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第4回世界女性会議25周年記念ハイレベル会合でのアントニオ・グテーレス国連事務総長挨拶(2020年10月1日)

プレスリリース 20-078-J 2020年10月14日

©UN Photo/Eskinder Debebe

議長、各国代表の皆様、閣僚の皆様、友人の皆様、

こんにちは、そしてこんばんは。

第4回世界女性会議25周年を記念し、皆様にご挨拶できることを嬉しく思います。

北京会議は、一つの転機、一つの節目、一つの曲がり角となりました。

私たちの多くにとって、それは深い内省の時でもありました。

北京会議の野心的なビジョンと変革のアジェンダは何よりも、女性の権利が全世界の平等と正義の核心をなすことを明確にすると同時に、女性の権利が至る所で拒絶され、侵害され、無視されていることを明示しました。

それは一つの警報でもあったのです。

それ以来、私たちはいくつか重要な前進を遂げました。妊産婦死亡率は1995年時より40%近く低下しました。学校に通っている女児も、史上最大の数に達しています。

しかし私たちは、北京宣言の野心的なビジョンを実現できていません。

女性の3人に1人は依然として、一生のうちに何らかの形態の暴力に遭っています。

毎年、1,200万人の女児が18歳未満で結婚しています。

世界の中には、女性の殺害が交戦地帯さながらの様相を呈している場所もあります。2017年には、家族の手によって殺された女性の数が、全世界で1日平均137人に上りました。

女性は今も、和平交渉や気候変動交渉、あらゆる種類の意思決定の役割から排除されることが多くあります。

世界では平均して、女性の法的権利が男性の75%しか認められていません。

世界銀行によると、生涯所得でジェンダー平等を達成するには、さらに150年が必要となる可能性もあります。

この格差を埋めれば、人的資本で172兆ドルの富が生まれるとも見られています。つまり、私たちはそれだけの損失を出しているのです。

皆様、

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、女性の権利が拒絶され続けていることを明るみにする一方で、この状況に付け込んでもいます。

女性と女児は、その世界的大流行(パンデミック)が及ぼす甚大な社会的、経済的影響の矢面に立たされています。

北京会議から25年を経た今、私たちは女性を中心とした景気後退に直面しています。インフォーマル経済で雇用される女性が、真っ先に職を失っているからです。

女性の看護師と介護者は、COVID-19パンデミックへの対応で最前線に立っていますが、今でも医療部門で指導的役割の70%を担っているのは男性です。

また、女性はCOVID-19パンデミックの中で、ジェンダーに基づく暴力という影のパンデミックに加え、早婚や性と生殖に関する医療の拒絶など、虐待的かつ抑圧的な慣行の増加にも苦しんでいます。

私たちが今すぐに行動しなければ、COVID-19パンデミックはジェンダー平等へと向かう一世代分の脆弱な歩みを帳消しにしてしまうかもしれません。

皆様、

数千年にも及ぶ男性支配を基盤とする私たちの世界のシステムと構造は、あらゆる分野で女性の進出を抑制し、あらゆる人に深刻な結果をもたらしています。

COVID-19パンデミックは、北京会議の未だ実現されていない約束を果たすためには私たちがより一層の取り組みを早急に進める必要があることを如実に物語っています。

これは基本的に権力の問題であるため、政府や重役会議、気候変動や和平に関する交渉など、人々の生活に影響する決定が下されるあらゆる場で、まずは女性が平等に代表されることを確保することから取り組みを始めなければなりません。

そのためには、差別是正措置やクオータ制など、焦点を絞った措置が必要となるでしょう。これは人権の問題であると同時に、社会的、経済的に欠かせない取り組みでもあります。

私はすべての加盟国に対し、女性のリーダーシップと全面参画に関する具体的で期限を伴う野心的な約束を行うよう、お願いしたいと思います。

国連は、2020年の初めにリーダーシップ層で男女同数を達成しており、常勤の幹部職員の数は女性90人、男性90人となっています。

そして、私たちは今、あらゆるレベルで男女同数の実現を図っています。それは女性職員の利益となるからだけでなく、女性のリーダーシップと参加が、私たちのような機関の実効性を高めるからでもあります。それは私たちのCOVID-19パンデミックへの対応にも表れています。

皆様、

COVID-19は大きな災害ですが、対応と復興の前面と中心に女性を据える変革的思考を採用する機会でもあります。

景気刺激策では、給付金や貸付を通じ、資金を直接、女性の手に届けるべきです。各国政府は社会的セーフティーネットをインフォーマル経済の女性にも広げ、無給のケア労働の価値を認識すべきです。

私は改めて、ジェンダーに基づく暴力への緊急かつ包括的な対策を呼びかけたいと思います。国連は欧州連合(EU)とのスポットライト・イニシアチブなどを通じ、女性と女児に対するあらゆる形態の暴力撤廃に努めています。

私たちは今後、COVID-19パンデミックに付け入る隙を与えることになった破綻した構造や枠組みを、女性の主導によって大きく変容させる必要があります。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を実施し、すべての人に尊厳と機会のある暮らしを実現するための道は、その他にありません。

また、私は皆様に対し、常に女性の権利運動の先頭に立ってきた草の根の市民社会組織に対する支援に一層力を入れていただくよう呼びかけたいとと思います。

メキシコ、フランス両国政府を共同ホストとして近々開催される「平等を目指す全ての世代のためのフォーラム」は、変革に向けたネットワークとパートナーシップを構築する機会になるでしょう。

皆様、

私たちは最近、世界各地でジェンダーの平等と女性の権利に対する抵抗を目にしています。

今こそ、この抵抗に抵抗すべき時です。

私はよく見られる誤解を正したいと思います。北京会議は女性だけに関する会議ではありませんでした。女性にも男性にも、大人にも子どもにも関係する会議だったのです。

女性があらゆる人権を享受することは、どこでも、そして誰にとっても、健全な地球で平和と豊かさを実現するための基本です。

私は25年前、そのための道を切り開いた先見力のある女性、そして男性に敬意を表します。

その仕事をやり遂げようではありませんか。

ありがとうございました。

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原文(French/English)はこちらをご覧ください。

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