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人権

はじめに

国連は人権を基本的なものとして認識しており、国連憲章の前文でも「…基本的人権と人間の尊厳および価値と男女および大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し…」という文言で、特別な取扱いを行っています。

この分野での国連の顕著な役割は、数多くの人権機関(以下に述べる)によって遂行されていますが、その中には、国連の創設時から活動しているものもあります。この広大な分野の重要性がさらに拡大していることの証として、総会は1993年、国連人権高等弁務官(UNHCHR)のポストを創設しました(ウェブサイト:http://www.unhchr.ch/)。高等弁務官の活動の概略は、総会公式記録の補遺36号(例えばA/57/36)として発行される年次報告書に見ることができます。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。人権高等弁務官事務所はまた、さまざまな人権機関のもとで利用できる通報/申立て手続きの運営も行っています。高等弁務官による声明は、UNHCHRニュースルームで閲覧できます。

人権問題の調査を行う際には、国連憲章に基づく人権機関と条約に基づく人権機関とを区別しなければなりません。前者は、国連憲章に含まれる規定により設立されたもので、人権に関する幅広い権限を有し、無制限の聴衆に訴えかけ、多数決により行動を起こします。後者は特定の法文書(市民的、政治的権利に関する規約など)に含まれる規定により設立されたもので、権限はより狭く(該当する法文書に明文化された一連の問題に限られる)、限定的な聴衆を対象とし(該当する法文書の批准国のみ)、コンセンサスに基づいて決定を下します。この区別を反映し、UNHCHRウェブサイトに掲示された人権文書は、2つのデータベースに分かれています。

国連憲章に基づく機関

国連人権委員会

国連人権委員会は、1946年2月16日のECOSOC決議5(I)によって設置されました。委員会は年次会合のほか、必要に応じて特別会合を開き、経済社会理事会(ECOSOC)に報告を行います。

  • 作業文書は文書記号E/CN.4/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、国連憲章に基づく機関データベース(http://www.unhchr.ch/data.htm)で閲覧できます。
  • 会合記録の要旨は文書記号E/CN.4/[年]/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、E/CN.4/2002/SR.1は、2002年3月18日の第58会期第1回会合の記録要旨を意味します。)最近の会議記録の全文は、国連憲章に基づく機関データベースで閲覧できます。
  • 会期報告書は二重文書記号(記号E/-およびE/CN.4/-)を有し、経済社会理事会公式記録の補遺として発行されます(例えばE/2001/23-E/CN.4/2001/167)。これらの報告書は、完結した作業をまとめたもので、委員会が採択した決議と決定の本文を含んでいます。(決議と決定は書面としては個別の文書として発表されませんが、国連憲章に基づく機関データベースを通じ、個別のアイテムとして閲覧できます。)会期報告書すべての一覧(1947年以降)は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • 委員会に代わる国連本部のプレスリリースは、文書記号HR/CN/-の形で発行され、UNニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできます。高等弁務官事務所からのプレスリリースはUNHCHRニュースルームで閲覧できます。

国連人権委員会は非従来型メカニズムを備えており、特別報告者、代表あるいは専門家、および、作業グループが、国別権限あるいはテーマ別権限のもと、特定の人権問題に関する調査、討議および報告を行っています。これら報告書すべての一覧はUN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文は国連人権高等弁務官ウェブサイトで閲覧できます。

人権の促進と保護に関する小委員会

人権の促進と保護に関する小委員会は、1946年7月21日のECOSOC決議9(II)の授権により、国連人権委員会が設置したものです。小委員会の名称は1999年7月27日のECOSOC決定1999/256により、「差別防止と少数者の保護に関する小委員会」から変更されました。小委員会は毎年、会合を開き、国連人権委員会に報告を行います。

  • 作業文書は文書記号E/CN.4/Sub.2/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、国連憲章に基づく機関データベースで閲覧できます。
  • 会合記録の要旨は文書記号E/CN.4/Sub.2/[年]/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、E/CN.4/Sub.2/2002/SR.26は、2002年8月16日の第54会期第26回会合の記録要旨を意味します。)
  • 会期報告書には二重文書記号(記号E/CN.4/-およびE/CN.4/Sub.2/-)が付けられます(E/CN.4/2002/2-E/CN.4/Sub.2/2001/40など)。会期報告書は、完結した作業をまとめたもので、小委員会が採択した決議と決定の本文を含んでいます。(決議と決定は書面としては個別の文書として発表されませんが、国連憲章に基づく機関データベースを通じ、個別のアイテムとして閲覧できます。)これら報告書すべての一覧(1949年以降)は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • 小委員会に代わる国連本部のプレスリリースは、文書記号HR/CN/-の形で発行されており、UNニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできます。高等弁務官事務所からのプレスリリースはUNHCHRニュースルームで閲覧できます。

小委員会には、作業グループおよび特別報告者からも報告書が提出されます。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。

条約に基づく機関

拷問禁止委員会

拷問禁止委員会は、拷問およびその他残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは刑罰を禁止する条約第17条により、同条約の実施を監督するために設置されました。条約の現在の状況は、UNHCHRウェブサイトに掲示されています。委員会は年2回、ジュネーブで会合を開きます。

  • 作業文書は文書記号CAT/C/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会合記録の要旨は文書記号CAT/C/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、CAT/C/SR.527は、2002年5月16日の第527回会合の記録要旨を意味します。)最近の会合記録の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会期報告書は総会公式記録の補遺44号として発行されます(A/57/44など)。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 委員会に代わる国連本部のプレスリリースは、文書記号HR/-の形で発行されており、UNニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできます。人権高等弁務官事務所からのプレスリリースは、UNHCHRニュースルームで閲覧できます。

条約締約国は第19条により、当該国についての条約発効から1年以内に、条約による義務を実施するために講じた措置に関する初回の報告書を提出するとともに、その後4年に1回、報告書を提出することを義務づけられています。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文、および、報告書作成ガイドラインは、条約機関データベースで閲覧できます。

経済的、社会的、文化的権利委員会

経済的、社会的、文化的権利委員会は、ECOSOC決議1985/17により、経済的、社会的、文化的権利に関する国連規約の実施を監督するために設置されましたが、条約機関のような機能を果たしています。同規約の現在の状況は、UNHCHRウェブサイトに掲示されています。同委員会は現在、ジュネーブで年3回の会合を開いています。

  • 作業文書は文書記号E/C.12/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会合記録の要旨は文書記号E/C.12/[年]/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、E/C.12/2002/SR.20は、2002年5月13日の第28会期第20回会合の記録要旨を意味します。)最近の会合記録の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会期報告書は二重文書記号(E/-およびE/C.12/-)を有し、経済社会理事会公式記録の補遺として発行されます(E/2002/22-E/C.12/2001/17など)。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • 委員会に代わる国連本部のプレスリリースは、文書記号HR/-の形で発行されており、UNニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできます。人権高等弁務官事務所からのプレスリリースは、UNHCHRニュースルームで閲覧できます。

規約締約国はECOSOC決議1988/4により、当該国について規約が発行してから2年以内に、規約で認められた権利の遵守達成のために講じた措置と進捗状況に関し、初回の報告書を提出するとともに、その後5年に1回、報告書を提出することを義務づけられています。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文、および、報告作成ガイドラインは、条約機関データベースで閲覧できます。

女子差別撤廃委員会

女子差別撤廃委員会は、女子に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する条約第17条により、同条約の実施を監督するために設置されました。同条約の現在の状況は、婦人の地位向上部(DAW)ウェブサイトに掲示されています。委員会は年2回、ニューヨークで会合を開きます。

  • 作業文書は文書記号CEDAW/C/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、DAWウェブサイトでご覧になれますが、条約機関データベースで閲覧することもできます。
  • 会合記録の要旨は文書記号CEDAW/C/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、CEDAW/C/SR.547は、2002年1月29日の第547回会合の会合要旨を意味します。)最近の会議記録の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会期報告書は総会公式記録の補遺38号として発行されます(A/56/38など)。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。報告書は累次的に、CEDAWの活動(The Work of CEDAW)シリーズでも発行されています。最近の報告書の全文は、DAWウェブサイトでご覧になれますが、条約機関データベースで閲覧することもできます。
  • プレスリリースは、文書記号WOM/-の形で発行されており、UNニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできるほか、DAWウェブサイトでも閲覧できます。

条約締約国は第18条により、当該国についての条約発効から1年以内に、自らが採用した立法、司法、行政あるいはその他の措置で、条約規定を実施するものに関する初回の報告書を提出するとともに、その後4年に1回、報告書を提出することを義務づけられています。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文、および、報告書作成ガイドラインは、DAWウェブサイトと条約機関データベースで閲覧できます。

人種差別撤廃委員会

人種差別撤廃委員会は、あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約第8条により、同条約の実施を監督するために設置されました。条約の現在の状況は、UNHCHRウェブサイトに掲示されています。委員会は年2回、ジュネーブで会合を開きます。

  • 作業文書は文書記号CERD/C/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会合記録の要旨は文書記号CERD/C/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、CERD/C/SR.1551は、2002年8月23日の第1551回会合の記録要旨を意味します。)最近の会合記録の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会期報告は総会公式記録の補遺18号として発行されます(A/57/18など)。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 委員会に代わる国連本部のプレスリリースは、文書記号RD/-の形で発行され、国連ニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできます。人権高等弁務官事務所からのプレスリリースは、UNHCHRニュースルームで閲覧できます。

条約締約国は第9条により、当該国についての条約発効から1年以内に、自らが採用した立法、司法、行政あるいはその他の措置で、条約規定を実施するものに関する初回の報告書を提出するとともに、その後2年に1回、報告書を提出することを義務づけられています。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文、および、報告書作成ガイドラインは、条約機関データベースで閲覧できます。

児童の権利委員会

児童の権利委員会は、児童の権利に関する条約第43条により、同条約の実施を監督するために設置されました。条約の現在の状況は、UNHCHRウェブサイトに掲示されています。委員会は年3回、ジュネーブで会合を開きます。

  • 作業文書は文書記号CRC/C/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会合記録の要旨は文書記号CRC/C/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、CRC/C/SR.825は、2002年9月30日の第825回会合の記録要旨を意味します。)最近の会合記録の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 委員会の会期報告は文書記号CRC/C/-の形で発行されます(CRC/C/114など)。結論と勧告は2年に1回、総会公式記録の補遺41号として発表されます(A/57/41など)。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • 委員会に代わる国連本部のプレスリリースは、文書記号HR/-の形で発行され、国連ニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできます。人権高等弁務官事務所からのプレスリリースは、UNHCHRニュースルームで閲覧できます。

条約締約国は第44条により、当該国についての条約発効から2年以内に、条約で認められた権利を実現するために採用した措置、および、これら権利の享受についての進捗状況に関する初回の報告書を提出するとともに、その後5年に1回、報告書を提出することを義務づけられています。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文、および、報告書作成ガイドラインは、条約機関データベースで閲覧できます。

規約人権委員会

規約人権委員会は、市民的、政治的権利に関する国際規約第28条により設置されました。規約の現在の状況は、UNHCHRウェブサイトに掲示されています。委員会は年3回、ニューヨークとジュネーブで会合を開きます。

  • 作業文書は文書記号CCPR/C/-の形で発行されます。最近の文書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会合記録の要旨は文書記号CCPR/C/SR.[会合番号]の形で発行されます。(例えば、CCPR/C/SR.2054は、2002年10月22日の第2054回会合の記録要旨を意味します。)最近の会合記録の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 会期報告は総会公式記録の補遺40号として発行されます(A/55/40, vol. Iなど)。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文は、条約機関データベースで閲覧できます。
  • 委員会に代わる国連本部のプレスリリースは、文書記号HR/CT/-の形で発行され、国連ニュースセンターの検索オプションを通じてアクセスできます。人権高等弁務官事務所からのプレスリリースは、UNHCHRニュースルームで閲覧できます。

規約締約国は第40条により、当該国についての規約発効から1年以内に、規約で承認された権利を実現するために講じた措置、および、これら権利の享受についての進捗状況に関する初回の報告書を提出するとともに、その後5年に1回、報告書を提出することを義務づけられています。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。最近の報告書の全文、および、報告書作成ガイドラインは、条約機関データベースで閲覧できます。

1977年から1987年まで、委員会は年鑑を刊行しました。1987年以降は、規約人権委員会公式記録の形で発表が続けられています。

委員会はまた、選択議定書により、その権利(規約に列挙されたもの)を侵害され、国内的救済を受けられない個人から受理した申立ても検討します。議定書による委員会の最終決定本文は、その年次報告書(A/55/40, vol. IIなど)に含まれるほか、一部は定期的に蓄積されます。

人権文書

人権問題に関する国連の文書と出版物のより包括的な一覧は、UNBISnetデータベースを通じて検索できます。検索を行う上で有用となりうる主題用語としては、arbitrary detention(恣意的抑留)、capital punishment (極刑)、economic, social and cultural rights(経済的、社会的、文化的権利)、genocide(ジェノサイド)、human rights in armed conflicts(武力紛争と人権)、human rights violations(人権侵害)、religious intolerance(宗教的不寛容)、right to development(発展の権利)、right to food(食糧を得る権利)、right to peace(平和を享受する権利)、torture and other cruel treatment(拷問およびその他残虐な取扱い)、war crimes(戦争犯罪)などがあげられます。その他の記述語はUNBISシソーラスを通じて判別できます。主題別検索を行うためには、固有名称(Declaration on a Culture of Peace(平和の文化に関する宣言)、Expert Seminar on Human Rights and Extreme Poverty(人権と極度の貧困に関する専門家セミナー)など)を用いることもできます。

コードの使用により、検索を一定種類の資料に絞り込むことができます。(例えば、検索パネルにrights of the child B01と入力すれば、児童の権利に関する決議あるいは決定のみが検出されます。)効果的な検索を行う上で、UNBISnet検索のヒントはもっとも有用なものとなるでしょう。