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国連海洋会議(2025年6月9-13日、フランス ニース) 関連資料:事実と数字

プレスリリース 25-033-J 2025年05月29日

海洋は…

  • 海洋は、地球上の生命にとって根源的なものです。海洋は地球の表面積の4分の3を占め、地球の水の97%を蓄え、体積で地球上の生息空間の99%を占めています。
  • 海洋には100万種の既知の生物種が生息しており、未知の科学的発見の大きな可能性も秘めています。
  • 海洋は、食料、医薬品、バイオ燃料などの重要な天然資源を供給しているだけでなく、世界各地の文化や経済の重要な柱でもあります。
  • 海洋は、環境的・経済的・社会的・文化的な恩恵をもたらしており、すべての持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための同志でもあります。

事実と数字

  • 海洋は、私たちが必要とする酸素の50%を供給し、人間の活動を守り、可能にしています。
  • 海洋は、炭素吸収源として機能しています。二酸化炭素総排出量の30%と、そうした過剰排出によって発生した熱の90%を吸収しています。
  • 漁業、水産養殖、海運、沿岸観光、洋上風力エネルギー、海洋バイオテクノロジーなど1億5,000万人分を超える雇用が、海洋に由来する製品およびサービスの適正な管理や持続可能な生産、輸出入、消費に依存しています。
  • マングローブなどの海洋生息地は、地球上で最も炭素含有量の多い生態系の一つであり、そのバイオマスと下層の土壌には、1ヘクタールあたり平均1,000トンの炭素が蓄積されています。
  • 海洋とその生物多様性は、私たちが摂取する動物性たんぱく質の15%を世界のコミュニティーに供給しています。後発開発途上国では、海産物は人口の50%超にとって主要なたんぱく源となっています。

海洋は危機に瀕している

  • 科学は明白であり、海洋は深刻な危機に陥っています。富栄養化、酸性化の進行、魚類資源の減少、海水温の上昇、広範囲に及ぶ汚染といった重大な課題に直面しています。これらの要因はいずれも、生息地の破壊や生物多様性の減少につながっています。
  • 海洋生態系と沿岸コミュニティーは、30億人を超える人々にとって不可欠なものですが、その健全性が重大な脅威にさらされています。
  • プラスチック汚染は、海洋生態系だけでなく、人間の健康にとっても喫緊の課題であり続けています。

事実と数字

  • 海水温の上昇は、サンゴ礁について新たな懸念をもたらしています。サンゴ礁は、海洋生物種の4分の1を支え、年間数兆ドルの収入を生み出し、沿岸コミュニティーに暮らす数億人に重要な資源を供給しています。
  • 2024年4月時点で、海面水温は13カ月連続で観測史上最高に達しています。
  • 世界の漁業資源の持続可能性は、乱獲、汚染、ずさんな管理などの要因によって、1974年の0%から、2019年には64.6%、さらに2021年には62.3%にまで減少しています。
  • 毎年、500万トン~1,200万トンのプラスチックが海洋に流入していると推計されていますが、この量は2040年までに2倍~3倍に増加する見通しです。
  • 世界の海洋生態系の推計60%が、劣化しているか持続不可能な形で利用されており、海洋生物種の50%超が2100年までに絶滅する脅威にさらされています。

私たちの海を守る(#SaveOurOcean)ための解決策

  • 海洋の健全性は、私たち一人ひとりにかかっています。世界的な取り組みが進められている一方、海洋に影響を及ぼす懸念事項の増大に対処すべく、すべてのステークホルダーによるコミットメントや連携の強化が緊急に求められています。
  • SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」は、17の目標の中で最も資金が不足している目標の一つです。
  • 2025年の国連海洋会議は、現在のコミットメントを強化するとともに、海洋の保全と持続可能な形での利用に必要な一致団結した行動を再活性化させる重要な機会となるでしょう。

事実と数字

  • 2022年12月の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」では、生物多様性にとって特に重要な地域を守るための保護区域を設け、2030年までに海洋の計30%を対象とすることが約束されました。
  • 2023年6月に採択された「海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(国連公海等生物多様性協定、BBNJ協定)」は、海洋生態系の健全性とレジリエンス(強靱性)を確保する取り組みにおいて、歴史的な成果となりました。
  • 2024年5月時点で、1万8,200カ所の海洋保護区域が指定され、199件の区域保全措置が講じられており、これらは海洋の12%超を対象としています。
  • 世界で捕獲される魚の5分の1は、違法・無報告・無規制(IUU)漁業に由来すると推計されています。「違法漁業防止寄港国措置協定(PSMA)」は、IUU漁業を対象とした初の拘束力のある国際協定です。2024年7月時点で、同協定の締約国は欧州連合を含めた80の国・地域であり、実質的には101カ国、寄港国の60%が対象となっています。
  • 2022年6月に採択された「WTO漁業補助金協定」は、海洋の持続可能性に向けた重要な一歩です。有害な漁業補助金は、乱獲や違法な漁業を助長することから、持続可能な開発にとって深刻な課題となり得ます。この協定は、そうした有害な慣行を抑制し、漁業の持続可能性を向上させることを目的としています。2025年4月時点で、69の加盟国が漁業補助金協定の受諾書を提出しています。

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原文(English)はこちらをご覧ください。