WIPOの活動は民間部門へのサービス提供による収入が主な財源です。こうしたサービスは簡単、効率的かつ費用効果的なシステムを通じて、世界的に知的財産保護の促進を図ることを目的としています。発明の保護にはPCT(特許協力条約)システム、商標の保護にはマドリッド・システム、そして工業デザインの保護にはハーグ・システムが、各々設けられています。
日本企業はWIPOサービスの主要な利用者です。2011年にPCTシステムを利用した上位100社のうち34社が日本企業で、パナソニック、NEC、トヨタ、シャープが含まれます。また日本は同年、マドリッド・システムによる出願国及び指定国の上位10カ国にも入っており、海外で商標の保護を望む日本企業にも、日本での商標保護を望む外国企業にも、同システムが重要であることを示しています。
日本企業がWIPOサービスを盛んに利用していることは、日本の官民部門と学界がいずれもIPを重要視している点から見て、当然といえます。IPの創造、保護、活用において日本が成果を上げていることは、IPを経済開発戦略に組み込もうとしている他の国々にとって貴重な教訓となっています。
日本政府は20年以上前から、WIPOジャパン・トラスト・ファンドを通じた任意拠出金により、アジア太平洋地域のWIPO加盟国向けプロジェクトに資金を供与してきました。この協力は1987年、産業財産権(特許、商標、工業デザイン)の分野で特許庁との間で始まり、さらに1993年の文化庁との協力により、著作権と著作隣接権の分野へと拡大しました。2008年、日本政府はWIPOのアフリカ諸国との協力を支援する新たなファンドへの拠出も始めています。
IPと経済発展の関連性に関する情報を求める開発途上国の声が強まってきたことを受け、こうした研究を調整する目的で、2006年にWIPO日本事務所が設立されました。これまでに2件の調査が実施されており、3件目も間もなく完了する予定です。2010年には企業、大学、研究機関などによるIP応用の成功例に関する調査結果を集めたデータベースIP Advantageが開発されました。日本事務所はまた、WIPOとそのサービス、及びIP全般の重要性について、日本の皆様に情報を普及する活動をさらに進めていきます。