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国連事務局事務総長室(EOSG) 上級経済担当官 小野舞純さん

小野 舞純(おの ますみ)
国連事務局事務総長室(EOSG)
上級経済担当官

上智大学法学部国際関係法学科中退。コーネル大学経済学・国際関係論学士・経営学修士。米系民間金融機関勤務後、1995年よりニューヨーク本部の国連経済社会局、在バンコク国連アジア太平洋経済社会委員会勤務。2014年より事務総長室にてポスト2015開発アジェンダ担当。

事務総長室で国連の中枢に携わる

事務総長室で国連の中枢に携わるポスト2015開発アジェンダのチーム。モハメッド特別顧問(中央)のもと、昨年12月に統合報告書をまとめ上げた

国連事務総長室の小野舞純(おの・ますみ)さんは、日頃はポスト2015開発アジェンダを担当するアミーナ・モハメッド事務総長特別顧問のチームの一員として、今年9月のサミットでの合意に向けた調整を担っています。3月の国連防災世界会議出席のために潘事務総長が訪日した際は、小野さんは事務総長一行の訪問が円滑に進むための一切を取り仕切る「Trip Captain(トリップ キャプテン)」として陣頭指揮にあたりました。訪日ミッションの準備段階から、小野さんの仕事ぶりに密に接した根本かおる所長が、その素顔に迫ります。

事務総長一行の Trip Captainとして

事務総長の訪日では、この国連広報センターは通常業務の広報対応に加えて、国連事務局の日本における出先機関として関係者との日程調整やロジの一切を担っているため、小野さんは私たちにとってまさにライフライン。ニューヨークとの時差を感じさせない機敏さで返信してくれる小野さんのおかげで、乗り切ることができました!国連広報センターにとって、小野さんは今や「戦友」です。

世界が仙台に大集結した、防災世界会議

今回の第3回国連防災世界会議は、「187の国連加盟国が参加し、元首7カ国、首相5カ国(含日本)、副大統領級6カ国、副首相7カ国、閣僚級100名を含め、6,500人以上が参加し(以上国連発表)、関連事業を含めると国内外から延べ15万人以上が参加。日本で開催された史上最大級の国連関係の国際会議となった(参加国数では過去最大)」(外務省ホームページより)こともあり、まさに世界が仙台に大集結しました。

会議のサブスタンスもさることながら、ホテルの部屋や車両の確保などのロジが困難を極めましたが、調整が大変な中にあって小野さんは右往左往することなく抜群の「安定感」を見せ、その「ドンと来い!」の姿勢にどんなに助けられたかわかりません。同時に、きめ細かい細部についての心配りも忘れず、その記憶力のよさには舌を巻きました。

事務総長に同行している間はゆっくり食事をする余裕はなく、コンビニのおにぎりで済ますこともありましたが、小野さんは「日本のコンビニは品揃えもお店の雰囲気も素晴らしい!」「ニューヨークではおにぎりが4ドルもするんですよ。日本のおにぎりは安いし、お米がおいしい!」との喜び様。どこまでも気さくなのでした。

事務総長室で働くカギは“ネットワーク”

小野さんは2014年2月から、事務総長特別顧問チームのリーダーを務めています。事務総長室で扱うイッシューは高度に政治的なものばかり。どこから手榴弾が飛んできて、どこに地雷があるかわかりません。「事務総長室のポストに決まって、事務総長室勤務の日本人の先輩に気をつけるべき点についてアドバイスをもらうことができ、随分と助けられました」と小野さんは中枢でのサバイバルについて語ります。「自分の専門性には限りがあるので、この分野だったらこの人、という風に、自分を助けてくれる人たちとのネットワークを大切にしています」

重要な会議へのアテンドも日常的に(右端)
©UN Photo/Rick Bajornas
上司である特別顧問とチュニジアに出張

そんな小野さん、事務総長の訪日終了直後に休暇で日本に帰国し、国連広報センターに顔を出してくれましたが、すっかりリラックスした表情になっていました。無事大役を終えて、晴れ晴れとした表情で、おいしい日本食を食べて、ポスト2015開発アジェンダの取りまとめの調整役という次なる大役に向けて英気を養っていました。