)や成都(中国)など、いくつかの非常に大規模な都市でも人口減少が見られます。
人口5,000人以上で人口密度が1平方キロメートル当たり300人以上の集住地域である「町」は、ドイツ、インド、ウガンダ、米国など多様な71カ国において最も一般的な集落形態です。町は、農村地域と都市とを結ぶ重要な役割を担い、必須サービスを提供し、地域経済を支えています。
「農村地域」は、今日でも依然として62カ国で最も一般的な集落形態ですが、1975年の116カ国からは減少しています。この数は2050年までに、さらに44カ国まで減少すると予測されています。オーストリア、ブルガリア、フィンランド、ルーマニアなど一部の欧州諸国や、中央アフリカ共和国、チャド、エスワティニ、モザンビーク、ザンビアなどサハラ以南アフリカの多くの国々では、農村集落が依然として主流です。サハラ以南アフリカは農村人口が著しく増加し続けている唯一の地域であり、今後の農村人口の増加のほぼすべてをこの地域が占める見通しです。
李軍華(リ・ジュンファ)国連経済社会問題担当事務次長は、次のように述べています。「グローバルな気候変動に関するコミットメントを前進させるべく各国政府がCOP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)に集う中、国連は、あらゆる集落形態において持続可能な開発と気候レジリエンス(強靱性)を推進する上で都市化の果たす極めて重要な役割を強調します。都市化は、現代において決定的な力をもっています。都市化を包摂的かつ戦略的に管理すれば、気候行動、経済成長、社会的公正のための変革の道筋を切り開くことができます。地域間のバランスの取れた開発を実現するためには、各国は都市部と農村地域にわたって住宅、土地利用、モビリティ、公共サービスを連携させる統合的な国家政策を採用する必要があるのです」
『世界都市化見通し2025年版:結果の概要』は、持続可能で包摂的、かつレジリエントな都市の未来の形成に取り組む政策立案者、計画担当者、研究者にとって重要なエビデンス基盤を提供します。2025年版では、方法論上の大規模なイノベーションも導入されており、初めて「都市化度」も取り入れています。これは、統一された地理空間的アプローチであり、都市、町、農村地域という3つの集落カテゴリーについての予測を提供するものです。この新たなアプローチによって国際的な比較可能性が高まり、都市化の傾向についてより細部にわたって理解できるようになります。
2025年版では、地理的な対象範囲も大幅に拡大しています。「都市」の最低人口基準値が30万人から5万人に引き下げられた結果、分析対象となる都市は1万2,000超に増加しています。今回の新たなグリッドベースのアプローチにより、人口推計に加え、集落形態ごとの土地面積や建物面積に関するデータが提供され、都市開発についてより包括的な視座が得られます。
報告書の要約版や完全なデータセットなど、『世界都市化見通し2025年版』に関連するすべての資料は、population.un.orgから入手できます。
Hashtag: #WorldUrbanizationReport, #UNpopulation
メディア関係者のお問い合わせ先:
Alexandra del Castello | UN Department of Global Communications | E:alexandra.delcastello@un.org
Helen Daun Rosengren | UN Department of Economic and Social Affairs | E: rosengrenh@un.org
Karoline Schmid | UN Department of Economic and Social Affairs | E: schmidk@un.org
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