人権理事会
第14会期

議事日程議題3
開発の権利を含む、あらゆる人権、市民的、
政治的、経済的、社会的および文化的権利の
促進および保護

人権理事会により採択された決議*

15/9
人権および安全な飲料水と衛生に対する利用権

 人権理事会は、

 人権および安全な飲料水と衛生に対する利用権に関する人権理事会の全ての従前の諸決議、とりわけ2008年3月28日の決議7/22および2009年10月1日の決議12/8を再確認し、

 世界人権宣言、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、児童の権利条約および障害者の権利に関する条約を想起し、

 主要な国際連合会議およびサミットにより、また総会の特別会期によりおよびフォローアップ会合期間中に採択された安全な飲料水と衛生に対する利用権に関する宣言および計画の関連条項、特に、1977年3月に国際連合水会議で採択された水および開発並びに管理に関するマール・デル・プラタ行動宣言、1992年6月に環境および開発に関する国際連合会議で採択された、環境および開発に関するアジェンダ21とリオ宣言、1996年に人の定住に関する第二回国際連合会議で採択されたハビタット・アジェンダ、開発に対する権利に関する1999年12月17日の総会決議54/175および「命のための水」(2005−2015)の国際行動の10年を宣言している2003年12月23日の総会決議58/271を想起し、

 1999年にヨーロッパ経済委員会により採択された水と健康に関する議定書、2001年にヨーロッパ理事会により採択された水資源に関するヨーロッパ憲章、2006年に第一回アフリカ・南アメリカサミットで採択されたアブジャ宣言、2007年に第一回アジア・太平洋水サミットで採択された別府声明、2008年の衛生に関する第三回南アジア会議で採択されたデリー宣言および2009年の第15回非同盟諸国首脳会議で採択されたシャルム・エル=シェイク最終文書を含む、安全な飲料水と衛生に対する利用権に関する人権義務の更なる実現を促進する地域的公約とイニシアティブに興味をもって留意し、

 ミレニアム開発目標を十分に達成するために国際社会により為された公約を念頭に置き、また、この文脈で、持続可能な開発に関する世界サミットの履行計画(「ヨハネスブルグ履行計画」)において合意されたように、2015年までに安全な飲料水を利用できない人々の割合を半減するためにおよび基本的な衛生施設を利用できない人々の割合を半減するために、国際連合ミレニアム宣言で表明されたような、国家元首および政府の長の決意を強調し、

 およそ8億8,400万人が、世界保健機関および国際連合児童基金の2010年の合同監視計画報告書により定義された改善された水資源を利用できないこと、および26億人以上が基本的な衛生施設を利用できていないことを深く懸念し、また水および衛生関連疫病の結果として、毎年およそ150万人の5歳未満の子どもが死亡しまた4億4,300万の学業日が失われていることを警告し、

 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、児童の権利条約および障害者の権利に関する条約を含む、国際的な人権法文書が、安全な飲料水と衛生に対する利用権に関して当事国に義務を課していることを再確認し、

 理事会が、人権および国際的企業並びに他の企業活動の問題に関する事務総長特別代表の職務権限を設定した2008年6月18日の決議8/7を想起し、

  1. 独立専門家の概説1のための最良の慣行の収集における進展を含む、安全な飲料水と衛生に対する利用権に関する人権義務の問題に関する独立専門家の活動、および独立専門家のテーマ報告書のためあらゆる地域の関連および利害関係者と実施された広範囲な、透明な且つ包括的協議、並びに国の使節団の実行を歓迎する。
  2. 総会が、生命および全ての人権の完全な享受のために必要不可欠である人権として安全且つ清潔な飲料水と衛生に対する権利を認めた、2010年7月28日の総会決議64/292を想起する。
  3. 安全な飲料水と衛生に対する人権が、生活の適切な基準に対する権利に由来しまた肉体的および精神的健康の達成可能な最高基準に対する権利並びに生命と人の尊厳に対する権利と緊密に関連していることを確認する。
  4. 独立専門家に対し、安全な飲料水と衛生に関する非差別義務を含む、人権義務の中身を更に明らかにすることを含む、その職務権限のあらゆる側面に関する作業を、国家、国際連合組織および諸機関並びに関連利害関係者と調整して、続行し続けることを求める。
  5. 独立専門家の第二回年次報告書2を感謝をもって承認しまた独立専門家の、水と衛生サービスの提供における国家の人権義務と国家でないサービス提供者の人権責任の双方に関する勧告と解明に興味を持って留意する。
  6. 国家が、あらゆる人権の十分な実現を確保する主要な責任を有していること、および、第三者への安全な飲料水および/または衛生サービスの提供の委任は、国家の人権義務から国家を免れさせるものではないことを再確認する。
  7. 法、規則および公共政策に従って国家は、安全な飲料水と衛生サービスの供給に非国家関係者が関与することを選ぶことができ、また、供給形態にかかわらず、透明性、非差別および説明責任を確保しなければならない。
  8. 国家に以下のことを求める。すなわち、

    1. 現在供給されていない地域と供給されている地域を含む、安全な飲料水と衛生を利用する権利に関する人権義務の完全な実現を積極的に達成するために、財政部門を含む部門のための立法、包括的計画および戦略を含む適切な手段および手続を開発すること。
    2. 安全な飲料水と衛生の供給および関係する地域共同体とそこの関連利害関係者の積極的な、自由なまた意味ある参加における計画と履行プロセスの十分な透明性を確保すること。
    3. 非差別とジェンダーの平等の原則を尊重することを含む、脆弱なおよび疎外された集団に属する人々にとりわけ注意を払うこと。
    4. 人権を、適宜、サービスの供給を確保する過程を通して影響評価に統合すること。
    5. 国家の人権義務に一致して、あらゆるサービス提供者のために効果的な規制的枠組を採択し且つ履行すること、および、これらの規則を監視し且つ執行するための十分な能力のある公的規制制度を認めること。
    6. 適切な水準で、当を得た利用しやすい責任追求手続を設けることにより人権侵害に対する効果的な救済策を確保すること。
  9. 非国家サービス提供者が、以下のことを行うことを国家が確保すべきことを想起する。すなわち、

    1. 潜在的人権虐待があることを認めそれに対処する解決策を見つけ出すことを国および利害関係者と率先して従事することを含む、彼らの作業過程のいたる所で彼らの人権責任を遂行すること。
    2. 良質且つ十分な量の安全な、受け入れ可能な、手に入れやすい且つ負担できる飲料水と衛生サービスの定期的な供給の提供に貢献すること。
    3. 人権課題の対処を特定し援助するため、適宜、人権を影響評価に統合すること。
    4. 利用者に対する効果的な組織的水準の苦情手続を開発し、また、国を基礎とした説明責任手続の利用権を妨げないこと。
  10. とりわけ関連ミレニアム開発目標の時宜を得た達成において、国家、国際連合システムの専門機関、国際的および開発協力者により、並びに援助機関により提供される国際的協力および技術援助の重要な役割を強調し、また、開発協力者に対し、安全な飲料水および衛生の利用権の享受に関係する国家の発案と行動計画を支援することにおいて、開発計画を立案し実行する時に、人権を基礎とした対処方法を採択することを促す。
  11. 独立専門家に対し、理事会に対し年1回を基礎として、報告を続けることおよび総会に年次報告書を提出することを要請する。
  12. 国際連合人権高等弁務官に対し、独立専門家が、その職務権限を十分に発揮できることを可能にする必要な資源を受け取ることを確保し続けることを、要請する。
  13. 同じ議事日程議題の下で且つその作業計画に従って、この問題の審議を続けることを決定する。

第31回会合
2010年9月30日
〔投票無しで採択〕

※ 人権理事会により採択された決議および決定は、人権理事会第15会期に関する人権理事会報告書(A/HRC/15/60),chap.T.に含まれることになっている。
  1. A/HRC/15/31/Add.1
  2. A/HRC/15/31