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安全保障理事会決議 1767

2007年07月30日

2007年7月30日、安全保障理事会第5725回会合で採択

安全保障理事会は、

エチオピアおよびエリトリア(以後、「当事者」)間の情勢に関する従前の安保理のすべての諸決議および諸声明ならびにそれに関して、とりわけ決議1320(2000)、1430(2002)、1466(2003)、1640(2005)、1681(2006)、1710(2006)および1741(2007)に含まれる要請を再確認し、

和平プロセスに対する安保理の不動の取り組み、アルジェ合意の完全および迅速な履行、並びに両当事者間の平和的および協力的な関係の基盤としてのエチオピア=エリトリア国境委員会(EEBC)(S/2002/423)の境界に関する決定を迅速に履行することの重要性を再度強調し、

2000年8月16日の敵対行為停止合意(S/2000/601)に規定された暫定的安全地帯(TSZ)の保全を再確認し、その設立の目的と当事者がTSZを尊重するための公約を想起し、この点において、TSZの重大な違反が継続していることに深い懸念を表明し、

とりわけ敵対行為停止合意における当事者の公約を当事者が尊重することを確保するために援助する役割に、安全保障理事会が関与し続けることを強調し、

困難な環境にも関わらず、任務を達成するために、国際連合エチオピア=エリトリア・ミッション(UNMEE)およびその軍事ならびに文民要員によってなされた努力を賞賛し、

二つの当事者間の国境線の完全な境界画定は、その地域と同様、エチオピアおよびエリトリア間の永続的平和のために最も重要であることをさらに強調し、2000年12月12日の和平合意の下、両当事者は範囲設定および境界画定プロセスにおいてEEBCに協力することに合意し、且つ、両当事者はEEBCの範囲設定および境界画定に関する決定を最終かつ拘束力があるとして合意していることを想起し、EEBCによる境界画定の再開の努力を賞賛し、2007年1月22日の事務総長報告書(S/2007/33)の添付資料に説明されるような、制御を超えた理由により、これまでに計画された国境の完全な境界画定をEEBCが達成できていないことに対して遺憾を表明し、

2006年11月27日のEEBCの声明を承認し、

EEBCの活動に対する十分な支援を再確認し、2007年9月6日にニューヨークで当事者とともに会合を開くというEEBCの決定を歓迎し、

国境の境界画定の継続した遅れおよび暫定安全地帯および隣接地域において緊張が継続し潜在的に不安定な安全の状態であることに安保理の深い懸念を表し、アルジェ合意の下の義務を迅速に実行することによりこの状態を終了させる当事者の第一義的な義務を強調し、

2007年7月18日付事務総長報告書を審議し、

  1. UNMEEの任務を2008年1月31日までの6か月の期間延長することを決定する。
  2. 敵対行為停止合意への完全な取り組みを維持し、兵力を2004年12月16日の展開水準に戻し、また挑発的な軍事行動を避けることによって事態を沈静化することを当事者に対して求める。
  3. 当事者が最大限の制止を示し、いかなる脅威あるいは武力の行使を相互に差し控えるという決議1640(2005)の第2項に表明された安保理の要請を再度表明し、敵対的な声明の応酬を終了するという安保理の要請を繰り返し表明する。
  4. エリトリアがTSZより兵力と重装備をただちに撤退させるという安保理の要求を繰り返し表明する。
  5. エチオピアに対し、TSZに隣接する特定の地域に導入した、追加的な軍事力の数を削減することを求める。
  6. 境界画定の進展の欠如を遺憾に思い、アルジェ合意の履行への第一義的な責任は当事者にあることを強調し、当事者がEEBCの範囲設定の決定を遅延あるいは前提条件なく完全に履行することおよび可能な次の段階への日程表への合意を含む、境界画定のプロセスを再開し完結させる具体的な段階をとることを再び求める。
  7. 境界画定への進展の必要性を強調し、9月6日にニューヨークでEEBCによって開催される会合に十分な権威をもって建設的に参加することを含め、EEBCに完全に協力することを両当事者に対して求める安保理の要請を繰り返し表明し、この会合の重要性を強調する。
  8. エチオピア政府がEEBCの範囲設定の決定を前提条件なしに受け入れることを繰り返し表明した、2007年6月8日付安全保障理事会議長宛エチオピア外相書簡を歓迎し、安全保障理事会決議1640(2005)の第5項に表明された、EEBCが迅速に国境の境界画定を行なうことが可能となるための具体的な措置を、エチオピアが前提条件なしに即座に講じるという安保理の要求を繰り返し表明する。
  9. 当事者に対し、EEBCが決議1430(2002)および1466(2003)に従って即座に且つ秩序立って範囲設定の決定の履行することを援助するというUNMEEの委ねられた任務を含む、UNMEEの義務を遂行するために要請される、必要な立ち入り、援助、支援および保護をUNMEEに提供することを要求し、報告書S/2007/440に特定された制限を含む、いかなる制限も直ちに解除することを要求する。
  10. エリトリアが、さらなる遅延または前提条件なしに、UNMEEの移動および活動に対する全ての制限を変更し、UNMEEに対しその義務を遂行するために必要な協力、立ち入り、保護および支援を提供するという決議1640(2005)の第1項に表明された、安保理の要求を繰り返し表明する。
  11. 両当事者に対し、差し迫った軍事および安全保障の事項について協議する唯一の公開の場のままである軍事調整委員会の活動を早急に再活性化するという観点から、UNMEEの活動に完全に協力するという、安保理の求めを繰り返し表明する。
  12. 安保理が、境界画定の今後の進展を考慮して、UNMEEのいかなる変更をも再考慮する意思を有すること、および進展が可能となるに従って、UNMEEが境界画定を促進することを確保するために、安保理がさらなる決定を講じる用意があることを表明する。
  13. エリトリアとエチオピアに関与して、両国の関係を正常化し、当事者間の安定化を促進し、地域の持続的な平和への基礎を築くという、事務総長と国際社会による進行中の努力が継続することを歓迎し且つ期待する。
  14. 事務総長による早急の特別代表任命への進行中の努力を歓迎する。
  15. 加盟国に対し、境界画定のプロセスを支援するための、決議1177(1998)に基づき設立され、またエチオピアおよびエリトリアによって2000年12月12日に署名された包括的和平協定の第4条17項に言及された信託基金への出資を要請する。
  16. UNMEEの活動に対し、兵力提供国の、貢献と寄与に対して、安保理の深い感謝の意を表明する。
  17. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

S/RES/1767(2007)