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安全保障理事会決議 1671

2006年04月25日

2006年4月25日、安全保障理事会第5421回会合で採択

安全保障理事会は、
コンゴ民主共和国に関する従前の安保理諸決議と安保理議長諸声明、とりわけ2004年10月1日の決議1565、2005年3月30日の決議1592、2005年9月6日の決議1621および2005年10月28日の決議1635、ならびに、2005年12月21日付議長声明(S/PRST/2005/66)を想起し、

2006年2月18日に発効した憲法草案に関する国民投票を無事に終えたコンゴ民主共和国国民を賞賛し、

コンゴ民主共和国におけるより長期的な平和および安定の回復、国民的和解および法の支配の基礎としての、選挙の重要性を強調し、

選挙実施の準備に向けた独立選挙委員会の努力を賞賛し、独立選挙委員会に前例のない傑出した後方支援を提供した国際連合コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)に謝意を表明し、

選挙期間中の治安を確保する第一義的な責任は、コンゴ民主共和国政府にあることを強調し、

選挙プロセスに対して、またコンゴ民主共和国における移行の順調な成果のため援助を提供している援助団体のコミュニティー、とりわけ欧州連合を賞賛し、その支援の継続を促し、

コンゴ民主共和国警察の関係部隊の調整を支援するため、欧州連合がその警察ミッションであるEUPOLキンシャサを一時的に増強することにより、来る選挙との関連で提供している追加援助を歓迎し、

2005年12月27日付の平和維持活動担当事務次長の欧州連合議長宛書簡(S/2006/219付属書I)で表明された要請を顧慮し、

欧州連合理事会を代表して、オーストリア共和国外相が発出した2006年3月28日付の同書簡への回答(S/2006/219付属書II)に留意し、

特に、欧州連合部隊がMONUCやコンゴ民主共和国軍の任務を代行するものではないことを表明し、かつ、MONUCがコンゴ民主共和国の一部領域において、欧州連合からの支援なしでも生じうる困難に対応できる能力を備えているとの評価に留意した上記3月28日の書簡で表明されたとおり、コンゴ民主共和国での選挙期間中にMONUCを支援する部隊を展開するというEUの意思を歓迎し、

MONUCの現在の職務権限は2006年9月30日までに更新の対象となることを考慮し、この日付以降もこれを延長するという意思を表明し、

コンゴ民主共和国情勢は引き続き、地域の国際の平和および安全にとって脅威を構成していると決意し、

国際連合憲章第7章にもとづいて行動して、

  1. 2006年3月30日付のコンゴ民主共和国常駐代表の安全保障理事会議長宛書簡(S/2006/203)、および、コンゴ民主共和国における選挙期間中、MONUCを支援する欧州連合部隊(Eufor R.D. Congo)の臨時展開に対するコンゴ民主共和国の支持に留意する。
  2. 大統領・議会選挙の第1回投票日から4カ月後までの間、コンゴ民主共和国への Eufor R.D. Congoの展開を認める。
  3. Eufor R.D. Congoはキンシャサに結集する先行部隊と、適切な兵力を備えてコンゴ共和国外で待機するその他の部隊(「国外」部隊)から構成されることに留意する。
  4. 第2項にいう展開の承認期間はMONUCの職務権限期間を超えないものとし、2006年9月30日以降の更新はMONUCの職務権限更新を条件とすることを決定する。
  5. 事務総長に対し、確定的な選挙実施日程についてコンゴ当局が下した決定を安全保障理事会に通知するよう要請する。
  6. Eufor R.D. Congoは、その作戦能力を完全に整えるために、コンゴ民主共和国への先行部隊展開を含め、あらゆる手段を直ちに執る権限が承認されていることを強調する。
  7. 欧州連合に対し、その任務の完了後、十分に調整の取れた部隊撤収を念頭に、あらゆる適切な手段を執ることを招請する。
  8. Eufor R.D. Congoは、その手段と能力の範囲内で、欧州連合と国際連合との間で成立した合意に従い、下記の任務を遂行するために、必要なあらゆる手段を執る権限が承認されることを決定する。
(a) MONUCが既存の能力の範囲内で職務権限を履行するにあたって深刻な困難に直面した場合、MONUCを支援して事態の安定化を図ること。
(b) その展開区域内で、かつ、コンゴ民主共和国政府の責任に不利益を与えることなく、身体的暴力の差し迫った脅威にさらされている民間人の保護に貢献すること。
(c) キンシャサの空港防護に貢献すること。
(d) Eufor R.D. Congo要員の安全と移動の自由、および、その施設の防護を確保すること。
(e) 危険にさらされた個人を救出するため、限定的性質の作戦を遂行すること。
  1. Eufor R.D. Congoを上記第8項にいう任務に従事させる決定は、国連事務総長の要請により、または、サブパラグラフ8(b)、(c)、(d)および(e)にいう任務の遂行のために、緊急事態の際はMONUCとの緊密な協議の上で、欧州連合が下すことに留意する。
  2. 決議1493(2003)第20項および決議1596(2005)第1項によって課された措置は、Eufor R.D Congoの支援、またはこれによる使用のみを目的とする武器および関連物資の供給、および技術訓練・援助には適用しないことを決定する。
  3. 欧州連合と事務総長に対し、Eufor R.D Congoの立上げ準備期間中とその職務権限期間中において、その撤収完了まで緊密な協力を確保するよう要請する。
  4. コンゴ民主共和国政府と欧州連合に対し、上記第6項にいう Eufor R.D Congoの先行部隊展開前に、部隊地位協定を締結するよう促し、そのような協定が締結されるまで、第三国による兵力提供の可能性を含め、欧州連合とコンゴ民主共和国との間では Eufor R.D Congoに関して、2004年5月4日付のMONUCに関する地位協定の規定を必要な変更を加えた上で準用することを決定する。
  5. 全加盟国、特にコンゴ民主共和国の近隣諸国に対し、Eufor R.D Congoの迅速な展開に便宜を図るため、必要なあらゆる支援を提供し、特にその要員、ならびに、装備、食糧、必需品、および車両とスペアパーツを含むその他物品のコンゴ民主共和国への自由で妨害のない迅速な移動を確保するよう要請する。
  6. MONUCに対し、その能力の範囲内で、必要なあらゆる後方支援を費用後払いでEufor R.D Congoに提供することを認める。
  7. 欧州連合に対し、Eufor R.D Congoの職務権限の遂行状況について、コンゴ民主共和国政府と安全保障理事会に定例報告を行うよう要請する。
  8. コンゴの全当事者に対し、来る大統領・議会選挙が自由、公正、平穏かる透明に行われるよう確保することにより、民主的プロセスに全面的に取り組むという決意を実証するよう要請する。
  9. また、コンゴ民主共和国政府に対し、独立選挙委員会の日程に従った大統領・議会選挙の実施を確保するため、全力を尽くすよう要請する。
  10. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

S/RES/1671 (2006)