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1999年6月5日、世界環境デー
クラウス・テプファーUNEP事務局長メッセージ
ナイロビ発(1999年6月5日)− 毎年6月5日、私達は「世界環境デー」を祝します。この日は、世界中の人々が一致団結して、地球という惑星の責任ある管理者となることを心から誓う機会です。それはまた、この地球上のすばらしい生命体系を称え、地球という私達の惑星の管理とその未来について考える日でもあります。
「私達の地球、私達の未来、救うのは今!」というテーマの下に祝われる1999年の世界環境デーは、特別な意義を持っています。なぜなら、私達が共通の未来に向けた新しい希望を持って21世紀を迎えようとする中で、この千年紀最後の世界環境デーとなるからです。
今世紀には、経済成長の環境と社会に対する悪影響に対処しようとする地球規模の協力の試みが結実し始めました。私達は地球全体に法的拘束力を持つ条約を作り上げ、環境にやさしい技術を推進してきたのです。
私達は、息をのむような変革と無限に思われる可能性の時代に生きるという恩恵に浴しています。技術革命、商業上の結びつき、そして相互作用の増幅により、ますます連帯を強めた地球規模のコミュニティーが生まれつつあります。しかし、それ以前の文明と同様に、私達の近代文明もまた、その生態学的基盤に依存していることを忘れてはなりません。この基盤は、経済成長を最優先させようとする私達の欲望によってむしばまれつつあります。あらゆる主要部門で、私達の生活の質を決定付ける傾向が加速しています。
今後10年間に、およそ8億人の人々が地球の総人口に加わるものと見られます。この人口増加に対応するためには、現在の食糧生産をほぼ倍増させる必要があります。今世紀初頭、都市に住む人々は10人に1人に過ぎませんでした。私達が新しい千年紀を迎えようとする今、その数は約32億人と、総人口の50%近くに達するものと見られています。今世紀の初めには、おそらく10余の都市が100万人以上の人口を抱えていたとされています。2010年までには、世界最大の20都市の人口は、それぞれ1,000万人を越えることになります。これらの人々の衣食住を確保することは、未曾有の挑戦となるでしょう。
水利用は10年間ごとに10〜20%ずつ増加していくものと予測されます。開発途上国では、安全な飲み水を手にすることのできる人々は全体の半数に過ぎません。先進国でも途上国でも同様に地上、地下水の源が都市、産業廃棄物および有害物質によって汚染されています。毎年、水を媒介とする疫病で死亡する人々の数は、全世界で1,000万人を越えています。
全世界のエネルギー消費量の急増も予測されています。エネルギー関連の二酸化炭素排出量は2010年までに、30~40%の増大を遂げるものと見られます。デング熱、マラリア、黄熱病、脳炎、コレラなど、熱帯地域の風土病は、媒体となる有機体の生息範囲の拡大により、蔓延する可能性が高くなっています。
2100年までに、マラリア患者が1年あたり5,000万〜8,000万人増加する可能性もあります。
地球規模の気候変動の結果、「ハリケーン・ミッチ」などの災害をもたらしたエル・ニーニョをはじめとする現象は、再三にわたって発生すると見られます。こうした現象は、私達が備えを行わなければ、甚大な破壊と惨禍をもたらすことになるでしょう。
植物および動物種全体の少なくとも3分の2が住処とする熱帯林のほとんどが、1年に1,100万ヘクタールの割合で破壊されています。生物種の絶滅は、自然状態の5,000倍近くの速さで進んでいます。このままでは、来る30年間に、生物種全体の25%が絶滅してしまうことになります。
大気、水および土壌を介して運ばれる有害・有毒化学物質は、世界中でますます多くの人々に影響を与えています。長期間にわたって殺虫剤その他の有害化学物質にさらされれば、がん、出生障害、さらには死にもつながりかねません。今日、合成化学物質は、野生生物および人間の生殖、免疫および運動機能障害をひきおこす疑いが持たれています。
毎年、全世界で発生する有害廃棄物は3億5,000万トンを越えています。大量の廃棄物は、地球の顔さえも変えています。ごみ捨て場として使われている土地、大気および水は、その許容量の限界に達しています。
新たな世紀を迎えようとする中で、私達は、再生可能なエネルギーを基盤とし、物質を継続的に再利用、リサイクルするような、新しい工業化システムへの転換を図らなければなりません。地球上のすべての生命を脅かす残留性有機汚染物質の拡散を防ぐため、私達は強固な防御壁を築かなければならないのです。国際社会は程なく、これら残留性有機汚染物質を統制する地球規模の条約を作り上げる、と私は確信しています。私達はまた、地球的なバイオセーフティーに関する議定書についても、緊急に合意を達成しなければなりません。
持続可能な開発の達成にとっての根本的な制約は、社会的な不平等、および、これによってもたらされる貧困と無知という害悪です。
この意味において、国際開発援助協力は、すべての人々の相互連帯を象徴するものです。それはまた、国境を越えた数限りない地球規模の問題への対処に必要な利益と価値観の共同体を拡大するものでもあります。残念ながら、海外開発援助のレベルは低下傾向にあります。1998年の政府開発援助(ODA)の総額は330億ドルとなっていますが、これは90年代初頭に比べて40%も低い数字です。先進国国内総生産(GDP)の0.7%という目標値からすれば、現在のODAの金額は1,000億ドル近く不足しています。
先進諸国はODAおよび債務軽減イニシアチブの規模と、持続可能な都市開発、貧困緩和および良き統治という目標との関連を認識しなければなりません。
今年の世界環境デーに際し、技術がいかに進歩しようとも、また、科学的な対応がどれほど革新的なものであろうとも、地球上の一人ひとりが、自らの環境の保全に努めることが将来の世代に対する責務を果たすことにもなるのだということを深く確信しない限り、長期的に完全で決定的な成果は得られないことを、私達は深く心に留めなければならないのです。
詳しくは以下にお問い合わせください。
Mr. Tore J. Brevik, UNEP Spokesman
Tel: (254-2) 623292, Fax: 623692, E-mail:
tore.brevik@unep.org
6月1日以降
東京プリンスホテル
Mr. Tore J. Brevik Tel: (03) 3432-1111, Fax: (03) 3434-5551
テプファー氏は6月4日(金)午前10時、日本外国特派員協会(有楽町)で記者発表会を開催予定。
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