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安全保障理事会決議 1770

2007年08月10日

2007年8月10日、安全保障理事会第5729回会合で採択

安全保障理事会は、

イラクに関する全ての従前の関連諸決議、とりわけ2003年8月14日の1500(2003)、2004年6月8日の1546(2004)、2004年8月12日の1557(2004)、2005年8月11日の1619(2005)および2006年8月10日お1700(2006)を想起し、

イラクの独立、主権、統一および領土保全を再確認し、

イラク国民、地域および国際社会のためにイラクの安定および治安の重要性を強調し、

民主的に選出され憲法に基礎をおくイラク政府が現在整っていることを承認し、

イラクの政治的安定と統一のためにイラクにおける全てのコミュニティが派閥主義を拒否し、政治プロセスに参加し、包括的な政治的対話と国民和解に関与する重要性を強調し、

代議政治体制を強化し政治的対話および国民和解を促進し、近隣諸国と関係を築き、難民および国内避難民を含む脆弱な集団を支援し、人権の保護ならびに司法および法改革を促進するイラク国民および政府の努力を支援している国際連合、とりわけ国際連合イラク支援ミッション(UNAMI)の重要性を再確認し、

イラク国民が直面している人道問題に懸念を表明し、これらの問題に対処する調整された対応および適切な資源の必要性を強調し、

イラク政府の主権を強調し、また全ての当事者が影響を受けた市民の保護を確保するためにあらゆる可能な措置を講じ、難民および国内避難民の自発的、安全、尊厳ある持続的帰還を導く条件を創設すべきことを再確認し、

ジュネーブ条約およびハーグ規則に含まれている国際人道法に規定されているように、支援を必要としている全ての人々への人道的要員の支障ない十分なアクセスを容認し、および、可能な限り、その活動に必要な全ての設備を利用可能にし、ならびに人道的要員および国際連合ならびに国連関連要員と彼らの資産の安全および移動の自由を促進することを全ての関係者に促し、

2007年5月3日のイラク国際コンパクトおよび2007年5月4日の拡大近隣諸国会議ならびにその結果として生じた作業部会の公式な始業を歓迎し、イラクの進展に対する継続された地域的および国際的支援の重要性を強調し、

国際連合イラク支援ミッション(UNAMI)に対する加盟諸国の過去の貢献を感謝しつつ承認し、UNAMIがその任務を遂行するために必要な資源を有する必要性を想起し、

イラクおよび近隣諸国で生産的かつ繁栄する国を平穏に建設するイラクの努力を支援することを国際連合イラク支援ミッション(UNAMI)に要請するイラク政府の見解を表明する、2007年8月6日のイラク外務大臣発事務総長宛書簡(S/2007/481,annex)を歓迎し、

  1. 本決議の日付からさらに12カ月間UNAMIの職務権限を延長することを決定する。
  2. 状況が許す限り、事務総長特別代表およびUNAMIが、イラク政府の要請に基づいて、以下のことを行うことを更に決定する。

    (a) 以下について、助言、支持および支援すること

    (ⅰ)包括的、政治的対話および国民和解を促進することについて、イラクの政府および国民に、

    (ⅱ)選挙および住民投票を行うためのプロセスの進展について、イラク政府および独立高等選挙委員会に、

    (ⅲ)憲法の見直しおよび憲法条項の履行ならびに係争中の国内境界を解決するためイラク政府が 受け入れ可能なプロセスの進展について、イラク政府および国民議会下院に

    (ⅳ)国境の治安、エネルギーおよび難民問題を含む、地域的対話を助長することについてイラク政府に、

    (ⅴ)和解努力に関して、違法武装集団の元構成員に対する社会復帰プログラムの立案、 資金調達および履行に関して、適切な時期および進展に応じてイラク政府に、

    (ⅵ)包括的国勢調査の実施の初期計画について、イラク政府に、

    (b) 以下について、イラク政府と調整しつつ、促進、支持および助長すること

    (ⅰ)人道支援の調整および提供ならびに、難民および避難民について、適宜、安全、秩序ある自発的帰還

    (ⅱ)援助国および国際金融機関との調整を含むイラク国際コンパクトの履行

    (ⅲ)イラク国民にとって必要不可欠なサービスを提供し、 イラク復興国際支援信託基金(IRFFI)を通じた重要な再建および支援計画の積極的な資金提供国との 調整を継続するイラクの能力を向上させる計画の調整と履行

    (ⅳ)国家機関および地域機関ならびに、適宜、市民社会、 資金提供国および国際金融機関との調整を含む、経済改革、能力構築および持続可能な開発のための条件

    (ⅴ)可能な場合に、イラクにおける訓練および協議を含む、効果的な民間の、社会的かつ必要不可欠なサービスの開発

    (ⅵ)イラク事務総長特別代表を通じた事務総長の統一的な指導力の下で本決議において 示された目的に対する国際連合諸機関、諸基金および諸計画の貢献

    (C) そして、イラクにおける法の支配を強化するため人権の保護および司法ならびに法改革をも促進すること

  3. 治安および物流の支援を含み、UNAMIを支援するイラク多国籍軍(MNF-I)の重要な役割を認識し、 治安はイラク国民のために活動するUNAMIにとって必要不可欠であることを更に認識する。
  4. UNAMIに対して必要な財政的、物流的および治安上の資源を提供し続け、またその任務の遂行を支持することを加盟国に求める
  5. イラク政府の要請があれば、12カ月もしくはそれより早くUNAMIの職務権限を見直す意図を表明する。
  6. イラクにおけるUNAMIの活動に関して本決議の日から3カ月以内に、およびUNAMIの責任の遂行に対してなされた進展について その後四半期毎に理事会に報告することを事務総長に要請する。
  7. この問題に引き続き取り組むことを決定する。

S/RES/1770 (2007)