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安全保障理事会決議 1603

2005年06月03日

2005年6月3日、安全保障理事会第5194回会合で採択

安全保障理事会は、
コートジボワール情勢に関する従前の安保理決議および安保理議長声明を想起し、

コートジボワールの主権、独立、領土保全および統一という強い公約を再確認するとともに、善隣、不干渉および地域協力の諸原則の重要性を想起し、

2003年1月24日にリナ・マルクーシでコートジボワールの政治勢力によって署名され、2003年1月25日および26日にパリで開かれたコートジボワールに関する首脳会議で承認された合意(S/2003/99)(リナ・マルクーシ合意)、ならびに、2004年7月30日にアクラで署名された合意(アクラIII合意)を支持したことを想起し、

コートジボワールの平和と安定の再構築に向けた国連事務総長、アフリカ連合および西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の取り組みを歓迎し、

アフリカ連合の代表として、とりわけ南アフリカ共和国大統領タボ・ムベキ氏が行った調停努力を歓迎し、ムベキ氏に対する全面的支援を再確認し、

コートジボワールの当事者が2005年4月6日、タボ・ムベキ大統領の支援を得て、プレトリアでコートジボワールの和平プロセスに関する合意(プレトリア合意)に署名したことを歓迎し、この合意を履行するためにコートジボワールの当事者が踏み出した第一歩、とりわけ武装解除・動員解除・社会復帰プロセスが、2005年5月14日に合意に達したこと、および、コートジボワール・ラジオ・テレビ放送局の地位が2004年12月24日以前の状態へと回復したことに対して満足の意を表明し、

女性、平和および安全に関する2000年10月31日の決議1325(2000)、子どもと武力紛争に関する2001年11月20日の決議1379(2001)、および、2003年1月30日の決議1460(2003)、ならびに、武力紛争の際の民間人保護に関する1999年9月17日の決議1265(1999)および2000年4月19日の決議1296(2000)を再確認し、

アフリカ諸国に展開する一部の平和維持部隊に性的搾取を含む不祥事の嫌疑がかけられていることにつき、重大な懸念を表明し、これらの部隊はその行動規範に沿って行動を慎むべきであることを確認するとともに、すべての平和維持部隊が、あらゆる違法行為や性的搾取・虐待に対するゼロトレランス政策があることを再確認し、

2005年3月18日の事務総長報告書(S/2005/186)に留意した上で、

2005年5月24日の南アフリカ共和国常駐代表からの書簡(S/2005/340)にもまた留意した上で、

とりわけコートジボワール西部で、治安と人道状況が悪化を続けていることに懸念を表明し、

コートジボワール情勢は引き続き、当該地域の国際の平和と安全に対する脅威であると認定し、

国際連合憲章第7章にもとづいて行動し、

  1. プレトリア合意を支持し、すべての合意署名者とコートジボワールのすべての関係当事者が、これを全面的に遅滞なく履行することを要求する。
  2. これとの関連で、プレトリア合意署名者、またはその他の何らかのコートジボワール関係当事者が、タボ・ムベキ大統領の出席のもとにプレトリアでなされた公約のいずれかを履行しなければ、コートジボワールの和平プロセスを危うくするだけでなく、リナ・マルクーシ合意およびアクラIII合意の履行が妨げられることを強調するとともに、この理由から、かかる当事者がリナ・マルクーシ合意およびプレトリア合意による公約の実施を怠った場合には、決議1572(2004)第9および11項を履行する用意があることを再確認する。
  3. アフリカ連合の代表として、コートジボワールに平和と安定を取り戻すために不可欠な役割を果たしたタボ・ムベキ大統領を賞賛し、同人の調停努力に対する全面的支持を再確認し、プレトリア合意署名者に対し、合意の全部または一部の解釈につき見解の相違ある場合には、タボ・ムベキ大統領の裁定を仰ぐよう念を押すとともに、事務総長、タボ・ムベキ大統領およびアフリカ連合に対し、プレトリア合意の履行につき、引き続き密接に協力するよう促す。
  4. 2005年10月に大統領選挙を、その直後に議会選挙をそれぞれ実施する必要性に関する署名者の決意、ならびに、独立選挙委員会と憲法制定評議会の作業、および総選挙実施への国連の参加を招請する旨の合意を再確認するプレトリア合意の規定と、2005年10月30日に大統領選挙の第1回投票を実施するという2005年4月28日の閣議決定を、満足をもって留意する。
  5. タボ・ムベキ大統領が、コートジボワール共和国大統領ロラン・バグボ氏に送付した2005年4月11日の書簡(S/2005/270)に記載された、コートジボワール共和国大統領職の被選挙資格に関する決定を歓迎し、リナ・マルクーシ合意に署名した政党が指名する全候補者に被選挙資格があるという、2005年4月26日のロラン・バグボ大統領による声明を、満足の意をもって留意する。
  6. 6. 来るべき総選挙の自由、公正かつ透明な実施を確保するため、コートジボワールの全当事者があらゆる必要な措置を講じることを要求する。
  7. 事務総長に対して、プレトリア合意に基づき、例外的な取り極めとして、アフリカ連合およびタボ・ムベキ大統領と協議の上、とりわけ独立選挙委員会および憲法制定評議会の作業を補佐するため、事務総長特別代表の責任を損なうことなく、国際連合コートジボワール活動(UNOCI)から独立したコートジボワール選挙担当上級代表(以下「上級代表」とする)を指名し、下記の職務権限を与えるよう要請する。
    (a) 国際社会の代表として、有権者登録簿の確定と有権者カードの発行を含む選挙プロセスの全段階において、コートジボワール共和国憲法に定める期間内に、公開、自由、公正かつ透明な大統領および議会選挙を実施するために必要なあらゆる保証が提供されるよう検証すること。
    (b) UNOCIおよび調停活動との密接な協力により、憲法制定評議会、独立選挙委員会、および他の関連政府機関または諸機関に対し、コートジボワール共和国憲法に定められた期間内での公開、自由、公正かつ透明な選挙の実施を危うくしかねない困難の予防・解決を手助けするために必要なあらゆる助言および指針を提供するとともに、この関連で、必要な判定を行う権限を備えること。
    (c) 公開、自由、公正かつ透明な選挙の実施を危うくしかねない困難が生じた場合には、事務総長を通じて直ちに安全保障理事会に報告するとともに、アフリカ連合の調停者であるムベキ大統領にも通知し、適宜、妥当と判断するところに応じて両者に勧告を提出すること。
    (d) 事務総長を通じて安全保障理事会に対し、また、タボ・ムベキ大統領に対し、同人の職務権限の全側面に関し定期的に通知し続けること。
    (e) UNOCIおよびその他情報源に情報と専門的助言の提供を要請し受理すること。
  8. 上記第7項に規定される上級代表の職務権限は、来るべきコートジボワールでの総選挙実施後に満了することを決定する。
  9. 援助団体のコミュニティに対し、上級代表の任務完遂を支援するため、必要なあらゆる資金を提供するよう呼びかける。
  10. 2005年5月14日、コートジボワール国軍(FANCI)参謀本部と新勢力軍(FAFN)がヤムスクロで、武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プロセスおよび部隊再編について署名した合意に留意し、DDRプロセスが遅滞なく開始できるよう、当事者が合意を全面的に履行することを要求し、この関連で決議1572(2004)の第9および11項を再確認し、また、両軍が保有する軍備の包括的リスト作成に関する決議1584(2005)第8項をもまた再確認し、国内全土の民兵組織の即時武装解除と解散を要求する。
  11. UNOCIおよびこれを支援するフランス軍の職務権限を、今回に限り、さらに7カ月間の更新を念頭に、2005年6月24日まで延長することを決定する。
  12. 事務総長に対し、武装要員と警察官の確保、および、必要な支援その他の手配を含め、安全保障理事会がUNOCIの部隊と警察官の定員拡大、および、その職務権限の調整を決定する場合に備え、時宜を得た展開を容易にするために必要な計画と準備を開始する権限を与える。
  13. 平和維持活動および紛争後の平和構築におけるジェンダーの観点の主流化、ならびに、これに関する適切な専門知識の重要性を強調するとともに、UNOCIに対し、この問題に積極的に対処するよう促す。
  14. 援助国および国際金融機関に対し、迅速な資金供与により、プレトリア合意の履行、とりわけ武装解除、動員解除、社会復帰プログラムおよび選挙プロセスに必要な支援を提供するよう促す。
  15. 全当事者に対し、とりわけコートジボワール国内全土にわたる安全、治安および移動の自由を国際連合要員と関係要員に保証することにより、UNOCIの展開および活動に全面的に協力するよう求める。
  16. 性的搾取・虐待を容赦なく取り締まるという事務総長のゼロ・トレランス政策を実施し、その要員による国際連合行動規範の完全な遵守を確保するため、UNOCIによってなされた努力を歓迎し、事務総長に対し引き続き、これとの関連で必要なあらゆる策を講じ、安全保障理事会に情報を提供し続けることを要請し、兵力提供諸国に対して、展開前の啓発教育の実施を含む適切な事前予防策を講じ、自国の要員がかかる行為に関係した場合には、面的なアカウンタビリティを確保するため、懲戒処分およびその他の処分をとることを促す。
  17. 事務総長に対し、コートジボワール情勢の動向、UNOCIの職務権限および、リナ・マルクーシ合意ならびにプレトリア合意の履行状況に関し、引き続き安保理に定期的に報告し、かつ、この件について3カ月毎に、安全保障理事会に報告するよう要請する。
  18. フランスに対しても、コートジボワールにおけるその職務権限の全側面につき、定期的な報告を引き続き行うようまた要請する。
  19. アフリカ連合に対し、プレトリア合意の規定の履行について、安全保障理事会に定期的に情報を提供し続け、必要と判断するところに応じ、勧告を行うよう招請する。
  20. 事務総長特別代表に対する全面的な支援を表明する。
  21. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

S/RES/1603(2005)