国連とメディア有志、 SNSムーブメント「何もしないともっと暑くなる」、本日スタート!(2024年8月1日付 プレスリリース)
プレスリリース 24-049-J 2024年08月01日
更なる気温上昇を食い止めるための気候行動を市民に呼びかける
本日、国連広報センターは、メディアと共同で展開している気候キャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」の一環で、SNSムーブメント「何もしないともっと暑くなる」を開始します。厳しい暑さに見舞われているこの夏に、SNS投稿によって広く市民に気候変動を食い止めるアクション(行動)を呼びかけ、その輪を広げることを目指します。
欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、昨年6月以降13カ月連続で月ごとの世界平均気温が観測史上最高を記録しています。そして、同機関によると、今年の7月21日には世界の平均気温が観測史上最も高くなりましたが、その記録は翌22日に塗り替えられました。また、国連の世界気象機関(WMO)は、2024年から2028年までの今後5年のうち少なくとも1年は世界の年間平均気温が1.5℃の上限を超える可能性が、80%あると見ています。昨夏の猛暑を上回る可能性もある今年、異常気象が安全な暮らしや私たちの健康を脅かしていることへの不安や懸念の声が世界各地で高まっており、日本においても広がっています。
これ以上の地球の平均気温の上昇を止めるためには、その原因となる気候変動を食い止めることが必要であり、政府や企業、自治体の取り組みに加えて、市民の機運を醸成し、一人ひとりの行動につなげていくことが欠かせません。危機意識はあるものの具体的に何をすればよいかわからない、という声もよく聞かれますが、そうして気候変動への対策を取り続けないと気温上昇が一層進むことは、明らかとなっています。2021年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した第1作業部会報告書『気候変動2021:自然科学的根拠』では、1850-1900年以降の約1.1°Cの上昇は人間活動による温室効果ガスの排出に起因し、温室効果ガスの排出を直ちに、急速かつ大規模に削減しない限り、温暖化を1.5°C近くに抑えるどころか、2°Cに抑えることさえ現実的でなくなることが示されました。
そこで、国連広報センターと今年で3年目となる「1.5℃の約束」キャンペーンの参加メディア・団体は、メディアによる報道や企画に加えて、国連が推奨する「個人でできる10の行動」を中心に個人に気候行動を呼びかける、SNSムーブメントを開始します。8月1日から9月30日までの2カ月間、国連広報センターとこれらのメディア・団体は、#1.5℃の約束 #何もしないともっと暑くなる #10の行動 の3つのハッシュタグをつけて、それぞれのSNSアカウントから「野菜をもっと多く食べる」「環境に配慮した製品を選ぶ」「声を上げる」といった気候行動を紹介します。そして、個人に対してもこれらのハッシュタグを使って、「個人でできる10の行動」のうち、すでにとっている行動やこの機会に始めた行動をシェアすることを呼びかけます。そうして、行動を実践していることを共有し合う好循環を生み出すことを目指します。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は7月25日に、世界各地で猛暑が甚大な被害をもたらしていることを受け、異常な暑さがもたらす多面的な影響とその対策をまとめた「異常な暑さに対する行動の要請」を発表し、緊急の呼び掛けを行いました。そこで提示された対策には、特に影響を受ける脆弱な立場の人々や労働者を守るための対応や、暑さに対するレジリエンス(強靭性)を高めるための施策とともに、地球の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるための気候行動の実践も含まれています。
今回の要請にあたり、グテーレス事務総長は次のように述べました。「私たちは、これ(異常な暑さ)を引き起こしているものが何なのか、知っています。化石燃料の使用によって人間がもたらした気候変動です。そして、私たちはこの事態が悪化することも知っています。異常な暑さは新たなアブノーマル(非常態)です。しかし良い知らせは、私たちには解決策があるということです。そして、命を守り、異常な暑さの影響を限定的にできるということです」
SNSムーブメントを展開するにあたり、SNSムーブメントのタイトル、共通ハッシュタグ、「10の行動」全体の紹介画像(1点)と個別の紹介画像(10点)を、本キャンペーンの始動当初からサポートしている、国連グローバル・コンパクト署名企業である株式会社博報堂DYホールディングスのクリエイティブボランティア制度を通じた協力を得て制作しました。
1.5℃の約束キャンペーンとは
「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」キャンペーンは、国連とメディア・団体とのグローバルな連携の枠組みである「SDGメディア・コンパクト」に加盟するメディア・団体の有志が、国レベルで共同キャンペーンを展開する世界で初めてのキャンペーンです。3年目となるキャンペーンに参加を表明したメディア・団体数は165社(7月18日現在)と、これまでで最も多くなっています。
「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」関連コンテンツ、参加メディア一覧の詳細はこちら
https://www.unic.or.jp/news_press/info/49660/
「個人でできる10の行動」とは
世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えるためには、2030年までに2010年比で二酸化炭素排出量を45%、2050年ごろに正味ゼロにまで削減し、メタンなどその他の温室効果ガスの排出も大幅に減らす必要があります。低炭素社会に移行するには、市民の参加、とりわけ先進国に暮らす人々の参加が不可欠です。個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかける国連のキャンペーン「ActNow」が提示する「個人でできる10の行動」は、家庭での節電や長距離の移動手段の変更、環境に配慮した製品の購入、そして声を上げることなど、個人レベルから行うことのできる、環境に負荷を与えにくい選択を、イラストを交えてわかりやすく紹介しています。
ActNow「個人でできる10の行動」リーフレットはこちらから
https://www.unic.or.jp/files/actnow.pdf
ActNowとは
ActNowは、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかけることを目的に2018年に始動した、国連のキャンペーンです。このキャンペーンは、気候変動に対する認識と野心を高め、対策を強化するとともに、パリ協定の履行を加速するための国連による協調的取り組みに欠かせない要素です。ActNowの対象は現在、気候アクションのみならず持続可能な開発目標(SDGs)のすべての目標に広がり、気候変動対策を含むより健康な地球、より良い経済、公正な社会、協力しあう世界のために個人が行動をとるきっかけを提供します。
ActNowの詳細(英語)はこちらから
SDGメディア・コンパクトとは
2018年9月、アントニオ・グテーレス国連事務総長が31社の創設メンバーとともに立ち上げた「SDGメディア・コンパクト」は、世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促すことを目的としています。現在、アフリカ、アジア、米州、オーストラリア、欧州、中東から402のメディア・団体(7月18日時点)がSDGメディア・コンパクトに加わっています。事実やヒューマンストーリー、ソリューション(解決策)を発信することにより、同コンパクトはSDGsに関するアドボカシーと行動、説明責任の強力な原動力となっています。
SDGメディア・コンパクト の詳細はこちらから
国連広報センターの詳細はこちらから
博報堂DYホールディングスのクリエイティブボランティア制度について
本キャンペーンは、キャンペーンの立ち上げ時から、国連グローバル・コンパクト署名企業である株式会社博報堂 DYホールディングスのクリエイティブボランティア制度を通じた支援を受けて展開しています。キャンペーンタイトルやスローガン、ステートメント(決意表明文)やロゴは SDGメディア・コンパクトの日本の加盟メディア・団体からの意見も踏まえ、同社のクリエイティブボランティア制度に参加しているコピーライターやデザイナーなどのアイデアを基に制作され、インパクト調査も実施しました。
博報堂DYホールディングスのクリエイティブボランティア制度を通じて本キャンペーンにご協力いただいたスタッフの方々は以下のとおりです。(敬称略)
プロデューサー:真坂博(博報堂DYホールディングス)
プロデューサー:齋藤真鈴(博報堂DYホールディングス)
クリエイティブディレクター/コピーライター:井口雄大(博報堂)
アートディレクター:細川剛(博報堂)
デザイナー:中山沙織(博報堂)
デザイナー:清水七海(博報堂プロダクツ)
アクティベーションプランナー:小川暁彦(博報堂)
PR:牧志穂(博報堂)
PR:緑川恵(博報堂)
リサーチ:中平充(博報堂)
リサーチ:白崎里奈(博報堂)
映像プロデューサー:尾嶋雄二(博報堂プロダクツ)
映像演出:芝崎雄介(博報堂プロダクツ)
アソシエイトプロデューサー:後藤諒太(博報堂プロダクツ)
アソシエイトプロデューサー:鈴木佑京(博報堂プロダクツ)
本件に関するお問い合わせ:
国連広報センター sdgs-unic-tokyo@un.org
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