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世界の指導者たちが社会開発の取り組み強化に向けてドーハ宣言を採択(UN News 記事・日本語訳)

2025年11月27日

貧困、気候変動、紛争の余波など、複数の危機に直面するアフガニスタンで暮らす幼い少女たち© UNAMA/Aashiqullah Mandozai

執筆者:ヴィブフ・ミシュラ(ドーハ)

2025114日 — 地政学的緊張の高まりと社会的分断の拡大を背景に、世界の指導者たちは本日、2回世界社会開発サミットにおいて「ドーハ政治宣言」を採択し、世界中で正義と包摂を前進させるという決意を新たにしました。

 

この宣言の採択は、貧困に対処し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を創出し、差別と闘い、社会的保護へのアクセスを拡大させ、人権の保護に取り組むという各国政府による共通の誓約を示すものです。

それはまた、社会開発が道徳的責務であるだけでなく、平和、安定、持続可能な成長の前提条件であることも強調しています。

サミットでは、40名超の各国首脳、170名超の閣僚、国際機関の長、若者の代表者、市民社会の活動家、専門家など1万4,000人を超えるステークホルダーたちが一堂に会しました。

ドーハのカタール国立コンベンションセンターでは、参加者たちが、会議室と、学生、活動家、コミュニティーの指導者たちで賑わう活気あふれる交流スペースとを行き来しました。その様子は、社会開発が政府だけが担うものではないことを印象づける光景でした。

第2回世界社会開発サミットの交流スペースの1つで対話する参加者たち©UN DESA

ドーハ政治宣言

採択の場となった都市の名を冠した「ドーハ政治宣言」は、1995年のコペンハーゲン宣言および2030アジェンダに対する指導者たちのコミットメントを新たにするものです。この宣言は、貧困の撲滅、すべての人々のための完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワーク、社会的包摂という相互に補強し合う3つの柱を社会開発の基盤としています。

宣言は、社会正義を平和、安全保障、人権と結びつけ、誰一人取り残さないことを誓っています。さらに、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)とパリ協定に基づいた速やかな気候行動を促し、共通だが差異ある責任を含むリオ宣言の原則を再確認しています。

資金調達はこの宣言の最優先課題に位置付けられています。宣言では、「アディスアベバ行動目標」が2030アジェンダの不可欠な要素であることを再確認し、資金調達枠組みの刷新に向けた「セビリア・コミットメント」を歓迎するとともに、より強力で代表性の高い多国間制度の構築を呼びかけています。

フォローアップは社会開発委員会が主導し、進捗状況の評価とギャップの解消のために5年ごとに見直しが行われます。

最後まで尽力し、誰一人取り残さない

宣言の採択後に挨拶したアンナレーナ・ベアボック国連総会議長は、誰一人取り残さないよう、ドーハでの会議は「ラスト・マイルまで尽力」しなければならないと強調しました。

コペンハーゲンでの第1回サミットからの進展を振り返りながら、失業率が世界的に低下し、極度の貧困も減少したものの、特に女性や若者たちにとって依然として格差が顕著であると指摘しました。

ベアボック議長は、経済成長だけでは構造的な不平等を克服するには不十分であることが証明されていると警告し、気候変動、人口圧力、紛争が社会的な脆弱性を高めていると強調しました。

議長は、貧困、飢餓、教育、健康、気候レジリエンス(強靭性)、ジェンダー平等といった課題を同時に対処する包括的かつ相互に関連した解決策を呼びかけ、持続可能な開発目標SDGs)が「17の個別の目標ではなく、ある分野での進展が他の分野での前進を加速させる統合的な枠組み」であることを強調しました。

「これらは各々独立した議題ではありません。人間の安全保障こそがグローバルな安全保障の基盤になっていることをそのすべてが強調しています」議長はこのように述べました。

第2回世界社会開発サミットの参加者たち©UN DESA

開発を後押しするブースター

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、SDGsの進捗があまりにも遅く、いくつかの目標が停滞または後退していると警告しています。

「ドーハ政治宣言は開発を後押しするブースターです」事務総長はこのように述べ、同宣言を、普遍的な社会的保護の拡大、医療保健・教育への公平なアクセスの確保、ディーセント・ワークの創出、そしてデジタル格差の解消に焦点を当てた「人々のための計画」と呼びました。

グテーレス事務総長はまた、とりわけ債務危機に直面している開発途上国のために開発資金や気候変動対策資金への公平なアクセスを確保する上で、国際金融アーキテクチャの改革が急務であることも強調しました。

事務総長は最後に、このサミットが「一致団結した行動を通じた希望」のための会合であり、コペンハーゲンでなされた最初の約束を実現するという政治的・財政的意志を動員するためのものであることを明確に示しました。

「ドーハ政治宣言を導きとして、人類が必要とし、またそれに値する大胆な『人々のための計画』を実現させようではありませんか」事務総長はこのように述べました。

現地発のUN News

UN Newsは現地ドーハから、サミットの最新情報、インタビュー、分析などを一週間にわたり継続的に報道しています。こちらをご覧ください。

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原文(English)はこちらをご覧ください。