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News in Brief(1999年)

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» News in Brief

また1999年1月~2021年6月の記事は日本語要約をアーカイブにしています

1999年12月31日

  • インディアン航空機ハイジャック事件が、さらなる生命の損失をもたらさずに解決されたことについて、アナン事務総長は、深い安堵の念を表明した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は20世紀の終わりにあたり、メッセージを発信。世界は、新しい世紀を前にして、過去50年間の人権の歩みを人々の生活に反映させるという大きな挑戦に直面している、と述べた。また、ロシア政府に対して、チェチェンの市民たちの安全を確保するよう求めた。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボのMitrovicaを訪問し、セルビア人居住区とアルバニア人居住区をつなぐ橋のうえで、新しいミレニアムを祝った。この式典には、両居住区の代表および音楽家、ならびにUNMIK、KFORの代表が出席した。
  • イラク政府は、第7期イラク石油食糧交換プログラム下の最新の調達計画を、まだ事務局に提出していない。アナン事務総長が、配給計画を承認するにあたっては、すべての調達品目をリストアップした添付文書が必要となる。

1999年12月30日

  • アナン事務総長は、新しいミレニアムに向けてメッセージを発信。「国連は世界の人々のものである」とするとともに、人々の支援と発想を得ることにより、国連がより良く活動し、新世紀の課題を解決することができる、と述べた。(全文テキスト→ここをクリックhttp://www.un.org/millennium/3112sge.htm)
  • グリラブ総会議長は、安保理議長Jeremy Greenstock氏(英国)の主催するレセプションでスピーチを行い、改革・強化された国連が、次世紀の核軍縮に向けた地球的キャンペーンという「価値ある大義」において指導的な役割を果たさなければならない、と述べた。そして、「地球的家族の精神、お互いに対するより大きな思い遣りをもって、新しいミレニアムを迎えよう」と述べた。
  • コソボに関して、安保理が非公開の公式会合を開催。同会合の後、安保理議長Jeremy Greenstock氏が報道記者たちに語ったところによると、安保理メンバーは、コソボにおいて引き続く暴力事件について懸念を表明し、また同地のコミュニティーに対して、「和解に向けて異なるアプローチをとる」よう促した。
  • 安保理、ソマリアに関して、非公式会合を開催。同会合の後、安保理議長が報道記者たちに語ったところによると、安保理メンバーは、ソマリアに対する禁輸決議が無視され、依然として同国に武器が流れ込んでいることに留意した。
  • デメロ東ティモール事務総長特別代表は、独立派指導者シャナナ・グスマオ氏とともに、東ティモールのコーヒー栽培地域Ermeraを訪問。特別代表は、5,000人の群集に対する演説において、8月の住民投票後、国連が暴力の発生を予見し、防ぐことができなかったことについて謝意を表明した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の主任検察官Carla del Ponte氏は声明を発表し、「コソボ紛争におけるNATOの行動に関して、公式調査は、一切行われていない」と述べた。
  • 事務総長付スポークスマンによれば、12月14日に一時中断されたキプロス間接交渉(ニューヨーク)が、1月31日にジュネーブで再開される。
  • バーティーニWFP事務局長は声明を発表し、紛争において市民が攻撃対象となることが多くなり、アジアおよび東欧における食糧援助の必要性が3倍以上拡大し、次世紀にはドナーがその需要を満たせなくなるかもしれない、と述べた。
  • 国連人道援助調整ユニットの上級人道問題担当官Marjolaine Martin氏は、IRINニュースサービス(http://www.reliefweb.int/irin/)に対して、アンゴラの人道的な危機事態が来年も継続するであろう、と語った。また、1999年、国連およびNGOが約55万のアンゴラ人に対して、食糧やその他の援助物資を提供した、と述べた。
  • 国際民間航空機関(ICAO)が本日発表したプレスリリースによれば、ICAOにとって、1999年の最大の成果は、安全監査プログラムの開始と、被害者に対する補償に関する条約の採択であった、述べた。

1999年12月29日

  • 安保理は本日、シエラレオネおよびギニアビサウ情勢に関して、協議した。なおシエラレオネに関して、安保理議長は報道声明を発表し、ナイジェリア部隊が来年、ECOMOGから撤収した後に、「治安の空白状態(“security vacuum”)」が生まれることを回避する重要性について、安保理メンバーが合意した、と述べた
  • 国連アフガニスタン人道調整官Erick de Mul氏は、ハイジャックされカンダハル空港に着陸したインディアン航空機の乗客に対して食糧を提供すべく、パキスタンの会社(本社:イスラマバード)に食糧調達の発注を行なった。同調整官は翌日、イスラマバードからカンダハルに戻る予定。
  • 来週火曜日、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、ディリ西方にあるLiquicaで発見された19の墓地の発掘作業を開始する予定。これら墓地のうちの3つは30日、発見され、そこで2人の遺体が発掘された。
  • 生物の多様性のための国際デー(International Day for Biological Diversity)。6年前のこの日、生物多様性条約が発効した。アナン事務総長は声明を発表し、地球の生物多様性の保護は、人類にとって共通の関心であり、持続可能な開発へと移行するために不可欠なものである、と述べた。
  • ベネズエラの洪水による被災者の救済活動に関して、国連人道問題調整部(OCHA)は本日、声明を発表。同救済活動のため、OCHAでは現在までに合計28万ドルの緊急資金を提供し、また、これまでに1,260万ドル以上の資金拠出がなされた、と述べた。
  • 今週月曜日、コソボにおいて、PoljeとZvechanの間をつなぐ鉄道輸送サービス(全民族が利用可能)が開始した。UNMIK警察とKFORがその運行の安全を図ることになる(UNMIK発表)。

1999年12月28日

  • インドネシアとポルトガルの国連大使が国連本部で、共同コミュニケに署名し、両国の外交関係再開を発表した。これについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。
  • アナン事務総長は安保理宛報告書において、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)が過去6ヶ月間、その任務の実施において「かなりの進展」をみせた、と述べた。またコソボ解放軍(KLA)の非軍事化について、「重要な前向きの一歩」であるとしたが、その一方で、コソボのセルビア人、ロマ族などの少数者にとっての治安状況について、懸念を示した。
  • 東ティモールのPassabeで発見された集団埋葬地について、国連警察が現在、調査中。現地住民たちは、50人以上の遺体がこの埋葬地(300mx500m)に埋められている、としている。数週間後、法医学専門家チームが訪れ、より綿密な調査を実施することになっている。
  • UNHCRは、チェチェン避難民に対する人道物資を陸路輸送した。本日の輸送団はトラック34台からなり、食糧、寝具、衣服、衛生関連物資240トンを運び入れた。なお、9月中旬からこれまでに、北カフカスへ送られた人道輸送団は、本日分も入れて、合計22件となった。
  • 国連イラク・プログラム部の発表によれば、12月24日を最終日とする一週間に、イラクは原油1,260万バレルを輸出し、推計2億9,300万ドルの収入を得た。石油食糧交換プログラムの第7期開始以来、これまでに、イラクは原油1,460万バレルを輸出し、推計3億4,000万ドルを得た。
  • 先月、ジャマイカで、世界の飢餓との闘いのための資金集めと関心喚起を目的として、「TeleFood99」コンサートが行われたが、12月30日以降、インターネットを使って、このコンサートのハイライトを見ることができる。アドレスは、http://www.fao.org、あるいは、http://www.apple.com/quicktime/showcase。(FAO発表)

1999年12月27日

  • インディアン航空エアバスA300型機がハイジャックされた事件で、先週土曜日、国連は、インド政府の要請に応じ、人道的側面での支援提供を申し出た。これを受け、日曜日には、国連人道調整官Erick de Mul氏が、イスラマバードからカンダハルに到着した。なお本日、事務総長付きスポークスマンFred Eckard氏は、国連がインド政府から、犯人グループとの間の仲介役を演じることを要請されてはいない、と述べた
  • 先週末、アナン事務総長は、安保理議長に書簡を送付し、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)を拡大し、軍事要員を1万人近くまで増員するよう提案した。なお、このUNAMSILの拡大提案の詳細については、来年1月20日に安保理に報告書を提出し、明らかにする、とした。
  • ギニアビサウの情勢および国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(UNOGBIS)に関して、事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長は、同国で11月28日に実施された議会・大統領選挙が、「民主化および平和・平常の回復に向けた重要な一歩」である、と述べた。また大統領選挙の第2回目投票が来年1月16日に予定されていることから、事務総長は、加盟各国および関心ある機関に対して、同選挙の組織・実施に支援を提供するよう促した。さらに12月31日の任期期限が迫っているUNOGBISについて、その任期を3月31日まで延長することに合意した。
  • 先週、コートジボワールにおいてクーデターが発生し、同国大統領のHenry Konan Bedie氏が追放されたが、国連現地調整官の報告によれば、現在、同国において、人々の日常生活は平常に戻っている。先週金曜日、アナン事務総長および総会議長はそれぞれ、このクーデーターについて非難する声明を発表した。
  • 先週木曜日、第54回総会は、主な審議を終えて休会に入った。
  • コソボでセルビア人家族が殺害された事件(11月29日)に関連して、国連警察は、12月22日、目撃者からの証言をもとに、27歳のアルバニア人男性を逮捕した(UNMIK発表)。

1999年12月23日

  • 総会第5委員会で最終的な詰めがなされている2000-2001年の国連通常予算について、ジョセフ・コナー管理担当事務次長は国連本部で記者会見し、「実質ゼロ成長」であり、「驚くべき財政規律」を再度示すものである、と述べた。(この日、夜、総会は決議を無投票で採択し、約25億3,600万ドルの予算(2000-2001)を採択。)
  • 東ティモールのManatutoで先週、20人が餓死したとの報道を受け、国連ならびにCARE InternationalおよびAMIが当地を訪問し、調べたが、そのような餓死はなかった、とした。過去2ヶ月間、援助機関は地域の6地区に食糧375.5トンを配給している。
  • 南レバノンに駐留している国連ミッションの報告するところによれば、同地において、2日間続けて、一発のライフル銃も発射されず、22年間で、最も静穏な日々となった。この静穏は、イスラエル支配地域における戦闘で死亡したイスラム教徒抵抗戦闘員6人の遺体を回収すべく、レバノン、イスラエル、シリア、フランス、米国の5カ国で構成する「モニタリング・グループ」(1996年設置)が取り決めた停戦によってもたらされた。なお本日、日没時において、最後の一遺体の回収が終わらず、停戦は24時間延長された。
  • ユーゴ当局が最近、クシュネル・コソボ事務総長特別代表に対して、根拠のない事柄について激しい批判を浴びせていることを受け、アナン事務総長は、同特別代表に「全幅の信頼」を置いていることを再確認した。スポークスマンによれば、事務総長は、批判される疑惑について、「透けて見えるような中傷の試みであり、何の根拠もなく、少しの関心にも値しない」としている。
  • アナン事務総長は、12月21日付で、Matthew Nimetz氏(米国)を、ギリシャ・マケドニア旧ユーゴスラビア共和国間の協議のための事務総長個人代表に任命した。
  • 人道問題に関して、最も包括的な情報を掲載する国連ホームページ“ReliefWeb”(http://www.reliefweb.int)では、12月31日から1月4日までの間、24時間体制で、Y2K問題が世界に及ぼす人道的影響に関して、情報を更新し続ける。

1999年12月22日

  • 安保理は決議1270を全会一致で採択し、憲章第7章の下、6,000人構成の国連シエラレオネ・ミッション(United Nations Mission in Sierra Leonne=UNAMSIL)を設置した。当初の任期は6ヶ月間。同国において停戦を監視し、ロメ和平合意の実施を支援する。
  • 安保理は決議1271を全会一致で採択し、国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)の任期を2000年2月15日まで延長した。同決議採択にあたり、安保理はまた、国連各機関、IMF、国際復興開発銀行の支援の下、平和維持活動から紛争後の平和建設活動への段階的移行を求める事務総長勧告に歓迎の意を表明した。
  • 安保理は議長声明を発表し、アフガニスタンにおけるタリバンの最近の軍事攻撃を強く非難するとともに、同国で継続する紛争が地域および国際の平和と安全に対する「深刻かつ拡大する脅威」となっていると述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、ブルンジにおいて暴力が再発していることに懸念を表明するとともに、同国において国連要員2人が最近殺害されたことに憤りを示した。
  • アナン事務総長は、チェチェンにおいて進行する紛争によって罪のない市民に犠牲者がでないように、特別な対応がなされるよう強く希望した。事務総長は、チェチェン情勢の最近の進展に関する報道について憂慮しながら追跡しているとし、軍事紛争における人道法の諸規定が尊重されるよう希望を表明した。
  • 総会の第5委員会において、軍縮に関するいくつかの決議案が提出された。そのなかの一つは、生物兵器条約のすべての締約国に対して、検証措置も含めた条約強化のための議定書を作成すべく交渉を促進するよう求めた。なお本日、第5委員会以外の各主要委員会においても、平和維持活動の財政、持続可能な開発、国際刑事裁判所の設置などの問題が討議された。
  • UNHCRは、西ティモールから避難民2,000人を東ティモールへ、初めて海上ルートを使って移送した。先月前半にUNHCRが避難民送還作業を開始して以来、東ティモールに帰還した避難民は、これまでに合計約1万人(自発的、組織的帰還双方を含む)。また陸路を使い自発的に帰還する避難民の流入は、水曜日に急に止まったまま、再開する気配はない。
  • アフガニスタンにおいて、ユニセフとWHOが5歳未満の子どもを対象としたポリオ・ワクチン投与活動を開始する体制を整えている。5月、6月の両月で、同国全土の5歳未満児の85%、360万人に対するワクチン投与が完了したが、戦闘の発生のために、20地区での同年齢層児童約60万人への投与がまだ行えずにいる。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は新たな規則に署名し、コソボ市民個人および小規模企業に対して貸付けを行う金融機関業務を承認した。これにより、今後、銀行以外の金融業者も、上限2000DMまでの貸付けを行うことが可能になった。
  • UNHCRは、コソボの人々に対して、越冬対策物資の配給を急いで進めているが、一部地域においては、降雨のために作業が遅れている。
  • ミレニアム総会およびサミットに関する特別ホームページ、開設。アドレスは、http://www.un.org/millenium。2000年ミレニアム総会は、9月5日に開幕する。

1999年12月21日

  • UNHCRによれば、ロシア当局が警察に対して、北カフカスで活動する国連諸機関の要員の安全を守るよう指示した。これにより、国際職員は、境界線地域へ頻繁な人道援助活動を行うことができる。この新たな取極めの下、輸送団第1陣は、今週水曜日あるいは木曜日に、多数のチェチェン避難民が流入しているイングーシェチアに入る予定。
  • WFPおよびユニセフは現在、先週ベネズエラを襲った洪水と土砂崩れの被害者への緊急救済支援を組織している。この洪水により、1万人が死亡し、6,000人が未だ行方不明となっている他、15万人が家を失った。(WFP発表)
  • UNHCRによれば、西ティモールの難民キャンプの治安状況が改善している。国連職員は、これらキャンプ周辺で、護衛なしで自由に移動し、チラシを配り、情報センターを開設している。
  • コソボ(プリシュティナ)において、新設の暫定行政協議会が会合を開き、12月15日に立ち上げた合同暫定行政組織に関する規則案と手続き規則について、話し合った。協議会は合同暫定行政組織を監督し、政策を定義し、新たな規則や現法令の修正を勧告することになっている。
  • 平和維持活動担当事務次長補Hedi Annabi氏は、安保理へのブリーフィングにおいて、コンゴ民主共和国の軍事治安状況がさらに悪化している、と述べた。そして、ルサカ和平合意当事者が、攻撃を控えるとともに、特にSouth Kivuにおける暴力の勃発を防ぐために可能なすべての措置を講じることを、安保理が求めるよう促した。
  • UNEPとケニア政府が、絶滅の危機に瀕した動植物の不法貿易を取り締まるタスクフォース本部をケニアに設置することで合意した。明日、ケニアの外務・国際協力担当大臣Bonaya Godana氏とタスクフォース長のAdan Dullo氏がこの合意に署名する予定。

1999年12月20日

  • グリラブ総会議長は声明を発表し、ベネズエラで起こった洪水により人命が奪われ、物質的損壊がもたらされたことに対して深い憂慮を示し、この惨事に対する国際支援の重要性を強調した。またアナン事務総長は、国連がこの被災地域の救済・復興援助を継続していく、と述べた。
  • 先週土曜日、クマラトゥンガ・スリランカ大統領をねらったテロ行為が起こり、数多くの罪のない人々が死傷した。アナン事務総長は、スポークスマンを通じて、このテロ事件発生を知り、深い衝撃を受けた、と表明した。また負傷した大統領に対して、その早い回復を願い、メッセージを送った。
  • 東ティモールのOecussiにおいて、国連軍事監視員が集団埋葬地を発見した。同地住民によれば、埋葬地には、9月、近隣の3つの村落で民兵たちに捕まり、銃殺された50人の遺体が埋められている。
  • 本日、ボスニア・セルビア軍の元司令官Stanislave GalicがSFORにより逮捕された。これについて、旧ユーゴ国際刑事裁判所の主任検察官Carla del Ponte氏は歓迎の意を表明した。
  • シエラレオネの反政府勢力RUFの大佐Sam Bockarie氏が、リベリア大統領Charles Taylor氏との話し合いのためにモンロビア入りしたことが、先週末、確認された。国連では、このことにより、緊張が緩和し、軍縮が早まることを期待している。これまで、Bockarie氏は、その戦闘員の軍縮・動員解除を求めるRUF指導者Foday Sankoh氏の呼びかけに応じずにいたが、Bockarie氏とSankoh氏の両者がモンロビア入りしたことから、大統領がこの両者の対立点について調停することが可能になった。
  • UNMIKの発表によれば、コソボのStari Trg鉱山がまもなく再開する予定。まず、約200人の労働者が、事前に必要となる作業について調査すべく6週間の評価活動を行う。
  • ICAOは声明を発表し、ほとんど全世界の空輸システムにおいて、現在、Y2K対策がすでに済んでいるか、あるいは12月31日までに完了するであろう、と述べた。
  • ネルソン・マンデラ前南アフリカ大統領は、世界中のスラム街に暮らす1億の人々の生活水準を2020年までにコミュニティーに根差したプログラムを通じて改善することをめざす世界銀行とHabitatの共同プロジェクトの支援者となる、と発表した。

1999年12月17日

  • 安保理は決議1284を賛成11、棄権4(中国、フランス、マレーシア、ロシア連邦)で採択し、国連特別委員会(UNSCOM)に代わるイラク兵器監視システムとして、国連監視検証検査委員会(UNMOVIC=UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)を設置した。同決議は、イラクがUNMOVICとIAEAに対して「すべての点」で協力し、制裁が停止されるより前に120日間、軍縮において歩みを進めるよう求めた。
  • 東ティモール支援国会合(東京)が終了。5億2,000万ドルを超える資金拠出誓約がなされた。デメロ東ティモール事務総長特別代表は閉幕演説において、「今日、勇気づけられる進展があり、東ティモールの人々、またそこで独立までの間支援を提供する人々にとっての希望のメッセージが発せられた」と述べた。
  • UNHCRによれば、西ティモールから東ティモールへ帰還する難民の数が、1日当たり1,000人以上に急増。今月初旬、一日当たりの帰還難民数は急激に減少していたが、これで、10月初旬以来の帰還難民の数は合計で11万8,000人を超えた。
  • 総会は、第3委員会の勧告に基づいて、複数の決議を採択。これにより、越境組織犯罪に対する条約が来年完成し、2000年総会会期中にハイレベル会議(パレルモ)で署名されることになる。また2000年6月5‐9日、「女性2000:21世紀のためのジェンダー平等、開発と平和」とのテーマの下に特別総会を開催することを決定した他、人種主義に反対する世界会議(2001年)を招請する南アフリカの申し出を歓迎した。
  • シエラレオネ事務総長特別代表Oluyemi Adeniji氏はフリータウンで初の記者会見。国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は、シエラレオネ政府の招請により、軍縮および動員解除を支援すべく同国にいる、と強調した。同ミッションの展開が遅いとの報道を否定し、安保理の決定後、2週間以内に展開されていることを指摘した。
  • 昨日、UNMIK警察およびKFORは、Mitrovica北部において、コソボ・アルバニア人政治指導者の事務所前で抗議デモを行っていたセルビア人の群集500人を解散させた。アルバニア共和党の新設事務所前で起こったこの騒動において、銃が一回発砲され、UNMIKとKFORは手榴弾を持っていた容疑者一人を逮捕した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の主任検察官Carla del Ponte氏は声明を発表し、ボスニアのクロアチア人たちが同国で活動する裁判所職員を監視しようとしていたとするSFOR発表に驚いてはいない、とした。そして裁判所が、かなりの期間、このスパイ活動の標的となっていたことは明らかであり、また、その活動は公式に是認されていたらしいと述べ、この法外な行為を非難した。
  • 先週金曜日以来、UNHCRはヘリコプターで、1,200人のチェチェン難民をグルジアの村Shatiliから同国北東部のAkhmeta地域のPankisi峡谷に移送、避難させた。

1999年12月16日

  • ルワンダで1994年にジェノサイドが行われた際の国連行動に関する調査報告書が発表された。アナン事務総長は、国連がルワンダのジェノサイド防止に失敗したことについて「深い悔恨(“deep remorse”)」の念を示すとともに、国連が大量虐殺防止において再び躓くことのないよう、自らの強いコミットメントを繰り返し表明した。
  • この独立調査パネルは、ジェノサイド防止に失敗した責任は、事務局、安保理、ルワンダにおける国連平和維持活動、国連加盟国など、「数多くの様々な行動主体」にある、との結論をだした。また国連対応の失敗において最も大きい要因は、資源および政治的意思の欠如、ルワンダで発生した問題の性格についてすべての行動主体が判断を誤ったことにある、とした。
  • 安保理において、ミィエ平和維持活動担当事務次長が、コンゴ民主共和国に関する公開ブリーフィングを行った。同事務次長は、過去1ヶ月間、同国における軍事・治安状況が深刻に悪化している、と警告した。
  • 総会は、ボスニア・ヘルツェゴビナの指導者たちがニューヨーク宣言を採択し、デイトン和平合意の完全実施に向けて前進するための重要な措置に合意したことについて、歓迎の意を表明した。この後、総会は、安保理改革に関する討議を開始。この討議には、70カ国以上が参加する予定。
  • 東ティモールのAileuにおいて、昨夜、2人の民兵が関与したとみられる銃撃事件が発生。国連文民警察が現在、調査を進めている。一方、明日、東ティモール支援国会合(国連および世界銀行主催、東京)が開幕するが、今夜、会議に参加する各代表を招いた夕食会が行われた。同会議には、29カ国から100人以上が参加する予定。国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の長であるセルジオ・デメロ氏が明朝、国連を代表し、声明演説を行う。
  • 3週間ぶりに、イラクは国連イラク石油食糧交換プログラムの下、石油売却を再開した。先月、イラクは、安保理が同プログラムを従来の180日間ではなく2週間のみ延長することを決定したことに抗議し、石油売却を停止していた。安保理はその後、プログラムの1週間延長を決定し、12月10日に第7期プログラム(6ヶ月間)を承認した。
  • WFPは“Hunger Site”(http://www.hungersite.com)に関するプレスリリースを発表。このホームページのボタン“Donate Free Food”をクリックすると、このページに広告を掲載する企業から、世界で飢えに苦しむ人々に食糧が提供される。インターネット利用者が金銭を負担することは一切ない。

1999年12月15日

  • 安保理は、言葉より行動を重視し、アフリカにおける紛争の解決および平和の維持を地域機構との協力拡充などを通じて図るための具体的な方法について、集中的かつ焦点を絞った討議を開始した。アナン事務総長は冒頭演説において、安保理がアフリカの紛争や潜在的紛争に対して持続的かつ効果的関心を見せる必要性とともに、危機的状況に対して散発的あるいは単に言葉で反応しただけで、その後には何のフォローアップもないという状況を避ける必要性を強調した。
  • コソボ・アルバニア人政党3つの指導者(PPDKのHashim Thaci氏、LDKのIbrahim Rugova氏、LBDのRexhep Qosja氏)が、コソボ・UNMIKの合同暫定行政組織(Joint Interim Administrative Structure=JIAS)の共同管理に合意、署名した。JIASは、合計8人のメンバー(コソボ・アルバニア人代表者3人、コソボ・セルビア人代表者1人{未決定}、およびUNMIK4人)で構成。来年1月31日にその機能を開始する。
  • ルワンダの1994年ジェノサイド発生前およびその最中の国連行動に関し、独立調査パネルが報告書を事務総長に対して提出した。この調査は、ルワンダの悲劇への国連の対応について事実を調査し結論をだすべく、事務総長が3月に開始した。
  • FAOは、このたび発表した最新の報告書「アフリカのサハラ以南地域における食糧供給事情および収穫見通し」において、東アフリカの食糧供給事情の悪化について警告し、サハラ以南地域15カ国が「異例の食糧緊急事態」に直面している、と述べた。なおソマリアにおいては、約160万の人々が救済活動から遮断されており、すでに多くの人々が飢えて死亡した、とした。
  • 安保理は決議を全会一致で採択し、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の任期を2000年6月15日まで延長した。
  • 総会は、すべての国に対し、Y2K問題についてタイムリーかつ効果的な対応を図るために協力するよう呼びかけた。
  • 東ティモール支援国会合(国連・世界銀行主催、12月16日および17日、東京)の開催を前に、世界銀行は、東ティモールが自らの再建を図るため、今後3年間で上限3億ドルを必要とするであろう、との見積もりを発表した。
  • 東ティモールにおける報道インフラの再建に向けて、ユネスコとSouth Asian Press Allianceが13日と14日、バンコクで会議を開催した。この会議において、100万ドルの資金拠出誓約が行われた他、東ティモールの新しいメディアのための規制的枠組みの開発、ラジオ網インフラの修復、ジャーナリスト訓練プログラムの3つの柱からなる行動計画が採択された。
  • 今月27日と28日、国連本部ビルが、“UN2000”と読めるようライトアップされる。 (27日は5番街側、28日はイースト・リバー側)。来年9月のミレニアム・サミットに向けた行事の一環として行われる。

1999年12月14日

  • アナン事務総長、国連本部で今年最後の記者会見。「新しいミレニアムが近い。私は、世界が、その諸問題およびそれを集団的行動により解決する必要性について、より明確に理解しつつある、と信じる。2000年を通じて、この明確さが輝きつづけ、特に、各国首脳が9月にニューヨークで開催されるミレニアム・サミットで一堂に会する際、それに相応しい行動への決意が示されることを期待し、信じる」と述べた。(→記者会見全文(英語)、ここをクリック
  • 国連本部で行われていたキプロス間接交渉が、終了した。来年早い時期に再開することが期待される。アナン事務総長は今年最後の記者会見において、「私たちは皆、交渉内容に関して公の場で話さないようにすることで合意したが、トルコと欧州連合、ギリシャとトルコの間にみられる新しい力学が、今後交渉を継続していく期待のもてる状況を生んでいることだけは確かである」と述べた。
  • 今年最後の記者会見において、アナン事務総長は、東ティモールにおける和解の歩みがより早くなっていることを指摘するとともに、環境の改善によって、西ティモールにいまだ残っている難民ができる限り早く、平和的かつ安全に東ティモールへ帰還できるよう希望を表明した。またワヒド・インドネシア大統領が事務総長による東ティモールへの訪問招請を受け入れたことを明らかにした。さらに、東ティモールの治安に対する責任を引き継ぐ国連部隊の司令官にフィリピン人を、副司令官にオーストラリア人を任命することを決定した、と発表した。
  • 安保理は決議1282を賛成14、棄権1(ナミビア)で採択し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を2000年2月29日まで延長した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所は、人道に対する罪などで、Goran Jelesic氏に禁固40年の判決を言い渡した。同裁判所のこれまでの判決の中では、最も重刑である。
  • アフガニスタンにおいて、カブールからパンジシールへと人道物資を輸送し、同物資をショマリ峡谷からの避難民に提供する活動の第1段階が終了した(国連アフガニスタン調整官事務所発表)。
  • UNHCRによれば、今朝、人道物資を輸送するトラック19台が、イングーシェチアに到着した。本日到着分を含めて、UNHCRは10月初めからこれまでに、食糧2,128トン分および食糧以外の人道物資1,000トン分を、イングーシェチアにいるチェチェン避難民たちに提供した。
  • 国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)は、「警察共同配置拡充プログラム」を広げ、潜在的な帰還難民および地方住民のための治安向上を図るために、スレブレニッツァ東部のボスニア人居住街をプログラムに含める、と述べた。
  • UNHCRは、シエラレオネに残ったリベリア難民のうち、帰還を希望した難民213人を祖国へ帰還させた。3日間かかって、先週日曜日、この帰還作業を終了。1997年以来、48万人のリベリア難民のうち34万人が、UNHCRの支援を得て、あるいは自らの力で、祖国へ帰還した
  • アカデミー賞受賞女優のスーザン・サランドンさんが、ユニセフの親善大使に任命された。

1999年12月13日

  • ユニセフ、「2000年世界子供白書」を発行。ベラミー・ユニセフ事務局長は、同白書発行記念式典(ベルリン)で演説し、開発途上諸国において、エイズ、武力紛争、極度の貧困が科学技術発展の成果を覆し、子どもたちの生存や成長、保護を危険にさらしている、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、アンゴラの危機的現状の原因について当初の立場を確認し、1994年のルサカ和平合意を遵守しようとしないUNITA指導者を非難。UNITAがルサカ合意の下の義務を「即時かつ無条件に」遵守するよう求めた。
  • アナン事務総長は、安保理議長に宛てた書簡において、国連中央アフリカ共和国平和建設事務所(UN Peace-Building Support Office in the Central African Republic=BONUCA)の設置を提案した。同書簡によれば、これは、来年2月15日に国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)が撤退した後に中央アフリカ共和国に展開し、同国政府が和平・国民和解を強化し、民主制度を強化し、国民和解・経済復興のための国際的政治支援や資源の動員を促進しようとするのを支援することを主な任務とする。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)が発足してから6ヶ月が過ぎた。これを記念する記者会見において、クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボの法律専門家たちが現在、欧州会議の支援を得て、新しい刑法典を起草している、と述べた。
  • UNMIK発足6ヶ月目を記念して、フレシェット副事務総長は、UNMIKが、国連の手がけたなかでも最も複雑なミッションのひとつであり、過去6ヶ月間の成果については「この期間としては非常に大きい」と述べた。クシュネル事務総長特別代表は、UNMIKの成果として、コソボの子どもたちの86%が今や学校に通っており、またすべての病院そして基本的な衛生保健サービスが機能していることを指摘した。
  • デメロ東ティモール事務総長特別代表はジャカルタで、ワヒド大統領らインドネシア首脳と会談し、東ティモールとインドネシアの将来の関係について話し合った。
  • 国際司法裁判所は賛成11、反対4で、ナミビアとボツワナがそれぞれの意見を主張して争っていた島(ナミビアでの呼称がKasikili、ボツワナではSedudu)の領有権の問題について、同島が「ボツワナ共和国の領土の一部を構成する」との判決を下した。
  • 先週土曜日、ツジマン・クロアチア大統領が77歳で他界。グリラブ総会議長、アナン事務総長はともに哀悼の意を表明した。
  • 日曜日、アナン事務総長は、アメリカ・ユダヤ人委員会(AJC)主催の夕食会において、国連がイスラエルに与えた「偏見および不公平という残念な印象」による傷を癒すことを再度約束するとともに、国連とユダヤ人社会の協力強化の必要性を訴えた。
  • WHOは、国連財団(UNF)からの寄付金1,640万ドルにより、子ども・青年のための保健活動を大幅に拡充する意向である、と述べた。WHOに対するこの寄付金は、子どもや青年の死亡率を減らすため、UNFが国連システムに寄付した合計5,100万ドルのうちの一部である。

1999年12月10日

  • 人権デー。グリラブ総会議長はメッセージを発し、「私たちはこれまで、世界中に普遍的な人権文化を広げることにおいて、大きな歩みを進めた」と述べた。またアナン事務総長は、人種主義、差別、偏狭、不寛容こそが今世紀の重大な犯罪や多くの死傷者をだした戦争の根源にあると強調し、すべての形態の人種主義をなくすための新たな努力を求めた。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、世界人種主義世界会議(2001年7月、南アフリカ)に関する啓発活動を支援する親善大使7人を任命した。―――ノーベル賞受賞者Wole Soyinka氏(ナイジェリア)とSeamus Heaney氏(アイルランド)、パナマの俳優・音楽家Ruben Blades氏、モロッコの作家Tahar Ben Jelloun氏、インドのシタール奏者Ravi Shankar氏、元アイスランド大統領Vigdis Finnbogadottir氏、子どもの権利擁護活動家Marian Wright Edelman氏(米国)。
  • 女子差別撤廃条約の選択議定書が署名のために開放された。現在、女子差別撤廃条約の締約国は165カ国。このうち10カ国が批准すれば、選択議定書は発効する。
  • 安保理が、シエラレオネに関する公開会議を行った。ミィエ平和維持活動担当事務次長は国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に関する初の事務総長報告を提出し、ロメ和平合意の実施において前向きな動きが見られる、と指摘した。
  • 安保理は決議1281を全会一致で採択し、第7期イラク石油食糧交換プログラム(2000年6月までの180日間)を承認した。一方、昨日、国連賠償委員会(ジュネーブ)の管理理事会は今会期を終了し、イラクのクウェート侵攻(1990年)により損害を受けた個人、企業、政府からの合計約20億ドル近い賠償請求を承認した。
  • キプロス間接交渉が本日、国連本部で再開。アルバロ・デソト事務総長特別顧問が、本日午前中、紛争両当事者の指導者Glafcos Clerides氏、Rauf Denktash氏とそれぞれ個別に会談した。次の会談は、土曜日午前中に行われる予定。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボ国際人権会議(プリシュティナ)において開幕演説を行い、コソボの人々が過激派による復讐を阻止し、暴力反対の声をあげるよう促した。
  • UNHCRは、ロシア軍包囲下にあるチェチェン共和国の首都グロズヌイに残っている市民の状況について、引き続き憂慮を表明。UNHCRスポークスマンRon Redmond氏は、記者会見(ジュネーブ)で、障害者、高齢者などの弱い人々について、特に憂慮を示した。
  • 国際労働機関(ILO)は、エイズに関する報告書「アフリカのエイズに対する行動:労働の世界におけるイニシアチブ(Action against HIV/AIDS in Africa: An Initiative in the Context of the World of Work)」を発表。アフリカの最も生産的な労働力人口を襲い最終的に生命を奪っているエイズは、「社会・経済発展を阻害する単一の最大要因」となるであろう、と述べた。
  • 天然痘ウィルス研究に関する諮問委員会(12月6日-9日、WHO本部)は、地球上に最後に残った天然痘ウィルスを破棄する前にさらなる研究を実施するよう、ブルントラントWHO事務局長に対して勧告した。ただし、この研究は、再優先事項に焦点を当て、期限を設け、WHOの厳密な管理下で実施されるものとした。WHOは1980年、天然痘の根絶を宣言し、現在、最後のウィルスが、ロシア連邦Novosibirskと米国アトランタ州の研究所に保存されている。
  • 日本は、アンゴラにおける緊急活動のため、WFPに380万ドルを寄付した。この寄付により、トウモロコシ、豆、塩などの食糧を購入し、アンゴラの危機的な状況の地域へ届けることができる(WFP発表)。
  • アフガニスタンにおいて小麦粉価格が大幅に値下がりしなければ、同国の都市・村落の何百万もの人々が飢餓に直面することになるであろう、とWFPが警告を発した。収穫の落ち込み、国境を超えた貿易の削減、市場における投機などにより、12月2週目、小麦粉の価格は最も高くなった。近隣国からの食糧供給の増加のみが、この価格を下げ、危機を回避できる、とWFPは訴えた。

1999年12月9日

  • 総会は決議を無投票で採択し、「テロリズムに対する資金提供の禁止のための国際条約(仮訳)」(International Convention for the Suppression of the Financing of Terrorism)を採択した。
  • アナン事務総長は、イスラエルとシリアが来週、ワシントンで高級会合交渉を再開することに合意したことを「温かく」歓迎する意を示した。
  • ニカラグアが、ホンジュラスを相手取り、両国間の海上境界線をめぐる紛争について、国際司法裁判所(ICJ)に提訴した(12月8日、ICJ発表。)
  • 武力紛争における市民の問題に関する安保理非公式作業部会が初会合。この作業部会は、事務総長が9月、安保理に提出した報告書において行った広範な勧告について再検討するため、設置されたもの。2000年4月まで、専門家レベルで会合を開く。カナダが議長を務める。
  • アナン事務総長は、Jan Egeland氏(ノルウェー)を、コロンビアに対する国際支援に関する事務総長特別顧問に任命した。同氏は今後、国連システムが、コロンビアにおける広範な社会・人道活動および薬物統制、平和建設活動に対する国際支援を動員するうえでのフォーカル・ポイントとなる。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所は、ドイツ人の法医学専門家チームが過去6ヶ月にわたり、コソボで集めた証拠および報告書を受領した。同裁判所のコソボ調査に協力するため、ドイツを含めて、14カ国が法医学専門家チームを派遣した。
  • UNEPは、ギニアに流入した難民が環境に及ぼす影響を評価すべく、同国で2週間にわたり行った調査を終了。近く、調査報告を事務総長に提出する予定。UNHCRによれば、ギニアは、アフリカにおいて最大の難民受入国。現在、主にシエラレオネとリベリアから約45万人の難民が流入している。
  • 「髄膜炎統制ののためのワクチン提供に関する国際調整グループ(ICG)」の第5回会合(2日間、WHO本部)が終了。同会合で、専門家たちは、髄膜炎の影響をまだ受けていない場所において、この伝染病が発生する可能性について警告するとともに、その被害を緩和するために十分な準備が不可欠である、と訴えた。

1999年12月8日

  • アナン事務総長は、イワノフ・ロシア外相と電話で会談。チェチェン情勢の最近の動きに関連し、市民および援助要員の保護、人道援助拡充の問題などについて、「長時間にわたり、率直な」意見交換を行った。
  • アナン事務総長は、「世界市民社会会議」(モントリオール)で演説。国連と市民社会は、最大限の人々および国家が恩恵を得ることができるように、グローバリゼーションを管理するため、創造的かつ建設的方法を見つけるという挑戦に直面しているとし、「私たちはグローバリゼーションに人間の顔を与えなければならない」と述べた。
  • 昨日、キプロス間接交渉に参加する両当事者の一方から出された公的声明が“Cypriot Press”に掲載されたことを受け、アナン事務総長は紛争両当事者に対し、同交渉に関して、いかなる声明をも外部に向けて発表することのないよう求めた。スポークスマンFred Eckhard氏は、「当事者による声明は、間接交渉の内容を正確に反映することはできない」とするとともに、事務総長だけが、交渉の内容について信頼すべき声明を発表できる、と指摘した。
  • 総会、アフリカにおける紛争の原因、恒久的平和および持続的開発の促進について討論。アナン事務総長は、この総会討論の場で演説し、アフリカの開発において国連および国際社会の達成したこれまでの成果や今後の課題を検討する総会作業部会を設置するよう求めた。
  • 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)創設50周年。UNRWAは、1948年のアラブ・イスラエル戦争の結果、難民となった75万人を援助するため、1949年に設置された。その後、難民の数は増加し、現在、360万人を数える。
  • デメロ・東ティモール事務総長特別代表はホセ・ラモス・ホルタ氏とともに、東ティモールのManatutoやAtauro島、Liquicaを訪問。なお、Manatutoにおいて、デメロ特別代表は、今週土曜日、新設の国民協議会(NCC)の第1回会合が開催される、と発表した。
  • 緒方貞子難民高等弁務官およびバルカン問題事務総長特使は、旧ユーゴ人道問題作業部会会合(ジュネーブ)において演説し、バルカンの難民問題解決にあたっては地域的アプローチが必要である、と述べた。
  • ルワンダ(および旧ユーゴ)国際刑事裁判所の主任検察官Carla del Ponte氏は記者会見(キガリ)において、Jean-Bosco Barayagwiza氏の釈放決定についての見直し要求を、なるべく早く上訴審部に提出したい、と表明した。
  • 中央アフリカ共和国が、国際刑事裁判所規程に署名した。これにより、署名国は、合計91カ国となった。(批准を済ませた国は、セネガル、トリニダドトバゴ、サンマリノ、イタリア、フィジーの5カ国。同規程が発効するためには、60カ国の批准が必要である。)

1999年12月7日

  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に関して事務総長が安保理に提出した報告が発表された。報告書において、アナン事務総長は、シエラレオネにおいて和平合意実施の進展が多少みられたことに留意しながらも、深刻な人権侵害、停戦違反、部隊・武器の大規模移動、人道援助要員に対する襲撃が依然として継続していることに憂慮を示した。
  • 昨日、緒方貞子難民高等弁務官は、ロシアの連邦緊急事態大臣Sergei Shoiguと電話会談し、ロシア軍包囲下のチェチェン共和国の首都グロズヌイの市民の窮境に対して憂慮を再度表明した。
  • アナン事務総長は安保理に対して報告書(本日発表)を提出し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を2000年2月29日まで延長するよう勧告した。
  • 盗難品の文化財産について、それを盗まれた国々に返還するよう求める決議案が総会に提出された。グリラブ総会議長は討論冒頭において、今こそ、過去何世紀にもわたって不法輸出の対象となったアフリカのきわめて貴重な芸術品、像などの文化財産を返還するときである、と述べた。来週、同決議の採決が行われる予定。
  • 昨日、西ティモールのTua Pukanキャンプで、さらに4人の子どもが病死した。これにより、同キャンプでの9月以来の病死者の合計は174人となった。UNHCRは、十分なアクセスができないその他のキャンプについても、その衛生状況を危惧している。
  • 「アフリカのエイズ禍に対する国際パートナーシップ」が2日間の会期を終了、来年5月にブルキナファソで開始されるエイズ対策5ヵ年計画の基礎となる原則および再優先事項に合意した。
  • ビル&メリンダ・ゲイツ財団および国連財団が、来年末までのポリオ根絶をめざしたキャンペーン(WHO、ユニセフ、国際ロータリーの共同事業)に対して、それぞれ5,000万ドルと2,800万ドルを寄付した。
  • 12月3日、UNHCRは、コロンビア政府が国内避難民約80万人を援助するうえでの支援を提供すべく、同国のBarrancabermejaに初の現地事務所を設置した。今後、来年末までに、さらに2つの事務所(ApartadoとPuerto Asis)に設置する予定。

1999年12月6日

  • 「アフリカのエイズ禍に対する国際パートナーシップ」と題する会議(2日)が、国連本部で開始した。アフリカ諸国、OECDのドナー国、民間セクター、市民社会の代表らが出席。アナン事務総長は同会議で演説し、「私たちの対応はこれまで、アフリカにおいて失敗に終わっている。今後、失敗ということは選択肢にないことを決意しよう」と述べた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所は、フツ族民兵組織指導者Anderson Rutaganda氏に対して、ジェノサイド罪(1件)および人道に対する罪(2件)について有罪とし、終身刑に処する判決を下した。同裁判所が有罪判決を下したのは、これで6人目。
  • 欧州安保協力機構(OSCE)は、コソボにおける人権侵害状況に関する2件の報告書を発表した。ひとつは「Kosovo/Kosova - As Seen, As Told」。1998年12月から翌1999年6月までの期間を対象とし、この間、ユーゴおよびセルビア軍がコソボのアルバニア系住民に対して著しい人権侵害を行った、と報告した。2つめは、「As Seen, As Told, Part II」で、対象期間は1999年6月14日から10月31日まで。この間のほとんどの人権侵害は、コソボのセルビア系住民および同系住民を支持したその他の少数者に対して行われたものである、とした。
  • 西ティモールのTua Pukan難民キャンプの衛生条件が悪化し、9月以降すでに推計170人が死亡していることから、UNHCRは先週末、インドネシア政府、WHO、その他のパートナーと協力し、疾病調査のため、同キャンプに41人構成の医療チームを派遣した。
  • アフガニスタン人道問題調整部によれば、アフガニスタンのパンジシール共国の避難民6万5,000人に対して約70トンの援助物資を提供すべく、人道物資輸送団(トラック8台)が首都カブールを出発、前線を超えた。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボの地方住民、UNMIK要員、地方評議会委員らと会うため、コソボ各地の訪問を開始した。本日、その皮切りとして、GlogovcとSkenderajを訪れ、900万ドル規模の越冬対策・復興事業を見学した。今週後半には、PrizenとGnjilaneを訪問する予定。
  • 現在、コンゴ民主共和国において、さまざまな援助機関は、同国の主要都市から外にでて、より多くの紛争避難民に対する援助提供を開始しつつある。しかし、最近の評価報告によれば、同国内陸部において、その他の無数の人々が依然として、人道援助へのアクセスが得られない状態にある(WFP発表)。
  • 世界保健機関(WHO)はジュネーブにおいて、製薬会社のHoechst Marison Roussel社との間で認可合意に署名し、アフリカの睡眠病の治療薬eflornithineの入手を確保した。
  • ニカラグアの外相は国連に対して、同国と隣国ホンジュラスの海上境界紛争に関する書簡を提出。先週金曜日には、ホンジュラス政府が国連に書簡を提出し、ニカラグアとの境界に国際監視員を派遣するよう要請している。

1999年12月3日

  • キプロスに関する当事者間接交渉が国連本部で開始した。アナン事務総長は、国連本部ビル到着時、記者団からキプロスの青年たちへのメッセージを求められ、同国の青年たちがすべて、包括的解決に向けた模索を支持するよう希望を表明した。
  • 安保理は決議1280を賛成11、反対0、棄権3(中国、マレーシア、ロシア連邦)で採択し、国連イラク食糧交換プログラムの12月11日までの延長を承認した。なお、フランスはこの投票に欠席した。
  • 安保理議長は報道声明において、ブルンジで引き続く暴力に深い憂慮を示し、すべての当事者に対して、交戦状態を即時に終結するよう呼びかけた。なお12月の議長はイギリスのJeremy Greenstock大使である。
  • 国連グアテマラ監視団(MINUGUA)に関する事務総長報告が発表された。グアテマラにおいて総選挙が今月下旬に予定され、同国政府に変化がもたらされるであろうことに留意するとともに、和平プロセスの継続を確保することが大きな課題である、と指摘した。
  • ホンジュラスの国民議会が11月30日、コロンビアとの「ロペス=ラミレス条約」に批准した後、ホンジュラスとニカラグア両国間で緊張が高まっている。アナン事務総長は、両国に対して、この緊張の緩和措置を講じるよう求めた。
  • 国際障害者デー。アナン事務総長はメッセージを発し、世界中の5億を超える人々にとって、利便性(accessibility)は、まさに教育、雇用、コミュニティーを意味する、と述べた。
  • 昨日、クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、アルバニアの大統領や首相らと会談し、コソボ再建について話し合った。
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)はチェチェンのための救済活動を活発化している。今週、UNHCRの人道物資輸送トラック15台が、イングーシェチアの中心都市Nazranに到着した。
  • アナン事務総長は、元ナイジェリア駐国連大使のIbrahim Gambari氏を、アフリカ問題事務総長特命顧問(Secretary-General's Adviser for Special Assignments in Africa)に任命した。同氏の担当は、主に、アンゴラ、南部アフリカ、中央アフリカ(大湖地域など)。
  • レソト暫定政治機構に参加する政府および10余の政党は、新たな総選挙のための取決合意に署名した。
  • 国連およびその他の人道援助団体(ECHO、USAID)は、コソボの人々の越冬対策支援のため、シェルター・食糧など大量の人道援助物資を配給した。

1999年12月2日

  • 安保理議長は報道声明を発表し、キプロス間接交渉の当事者が、「無条件かつ建設的精神で」、交渉に参加するよう希望を表明した。アナン事務総長が主宰するこの間接交渉は、明日、国連本部で開始し、12月15日頃まで続く予定。一方、本日発表された、キプロスに関する事務総長報告において、アナン事務総長は、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の任期を6月15日まで6ヶ月延長することを勧告した。
  • 本日は、「奴隷制度廃止国際デー」。アナン事務総長はメッセージを発し、奴隷制度との闘いにおいて、今は自己満足に浸るときではないとし、行動を呼びかけた。
  • UNHCRは現在、東ティモールのインドネシアによる統治に関与した数万の人々の帰還を阻害する問題の解決を図るため、ジャカルタや西ティモールの中心都市クパングにおいてインドネシア政府と協議を続けている。また、国連暫定行政機構(UNTAET)および新たに設置された東ティモール諮問委員会との協議も進行中である。
  • インドネシア政府は、東ティモール人権侵害調査委員会のメンバーに対して、インドネシアにおける調査活動のため、ビザを発給した。これを受け、調査委メンバーたちは、日曜日にディリからジャカルタに入る。
  • 国連環境計画(UNEP)は、貿易関連の環境問題への国々の対処方法を示す6件の報告書を発表した。これらの報告書はそれぞれ、バングラデシュ、チリ、インド、フィリピン、ルーマニア、ウガンダの6カ国のプログラムを取り上げたもので、WTO閣僚会議(シアトル)で発表された。
  • 昨日、ルワンダ国際刑事裁判所の検察官Carla del Ponte氏は、先月Jean Bosco Barayagwiza氏の釈放を命じた上訴審部の決定の見直しを求めて、摘要書を提出した。

1999年12月1日

  • 総会は、パレスチナ問題の平和的解決を達成する必要性を再確認。決議を賛成149、反対3、棄権2で採択し、土地と平和の交換の原則に対するコミットメント、および中東和平プロセスの基礎となる安保理関連決議の実施の必要性を強調した。総会はこの日、その他に、パレスチナ問題、中東情勢に関する数件の決議を採択した。
  • 世界エイズ・デー。この日、国連本部で、「置き去りにされた子どもたち」と題し、エイズ孤児に関するシンポジウムが開催された。グリラブ総会議長は開会演説において、「子どもたちは今、人間の歴史上かつてない規模で、両親そして将来を奪われている」と述べた。
  • ユニセフ、国連エイズ合同計画(UNAIDS)が、報告書「エイズ孤児:アフリカ東南部の前線対応」を共同作成、発表。現在、アフリカにおいてエイズ孤児の数が急増しており、来年末までには、世界全体で1,300万の子どもたちが、少なくとも片親をエイズによって失うことになるであろう、と予測した。
  • アナン事務総長は、WTOの第3回閣僚会議(シアトル)に対する演説において、もはや自由貿易に対する第3世界の反発を抑えることはできないと警告し、先進国が開発途上国に対して関税やその他の貿易障壁を緩和するよう促した。なお、アナン事務総長による演説は昨日に予定されていたが、抗議デモによる会議中断のため、行われなかった。
  • 現在、東ティモールにおいて、国際調査委員会のメンバーが、人権侵害の目撃者たちと面接し、殺害行為や強制追放などに関する証言を得ている。
  • アナン事務総長は、南アフリカのマンデラ前大統領を、ブルンジ和平プロセスのための調停者に指名した。
  • FAOは12月4日、飢えに対する世界の人々の関心、連帯、希望を創出すべく、“1999 TeleFood Campaign”を行う。3時間に及ぶ音楽の祭典で、国際的に有名なスターたちが出演し、ジャマイカのOcho Riosのジェームズ・ボンド・ビーチで行われる。世界の80のテレビ・ラジオ局によって放映される。
  • コソボ暫定協議会は、セルビア人家族襲撃事件(今週月曜日)について非難した。この日、襲撃事件が起こった場所(プリシュティナのDardania)に献花したクシュネル・コソボ事務総長特別代表が協議会を代表して、非難声明を発表した。

1999年11月30日

  • 安保理は議長声明を発表し、武力紛争を防ぐ文化の構築の重要性を認識するとともに、潜在的な対立を明らかにし、それが紛争へと発展するのを防止する措置について概要を示した。
  • 安保理は決議1279を全会一致で採択し、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)を設置した。決議は、アナン事務総長に対して、コンゴ民主共和国における展開に向けて、上限500人の軍事監視員確保のための行政措置を講じるよう要請。またMONUCがルサカ停戦合意の署名国との接触を確立し、戦闘停止の実施のため、合意によって設立された共同軍事委員会(JMC)と連携することを決定した。
  • 安保理は決議1277を賛成14、反対なし、棄権1(ロシア)で採択し、国連文民警察ミッション(MIPONUH)の任期を来年3月15日まで延長し、国際文民支援団(International Civilian Support Mission in Haiti =MICAH)への段階的な移行を確実に図ることを決定した。
  • デメロ東ティモール事務総長特別代表はシドニーにおいて、オーストラリア政府高官と会談し、東ティモールにおける行政・治安機能などへの参加など、同国の役割について話し合った。
  • シエラレオネにおいて、反政府勢力指導者Foday Sankohが戦闘員たちへの武器を捨てるよう訴えた後、RUFの元戦闘員500人以上が武装解除した。
  • 国際司法裁判所(ICJ)所長シュウェーベル氏が2000年2月29日付で辞任することにより生じる空席を埋めるべく、安保理は決議1278を無投票で採択し、2000年3月2日に新しいICJ判事を選出する選挙を行うことを決定した。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、プリシュティナの車両登録センターで、登録プレートを車両に初めて取り付け、コソボでの車両登録制度を開始した。同代表は、報道声明において、「これは、コソボの法と秩序を最も顕著に示すものである。通常登録プレートの復活により、コソボの道路はより安全になる」と述べた。

1999年11月29日

  • 安保理は、武力紛争の予防における自らの役割について、公開会議を開催。アナン事務総長は会議冒頭で演説し、「安保理がこの会合を利用し、どうしたら安保理が予防を実質的にその日常業務のなかに組み込むことができるかについて検討するよう希望する」と述べた。
  • 「パレスチナ人民連帯国際デー」。パレスチナ人民の不可譲の権利行使に関する委員会において記念式典が行われた。グリラブ総会議長は、国際社会にとっての緊急な課題は、当事者がこの死活的な時期を乗り越え、和平プロセスが無事完了するよう支援することである、と強調した。アナン事務総長もまた、当事者が「和平プロセスによる脆弱な成果」を守り、恒久的地位に関する微妙な交渉の結果を壊すような行動を控えるよう求めた。
  • アフガニスタン情勢に関する事務総長報告書が発表された。安保理に提出した同報告書において、アナン事務総長は、アフガニスタン内戦の陰鬱な様相を記述するとともに、それによって同国の国境を超える負の影響が拡大していることを指摘した。
  • 今朝、コソボのプリシュティナにおいて、セルビア系住民の一家族が襲われ、62歳の男性が死亡し、その妻と継母が激しく殴打された。コソボ事務総長特別代表とKFOR司令官はこの襲撃事件を強く非難した。
  • 先週土曜日、プリシュティナのセントラルヒーティング・プラントが、修繕作業を終え、当初予定よりも4日早く運転を開始した。これにより、プリシュティナの病院、学校、住居への暖房提供が可能となった。
  • UNTAETによれば、東ティモールにおいて、民兵組織の一員と疑われる人々に対する暴力事件が増えている。先週、ある民兵組織指導者の兄弟が、手を縛られ、遺体で見つかった。遺体には、拷問を受けたとみられる跡があった。
  • 総会は決議を無投票で採択し、事務総長、加盟国、国連システム、その他の政府間機関に対して、「新生および復興民主国家に関する第4回国際会議(Fourth International Conference of New and Restored Democracies)」(ベニンのコトヌー、2000年12月)の開催において協力するよう求めた。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)平和維持兵の第1陣135人がシエラレオネに到着。UNAMSILの兵力は6,000人。司令官は、Vijay Kumar Jetley少将(インド)。
  • 昨日、ルワンダ国際刑事裁判所の検察官Carla Del Ponte氏は報道声明を発表し、同裁判所上訴審によるJean Bosco Barayagwiza氏釈放決定について、見なおしを精力的に求める姿勢を確認した。

1999年11月26日

  • ハイチの民主化および人権状況に関する事務総長報告が発表された。事務総長は同報告において、総会が、まもなく任期期限を迎える2つの国連ミッションの活動を引き継ぐ新しいミッションを設置するよう勧告した。(OASと共同し展開した国際ハイチ文民ミッション(MICIVIH)の任期期限は12月31日、国連ハイチ文民警察ミッション(MIPONUH)は11月30日。)
  • 昨日、東ティモールで発生した人権侵害の状況を調査する国連調査委員会(5人構成)がディリに到着。ディリに入る前、オーストラリアのダーウィンで、委員会のメンバーたちは、前・東ティモール事務総長特別代表代行のイアン・マーティン氏と会談した。この会談には、暴力事件の発生時現場にいた上級軍事監視員、また文民警察の長も同席した。さらに、メンバーたちは、西ティモールの集団埋葬地から遺体を掘り起こしたインドネシア人権委員会の委員長とも会談した。
  • 今週前半、コソボ事務総長副特別代表(経済開発・再建担当)Joly Dixon氏は、マケドニア貿易大臣Nikola Gruevski氏と会談し、コソボとマケドニアの境界地点における交通渋滞緩和のための措置について話し合った。
  • 11月22日から25日まで、アフガニスタンの元国王Mohammad Zahir Shah氏のイニシアチブによって、アフガニスタン緊急総会(ローマ)が開催された。アナン事務総長は、アフガニスタンの人々のこうしたイニチアチブが、同国の平和の回復につながるよう希望を表明した。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の上訴部は、ジェノサイドおよび人道に対する罪で起訴されたJean-Bosco Barayagwiza氏の釈放を命じた決定(11月3日)について、その見なおしを求める検察からの要請を待って、最長7日間まで保留すると決定した。
  • UNHCRによれば、アンゴラ南部における政府軍とUNITAとの戦闘を逃れ、過去2週間で、約2,400人がナミビア北部に流出した。このアンゴラ難民のほとんどは、女性、子ども、高齢者である。
  • 今週、UNHCRとスーダン当局はハルトゥームで、現在スーダンに残っているエチオピア難民約3万人に対する措置について協議した。2000年3月1日にはスーダンにおけるエチオピア難民の地位が変更されるため、難民たちは、自発的に帰還するか、スーダンに残るかの選択をしなければならない。今週行われた協議においては、この点に焦点が当てられた。
  • アナン事務総長は、Mazlan Othman博士を10月21日付で国連宇宙空間問題部の部長に任命した(ウィーン国連広報サービス発表)。

1999年11月24日

  • 来週シアトルで開催されるWTO閣僚会議について、UNCTADはファクトシートを発表し、開発途上諸国が同会議において、貧しい国々にとって不利と思われる諸規則に対する懸念を主張するであろう、と述べた。
  • アナン事務総長は声明を発表し、日曜日に予定されているギニアビサウの大統領・議会選挙が「自由、公正かつ透明性をもって」実施されることを確保するよう、軍隊を含めた同国の全当事者に求めた。
  • フレシェット副事務総長はトロント大学で演説し、冷戦終焉以降の課題の多くは公的部門に対して「一新し、再構想された」役割を果たすことを求めている、と指摘。健全な公的部門は我々を平等に利するとの理解の下に、公的・民間部門、政府間・非政府機関の連帯する新しい同盟が存在しなければならない、と述べた。
  • デメロ・東ティモール事務総長特別代表が初めて、東ティモール西部を訪れた。独立派指導者のシャナナ・グスマオ氏が同伴した。
  • コンゴ民主共和国の5箇所(Gbadolite、Goma、Kisangani、Bukavu、Kananga)の現地調査終了を受け、国連コンゴ民主共和国監視団(MONUC)は、当初駐留が予定されながら未展開となっている軍事連絡要員について、その第1陣の展開を開始した。水曜日、4人の要員がGbadoliteに到着。その他の要員4人は木曜日、Kanangaに向けて出発する予定。
  • 安保理は決議1276を全会一致で採択し、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)の任期を2000年5月31日まで6ヶ月間延長した。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)によれば、シエラレオネにおける軍縮プログラムへの元戦闘員の登録ペースは、緩慢である。本日現在、推計4万5,000人の元戦闘員のうち、武装解除したのは、1,125人のみ。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表とコソボの主要政党代表が「バルカン:安定から再建へ」と題したフォーラム(パリ)に出席し、クシュネル特別代表が取り組んでいるコソボにおける複雑な行政活動について話し合った。
  • ルワンダ国際刑事裁判所において、ルワンダの実業家Mika Muhimana氏(11月8日逮捕)がジェノサイド罪など7つの容疑について、自らの無罪を主張した。

1999年11月23日

  • 国連人道機関は、世界の14件の複合緊急事態における救済活動資金24億ドルを求め、ジュネーブで合同機関間アピールを発した。アナン事務総長は、寛大かつタイムリーな反応によって、国連人道機関およびパートナーたちが西暦2000年において、3,400万の不幸な人々を援助することができる、と述べた。
  • アナン事務総長はジュネーブでの記者会見において、「介入とは、最も穏やかな外交行動から、極端な情勢においては実施の必要性もでてくる武力行使に至るまでの連続体である、と私は定義する」と述べた。
  • アナン事務総長は、Jean-Christian Cady氏(フランス)を、東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の事務総長副特別代表に任命した。同氏は副特別代表として、UNTAETの統治・公的行政部門を率いることになる。同氏は、現在、フランス内務省の監察長官であり、中央政府および地方行政について豊かな経験を有している。
  • クリントン米大統領がコソボ訪問。クシュネル・コソボ事務総長特別代表はコソボ空港で、同大統領と会談し、UNMIKの活動成果および未解決の問題について話し合った。
  • シエラレオネ事務総長特別代表Francis G. Okelo(まもなく退任)は、シエラレオネの北部地域で反政府勢力が継続的に市民の人権を侵害しているとの報告について、懸念を表明した。UNAMSILの22日付声明によれば、同国北部を調査した人権状況視察団が、Lungi-Port道路の近辺の村落において、ほぼ毎日、殺人、レイプ、誘拐、放火が行われていることを確認した。
  • 「文明間の対話:共通の土台を求めて」と題するパネル討論会が国連本部で開催された。イラン国連代表部の主催。この討論会で、プリンストン大学のリチャード・フォーク教授は、「国連文明間の対話年(2001年)」が、世界情勢に関してエコノミストが語る際に使う市場志向の言語に代わるものを国際社会に提供できるだろう、と述べた。

1999年11月22日

  • トルコ訪問中のアナン事務総長が、同国の首相や大統領らと会談。キプロス問題を含めて、広範囲にわたる世界的、地域的問題について話し合った。
  • INTERFETとインドネシア国軍は、西ティモールからの東ティモール難民帰還を促進するための合意に署名した。デメロ・東ティモール事務総長特別代表、ホルブルック米駐国連大使が署名に立ち会った。
  • 週末、イラクは、国連イラク石油食糧交換プログラム(第6期)の2週間延長に署名しない、と国連に通告した。国連スポークスマンによれば、安保理が19日に採択した、2週間延長決議に対して、イラクは不満を示している。
  • 国連ハイチ文民警察ミッション(MIPONUH)に関する最新報告において、アナン事務総長は、1998年の安保理決議に沿って、任期期限の11月30日にMIPONUHを撤退する準備を整えている、と述べた。また、議会選挙の実施日が来年3月19日と決定されたことは、ひとつの前進であるとしながらも、最近のハイチにおけるデモ・銃撃事件は、選挙に向かうなかでの暴力拡大の可能性を示している、と指摘。MIPONUHの任期が完了したとしても、同国の民主化プロセスに対する国際支援が必要であるとし、MIPONUHから後継のミッションへの移行を円滑かつ秩序をもって行うことの重要性を強調した。
  • アナン事務総長は安保理に報告書を提出し、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)の任期を来年5月31日まで、6ヶ月延長するよう勧告した。
  • UNMIKは、暫定的な警戒措置として、コソボのプリシュティナ空港を民間航空機に対して閉鎖する、と発表した。この措置は、去る11月12日のWFP機の墜落事件を調査しているフランス調査団によって提案された。明日、ICAOが同空港に到着し、状況を調査し、一週間以内に空港業務に関してさらなる勧告を行う予定。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の検察官Carla del Ponte氏は、同裁判所の上訴審部が11月3日にJean-Bosco Barayagwiza氏に対する起訴を取り下げたことについて、その決定の見直しを求める意向を示した。
  • ビルとメリンダ・ゲイツ財団が、ユニセフに2,600万ドルを寄付。この資金は、開発途上国において数多くの妊産婦および新生児を死亡させている破傷風を根絶するために使用される。なお、1998年には、破傷風により、25万人近くの母子が死亡している。

1999年11月19日

  • 米国議会において同国の対国連滞納金について、そのうちのかなりの割合の金額を支払う法案が通過したとの報道を受け、アナン事務総長はこれを歓迎する意を示した。しかし同時に、事務総長は、この法案が同国の滞納金の全額ではないこと、また米国とその他の加盟国が交渉により解決を図らなければならない多くの条件をつけていることについて留意した。
  • 安保理議長は報道声明において、シエラレオネのためのロメ和平合意の違反行為および同国の不安定な治安状況について、引き続き懸念を表明した。一方、アナン事務総長は、シエラレオネ事務総長特別代表兼UNAMSIL団長に、現在、国連中央アフリカ共和国ミッション担当事務総長特別代表を務めるOluyemi Adeniji氏(ナイジェリア)を任命した。
  • 11月20日は、「アフリカ工業開発の日」。本日、グリラブ総会議長は総会で演説し、アフリカがグローバル市場で競争できるようになるためには、多くの自然資源を製品に変えて、同大陸の人々の基礎的ニーズの充足をめざす具体的措置を講じることが必要である、と述べた。
  • アナン事務総長は、イスタンブールでOSCEサミットに出席した。また、この機会を利用し、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国のそれぞれの外相、およびコソボ事務総長特別代表と個別に会談し、コソボ情勢を中心に話し合った。さらにキプロスのGlafcos Clerides氏およびRauf Denktash氏と個別会談し、12月3日に開始する間接交渉について話しあった。またプロディ欧州委員長、ギリシャ首相とも会談した。
  • 緒方難民高等弁務官(モスクワ)は、アナン事務総長に電話で報告を行い、ロシアの首相、外相らと北カフカス問題について「良い協議」を行った、と述べた。またこれらの協議が、国連とロシアの間の今後の人道援助協力のための「良い基盤」をつくった、と伝えた。
  • UNTAETの長デメロ氏と東ティモール独立派指導者のグスマオ氏は記者会見(ディリ)において、国連と東ティモール政治指導者の間に軋轢が生じているとの報道を一蹴し、対話と協力への両者のコミットメントを強調した。
  • 東ティモールで起こった人権侵害について調査を行う国際調査委員会(5人構成)が21日、東ティモールを訪問すべく準備を整えている。同委員会の長は、コスタリカのSonia Picado氏。調査終了後、ジュネーブに戻り、12月31日までに事務総長に最終報告書を提出する予定。
  • ヨーロッパ全土においてコソボの母子死亡率が最も高い、と国連人口基金(UNFPA)のサディク事務局長がプリシュティナで記者団に述べた。また基礎的な器具やケアの不足によって、数多くの女性および乳児が死亡しており、女性の出産をケアする多くの診療所においては、電気、暖房、水の供給もないため、冬の到来によってその状況がさらに悪化するであろう、と指摘した。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボにおける素人判事の任命および解任に関する規則に署名。司法諮問委員会は今後、判事職に有資格候補者を求める募集広告をだす予定である。
  • WFPは、ブルンジの首都から10キロ程離れたキャンプにいる30万の人々に対する緊急食糧援助を月曜日に再開する、と発表した。(10月12日、ブルンジ南部で国連職員が2人殺害されてから、ほとんどの国連活動は停止している)
  • 安保理は国連憲章第7章の下、決議1275を全会一致で採択し、国連イラク石油食糧交換プログラム(第6期)を12月4日まで、2週間延長した。10月4日、安保理は今期分のイラクの石油輸出額上限を30億4,000万ドル引き上げたが、今回の決議により、この上限額の有効期間が12月4日まで延びた。
  • 国連アフガニスタン調整官Erick de Mul氏は、死亡者12人と負傷者56人がでた昨日のバザラク市場地域(パンジシール峡谷)の爆撃事件について、タリバンの戦闘機によるものであることを国連職員が確認した、と述べ、この市民の殺害事件を非難した。
  • 第4回世界テレビ・フォーラム(国連広報局主催)が閉幕。法眼健作広報担当事務次長は閉会の言葉において、平和、開発、人間の福祉のため、国連はテレビと協働し、その「大きな力」の利益を得ることが必要である、と強調した。
  • コンゴ民主共和国における国連軍事連絡要員の今後の展開準備のため、国連コンゴ民主共和国監視団(MONUC)のチームが現場調査を行っているが、同チームはまもなく、第1区間の調査を終了する予定。その後、さらに、同国13ヶ所の調査を継続する。

1999年11月18日

  • アナン事務総長はOSCEサミット(イスタンブール、トルコ)で演説し、国際社会に対して、紛争を効果的に未然に予防するため政治的意思を動員するよう呼びかけた。
  • 第4回世界テレビフォーラムがニューヨークで開始(2日間)。アナン事務総長は衛生中継を通じて参加し、テレビが関心を向ければ、普段重要視されない遠い国々の危機的事態の犠牲者たちが、より多くの支援を受けることができるようになる、と訴えた。
  • 緒方難民高等弁務官は、イングーシェチアおよびチェチェン(ロシア管理化の地域)を視察訪問し、最近の紛争により避難民となった人々への支援強化の方法を探った。
  • 17日、西ティモールのAtambuaにおいて、民兵集団が東ティモールへ帰還しようとする難民を襲い、難民2人が負傷した。UNHCRは、現場の警察に対して、この襲撃事件について抗議した。UNHCRによれば、事件現場周辺には数十人の警官がいたが、制止しようともしなかった。
  • UNHCRの年次拠出誓約会議において、1億9,500万ドルの拠出誓約がなされた。グリラブ総会議長は開会の挨拶において、当初は暫定的な機関として作られたUNHCRが創設から50年目を迎え、今や世界の難民2,000万人を保護し、援助するため10億ドルに近い予算を必要としているということを考えると陰鬱な気持ちになる、と述べた。
  • 総会は決議を採択し、事務総長がその紛争解決および平和建設活動において、平和大学(本部:コスタリカ)の利用を考えるよう求めた。同大学は、理解・寛容・平和的共存の促進を目的とする、平和のための高等教育機関として、総会が1980年12月に設置した。
  • 昨日開催された第2回コソボ拠出誓約会議(ブリュッセル)において、10億ドル以上(当初の予想を上回る金額)の拠出誓約がなされた。
  • 昨日、アフガニスタンのSaighanにおいて、食糧物資を輸送中のWFP職員4人が武装した男たちに襲われた。4人に特に大きなけがはなかった。
  • 国連は来週、シエラレオネにおいて6,000人規模の平和維持軍の展開を開始する。(今年10月22日、安保理はこの国連平和維持兵の展開を承認し、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)が、同国政府の軍縮・武装解除・社会復帰計画実施を支援し、また7月の停戦合意遵守を監視する任務を与えた。)
  • アナン事務総長は、Kamel Morjane氏(チュニジア在ジュネーブ国連大使)をコンゴ民主共和国・事務総長特別代表に任命した。
  • 子どもと武力紛争のための事務総長特別代表、オララ・オトゥヌ氏は、OSCEサミットで演説し、同サミットが武力紛争の影響を受ける子どもの保護をめざしたコミットメントを約束する強力な声明を採択するよう求めた。
  • 神戸で4日間にわたり開催された国際会議(WHO主催)が、「神戸宣言」を採択。ジェンダーに関する懸念や考え方が「煙草統制枠組み条約(FCTC)」の個別かつ全ての側面に盛り込まれるよう求めた。2003年5月の採択を目標とする同条約は、採択されれば、煙草製品の世界的拡散を防ぐための最初の法的拘束力をもつ条約となる。
  • 「チェルノブイリ国際協力に関する4者間調整委員会」(閣僚級)がニューヨークで開催された。人道問題調整部によれば、13年前のチェルノブイリ事故の犠牲者を援助するために集められたのは、必要金額950万ドルの「ほんのわずか」だけであった。

1999年11月17日

  • 国連イラク・プログラム担当事務局長Benon Sevan氏はイラク石油食糧交換プログラムの第6期(日曜日、終了予定)に関して、安保理にブリーフィング。3年前に同プログラムが実施されて以来、イラクの人道状況が非常に改善した、とした。一方、イラクの人々の健康と福祉を改善するためにはさらに達成しなければならないことが多い、と述べた。
  • 総会は、「国連国際法の10年(United Nations Decade of International Law)」の終了を記念する会合を開催。グリラブ総会議長は、同10年が国際法の促進および尊重に非常に貢献した、と述べた。アナン事務総長は、10年の成果のうち最も重要なものは、国際刑事裁判所規程の採択である、と述べた。
  • ローマのWFP本部において、コソボでのWFP機墜落事件(先週金曜日)の犠牲者追悼式典が行われた。アナン事務総長はメッセージを寄せ、死亡した24人が「人道的義務」という言葉に命を与えた、述べた。ニューヨークでも同様の式典が行われ、フレシェット副事務総長は、「誰も彼らの代わりはできないが、私たちはその目的意識を引き継ぐことができる。これこそ、これらの無二の人々の命に対する最大の返礼である」と述べた。
  • アナン事務総長、トルコ入り。当地で、欧州安保協力機構(OSCE)サミットに出席する。なお、イスタンブールへと出発する前、事務総長は中国において、中国国連協会の主催するセミナーで、「21世紀の国連」と題して、演説を行った。
  • 事務総長特使としてロシアに入った緒方難民高等弁務官は本日、同国のイワノフ外相と北カフカスの人道状況について協議した。プーチン首相との会談も予定されている。弁務官は明日、イングーシェチアへ向かう。
  • 第2回コソボ拠出誓約会議(欧州委員会と世界銀行が共同議長)において、コソボ再建の第1段階(2000年12月まで)を開始するため、10億ドル以上の拠出が誓約された。47カ国と34の国際機関が参加し、コソボの中期再建計画について議論した。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner博士は2件の規則に署名し、コソボの銀行および支払い機構を設置し、商業銀行規制レジームを確立した。特別代表はまた、コソボにおけるカジノの設置・運営を禁止する規則にも署名した。
  • セルジオ・ビエイラ・デメロ氏が、東ティモール事務総長特別代表に着任し、独立派指導者グスマオ氏やコスグローブ国際部隊司令官と会談した。
  • WFPは、コロンビアの内戦によって被災した20万の貧しい人々に対して、2年間にわたり900万ドル規模の援助活動を開始する、と発表した。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は現在、元反政府勢力指導者に対して、自らの活動拠点に戻り、そこに残留している元戦闘員たちに対して軍縮プログラムへの参加を説得するよう奨励している。
  • UNEPの1999年笹川環境賞が、ノーベル化学賞受賞者のMario J. Molina教授(Massachusetts Institute of Technology)に授与された。人間活動が大気に与える影響について、科学的な解析を深めた功績が評価された。

1999年11月16日

  • 中国訪問中のアナン事務総長は、同国の国家主席や外相と会談。「法輪功」を含めて、広範な問題について協議した。
  • 安保理議長は報道声明において、最近発生したアフガニスタン国連事務所襲撃事件について非難するとともに、人道援助要員および施設の安全確保を求めた。安保理は10月15日、タリバンに対して、オサマ・ビン・ラディン氏を裁判にかけることが可能な国に引き渡さなければ制裁措置を発動すると決定したが、この決議に怒り抗議する群集が国連事務所を襲撃した。14日までがこの引渡し実施の期限であったが、タリバンが決議を遵守しないため制裁措置は発効した。
  • UNFPAは、現在、東ティモールの妊婦に対して、自宅出産キットを配給している。UNFPAによれば、東ティモールにおいては、妊婦の85%が自宅で出産し、さらに、その出産の60%は訓練を積んだ保健衛生要員の介助もなく行われている。
  • 15カ国を超える国々から、女性の司法担当大臣がニューヨーク国連本部に集い、さまざまな刑事司法、特に腐敗の問題について広範な協議を開始した。この高位級会合の会期は2日間。議長は、カナダ首相のKim Campbell氏。
  • 「国際寛容デー」に寄せるメッセージにおいて、アナン事務総長は、世界がますますグローバリゼーションと協力によって性格づけられているなか、寛容がなくては未来は危ない、と述べた。
  • ブルンジの治安情勢が悪化しているなか、UNHCRは同国難民のタンザニアへの大量流入に備えている。UNHCRによれば、タンザニアではすでに27万5,000人以上の難民を受け入れているが、さらに、現在、1日500人のペースの難民流入がみられる。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の所長に、フランスのClaude Jorda判事が選出された。また副所長には、ザンビアのFlorence Mumba判事が選出された。両判事ともに、任期は2年間。
  • 初の気球世界一周に成功したBertrand Piccard氏(スイス)が、UNFPAの親善大使に任命された。今年3月、同氏とBrian Jones氏(イギリス)は、気球に乗って、19日間と21時間47分で世界一周することに成功した。
  • 国連人道問題調整部は、トルコ西部で先週発生した地震の被災者に対して、防寒テントおよび寝袋や毛布などを提供することが最優先事項である、と述べた。
  • UNMIKはプリシュティナで声明を発表し、コソボの人々の登録を年内に開始する、と述べた。身分証明書の発行、投票者リストの準備を行い、できる限り早急な国内選挙の実施をめざす。
  • アナン事務総長は、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の次期司令官に、Seth Kofi Obeng少将(ガーナ)を任命した。この任命は12月1日、発効する。

1999年11月15日

  • アナン事務総長とプーチン・ロシア首相の電話会談(週末)での合意を受けて、緒方難民高等弁務官がロシアを訪問し、北カフカスの人道状況について協議する。弁務官は16日、ロシアに向けて出発し、今週後半にはイングーシェチアも訪問する。
  • 総会は、再度地震に襲われたトルコの政府および国民に対して心痛の意を示すとともに、国際社会が、トルコからのいかなる支援の要請に対しても、迅速かつ寛大な対応をするよう希望を表明した。一方、ユニセフは、この地震が同国の子どもたちにとっての「惨禍」であるとし、被災地にテント、毛布、寝袋などを急送している、と述べた。
  • コソボで国連機が墜落した事件(先週金曜日)の原因を究明するため、調査が開始。この調査結果に関する暫定的な報告は1ヶ月以内に行われ、その後、最終報告が2000年の前半には完成する予定。
  • アナン事務総長(中国訪問中)は、中国と米国が貿易合意を成立させ、世界貿易機関(WTO)への中国加盟に道を開いたことを歓迎した。
  • アナン事務総長は、アフガニスタンにおいて国連事務所が襲撃された(日曜日と月曜日)ことについて非難声明をだし、タリバンには国連職員の安全を確保する義務がある、と述べた。
  • 週末、アナン事務総長はキプロスに関して声明を発表し、「包括的解決に向けた意義ある交渉」への下地をつくるため、Clerides氏とDenktash氏が12月3日にニューヨークで近距離交渉を行うことに合意したことを明らかにした。
  • 松浦晃一郎氏(日本)が、ユネスコの新・事務局長に正式就任。ユネスコ総会に対して演説し、21世紀におけるユネスコのビジョンを示した。
  • 土曜日、FAO次期事務局長(任期6年)に、現事務局長のジャック・ディウフ氏(セネガル)が再選された。FAO総会(2年に1度)での選挙において、163票中、137票を得た。(アルゼンチンの在スウェーデン大使Juan Carlos Vignaud氏は26票を得た。)
  • コソボにおいて、UNMIKは11月30日から、車両の暫定的登録を行う。車両にナンバープレートがないため、警察の業務に困難が生じていたことから。

1999年11月12日

  • アナン事務総長は声明において、チェチェンにおけるロシアの軍事行動の規模がテロリスト根絶という限定的な目的をはるかに超え、市民に大きな苦しみを与え死傷者を出しているとし、遺憾の意を表明した。そして、ロシア指導部に対して、この紛争に対する長期的な解決に向けた政治的プロセスを含め、市民を苦境から守るための迅速な行動をとるよう訴えた。
  • WFPの双発プロペラ機(24人搭乗)が、プリシュティナ(コソボ)に到着する直前、墜落した。同機は午前11時半にプリシュティナに到着を予定しており、最後の連絡は午前11時15分に行われた。同機はこのとき、プリシュティナ北西約20キロのVuciturn近郊の上空を飛行していた。
  • ユネスコ総会が、日本の松浦晃一郎氏(現・駐仏大使)を次期事務局長に選出した執行委員会の決定(10月20日)について秘密投票を行ない、賛成146、棄権9、無効6で、松浦氏の同ポストへの就任を承認した。11月15日に正式就任する。
  • アナン事務総長は、イスラマバド(パキスタン)の数箇所で本日ほぼ同時に起った爆弾事件について、深い憂慮の念を示した。その発生場所に拘わらず、すべてのテロ行為について再度非難を表明し、パキスタン当局に対して、この「卑劣なテロ行為」の犯人を裁判にかけるためあらゆる努力をするよう訴えた。
  • 緒方難民高等弁務官は、総会第3委員会(社会、人道、文化)に対して、UNHCR年次報告を提出。今日、難民に関する議論を行なううえで、分断されたコミュニティーの共存および和解の問題が非常に重要である、と述べた。
  • 依然として、チェチェンの紛争を逃れて数多くの避難民が流出しているなか、UNHCRはイングーシェチアに、トラック7台で食糧20トンを運び入れた。これがUNHCRによる8回目の救済物資輸送となる。
  • 安保理は議長声明を発表し、グルジア・アブハジア紛争の両当事者に対して、国連のイニシアチブで進めている和平プロセスに対するコミットメントを拡大するよう求めた。
  • アナン事務総長は、日本記者クラブ(東京)での記者会見において、日本が国連において「全面的に」、とても有効な役割を果たしているとし、また平和維持活動への日本人の参加について歓迎の意を示した。報道記者から自衛目的以外の武力行動を禁じている日本国憲法の改正問題について問われ、事務総長は、平和維持活動は現在、非常に幅の広い活動となっており、もはや兵士や警察官に限定されるものではない、と指摘した。「私たちは、文民行政官、技術者、教師、あらゆる種類の人々を求めている」「私たちのニーズは幅広く、日本人は私たちと一緒に働くことができる、と確信している」と述べた。
  • 安保理は議長声明において、最近ブルンジにおいて暴力が発生したことについて憂慮を示し、すべての紛争当事者に対して、暴力をやめ、同国の引き続く危機的情勢を平和的に解決するため話し合いを進めるよう求めた。
  • 安保理は議長声明を発表し、ソマリアで機能的な中央政府が存在しないことによる影響がますます顕著になっていること、また同国の人道状況が引き続き悪化していることについて、憂慮を表明した。
  • 安保理は決議1274を全会一致で採択し、国連タジキスタン監視団(UNMOT)の任期を、2000年5月15日まで6ヶ月間延長した。
  • インドネシア国軍は、UNHCRがNoelbakiのキャンプにいる避難民の帰還作業を開始できるよう、国軍兵士を同キャンプに駐留させる旨、UNHCRに通知した。
  • UNMIKの予算に関する事務総長報告(A/54/494)が発表された。UNMIKの活動予算(期間:1999年6月10日―2000年6月30日)として、計4億5640万ドルを提案した。この金額には、すでに総会が承認した2億ドル、および自発的拠出(物資による)58万5,500ドルを含まれている。
  • ユニセフによれば、アフガニスタンにおける今期のポリオ予防接種キャンペーンによって、約380万の子どもたちにワクチン投与を行なわれた。5月および6月のキャンペーンにおいては、23の地区をカバーすることができなかったが、今期のキャンペーンでは、5つを除く全ての地区をカバーすることができた。

1999年11月11日

  • アナン事務総長、訪日2日目。事務総長は国連大学での講演において、「日本がその地球的な経済力に見合った政治的な役割を担うことを、世界は必要としている」と述べた。また、東ティモールにおける日本の積極的な役割はその方向への意義ある一歩である、とした(→国連大学演説原稿)。11日朝、日本の国会議員たちと会談し、安保理改革の進展が遅いことに遺憾の意を示すとともに、同国が安保理常任理事国となることの有用性については広範な支持がみられる、と述べた。また天皇・皇后両陛下と会談し、天皇陛下の即位10周年に対して祝意を示した。小渕首相との会談において、事務総長は東ティモール、国連要員の安全、国連改革、ミレニアム・サミットについて話し合った。スポークスマンによれば、小渕首相は、東ティモールにおける国連活動に対して、同国の強力な支援を申し出たということである。
  • 安保理議長は報道声明において、エチオピア・エリトリア両国に対して、両国間の紛争における最大限の自制を促すとともに、人道状況の悪化に対して憂慮を表明した。
  • 国連東ティモール人道調整官Ross Mountain氏はジャカルタで、インドネシア国軍のAdmiral Widodoと会談。同大将は、民兵たちが難民帰還を阻害することがないよう、しかるべき措置を講じる、と保証した
  • 国連視察チーム(16人構成)がコンゴ民主共和国において活動を開始。安保理は同国に軍事連絡要員90人の展開することを決定しているが、現在まだ、要員全員の展開には至っていない。今回の視察チームは、今後の要員展開に道を開くべく、同国の情勢を調査するために派遣された。
  • 総会が、児童権利条約の採択10周年式典を行なった。1989年11月20日に採択された同条約には、これまで191カ国が批准した。
  • 対タリバン制裁が日曜日に採択されることが予想されるなか、アフガニスタンの少なくとも3都市において、この制裁に抗議し、国連事務所を対象にしたデモ行為が行われた。一連の抗議行動はまず水曜日、Kandaharで起こり、国連事務所に対する投石も行われ、かなりの損害がでた。そして翌日、HeratおよびFarahにおいて同様のデモ行為が発生した。いずれにおいても、負傷者がでたとの報告はない。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピーター・ピオット事務局長は、第10回国家健康フォーラム(ドミニカ共和国)において、カリブ地域におけるエイズ禍の広がりを抑えるため、政治的なコミットメントとタイムリーな対応を求めた。
  • 国連貿易開発会議(UNCTAD)がマニラにおいて、技術移転、生物多様性などを含めた貿易と開発問題に関するワークショップを開催(3日間)。アフリカ、アジア、ラテンアメリカから10カ国の開発途上国が参加。
  • 国連スポークスマンは、イラクにおける人権状況に関する特別報告者Max van der Stoel氏が11月5日付で辞任したことを確認した。人権委員会ビューローは、11月17日にStoel氏の後任の問題について協議する予定。

1999年11月10日

  • 旧ユーゴ・ルワンダ国際刑事裁判所の新・主任検察官のCarla Del Ponte氏は、安保理に対するブリーフィングにおいて、14カ国の法医学専門家が5ヶ月間にわたりコソボの集団埋葬地を調査し、2,000以上の遺体を発掘した、と述べた。
  • 総会は決議を無投票で採択し、ベツレヘム2000プロジェクトに対する支援を表明し、これを主催するパレスチナ暫定自治政府(PNA)の努力を称えた。ベツレヘム2000の目的は、何百万という観光客および巡礼者に対して、イエス・キリストの誕生を祝うためベツレヘムを訪問するよう奨励することにある。それにより、ベツレヘムの観光産業を活性化させ、経済開発を進め、持続的な平和を築くことをねらう。
  • アナン事務総長が日本を訪問。滞在中、同国指導者と会談し、国連に対する日本の貢献問題などについて話し合う。成田空港到着時、事務総長は記者団に対して、その会談の議題のなかには、東ティモール、コソボ、世界経済状況、WTOシアトル会合(今月下旬)が含まれる、と述べた。「いつも日本を訪問することを心待ちにしている」「国連大学でもスピーチをする。市民社会との関わりを持つこと、また国会議員にお話しすることを希望している」とアナン事務総長は述べた。事務総長は離日後、中国、トルコを訪問する予定。
  • コフィー・アナン事務総長は、John Vise少将(アイルランド)を、Esa Tarvainen少将(フィンランド)の後任として、国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)の軍事司令官に任命した。12月1日に正式就任。
  • コンゴ共和国の国連現地調整官Bill Paton氏は国連本部で記者会見し、同国では、避難民および最近帰還した人々が80万人を超え、深刻な人道的危機状態に直面している、と述べた。
  • 月曜日、シエラレオネのLungi 軍縮・武装解除キャンプにおいて、元反政府勢力戦闘員1,600人の間で暴動が発生したが、その後、国連軍事監視員のパトロールによって、静穏が回復した。
  • 国連人道援助機関およびNGOで構成するミッションがスーダンのヌバ山脈を調査した結果を報告書にまとめて発表。この報告書は、来春の終わり頃、この地域でかなりの食糧不足が生じる、と警鐘を発した。
  • コソボ暫定協議会は声明を発表し、ユーゴスラビア当局に対して、行方不明者に関する情報を提供するよう求めた。また、著名な人道活動家Flora Brovina氏など、セルビアで政治犯として拘束されているすべてのコソボ人を釈放するよう促した。
  • コソボで活動する人道援助機関は、マケドニアとの国境を通る食糧・シェルターの提供にかなりの遅れが生じていることに警鐘を発した。先週、マケドニア警察は、人道物資輸送車が主要越境地点で商業トラックの車列に混じって並ぶよう要求し始めており、これにより、交通渋滞が現在、10キロにも及んでいる。

1999年11月9日

  • 総会は決議を賛成155、反対2(米国、イスラエル)、棄権8(エストニア、グルジア、ラトビア、ミクロネシア連邦、モロッコ、ニカラグア、セネガル、ウズベキスタン)で採択し、米国の対キューバ制裁の停止を求めた。
  • 西ティモールで民兵たちが援助要員を襲撃していることについて、UNHCRは深刻な憂慮を表明。
  • WFPは、西ティモールからの帰還難民に対して、冬季の到来する前に食糧を輸送すべく、その活動を強化している。
  • アナン事務総長は、高橋昭氏(日本)をUNTAETの人道援助および緊急復興部門を担当する事務総長・副特別代表に任命した。高橋氏は35年間、国際協力事業団(JICA)に勤務している。
  • UNHCRは、チェチェン市民に対するロシアの軍事行動の引き起こしている人道的危機および死傷者数の規模について、引き続き深刻な憂慮を示した。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の上訴審部が先週、戦争犯罪容疑者のJean Bosco Barayangwiza氏を釈放する決定を下したことから、ルワンダ政府が同裁判所への協力を中止すると発表。この発表について、同裁判所所長Navanethem Pillay氏は、遺憾の意を表明した。(上訴審部は先週、Barayangwiza氏が予審段階での遅れから、その権利を侵害されていたとして、釈放を決定。同氏は裁判にかけられる前、19ヶ月拘束状態にあった。)
  • ブルンジ南部の人々が暴力および強制追放を逃れて、一日400人以上の割合でタンザニア西部に流入している(UNHCR発表)。11月1日から8日までに、Kigoma・Kasulu・Kibondoの3地区に2,650人、Ngaraに1,500人が流入した。なお、現在、タンザニアは、合計約27万5,000人のブルンジ難民を受け入れている。
  • 国連財団(テッド・ターナー氏設立)は、国連の様々なプロジェクトに対して、5,100万ドルの追加的寄付を行なうことを発表した。
  • FAOとWFPの合同報告によれば、朝鮮民主主義人民共和国の人々の栄養状態は、慢性的な食糧問題を改善しようとする同国の努力にも拘わらず、依然として脆弱である。

1999年11月8日

  • 国連人権専門家3人が東ティモールの人権侵害の調査開始。本日、女性に対する暴力に関する特別報告官Radhika Coomaraswamy氏、司法権外の略式・恣意的執行に関する特別報告官Asma Jahangir氏、拷問に関する特別報告官Nigel Rodney氏の3人はディリで記者会見し、3人がすでに国連およびINTERFETと会談した他、人権侵害の目撃者からの聞き取り調査をはじめ、人々が埋葬された場所も訪れた、と述べた。
  • アナン事務総長は安保理に提出した報告書において、国連タジキスタン監視団(UNMOT)の任期を2000年5月15日まで6ヶ月間延長するよう勧告した。UNMOTがその主な目的を果たし、タジキスタンが国民和解と民主化への道を歩みはじめたことから、事務総長は、これが最後の任期更新となることを想定している。
  • 安保理議長(11月の議長はスロベニア大使Danilo Turk氏)は報道声明において、シエラレオネの最近の戦闘に憂慮を表明し、紛争当事者に対して、ロメ和平合意を遵守するよう促した。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボの1999年度予算(1億2,500万ドイツマルク=約6,650万ドル)を承認した。なお予算の70%近くは国際ドナーからの拠出資金である。この予算承認により、UNMIKは、税関、消費税、援助資金などによる収入を、健康、教育、警察、消防、水、困窮者への支援などの公的サービス提供のために充当できる。この予算は、UNMIKや国際職員のためには使用されない。
  • コソボ暫定文民行政のための副特別代表Tom Koenigs氏が、ニューヨークでメディアに対して、「東ティモールのためのコソボの教訓」について演説。現地での活動調整が、国際的な再建活動の成功を決定づける最も重要な要素である、と述べた。
  • インドを最近襲ったサイクロンの影響に関する報告書によれば、インドのOrissa州では、1,100万(州人口の3分の1)の人々がサイクロンの被害を受けており、その人々に対する援助の必要性は非常に大きい。人道問題調整部(OCHA)によれば、インフラが大きな損害を受けたため、遠隔地へのアクセスが非常に困難あるいは不可能となり、食糧輸送・配給の問題が継続している。
  • 事務総長特使Moustapha Niasse氏が7日から10日までコンゴ民主共和国を訪問し、同国政府、非武装反政府勢力、市民社会の代表らと協議。
  • 旧ユーゴ・ルワンダ国際刑事裁判所の両所長が総会に対して、同裁判所の年次報告書を提出。旧ユーゴ国際刑事裁判所所長Gabrielle Kirk McDonald判事は、ユーゴスラビア連邦共和国、クロアチア共和国、セルビア人共和国が裁判所の命令を無視しており、これが裁判所の活動を妨げていると述べた。そして国際社会が裁判所を支援し、各国に対して圧力をかけるよう求めた。ルワンダ国際刑事裁判所所長Navanethem Pillay判事は、ルワンダ裁判所の判決が国際人道法の発展に重要な影響を及ぼした、と述べた。
  • 「第1回性感染症・エイズ中米会議」(ホンジュラス)において、国連エイズ合同計画(UNAIDS)の国別計画プログラム開発部部長Olavi Elo博士は、ラテンアメリカ・カリブ地域においてエイズ感染を抑えるため、強い政治的コミットメントが必要である、と述べた。同氏によれば、現在、ラテンアメリカにおいてHIV感染者は140万人以上、さらにカリブ地域に33万人いる。

1999年11月5日

  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は安保理で演説し、コソボ行政を運営するための資金拠出を求めた。演説後、クシュネル氏は記者団に対して、コソボの公的行政機関で働く人々に給料を支払うため12月前に2,500万ドル、来年に向けて1億1,000万ドルが必要である、と述べた。
  • 総会第1委員会は、ABM条約の保護および遵守に関する決議案を賛成54、反対4(イスラエル、ラトビア、ミクロネシア、米国)、棄権73で採択した。ベラルーシ、中国、ロシア連邦が共同提案した決議案は、締約国が、完全かつ厳密な遵守を通じて、条約を保護・強化する努力を新たにするよう求めている。また、弾道弾迎撃ミサイル・システムの配備を制限し、それぞれの国の領土防衛のためにそうしたシステムを配備するのを控えるよう求めている。
  • 安保理は決議1273を全会一致で採択し、コンゴ民主共和国に現在展開している国連軍事連絡要員の任期を2000年1月15日まで延長することを決定した。なおアナン事務総長は安保理に最近提出した報告書において、この軍事連絡要員の任期延長とともに、国連コンゴ民主共和国監視団(MONUC)の設置、軍事監視員500人の展開のための事前承認を求めていたが、本決議はこれについては一切触れていない。
  • 総会第5委員会は、行財政問題諮問委員会(ACABQ)や分担金委員会など、6つの下部組織の委員を選出・勧告した。ACABQについては、Gerard Biraud氏(フランス)、Norma Goicochea Estenoz氏(キューバ)、Vladimir V. Kuznetsov氏(ロシア連邦)、Susan M. Shearhouse氏(米国)、Roger Tchoungui氏(カメルーン)を選出した。
  • 世界食糧計画(WFP)の発表によれば、WFPは最近のサイクロンで被災したインドの数十万の人々に米・小麦を提供する用意を整えた。しかし被災者のほとんどは家がなく、調理器具も持っていない。そこでWFPはすでに、最もひどい被害を受けた人々に対しては、高カロリー・ビスケットを配給し始めている。なおWFP推計によれば、現在、30万の人々が切実に援助を必要としており、5万の村落で少なくとも1,000万人がサイクロンの被害を受けた。
  • UNHCRは、西ティモールの民兵たちが、UNHCRスタッフおよび東ティモールへ帰ろうとする避難民たちを脅し続けている、と警鐘を発した。(本日、アタンブアの難民キャンプからディリへ帰還しようとする避難民120人を輸送するためのトラック車列(6台)が民兵によって投石された。トラック一台のフロントガラスが割れ、その破片でUNHCR現地スタッフが負傷した。)
  • UNHCRによれば、ロシアがチェチェンとイングーシェチア間の境界管理を緩めたことを受けて、境界地帯の緊迫した情勢が多少緩和した。なお同境界が朝7時から午後5時まで開放されたことから、過去2日間で、チェチェンから8,000人以上の人々がイングーシェチアに流出した。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、アフガニスタンの子どもに対するポリオ予防接種キャンペーン(今回)において、今年5月と6月(360万人)よりも多くの子どもに予防接種が行われた。このキャンペーンは、“National Immunization Days”と呼ばれ、2000年までにアフガニスタンからポリオをなくすことを目指している。
  • ソマビアILO事務局長は、「企業フォーラム(Enterprise Forum)」で演説し、財界指導者たちに対して、公正、人間の尊厳、労働の権利の問題に取り組み、グローバリゼーションが引き起こす諸問題に対する「解決の一部となる」よう訴えた。

1999年11月4日

  • メアリー・ロビンソン人権高等弁務官は、総会第3委員会に年次報告書を提出。弁務官は同委員会に向けた演説において、各国に対し、国連の一連の人権条約を批准するよう求めた。
  • IAEA事務局長Mohamed Elaradei氏は、総会に年次報告書を提出。同氏は、その演説において、多くの国々がさまざまな条約の下の義務に反し、IAEAとの保障措置協定を締結していないことに憂慮を表明した。
  • コミュニケーション部長Shashi Tharoor氏が報道世界年次会議(バルセロナ)で演説。世界のメディアの報道範囲は「実に驚異的」であると述べたうえで、なぜコソボの紛争がシエラレオネの紛争よりも大きく報道されるかということについて、テレビ報道の編集者および経営者たちに対して熟考を求めた。そして国際的な議題はメディアによって設定されるとし、報道機関が適切なバランスを図ることの重要性を指摘した。
  • 西ティモール境界沿いのAtambuaで、東ティモール避難民帰還の妨害をねらったとみられる民兵たちによる2件の銃乱射事件が発生。UNHCRは、インドネシア政府が民兵組織の活動を統制するために介入しない限り、情勢がさらに悪化するおそれがある、と懸念している。
  • WHOは煙草産業の宣伝広告に対抗するため、新たな世界的キャンペーンを開始。「騙されないで(“Tobacco Kills, Don't Be Dupted”)」との呼びかけの下、このキャンペーンは、世界20ヶ国の保健衛生およびメディア活動家の協力を得る。
  • UNHCRは、チェチェンから流出する避難民の数が昨日に比べて減少したとし、その情勢に対する懸念を表明した。昨日は、ロシアが境界管理を大幅に緩和したことから、推計5,000人が流出したが、木曜日には、その数が1,300人に減った。
  • FAOは、コソボ農業再開のための支援プロジェクトを冬季の到来前に無事完了した、と発表。コソボの農家が再び農業をはじめるのを支援するため、種・肥料(670万ドル規模)を農家約7万世帯に配給した。
  • ユニセフは、ベルリンの壁崩壊10周年を記念した報告書を出版。同報告書は、東欧および旧ソ連の子ども達の生活水準が、「経済収縮」、社会福祉ネットの劣化、武力紛争の蔓延によって低下した、と指摘した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所は、医療チームをザグレブ(クロアチア)に派遣し、Mladen Naletilic(通常“Tuta”、人道に対する罪等で昨年、起訴)の健康状態をチェックした。同チームは、Naletilic氏が裁判のためにハーグに行ける健康状態にはない、と報告。これを受け、同事務局は検察官に対して、同氏の移送を勧告できない旨通告した。

1999年11月3日

  • 総会および安保理は、国際司法裁判所(ICJ)の判事5人を同時に選出した。このうち、4人はICJの現判事(来年2月5日に任期満了)のGilbert Guillaume(フランス)、Rosalyn Higgins(イギリス)、Gonzalo Parra-Anguren(ベネズエラ)、Raymond Ranjeva(マダガスカル)。残る1人は、Awn Shawkat Al-Khasawneh(ヨルダン)で、ICJ判事に選出されたのは今回が初めて。これら5人の任期は2月6日から9年間。(なお、ICJのその他の判事10人は以下のとおり。Mohammed Bedjaoui(アルジェリア)、Carl-August Fleischhauer(ドイツ)、Geza Herczeph(ハンガリー)、Shi Jiuyong(中国)、Pieter H. Kooijimans(オランダ)、Abdul G. Koroma(シエラレオネ)、小田滋(日本)、Jose Francisco Rezek(ブラジル)、Stephen M. Schwebel(米国)、Vladlen S. Vereshchetin(ロシア連邦)。
  • 第10回国連貿易開発会議(UNCTAD X)の開催100日前を記念する式典がバンコクで行われた。アナン事務総長はメッセージにおいて、UNCTAD Xについて、開発途上国のグローバル経済に対する貢献度を高め、グローバリゼーションの利益のより公平な共有を確保するため、国際社会が勇気ある行動をとるための「ひとつの黄金の機会」となるであろう、とした。
  • UNHCRとOSCEは、コソボにおける民族マイノリティーの状況に関する3回目の調査を終え、共同報告書を発表した。同報告によれば、民族マイノリティーの全体的状況は依然として、非常に不安定である。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表はストラスブールで、欧州会議メンバー国の外相たちと、コソボ復興に必要な資金の問題について協議した。11月17日には、コソボに対する拠出誓約会議がブリュッセルで予定されている。
  • チェチェンの紛争を逃れ避難民となった人々の人道ニーズを調査するため、国連調査団がイングーシェチアに入った。UNHCRが率いるこの調査団は、UNDP、WHO、ユニセフ、WFP、人道問題調整部から構成される。
  • 昨日、シエラレオネにおいて、国連軍事監視員がパトロール中、RUF反政府勢力の戦闘員によって、数時間拘束された。国連は同国において停戦違反が多くなっていることに懸念を抱いており、事務総長特別代表は昨日発表した声明において、RUF/AFRC指導部がロメ和平合意を遵守しておらず、また現地司令官や戦闘員の管理もできていないことは明らかである、と述べた。
  • WHOは、公および民間機関と協力し、抗マラリア薬を開発するユニークな新規の事業を開始する、と発表した。Medicines for Malaria Venture(MMV)と呼ばれるもので、スイス国内法の下、抗マラリア薬を開発するための独立した非営利財団として設置される。当初の協力機関としては、WHOのほか、国際医薬品製造者協会、世界銀行、英国国際開発局、スイス開発協力庁、保健衛生グローバルフォーラム、ロックフェラー財団、グローバル・ロールバック・マラリア・パートナーシップなど。
  • アフガニスタン人道調整官Eric de Mul氏は記者会見において、冬季の到来前に、ショマリ高原の戦闘を逃れパンジシール峡谷に避難する数万の人々に対して、人道援助物資を届けることができなければ、これらの人々が深刻な危機的状態に直面する、と警告を発した。
  • 国連イラク石油食糧交換プログラム(今期)が今年6月に開始して以来、イラクは3億3,000万バレルを輸出し、推計60億ドルの収益を上げた。
  • アナン事務総長は、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)司令官として、ベルギーのClaude Buze准将を任命した。同氏は、10月31日に任期満了となったBernd Lubenik少将(オーストリア)の後任として、11月1日付で就任。

1999年11月2日

  • アナン事務総長は故ラビン・イスラエル首相追悼式典(オスロ)に対するスピーチにおいて、ラビン氏が開始した中東和平プロセスを完結させるため、「途中で疲れず、勇気をもって」作業する必要性を強調した。このスピーチは、中東和平プロセス特別調整官Terje Roed-Larsen氏が代読した。
  • オーストラリア外相Alexander Downer氏は昨日、アナン事務総長およびその他の国連高官と、東ティモールにおける多国籍軍からUNTAETへの引継ぎについて協議。本日、同氏は記者ブリーフィングし、東ティモールの平和および安全が回復していることから、この引継ぎが円滑に行われるであろう、と述べた。
  • コンゴ民主共和国に関する事務総長報告が発表された。この報告書において、アナン事務総長は、安保理が同国における軍事監視員の展開を承認するよう勧告した。
  • 事務総長特別代表Francis Okelo氏はフリータウン(シエラレオネ)において、同国における最近の停戦合意違反の深刻さについて、「非常に憂慮している」と述べた。また、戦闘の活発化、市民に対する人権侵害、人道援助要員に対する組織的襲撃、女性や子どもの拘束の継続などについて警鐘を発した。
  • アナン事務総長は、ニューヨークで開催された人権とガバナンスの連関に関するハイレベルのフォーラムにメッセージを寄せ、相互依存の世界においては、人類が価値の共有および連帯に基づく地球的な倫理によって導かれなければならない、と述べた。また、このフォーラムが、WTOの第3回閣僚会議(シアトル)の直前に行われたことは、時機を得たものである、と指摘した。このフォーラムの正式名称は、「援助・貿易・貸付における公正の確保に関するハイレベル国際円卓会議 ― グローバル・ガバナンスに対する人権アプローチを促進するために」。
  • UNHCRは、チェチェンの紛争を逃れる避難民の苦境に対して引き続き憂慮を表明。UNHCRスポークスマンはジュネーブで記者ブリーフィングを行い、チェチェンを流出する人々がイングーシェチアへの流入を許可されるペースが非常に遅い、とした。
  • UNHCRによれば、内戦を逃れて隣国ザンビアに流出するアンゴラ避難民がこの3日間で急激に増えた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所のマクドナルド所長は安保理に書簡を提出(本日、発表)し、バルカン地域のいくつかの国々が、人道に対する罪で起訴された個人を引き渡す義務を履行していないとし、安保理が効果的な措置を講じるよう求めた。同氏は、11月6日で任期満了となる。
  • 世界食糧計画(WFP)は、冬季の到来を前に、アフガニスタンのパンジシール峡谷にいる推計約6万5,000人の避難民たちに対する食糧提供活動を強化している。WFPは、ショマリ高原におけるタリバンと北部同盟の戦闘を逃れてきたこれら避難民に対して、今月末までに少なくとも3,000トンの食糧を届けることを目指している。
  • Leon Sullivan師(「教育および自助のための国際基金」会長)が国連本部で、“Global Sullivan Principles”を開始。アナン事務総長はSullivan氏主催の集いで演説し、企業経営者らに対して、彼らが現在直面する重要な課題は、ビジネスが雇用と富を創出し、また人々の基礎的ニーズを充足するような環境をどうやってつくるのかということである、と述べた。

1999年11月1日

  • 10月29日、強力なサイクロンがインドを襲い、Orissa州内の8つの地区の1,000万人以上に被害を与えた。これについて、総会議長および事務総長は、同国政府および国民に対して心痛の念を伝えるとともに、国際支援の必要性を強調した。
  • フレシェット副事務総長は第27回赤十字・赤心月社国際会議で演説し、武力紛争において文民を保護するためには、現代の紛争の残虐かつ複雑な現実に立ち向かう政治的意思が必要である、と述べた。
  • 日曜日、セルビア抵抗運動の代表Momcilo Trajkovic氏がプリシュティナの自宅で、何者かによって銃で撃たれ、負傷した。この銃撃事件について、クシュネル・コソボ事務総長特別代表は強く非難。「コソボは外の世界からの支援や援助を失う危険を犯している。コソボのすべての人々に対して、この冷酷な攻撃を止めるよう求める」と述べた。
  • 先週金曜日、UNHCRはインドネシア当局に対して、西ティモールの難民キャンプへの完全なアクセスを求めた。同国政府によれば、これらのキャンプにおいて、21万9,000人の難民が収容されている。
  • 土曜日、東ティモールに残っていたインドネシア国軍の最後の部隊が撤収。空港で式典が行われ、抵抗運動指導者シャナナ・グスマオ氏も出席した。
  • 日曜日早朝、エジプト航空990便がマサチューセッツのナンタケット島沖で墜落。総会議長および事務総長は遺族らに対する弔意を表明した。
  • 情報委員会が、国連ホームページについて検討。法眼健作広報担当事務次長は同委員会で演説し、インターネット上での国連のプレゼンスは、世界各地で国連のイメージを投影するための不可欠な手段である、と述べた。
  • 国連開発計画(UNDP)が、「南アジア人間開発報告1999年」を刊行。南アジアの現在の危機の原因が貧弱な経済統治管理にあるとし、人間開発の中核的問題に対処するため、経済社会分野の国家的優先事項の全面的な方向転換を提案した。
  • ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)の判事チームがルワンダに到着した。Ignace Bagilishema(マバンザ元市長)が集団虐殺を行ったとされる現場を視察する。ICTR判事が直接、裁判官の権限において、ルワンダを訪問するのは初めて。

1999年10月29日

  • 総会は経済社会理事会全理事国54カ国の3分の1を改選し、以下の18カ国を新・理事国(来年1月から3年間)として選出した。アフリカ地域からはアンゴラ、ベニン、ブルキナファソ、カメルーン、スーダン。西欧(その他)からはオーストリア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ポルトガル。アジア地域からは、日本、フィジー、バーレーン。ラテンアメリカ・カリブ地域からは、コスタリカ、キューバ、メキシコ、スリナム。東欧からはクロアチア。なお、これら18カ国のうち、13カ国が新規理事国、その他の5カ国(キューバ、フランス、ドイツ、日本、メキシコ)は再選である。今回、改選の対象外であった理事国は以下のとおりーアルジェリア、コモロ、コンゴ民主共和国、ギニアビサウ、レソト、モーリシャス、モロッコ、ルワンダ、シエラレオネ、中国、インド、インドネシア、オマーン、パキスタン、サウジアラビア、シリア、ベトナム、ベラルーシ、ブルガリア、チェコ共和国、ポーランド、ロシア連邦、ボリビア、ブラジル、コロンビア、ホンジュラス、セントルシア、ベネズエラ、ベルギー、カナダ、デンマーク、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、英国、米国。
  • 行政調整委員会(ACC)、開催。会期は2日間。主要議題は、「次世紀の課題に柔軟かつ効果的に対応する国連システムの制度・プログラム能力」。
  • 東ティモールに残っていたインドネシア国軍の最後の部隊が、数日中に同地を撤退する予定(UNAMET発表)。
  • 西サハラ情勢に関する事務総長報告(S/1999/1098)が発表された。アナン事務総長は、西サハラの将来に関する住民投票に向けた準備状況について、ある程度の進展があったとするとともに、モロッコ政府およびポリサリオの両当事者の協力継続を求めた。
  • 国連視察ミッションが10月17日、キンサシャ(コンゴ民主共和国)に到着。このミッションは同国の数カ所について治安状況調査を予定していたが、同国政府が国連要員の安全を保証しないため、視察訪問を行えずにいる。
  • UNHCRは28日、NGO団体のConcernとともに、ブルンジのCibotoke州北西部のコンゴ難民キャンプに6週間分の食糧を届けた。なお、この輸送団は同日中に、首都ブジュンブラに無事戻った。
  • UNHCRのアフガニスタン代表Ahmad Farah氏はイスラマバードで記者ブリーフィングし、今年のアフガン難民帰還作業が、タイムリーな援助資金の欠如や国際職員の一時期撤収により阻害された、と述べた。
  • 昨日、EU高官―ハビエル・ソラナ氏およびクリス・パッテン氏―は、UNMIKとの会談において、コソボ再建資金の拡大に対する支援を表明した。
  • WFPは、昨年ハリケーン・ミッチに襲われた中米諸国の復興作業が資金不足によって進められないとし、援助国に対して、また中米諸国の再建の支援を望む人々に対して、WFPの救済活動への拠出を行うよう呼びかけた。

1999年10月28日

  • チェチェンの紛争によって生じた人道的ニーズを調査すべく、国連ミッションが北カフカスに向けてまもなく出発する。
  • 今週火曜日、アナン事務総長は安保理に対して報告書を提出し、コソボの国連文民警察の規模を当初予定した3,110人から約1,600人増やし、合計4,718人とするよう勧告した。現在、コソボのプリシュティナおよびプリズレンにおいて完全な警察任務を果たすべく、UNMIKの警察官1,700人以上が展開中。
  • 昨日、150人を超えるセルビア人たちを乗せたUNHCR輸送車が襲われ、10人から15人のセルビア人が負傷した。国連およびKFOR治安部隊は共同声明を発表し、この襲撃事件を強く非難した。
  • UNHCRの避難民帰還作業開始(10月8日)以来、約2万3,000人の避難民が東ティモールに帰還した。そのうち1万6,000人は西ティモールから帰還し、その他は、ジャカルタやスラバヤ(ジャワ島)、デンプサール(バリ島)から帰還した(UNHCR発表)。
  • アナン事務総長はLinks 社の昼食会で演説し、貧困根絶に向け、NGOおよび国内団体が政治的意思を動員し、地球社会に圧力をかけるうえで支援することができる、と述べた。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長が、今月上旬の自らのイラク訪問について安保理にブリーフィング。イラクの経済社会状態が深刻に悪化しており、子どもと女性への影響を緩和するため、社会サービスを大幅に改善する必要がある、と述べた。
  • WHO、ユニセフ、国連人口基金、世界銀行は共同声明において、妊産婦の死亡率を下げるため共同作業を開始する、と発表した。国連の推計によれば、現在、世界で60万人の女性が毎年妊娠および出産関連の合併症で死亡している。そのうちの98%は開発途上国の女性である。さらに、この合併症により、300万人以上の乳児が産後1週間以内に死亡するとともに、さらに300万の死児が生まれている。
  • 政治問題担当事務次長Kieran Prendergast氏は、アナン事務総長の要請により、ブルンジの情勢および和平プロセスにおける国連の役割に関して地域諸国の指導者と協議すべく、ブルンジおよび地域の内外諸国と協議すべく、明日アフリカに向けて出発する。
  • UNCTADの報告書“Report on UNCTAD's assistance to the Palestinian people”によれば、パレスチナ貿易は過去6年間で相当悪化した。また、この2年間で収入源の多様化が進んだものの、1990年代、パレスチナ貿易のイスラエルへの依存が拡大し、他の伝統的市場や供給源に対してマイナスの影響を及ぼした。

1999年10月27日

  • 本日、アルメニア議会に武装グループ5人が乱入、銃を乱射し、Vazgen Sarkissian首相、Karen Dermichian国会議長などの政治指導者を殺害。アナン事務総長は声明を発表し、これについて強く非難した。また、報道によると、議員ら約50人が人質となっていることから、すべての人質の即時無条件解放を求めた。
  • アナン事務総長は総会第5委員会に対して、国連通常予算(2000年―2001年)として、25億3,500万ドルを提案した。
  • 国連および人道機関は国際社会に対してアピールを発し、東ティモールおよび西ティモールにおける2000年6月末までの緊急援助活動を賄うため、1億9,900万ドルを超える資金の拠出を求めた。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の長として事務総長から今週指名をうけたデメロ事務次長は、同氏が来月上旬にディリに入り、東ティモールの民主的な自治制度の確立のために現地の指導的立場にある人々と協力して作業していく、と述べた。
  • 総会第3委員会が、子供の権利保護について討議。オララ・オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)は同委員会で演説し、国際社会が子どもの虐殺および虐待に責任を有する紛争当事者に対して、政治的妥当性や武器、金銭を決して与えないような体制を整えるべきである、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、ソマリアで長い間引き続く紛争の包括的かつ永続的な解決をはかるための調整された外交努力を支援する、と述べた。
  • アナン事務総長は10月13日、安保理議長に書簡を提出し、ギニアビサウを最近訪問したミッションの結果について報告。報告によれば、このミッションは、ギニアとセネガルとの国境沿いの状況が不明瞭であるとし、軍事監視員200人の国境地帯展開を提案した。事務総長は、この提案を検討する間、同国の議会・大統領選挙(11月28日)に向けたプロセスを国際社会が注視しているとのメッセージを発信するべく、いくつかの措置の概要を示した。
  • ユニセフは、国際社会に向けてアピールを発し、エクアドルを支援し、同国の子どもと女性の命を脅かしている莫大な債務負担を減らすよう求めた。エクアドルの債務は現在、160億ドル(同国GDPの107%)であり、このうち130億ドルが対外債務である。
  • コソボのプリズレンにおいて、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)が本日、KFOR国際治安部隊から、警察任務を引き継いだ。コソボの5地域のうち、プリズレンは、UNMIKが警察任務を引き継ぐ2番目の地域である。プリシュティナおよびその周辺地域においては、8月下旬にすでにその任務を引き継いだ。
  • 国連砂漠化防止条約(UNCCD)の第3回締約国会議がRecife(ブラジル)で11月15日-26日に開催されるが、この会議において、砂漠化の被害を受けるアフリカ6カ国が新しい対砂漠化戦略を発表する。

1999年10月26日

  • アブハジア情勢に関する安保理宛事務総長報告が発表された。事務総長は同報告において、グルジア・アブハジア対立の中核的問題であるアブハジアの政治的地位に関して前進をはかるため、努力を強化すべきである、と述べた。
  • 東ティモール事務総長特別代表代行のイアン・マーティン氏がディリで記者会見。東ティモールにおいて、人道援助と緊急復興が、依然として国連活動の最優先事項である、と述べた。またその他の主要な仕事としては、基本的サービスおよび法・秩序の再確立、並びに機能的な警察および司法制度の整備をあげた。
  • イラク人道調整官Hans Von Sponeck氏は記者会見において、バグダッドの人道情勢が改善したと述べた。また「石油食糧交換」プログラムに利用できる石油輸出収入が30億ドルから40億ドル程度増加したことにより、イラク政府に対して、人道プログラムの様々な分野でさらに多くのことをするよう国連が奨励することが可能になった、と述べた。
  • 総会は、国際司法裁判所の活動について検討。国際司法裁判所所長Stephen M.Schwebel氏は総会で演説し、加盟国政府の国連分担金不払いについて、国際法違反である、と述べた。
  • アナン事務総長は、バルバドスのOliver Jackman氏を、ガイアナ・ベネズエラ国境紛争のための個人特使に任命した。Jackman氏は現在、米州人権裁判所の判事を務めている。
  • 国連人口基金(UNFPA)は声明を発し、援助国からの拠出金が4年続きで減少し、UNFPAのリプロダクティブ・ヘルス・プログラムを削減しなければならない事態になっている、と訴えた。
  • 経社理は、NGO委員会の勧告(9月7日)を受けて、Christian Solidarity International(CSI)の協議的地位を剥奪する決議を採択した(賛成26、反対14、棄権12)。(CSIは3月、人権委員会において、スーダン反政府勢力指導者John Garangを同団体の代表として参加させたが、これについて、スーダン政府が同国主権への脅威であると抗議していた。)
  • 総会、安保理、経社理など、国連の6主要機関の長が、国連本部で、今年2度目の会合を行った。会合後、これらの長は、全加盟国、特に憲章の下の財政的義務を果たしていない国々に対して、「世界のさまざまな問題にとって非常に重要なこの時期に、国連を持続させ、支援する」よう訴えた。
  • マラリアの効果的な治療を模索するため、日本の医薬品企業12社がWHOとの協力体制を築いた。(毎年、マラリアにより、100万人以上が死亡している。そして、そのほとんどは、アフリカの子どもたちである。)
  • ユネスコ総会が3週間にわたる会期を開始。主な議題は、21世紀の活動、新事務局長の任命など。

1999年10月25日

  • 安保理は決議1272を全会一致で採択し、憲章第7章の下、国連東ティモール暫定行政機構(UN Transitional Administration for East Timor=UNTAET)を設置した。UNTAETは上限8,950人の兵力、上限200人の軍事監視員、上限1,640人の文民警察官を擁し、司法を含めたすべての立法・執行権限を有する。またUNTAETは、任務遂行のうえであらゆる必要な措置を講じる権限を与えられた。当初の任期は、2001年1月31日まで。
  • 安保理のUNTAET設置決議を受けて、アナン事務総長は記者団に対し、UNTAETを出来る限り早急に設置し、INTERFETの任務を引き継ぐ、と述べた。また事務総長は、UNTAETを率いる特別代表として、人道問題担当事務次長のセルジオ・デメロ氏を任命する意向も明らかにした。
  • 24日、西ティモールから避難民12人を乗せて東ティモールに向かうバスが何者かによって襲われ、1人が負傷し、数人が軽いけがを負った。今月前半の組織的帰還の開始以来、こうした襲撃事件が起こったのは初めて(UNHCR発表)。
  • 緒方貞子難民高等弁務官は声明を発表し、実質的に国際的な人道あるいは監視プレゼンスが全くないチェチェンで、ロシアの軍事攻撃による市民の犠牲者が増えているとの報道について、懸念を表明した。またチェチェンとイングーシェチアの境界が閉鎖され、チェチェンに閉じ込められた市民数万人の状況について深刻な憂慮を表明した。
  • アナン事務総長は、列国議会同盟(IPU)の議員たちの集まり(ニューヨーク)で演説し、良い統治の死活的重要性を強調。国家は、少なくとも、きれいな水、食糧、避難所、ヘルスケア、学校教育、暴力からの保護、法の支配の尊重を提供しなければならない、と述べた。
  • 第一回アフリカ開発フォーラム開催(アディスアベバ、ECA主催)。フレシェット副事務総長は基調演説において、アフリカは、グローバル情報時代へ自らをつなげるため、具体的な戦略・プログラムを明確にしなければならない、と述べた。
  • カール・パシュケ事務次長(内部監査部担当)が11月14日、5年間の任期を終了する。同氏による最後の総会宛報告書が本日、発表された。同氏は記者会見において、監査部の勧告6,000件のうち70%以上が実施され、内部管理、説明責任、監督が改善・強化された、と述べた。
  • 総会は、今会期に出席している国々の代表の信任状を承認した。信任状委員会の報告によれば、計133カ国から信任状が提出された。アフガニスタンからは、異なる代表から2つの信任状が提出されたが、委員会では昨年同様、同国の既存代表の信任状を受領した。
  • 故ニエレレ・タンザニア大統領の追悼式典がニューヨーク国連本部で行われた。アナン事務総長は同式典で演説し、同氏が、自由の戦士として、また類まれな誠実さ、勇気、道徳的権威を備えた人として、アフリカの人々から尊敬された人であった、と哀悼の意を表した。
  • UNMIKの報告によれば、コソボ全土において、ほとんどの公立学校が本日、正式に、特に事故もなく、再開した
  • WHOおよびNGOがジュネーブにおいて、煙草統制枠組み条約(FCTC)に関する作業を開始した。2003年に同条約を署名のために開放すべく、交渉を終わらせる努力が現在、進行中。
  • 国連気候変動枠組み条約の第5回締約国会議(COP5)が、ボンで開始。アナン事務総長は同会議にメッセージを寄せ、これまでの成果はあるものの、今は自己満足に浸っている時ではない、と述べた。

1999年10月22日

  • 安保理は決議1270を全会一致で採択し、憲章第7章の下、6,000人構成の国連シエラレオネ・ミッション(United Nations Mission in Sierra Leonne=UNAMSIL)を設置した。当初の任期は6ヶ月間。同国において停戦を監視し、ロメ和平合意の実施を支援する。
  • 安保理は決議1271を全会一致で採択し、国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)の任期を2000年2月15日まで延長した。同決議採択にあたり、安保理はまた、国連各機関、IMF、国際復興開発銀行の支援の下、平和維持活動から紛争後の平和建設活動への段階的移行を求める事務総長勧告に歓迎の意を表明した。
  • 安保理は議長声明を発表し、アフガニスタンにおけるタリバンの最近の軍事攻撃を強く非難するとともに、同国で継続する紛争が地域および国際の平和と安全に対する「深刻かつ拡大する脅威」となっていると述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、ブルンジにおいて暴力が再発していることに懸念を表明するとともに、同国において国連要員2人が最近殺害されたことに憤りを示した。
  • アナン事務総長は、北カフカスにおいて進行する紛争によって罪のない市民に犠牲者がでないように、特別な対応がなされるよう強く希望した。事務総長は、北カフカス情勢の最近の進展に関する報道について深く憂慮しながら読んでいるとし、軍事紛争における人道法の諸規定が尊重されるよう希望を表明した。
  • 総会の第5委員会において、軍縮に関するいくつかの決議案が提出された。そのなかの一つは、生物兵器条約のすべての締約国に対して、検証措置も含めた条約強化のための議定書を作成すべく交渉を促進するよう求めた。なお本日、第5委員会以外の各主要委員会においても、平和維持活動の財政、持続可能な開発、国際刑事裁判所の設置などの問題が討議された。
  • UNHCRは、西ティモールから避難民2,000人を東ティモールへ、初めて海上ルートを使って移送した。先月前半にUNHCRが避難民送還作業を開始して以来、東ティモールに帰還した避難民は、これまでに合計約1万人(自発的、組織的帰還双方を含む)。また陸路を使い自発的に帰還する避難民の流入は、水曜日に急に止まったまま、再開する気配はない。
  • アフガニスタンにおいて、ユニセフとWHOが5歳未満の子どもを対象としたポリオ・ワクチン投与活動を開始する体制を整えている。5月、6月の両月で、同国全土の5歳未満児の85%、360万人に対するワクチン投与が完了したが、戦闘の発生のために、20地区での同年齢層児童約60万人への投与がまだ行えずにいる。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は新たな規則に署名し、コソボ市民個人および小規模企業に対して貸付けを行う金融機関業務を承認した。これにより、今後、銀行以外の金融業者も、上限2000DMまでの貸付けを行うことが可能になった。
  • UNHCRは、コソボの人々に対して、越冬対策物資の配給を急いで進めているが、一部地域においては、降雨のために作業が遅れている。
  • ミレニアム総会およびサミットに関する特別ホームページ、開設。アドレスは、http://www.un.org/millenium。2000年ミレニアム総会は、9月5日に開幕する。

1999年10月21日

  • アナン事務総長は、同氏のバルカン地域訪問(先週)について安保理にブリーフィング。国連がコソボにおいて任務を遂行するためには、より多くの資金が必要である、と訴えた。
  • 総会は、安保理の提出した年次報告に関する討論(2日間)を終了した。討論においては、安保理の透明性拡大や、世界の危機的事態へのその対応の変化を求める発言が多くなされた。
  • UNHCRの報告によれば、西ティモールから東ティモールへの避難民帰還の流れが突然止まり、昨夜、東ティモールに戻った避難民はわずかに60人であった。はっきりした理由は不明であるが、INTERFETによれば、現在、武装民兵たちが東ティモールに戻りはじめている。
  • 経済社会問題局が、「開発における女性の役割に関する世界報告1999年―グローバリゼーション、ジェンダー、労働(1999 World Survey on the Role of Women in Development: Globalization, Gender and Work)」と題する報告書を発表。同報告によれば、グローバリゼーションは女性にとっての新しい機会を創出しているが、一方でまた、より一層の男女平等に向けた進展を阻害する条件も作っている。この世界報告は5年ごとに刊行されるが、今年の報告は来年6月の特別総会「女性2000-21世紀のための男女平等、開発、平和」における討論のたたき台となる。
  • 昨夜、コソボのGnjilaneにおいて、UNMIK通訳を務めるセルビア人女性が、アパートに手榴弾を投げ込まれ、負傷した。コソボ事務総長特別代表は、この事件について非難し、犯罪者を徹底的に追跡すると述べた。
  • アナン事務総長の代理として、リベリア事務総長特別代表Felix C. Downes-Thomas氏が、リベリア大統領から大統領栄誉賞(Presidential Medal of Honour)を受賞した。この賞は、平和維持・平和建設に対するその献身的な活動に報い、国連、および国連リベリア監視団(UNOMIL)および特別代表に対して、贈られたものである。
  • 化学兵器禁止機構(OPCW)は、化学兵器の使用された擬似的状況における調査訓練を初めて実施した。この訓練は、実際の戦争において化学兵器が使用された場合、即時に対応できる体制を維持することを目的として、10月17日から21日まで、チェコ共和国の軍事施設で行われた。なおOPCWは、1997年4月29日に発効した化学兵器禁止条約によって、条約の実施を監視するために設置された機構である。

1999年10月20日

  • 総会が、安保理の提出した年次報告書についての討論を開始。報告の内容は、昨年6月から今年6月までの活動を対象としている。
  • 19日、アナン事務総長はワシントンで、今年のWoodrow Wilson Statesmanship Awardを受賞。受賞式典において、事務総長は、現在、大多数の紛争が国家内で起こっており、そうした危機的事態への介入の方法とタイミングについて、国際社会が新たなコンセンサスを形成すべきである、と述べた。
  • 19日、アナン事務総長はスポークスマンを通じて声明を発表し、インドネシアの国民協議会が東ティモール併合を決めた国民協議会令(1978年)を撤回したことに歓迎の意を表明した。
  • 国連デー(10月24日)に寄せて、グリラブ総会議長は声明を発表し、50年以上前の国連創設時に掲げた理想や目的は、今もなお有効である、と述べた。
  • 先週、コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchnerは、コソボにおける不動産取引および農場の市民への譲渡に関する2つの差別的法律について、コソボの人々の人権を侵害するものであるとし、これを廃止した。
  • アフガニスタン事務総長特使Lakhdar Brahimi氏は、ニューヨーク国連本部で記者会見し、最近の戦闘発生に深い失望を示すとともに、当分の間、アフガニスタンに平和をもたらす活動における同氏の積極的な関与を停止する、と述べた。
  • コソボ暫定協議会は声明を発表し、セルビア系住民指導者が提案した「セルビア保護部隊」の設置に断固として反対する旨を明らかにした。昨日、国連およびKFORも声明を発表し、同様に、この部隊の設置に対する反対を表明した。
  • 人権高等弁務官のベオグラード事務所は、ユーゴスラビア連邦共和国(法務省)がセルビアに拘束している全てのコソボ市民の名前を明らかにするとともに、また同法務省がセルビアの刑務所を訪問し、女性、子ども、高齢者、病人などの状況を確認するよう求めた。
  • 19日、ソマリアにおいて、WFP職員2人が何者かによって銃撃された。職員2人に特に負傷はなかったが、4日前にも、援助物資輸送団がモガディシュの北部70マイルにあるMahaddayで同様に銃撃されたばかりであった。WFPは本日、「これらの襲撃事件を絶対に容認することができない」との声明を発表した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の検察官Carla Del Ponte氏が来週、バルカン地域を訪問する。
  • ユネスコの執行委員会が、新・事務局長として、日本の松浦晃一郎・駐仏大使を指名した。この後、11月12日、総会がこの指名を承認すれば、来月任期が終了するフェデリコ・マヨール氏の後任として、松浦氏が正式就任することになる。そこで否決された場合、執行委員会は48時間以内に別の候補者を選ばなければならない。
  • より良い社会的対話を通じたアフリカの経済開発の促進に関して、3日間のシンポジウムが開始(ILO主催、アディスアベバ)。20のアフリカ諸国から企業、労働組合、政府の代表らが参加。

1999年10月19日

  • アナン事務総長は世界銀行(ワシントン)で演説し、「人間安全保障、良い統治、公平な開発、人権の尊重はすべて、相互に依存的・補完的な関係にある。戦争が開発にとって最大の敵だとしたら、健康的で均衡のとれた開発は紛争予防の最善の形態である」と述べた。
  • 安保理は決議1269を全会一致で採択し、すべての形態のテロリズムについて、その動機がどのようなものであろうと、「犯罪であり、正当化できない」と非難した。
  • 東ティモールの町Liquicaにおいて、INTERFETが、20人の死体を発見。明日、UNAMETの警察官とINTERFET調査官が、この死体の発見場所を調査する。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所が、ボスニアのセルビア人Goran Jelesicについて、ジェノサイド容疑に関しては無罪とし、一方、人道に対する罪に関しては有罪との判決を下した。
  • 先週、ブルンジにおいて、2人の国連援助職員が殺害され、未だに暴力が続いていることに鑑みて、国連は同国における活動を大幅に縮小することを決定した。
  • 昨日、コソボのセルビア系住民指導者たちは、セルビア・コミュニティーを守るため、「セルビア保護部隊」を設置する意向を表明した。しかし本日、国連およびKFORは共同声明を発表し、セルビア系住民の治安面での不安は理解するとしつつ、こうした部隊設置については、必要性がないとした。なお今後、国連およびKFORが、セルビア系住民の居住地区、およびアルバニア・セルビア両系住民の混合居住地区における治安対策を強化すると約束した。
  • UNHCRによれば、西ティモールから、避難民数千人が東ティモールに帰還している。約1時間毎に、女性や子どもを中心とした避難民およそ500人が、境界沿いの町マリアナやその周辺地域に到着している。
  • アナン事務総長は、コンゴ民主共和国の停戦合意当事者に対して、合意を守り、戦闘をやめ、5歳未満の子どもたちに対するポリオ・ワクチン投与キャンペーンの実施を可能とするよう訴えた。第3回目(最終)のキャンペーンは、10月20日から28日まで予定されており、ユニセフおよびWHOが同国の保健衛生当局およびNGOと協力して実施することになっている。
  • アナン事務総長は、リベリアにおける武器破壊プログラムが昨日、完了したことに歓迎の意を表明した。このプログラムは7月に開始したもので、軽・重火器あわせて1万9,000個、および300万発分の弾薬を破壊した。
  • ILOは、「コソボの雇用と労働者保護」と題する報告書を発表した。この報告書によれば、コソボの成人の少なくとも3分の2が失業状態であり、残る3分の1の人々も法的保護のない環境で働いている。
  • 国連ニューヨークで「世界食糧デー」(10月16日)の祝賀式典が行われた。今年のテーマは、「飢えと闘う青年たち(“Youth against Hunger”)」。

1999年10月18日

  • アフガニスタンに関する事務総長報告が発表された。同報告において、事務総長は、同国北部におけるタリバンと北部同盟の戦闘によって、数万の人々に対する人道援助が困難になっている、と指摘した。
  • 総会第4委員会(特別政治・非植民地化委員会)が、国連平和維持活動の包括的見直しの議論を開始した。この議論の一環として、同委員会は、「平和維持活動に関する特別委員会」の報告書、およびアフリカの平和維持能力拡大に関する事務総長報告について検討する。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、子ども兵士に関する欧州会議(ベルリン)に対して、ビデオ・メッセージを送り、子ども兵士の使用が児童権利条約にとっての最大の課題である、と指摘した。児童権利条約は兵士となるための最低年齢を15歳としているが、この年齢を引き上げるべく、人権委員会の作業部会は同条約選択議定書草案を作成している。(会議は、“the Coalition to Stop the Use of Child Soldiers”が主催し、ドイツ外務省の後援の下、開催された。)
  • UNAMETの報告によれば、西ティモールから約6,000人の避難民が、東ティモール西部に徒歩で戻っている。その多くがマリアナ地域に向かっているが、同地域では、建物の95%が破壊されている他、電力供給がなく、水も非常に限られた状態である。
  • 先週土曜日、コソボ警察学校の研修生173人が、5週間の訓練を終え、卒業した。研修生は、今後さらに19週間の実地研修を行ったあと、正式に警察官となる。
  • アナン事務総長は安保理宛書簡において、国連リベリア平和建設支援事務所(UNOL)の任期を2000年12月まで延長する意向を示した。UNOLがリベリアの紛争後平和構築における触媒としての役割を評価し、その任期延長を求めたことに応じた。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピーター・ピオット事務局長は、ラテンアメリカ・カリブ地域の保健衛生担当大臣会議(ハバナ)で演説し、エイズとの闘いにおいて、特に、教育を戦略の最先端に据えた、広範な取り組みが不可欠である、と訴えた。
  • WFPはプレスリリース(先週末)において、資金の不足により、シエラレオネ、リベリア、ギニアに対する緊急・紛争後再建支援を削減した、と発表した。同地域の難民・避難民180万人に食糧を提供するためには資金総額1億600万ドルが必要であるが、現在、援助国からの拠出額はその20%にも達していない。
  • 内部監査部(OIOS)は報告書を発表し、合理化・組織改革の結果、人道問題調整部(OCHA)が事務局の他の部局、諸計画・基金、およびNGOとの調整を強化した、と指摘した。
  • 国際労働機関(ILO)本部において、31カ国の労働組合の参加の下、小規模・低賃金労働に携わる労働者の直面する問題に関する会議が開かれた。

1999年10月15日

  • グルジアにおいて拘束されていた国連要員3人が解放された。(今週月曜日、UNOMIG軍事監視員ら7人がKodori峡谷へと向かう際に誘拐・拘束されていたが、昨日、このうち4人が解放された。本日、残る3人が解放され、これで7人全員が無事解放された。本日、解放されたのは、ギリシャ、スウェーデン国籍の軍事監視員2人と、現地雇用のロシア人通訳1人。
  • 安保理は決議1267を全会一致で採択し、国連憲章第7章の下、アフガニスタンのタリバンが11月14日までに、オサマ・ビン・ラディン(Usama bin Laden)氏を裁判にかけることが可能な国に引渡さなければ、限定的な制裁措置を科す、と決定した。ラディン氏については、1998年8月のケニアおよびタンザニアの米大使館爆破事件に関与したとして、米国が起訴している。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、東ティモールにおける人権侵害を調査する国際委員会の4人のメンバーを任命した。
  • 安保理は決議1268を全会一致で採択し、国連アンゴラ事務所(UNOA)を設置した。UNOAは、30人の職員で構成され、アンゴラの政治・軍事・政治・その他の文民行政当局との連携役となり、同国の平和回復の方法を模索し、また能力建設を支援し、人道支援を提供し、人権を促進するなどの任務を遂行する。当初の任期は、2000年4月までの6ヶ月間。
  • 国連プレブラカ監視団(UNMOP)に関する事務総長報告が発表された。同報告によれば、紛争両当事者は相変わらず国連の管理する地帯の安全を侵している。また、それ自体は、安全への脅威とはならないが、当事者が合意した安全保障レジームを軽視していることを象徴している。
  • コソボのプリシュティナ空港が再開し、民間航空機の利用が可能となった。コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は同空港再開記念式典で演説し、空港再開は正常復帰の象徴であると述べた。また、空港再開が、コソボの世界コミュニケーションへの参加および経済の拡大へとつながるべきである、と述べた。
  • UNHCRは声明を発表し、ブルンジの情勢が不安定していることから、同国首都ブルンジの外での活動を一時的に中止する、と述べた。(今週火曜日、ユニセフ現地代表およびWFP兵站担当官が、Rutana province南東部で襲撃され、死亡した。)
  • UNHCRによれば、東ティモールの首都ディリにおいて、木材や建設材料の不足にもかかわらず、人々は家を建て始めており、生活がゆっくりと正常に戻りつつある。
  • 国連薬物統制犯罪防止部(ODCCP)のアルラッキ事務局長が、総会第3委員会で演説し、農民の不法麻薬栽培への経済的依存を断ち切る最善の策は、「代替開発」であり、これこそが不法作物の根絶に向けた一層包括的なアプローチである、と述べた。
  • 「国境なき医師団」がノーベル平和賞を受賞。アナン事務総長は、「国境なき医師団」は国連の人道コミュニティーの大切なパートナーである、と述べた。
  • 16日は、「貧困撲滅のための国際デー」。アナン事務総長はメッセージにおいて、貧困の撲滅は政治的優先課題というばかりではなく、「神聖なる義務」である、と述べた。
  • 16日は、「世界食糧デー」。今年のテーマは、「飢えと闘う青年たち(Youth Against Hunger)」。本日、FAO本部(ローマ)において、各国大使や政治家たちが集まり、記念祭典を行った。
  • UNHCRは、ユーゴスラビア連邦共和国全土の難民および避難民に対して、越冬対策のための人道援助物資の提供を開始した。

1999年10月14日

  • アナン事務総長は、本日逝去したニエレレ・タンザニア元大統領について、「20世紀のアフリカ解放運動における巨人(giants)の一人であった」と称え、哀悼の意を表明した。
  • 同様に、グリラブ総会議長もニエレレ氏の逝去を悼み、アフリカは尊敬すべき世界的指導者、また最もカリスマ的かつ敬愛された長老政治家の一人を失った、と述べた。
  • グルジアにおいて2日前に拘束された国連要員7人のうち、4人が解放された。今回解放された4人は、ウルグアイ、チェコおよびスイス国籍の軍事監視員3人と、ドイツ国籍の医療要員1人。その他の軍事監視員(ギリシャ国籍2人、スウェーデン国籍1人)と通訳の解放についても、現在、交渉がすすんでいる。
  • ブルンジにおいて、2日前、国連要員2人が殺害されたことを受け、人道問題担当事務次長Sergio Vieira de Mello氏は東アフリカ歴訪(8日間)を途中で中止し、ブルンジを訪問、同国大統領らと、人道援助職員を保護するための緊急措置について協議した。殺害された職員は、チリおよびオランダ国籍の2人で、避難民26万人が収容されている施設の視察に向かうところを襲われた。なお現在、同国において、およそ50万人の避難民が援助を必要としている。
  • インドネシアがUNHCRに対して、西ティモールに流出した東ティモール避難民への自由で妨害されないアクセスを与えることに正式に合意した(UNHCR発表)。
  • 総会は、バングラデシュ、ジャマイカ、マリ、チュニジア、ウクライナの5カ国を非常任理事国とすることを決定した。これら5カ国は、2000年1月から、バーレーン、ブラジル、ガボン、ガンビア、スロベニアにかわり、2年間、非常任理事国を務めることになる。
  • アナン事務総長は、米国上院がCTBT批准承認案を否決したことについて遺憾の意を表明した。
  • アナン事務総長、コソボ訪問2日目(最終日)。この日、事務総長はプリシュティナで記者会見し、コソボ情勢は著しく改善したが、一方、民主化および和解に向けてまだ多くのことがなされなければならない、と述べた。
  • 11日と12日の両日、コンゴ民主共和国・合同軍事委員会の第1回会合が開催された。国連からは、大湖地域担当事務総長代表Berhanu Dinka氏や国連コンゴ民主共和国監視団(MONUC)団長代行James Ellery大佐などが出席した。この会議が成功裏に開催されたことについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。
  • FAOは、「世界の食糧不安定情勢」(“The State of Food Insecurity in the World”)と題する報告書を発表。同報告書は、現在、開発途上地域において、およそ8億の人々が毎晩、空腹のまま眠りにつかなければならない、と訴えた。
  • 緒方貞子難民高等弁務官は、ジュネーブで財界セミナーに出席し、難民保護活動における電気通信の役割の重要性を強調し、無線電話、データ送信設備など、通信機器の提供を求めた。
  • 12日、スーダン政府は、人道的停戦(15日に失効予定)をさらに3ヶ月間延長することを決定した。これについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。

1999年10月13日

  • グルジア北西部において、国連グルジア監視団(UNOMIG)の軍事監視員が襲われ、身柄を拘束された。ウルグアイ、スイス、スウェーデン、チェコおよびギリシャ国籍の軍事監視員5人、並びにドイツ国籍の医療要員および通訳の2人が拘束された。
  • アナン事務総長は、パキスタンの軍事クーデター(12日)について、遺憾の意を表明。そして、同国軍の指導部に対して、文民統制および憲法プロセスを回復する措置を早期に講じるよう促した。
  • アナン事務総長がコソボを訪問。同地に2日間、滞在する。プリシュティナ到着から数時間後、事務総長は、コソボのすべての政治的指導者と会談し、国連が、多元的・民主的かつ多民族が共存するコソボの構築を継続的に支援する、と述べた。
  • アナン事務総長は、カール・ビルト・バルカン問題特使に対して、バルカン地域の平和と安定を促進するための努力を拡大するとともに、南東欧安定協定の活動において国連を代表するよう要請した。
  • INTERFETの発表によれば、東ティモールにおいて、軍事警護を必要としない程度に安全になった道路がまたいくつか増えた。これを受け、UNHCRは現在、西ティモールから東ティモールへの避難民の移送について、初めて陸路を使うことを計画中。なお10月8日から現在までに、UNHCRは合計1,230人の避難民を空路移送した。
  • 安保理議長は報道声明において、中央アフリカ共和国大統領に対して、開放的かつ包括的な政府を樹立するよう求めた。また、国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)の撤退に鑑みて、武装勢力の再構築などの改革を政府が実施する必要性を想起した。(MINURCAの当初の任務規程によれば、先月の大統領選挙の終了から15日後、国連要員は撤退を開始することになっている。しかし、今週前半に発表された報告において、事務総長は、中央アフリカの主な改革の実施を支援し、また同国に対して必要な安全と法の執行を提供すべく、MINURCAが当初予定の11月15日ではなく、来年2月までに段階的に撤退するよう勧告した)。
  • WFPは、ジブチにおいて旱魃の被害で苦しむ3万人を支援するため、緊急援助活動を開始した。国連と同国政府の合同調査によれば、このまま天候が改善しない場合、今後6ヶ月間で、8万人から10万人に対して、緊急の食糧援助が必要となる。
  • 「自然災害軽減のための国際デー」。アナン事務総長は、国際社会に対して、自然災害の影響を緩和するための効率的な早期警戒システムの開発を継続するとともに、そのシステムに対して貧しい国々のアクセスを可能とするよう求めた。
  • ブルンジにおいて、国際援助職員2人が殺害されたことを受けて、ベラミー・ユニセフ事務局長は国際社会および個々の国々に対して、人道活動職員の殺害を不処罰のまま許してはならない、と訴えた。
  • アナン事務総長は、WFP援助物資の同国政府軍への流出疑惑をアンゴラ反政府勢力が指摘している問題について、深い懸念と遺憾の意を表明した。
  • アナン事務総長は、キプロス事務総長特別代表に、チリの上級外交官のJames Holger氏を任命した。同氏は、Ann Hercus氏の後任として、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)を統率することになる。
  • ユニセフによれば、国連機関は民間団体と合同で、今後5年間にアフリカの6,000万世帯に対して、蚊帳を配布する。これは、2010年までにマラリアの影響を半減すべく、開発機関および政府・民間組織がすすめている“Roll Back Malaria Campain”の一環として、行われるもの。

1999年10月12日

  • 本日、世界人口が60億人に達した(UNFPA推計)。アナン事務総長はボスニア・ヘルツェゴビナを訪問中、サラエボのKosevo病院・産科病棟でこの日、生まれた新生児を60億人目として祝福するとともに、国連から同病棟に対して5万ドルの寄付を行った。
  • 昨日、UNMIKの要員一人がプリシュティナで銃撃され、死亡した。コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は深い憤りを示すとともに、この殺害事件を強く非難した。この要員は、Valentin S. Krumov氏(ブルガリア人)で38歳。ニューヨークからこの日、サラエボに到着し、任務に就いたばかりであった。
  • ブルンジにおいて、国連機関合同人道視察ミッションが同国南東部の難民キャンプに入ったところで襲撃を受け、そのうち2人 -- ユニセフの同国現地代表Luis Zuniga(チリ)とWFPの兵站部門主任(この要員の名前については、近親者への通知が済むまで伏せられる) -- が死亡した。また、他の2人が軽傷を負った。
  • WHO事務局長は、煙草産業が煙草統制に向けた国連活動を阻害しているとし、これに関する調査を遂行するための独立専門家を任命した。
  • アナン事務総長はボスニア・ヘルツェゴビナの多民族孤児院を訪問し、子供たちに対して、寛容を学び、他者との相違を受容するよう促した。さらに、「まだ平和に対して疑いをもったり、再び武器をとろうと考えているすべての人々に対して、私は言いたい。この子どもたちを見て、自問してほしい。この子たちが再び苦しむべきなのか、さらに多くの子たちが同じように、家族や家を失うべきなのか、と」と訴えた。
  • UNHCRは、西ティモールから避難民約300人を東ティモールに空路移送した。先週金曜日以降、UNHCRは、940人の避難民を移送。さらにUNHCRは、3万5,000人から5万人が見込まれるディリへの避難民帰還のため、受け入れ施設の増設に着手した。
  • 総会第2委員会は、貧困撲滅のための長期的戦略について討論を開始した。この討論の一環として、同委員会は、貧困撲滅のための国連の10年(1997年--2006年)の実施に関する事務総長報告を検討する予定。
  • 世界人口60億人のこの日、ユニセフは、子どもたちが大人へと無事成長するのを支援するため、貧富の格差の解消、武力紛争が罪のない市民に与える危険の拡大への対処、すべての子どもたちに対する適切な栄養へのアクセスの権利の保証などの措置を提唱した。

1999年10月1日

  • 東ティモール事務総長特別代表Ian Martin氏が安保理に対して、東ティモール情勢に関するブリーフィングを行った。スポークスマンによれば、特別代表は、今週前半国連本部で行われた3者間協議において全当事者が、東ティモールの正常化をある程度はかるためには、「我々がともに、現実的かつ迅速に行動しなければならない」と考えているようにみられた、と述べた。
  • ディリで雨季最初の雨が降った。人道援助機関は、避難民たちの間での伝染病蔓延および適切な住居の不足に懸念を示している。
  • セルビア当局によって拘束されていた国連要員3人が無事解放された。国連による暫定調査結果によれば、これら3人は誤ってコソボからセルビアに入り、セルビア警察に拘束された。そして2日間刑務所に留置された後、罰金を支払って、水曜日の夜に解放され、Mitrovicaに戻った。
  • UNMIKとWHOは共同で、コソボの保健衛生事業再建をめざし、6ヶ月行動計画を作成、発表した。
  • コソボにおいて、UNMIKの監督の下、FMラジオ「ブルー・スカイ」の放送が開始した。ニュース、音楽、さまざまな特集を組み込んだ24時間放送。スイス政府がスタジオ施設や技術陣を無料で提供している。
  • タジキスタン大統領Emomali Rakhmonov氏は総会一般演説において、アフガニスタンの内戦が同国の人々に対して取り返しのつかない損害を与えているとし、国際社会に対して、この内戦の早期終結をはかるためにあらゆる措置を講じるよう訴えた。
  • 総会一般演説9日目のこの日、以下の12カ国の外相らが演説した ― エストニア、ラオス、マダガスカル、フィリピン、バヌアツ(外務次官)、アゼルバイジャン、モーリタニア、ドミニカ、エチオピア、エリトリア、アンゴラ、マーシャル諸島。
  • また本日午前中には、総会において、以下の7カ国の外相が一般演説を行った - ボツワナ、マラウィ、トーゴ、ボリビア、バハマ、ハイチ、グレナダ。
  • アナン事務総長は安保理に対する報告書において、ギニアビサウの情勢は安定してきたものの、まだ脆弱さは変わらない、と述べた。また国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(UNOGBIS)が一層の成果を生むかどうかは、同国暫定政府の政治的意思と決意、その他の政治勢力、入手可能な資源の規模にかかっている、と述べた。
  • アナン事務総長は、イスラム諸国会議機構(OIC)の年次外相会合に対するメッセージ(政治問題担当事務次長が代理出席、代読)において、大規模かつ組織的な人権侵害を止めるための国連活動において、OICは不可欠なパートナーである、と述べた。
  • 本日は、国際高齢者デー。  (詳しくはこちらをご覧ください。)
  • 人道問題担当事務次長Sergio Vieira de Mello氏は、コンゴ共和国において数千人の人々が飢餓で命を失っているとし、国際社会に対して、同国で活動する国連機関およびNGOに対して資金を拠出するよう訴えた。
  • IAEAは、日本の東海村(茨城県)のウラン加工施設で発生した事故について報告。IAEAの専門化チームの派遣申し入れに対して、日本政府は現段階での必要性はないとして、断った。
  • ロシアのチェチェン爆撃によって、イングシェチアに逃れた数万のチェチェン避難民たちに対して、国連による援助物資提供が開始した。

1999年9月30日

  • アフリカに関する安保理の公開協議、2日目。50カ国以上の代表(外相を含む)が発言し、アフリカにおける積極的な発展を促すため、国際社会およびアフリカが共通の戦略をとるよう求めた。
  • 人権委員会の決議を受け、アナン事務総長はロビンソン人権高等弁務官に対して、東ティモールに関する国際調査委員会を設置し、その結果を12月31日までに報告するよう求めた。
  • UNHCRによれば、東ティモールにおいて、現在、すでに推計7万人の住民がディリに戻っており、さらに、数日間のうちに3万人がディリに到着する予定である。
  • モザンビーク大統領Joaquim Chissano氏は総会で一般演説を行い、アンゴラの人道的悲劇やコンゴ民主共和国への平和維持軍早期派遣など、アフリカの諸問題に対する国際社会の行動を求めた。
  • ベリーズ大統領Musa氏は一般演説において、グローバリゼーションや貿易の自由化は誤って管理されており、これについて、ベリーズのような小国は懸念せざるを得ない、と述べた。
  • ソロモン諸島首相Bartholomew Ulufa'Alu氏は一般演説において、ガダルカナル島において発生した暴動が経済各部門に影響を及ぼし、避難民3万人を生んだことについて触れ、このまま、この暴動が拡大するならば、同国の平和と安全に深刻な脅威となるであろう、と述べた。
  • ニジェール首相Ibrahim Assane Mayaki氏は一般演説において、国際社会に対して、アフリカ、特に最も貧しい国々への財政的支援を拡大するよう求めた。また、持続可能な開発と政治的安定の達成のためには貧困の根絶が必要であると一般的に認識されているが、現在行われている開発のための公的支援の規模はこれまでの50年間で最も小さくなっている、と指摘した。
  • ネパール首相はKrishna Prasad Bhattarai氏は一般演説において、持てる者と持たざる者との格差が広がっていることに警告を発するとともに、先進国に対して、政府開発援助を拡大するよう求めた。
  • その他、以下の13カ国の外相および代表が一般演説を行った ー カタール、サウジアラビア、モーリシャス、コンゴ共和国、シリア、韓国、エクアドル、バルバドス、リビア(国連大使)、イエメン、セントルシア、スーダン、シエラレオネ。
  • ロシアは、チェチェンから流出する人々に対して、UNHCRが緊急援助活動を行うことに合意した。(先週、ロシアがチェチェンに爆撃を開始して以来、現在、5万人以上がイングシェチアに逃れた)。
  • ブルンジの首都ブジュンブラ周辺において、反政府勢力の攻撃が激化するなか、国連および民間援助機関は、保護地域に移送された避難民数十万人の状況を把握するため、調査チームを派遣した。この2週間で、約26万人が、ブジュンブラの近郊にある30箇所の保護地域に強制移送されたと見られるが、国際人道機関は数カ所の保護地域の人々に対して、飲料水、毛布、シートなどの提供を開始した。
  • セーシェルが、最悪の形態の児童労働禁止条約(ILO、今年6月採択)に批准した。同条約を批准するのは、セーシェルが初めて。
  • 28日、ワシントンで、南東欧州地域の再建問題に関する各国蔵相会議が開催された。この場で、コソボにおける国連再建活動を率いるJoly Dixon氏は、報告書を提出し、一部公営企業の民営化が、コソボ経済を再活性化するであろう、と指摘した。
  • 28日、国連元職員Charles Kimが、国連に対する水増し請求により、80万ドルを不正に得ていた容疑について、米国連邦裁判書において陪審が有罪表決を答申。Kimは、1996年から1998年9月まで、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の運送部門主任を務めていた当時、水増し請求を行ったとされる。裁判所の判決は12月8日に予定されている。

1999年9月29日

  • 安保理は、各国外相の参加を得て、アフリカの紛争の原因および平和に関する公開協議を開始。アナン事務総長がこのたび提出した、同問題に関する最新報告書について討論した。(1997年9月、安保理は閣僚級会合を開催し、アフリカの平和および安全を促進するための国際社会の新たな協調努力の必要性を訴えた。その後、1998年4月、事務総長は安保理の要請に応えて、この問題に関する報告書を提出している。)
  • 28日、アナン事務総長の仲介の下、インドネシアおよびポルトガル両外相が会談。インドネシア政府は、国連が、東ティモールにける行政の真空状態に対処するための物理的インフラ・人材を提供し、基礎的サービスおよび市民社会を再開する準備に着手することに合意した。この合意を受けて、本日、インドネシアおよびポルトガル代表団はそれぞれ、国連職員とともに、東ティモールにおける緊急の必要性に対応する方法について話し合った。
  • 国連機関は、東ティモールの危機によって影響を受ける人々の推計値を上方修正した。現在、国連機関は、東ティモールにいる20万人、そして西ティモールに逃れた、あるいは強制移送された15万人、並びに、主にその他のインドネシアの島などにいる5万人に対して支援を行うべく計画中。
  • 後発開発途上国(LDC)の第9回閣僚級年次会合が国連本部で開催。アナン事務総長は演説において、さらなる債務緩和がLDC諸国支援のための歓迎すべき出発点ではあるものの、国際社会はその名誉に甘んじてはならない、と述べた。(LDCは、1971年には25カ国だったが1997年には48カ国に増加、ボツワナだけはLDCから卒業した。なお、2001年には、第3回後開発発途上国会議が開催される予定)。
  • 28日夜、バルバドス行動計画の実施状況を再検討するための特別総会は、政治宣言および、小島嶼国に対する財政・技術支援の拡大を求める文書を採択して、終了した。
  • ギニアビサウ大統領Malam Bacai Sanha氏は総会で一般演説し、国際社会に対して、同国が法の支配を取り戻すうえで支援を行うよう求めた。
  • サモア大統領Tuila'epa Sailele氏は一般演説し、人道的介入に関するアナン事務総長の意見に同意するとし、国際行動および介入のための明確な基準をつくることが必要不可欠である、と述べた。
  • マレーシア首相Mahathir Mohamad氏は一般演説し、西側諸国の負の文化の影響や世界自由貿易の破壊から、独立小国が自らを保護する権利の擁護を主張した。
  • その他、総会において、以下の15カ国の外相が一般演説を行った - オーストラリア、イスラエル、バーレーン、チャド、ブータン、ジャマイカ、ポーランド、ニュージーランド、チュニジア、アルメニア、ガボン、セント・ビンセント・グレナディーン、コンゴ民主共和国、リトアニア、アンティグア・バーブーダ(国連大使)。
  • アナン事務総長は安保理に報告書を提出し、国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)の任期延長を勧告した。
  • 27日、コソボにおいて、UNMIK要員3人がベオグラード当局によって拘束された。UNMIKは現在、同当局に対して、この3人の解放を求めている。
  • 昨日、Bresjeの市場に手榴弾が投げ込まれ、2人のセルビア人が死亡し、40人以上が負傷した。この事件について、コソボ暫定協議会は強く非難する声明を発表した。
  • コソボにおける人道援助活動を率いる副特別代表Dennis McNamara氏は国連本部で記者会見し、厳冬期におけるコソボの経済・人道・治安状況の悪化を防ぐための国際支援の継続の重要性を訴えた。

1999年9月28日

  • アナン事務総長が、東ティモールの独立派指導者グスマオ氏と会談。事務総長は、本日午後、インドネシアおよびポルトガル外相との会談も予定している。
  • 国連人道調整問題部は東ティモールのニーズ評価に関して暫定報告を発表。同報告によれば、国連およびそのパートナーが今後6ヶ月間、援助活動を遂行するために、1億3,550万ドルが必要である。
  • 27日夜、人権委員会は決議を採択し、事務総長に対して、東ティモールにおける人権侵害について調査すべく、国際調査委員会を設置するよう要請した(賛成32、反対12、棄権6)。
  • バルバドス行動計画の実施状況を検討するための特別総会、2日目(最終日)。130カ国以上の政府代表が自国の見解を述べ終わった後、政治宣言、ならびに進捗状況および行動計画の将来の実施に向けたイニシアチブに関する文書が採択される予定。
  • UNEPが、カリブ地域、太平洋、西インド洋の小島嶼国の環境を概観する一連の報告書を発行した。「世界環境見通し2000年」(“Global Environmental Outlook 2000”)の姉妹篇。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、中央アフリカ共和国の全当事者に対して、冷静さを保ち、9月19日に行われた同国大統領選挙の結果を尊重するよう求めた。
  • セルビア人が多数を占める町Bresjeの市場に2つの手榴弾が投げ込まれ、2人が死亡し、35人が負傷した。これについて、コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は、「暴虐な行為」であるとし、強く非難した。
  • 国連は、ソマリアにおいてユニセフのワクチン接種キャンペーンをすすめていたDr. Ayoub Sheikh Yerowが何者かによって殺害された9月15日いらい停止状態にあった、同国の中部・南部地域における援助活動を再開した(国連ソマリア現地人道調整官発表)。
  • 国連は、コンゴ民主共和国の和平合意の実施を支援するため、軍事連絡要員の展開をすすめている。すでに、国連要員90人のうち半数が、和平合意の署名国のそれぞれの首都に配置された。
  • イラクのクウェート侵攻によって生じた損害に対する賠償支払いのため、安保理が設置した損害賠償委員会がジュネーブで、第33会期を開催。
  • UNHCRによれば、先週末にはじまったロシアの空爆によって、チェチェンからおよそ5万人がイングシェチアに流出した。

1999年9月27日

  • 特別総会、開会。小島嶼開発途上国の持続可能な開発に関する世界会議(バルバドス、1994年)で採択された行動計画の実施状況を再検討する。130カ国以上の政府の代表が討論に参加する。
  • アナン事務総長は、アフリカの紛争の原因並びに恒久的平和および開発の促進に関する報告書を作成、本日発表された。この問題に関する報告書(1998年)のフォローアップ。事務総長はこのなかで、誠実に努力し、良い政策を実行しているアフリカ諸国は、現在よりも一層の支援を国際社会から受けてしかるべきである、と述べた。
  • アナン事務総長は、アフガニスタン情勢に関する報告書を発表。同国の紛争終結をはかるうえで「6プラス2グループ」の果たす役割の有効性に疑問を呈し、同紛争に対する国連のアプローチを再検討する意向を示した。
  • アナン事務総長は安保理に報告書を提出し、シエラレオネのための平和維持活動を設置し、ロメ合意の実施を助けるよう勧告した。具体的には、6,000人の部隊で構成する国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)が、シエラレオネ政府による推計4万5,000人の元戦闘員の武装解除を支援し、和平プロセスの円滑な実施に必要な信頼を構築するよう提案した。UNAMSILは、UNOMSILにかわって展開することになる。
  • 東ティモールにおいて、国連機関は、さらなる人道援助物資の提供を遂行。WFPは本日、1日分の人道援助物資(9トン)と高たんぱくビスケット(3トン)を空中投下(2回)。
  • UNCTADが、「世界投資報告1999年」(“World Investment Report 1999: Foreign Direct Investment and the Challenges of Development”)を発行。同報告によれば、昨年、海外直接投資は40%増加し、6,440億ドルとなった。
  • モンゴルは、待機取決制度の下、国連平和維持活動に対して自国の要員を提供する意向を示し、平和維持活動局との間で了解覚書に署名した。これで、現在、待機制度に協力する国は、28カ国となった。

1999年9月25日

  • 国際通貨基金と世銀がワシントンで、青年の失業問題に関するセミナー、“Meeting the Challenges of Youth Unemployment: Needed to Billion Jobs”を開催。アナン事務総長はこのセミナーで演説し、大量の失業が次世紀の前半における最重要課題であるとし、世界の主要なプレイヤーに対して、これを解決するための重大な政策の変化を促した。
  • ブルガリア大統領Petar Stoyanov氏は総会一般演説において、次世紀においてバルカン地域を統一欧州に不可欠なものとして組み込む方法について議論する場として、まさに国連総会はふさわしい、と述べた。
  • エルサルバドル大統領Francisco Guillermo Flores Perez氏は一般演説し、国連の支援と介入がなかったら、同国の和平は実現しなかっであろう、と述べた。
  • モンゴル首相Rinchinnyamyn Amarjargal氏は一般演説において、軍備管理および軍縮の一層の進展をはかるための努力の拡大を求めた。
  • カーボベルデ首相Carlos Veiga氏は一般演説において、安保理改革が国連再建の鍵である、と述べた。そして安保理の規模や効率性に関しての見解がなかなか収斂しないことについて、国連の加盟国数の3割、つまり最低2議席のアフリカへの割り当てが受け入れられない状況で、どうして効率性を強調することができるのか、と疑問を呈した。
  • その他、以下の14カ国の外相らが総会で一般演説した --パラオ(副大統領)、ベラルーシ、朝鮮民主主義人民共和国、タイ、ブルキナファソ、ベルギー、チリ、マルタ、クロアチア、ベトナム、ケニア、アイルランド、ベニン、ウガンダ。

1999年9月24日

  • 安保理は小火器の問題に関して、初の閣僚級会合を開催。アナン事務総長は、国際社会が小火器および軽兵器の地球規模の拡散を反転させるため、あらゆる機会を捉えなければならない、と述べた。
  • 安保理は議長声明を発表し、小火器および軽兵器が武力紛争下にあるか、あるいは武力紛争から抜け出そうとする国々や地域に流出しないようにするための措置を求めた。そして、和平合意、必要な場合は国連平和維持活動において、元戦闘員たちを武装解除し、解体し、社会復帰させるための明確な規定を盛り込むことの重要性を指摘した。
  • パナマ大統領Mireya Moscoso氏は総会一般演説を行い、国際社会に対して、貧困との闘いに決意をもって取り組むよう促した。
  • ドミニカ共和国大統領Leonel Fernandez Reyna氏は一般演説において、貧困の根絶こそ、21世紀において、すべての国々と国連にとって最も大きな課題である、と述べた。
  • ギニア大統領Lansansa Conte氏は一般演説において、安保理は新しい現実を十分に反映し、地理的にすべての地域を平等に代表する形で、改組されなければならない、と述べた。
  • ガンビア大統領Alhaji Yahya Jammeh氏は一般演説において、アフリカにおいて紛争が発生した場合の反応が遅く、ときには何の対応もなされないことについて非難した。
  • ガイアナ大統領Bharrat Jagdeo氏は一般演説において、国連が、崩壊した社会の平和建設および再建の分野へと徐々に進んでいかなければならない、と述べた。
  • スロベニア首相Janez Drnovsek氏は一般演説において、国際社会に対して、弱い立場にある市民たちを大規模な人権侵害から守るために、新しい方法を見出すよう求めた。
  • その他、以下の14カ国の外相が一般演説を行った ―― セネガル、キューバ、イラン、カザフスタン、シンガポール、イラク、パプアニューギニア、オランダ、オマーン、ハンガリー、アイスランド、リヒテンシュタイン、ブルネイ、ミャンマー。
  • アナン事務総長は、「グループ77」の閣僚級会合(ニューヨーク)で演説し、国連が、絶対的貧困を軽減、望むらくは、早急に根絶するため、取り組みを続ける、と述べた。
  • インドネシアとポルトガルの政府高官による2日間の会合が終了。来週のアナン事務総長と両国外相との会談に向けた準備として、国連東ティモール・ミッション(UNAMET)の次の段階の活動に関して協議した。なお、来週、事務総長は、独立派指導者のグスマオ氏との会談も予定している。
  • 東ティモールの最近の暴力事件について初めての目撃証言が行われたが、それは、東ティモール住民をインドネシアのほかの地域への強制的な追放のために、ある種の綿密な計画および組織が行われていたことを示している(UNHCR発表)。
  • 23日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の要員2人が地雷によって負傷した。UNIFIL本部から9キロ程離れたMansuri村近郊で、UNIFILの装甲要員輸送車が、地雷に触れた。
  • WFP、ユニセフなどの国連機関は、アフガニスタンで最近発生した戦闘により避難民となった数万の人々に対して、食糧と避難場所を提供すべく、現在準備中。
  • 国連損害賠償委員会は、湾岸戦争の被害者、16万7,000人以上に対する賠償金として、4億8,100万ドルを拠出。

1999年9月23日

  • アルバニア大統領Rexhep Meidani氏は総会一般演説において、コソボにおける軍事介入がアルバニア住民を苦しみから救ったとして、国際社会に対する賛辞を表明した。
  • キプロス大統領Glafcos Clerides氏は一般演説において、キプロス問題の包括的解決を探る国連主催の交渉に同国が出席する用意がある、と述べた。
  • ナイジェリア大統領Olusegun Obasanjo氏は一般演説において、「腐敗した体制および愛国心のない個人が海外のパートナーと結託して」、アフリカの開発途上国から不正に持ち出したすべての資金が返還されるべきであるとして、国際社会による協調努力を求めた。
  • 赤道ギニア大統領Obiang Nguema Mbasogo氏は一般演説において、現在、南北問題の解決に向けた政治的な決意が全くみられず、むしろ自分本意の利益追求の対立ばかりが行われるなかで、いつも強者あるいは金持ちが勝っていると述べた。そして、この不平等な経済状態が、世界各地の社会的・政治的な不安定化をもたらしている、とした。
  • レソト首相Pakalitha Mosisili氏は一般演説し、安保理が、各国の国内的恐れや関心事というレンズを通して、国際の平和と安全の問題を見てはならない、と述べた。
  • レバノン首相Dr. Salim Al Hoss氏は一般演説において、パレスチナ難民、特にレバノンの数十万人の難民たちが自らの故郷への帰還を許されない限り、中東和平の実現は難しい、と述べた。
  • 東ティモールにおいて、多国籍軍の巡回車両近くで発砲事件があるなど、治安情勢が緊張を増している。UNAMETはヘリコプターで2時間にわたり、Aninaro、Sane、Suai、Ermera、Liquica、Malianaを視察し、広範囲にわたる荒廃状態を報告した。
  • 人権委員会(ジュネーブ)の特別会期において、東ティモールにおける人権侵害について調査するための国際パネルの設置を求める決議案が提出された。欧州連合を代表して、フィンランドが提出した同決議案はまた、東ティモール、西ティモールなどの数千人の避難民へのアクセスを人道機関に対して即時に保証するよう、インドネシアに求めている。
  • アフガニスタンに関する非公式会合「6プラス2」が国連本部で開催。参加者たちは、アフガニスタンにおける最近の紛争の拡大に深刻な懸念を表明した。ウズベキスタン、パキスタン、トルクメニスタン、イラン、米国、ロシア連邦、中国、タジキスタンからそれぞれ代表が参加した。
  • 開発途上国の農業生産・貿易の問題に関して、FAOがシンポジウムを開催(ジュネーブ、2日間)。

1999年9月22日

  • ホンジュラス大統領Ingeniero Carlos Roberto Flores氏は総会一般演説を行い、国連に対して、貧しい脆弱な国々がハリケーンによる被災、その他の自然災害と取り組むうえで必要とする支援を提供するよう求めた。
  • パラグアイ大統領Louis Angel Gonzalez Macchi氏は一般演説し、国連の効率性の向上をめざしたあらゆる努力に対する同国の支持を表明するとともに、すべての加盟国に対して、それぞれの財政的義務を果たすよう訴えかけた。
  • ラトビア大統領Vaira Vike-Freiberga氏は一般演説において、核兵器の保有はもはや大国として地位のための前提ではなく、この現実が安保理の将来モデルに反映されるべきである、と述べた。
  • ジブチ大統領はIsmael Omar Guelleh氏は一般演説し、国際社会に対して、ソマリアに平和と安定をもたらすため、コソボにおいて示したと同様の、断固とした行動をとるよう促した。
  • コスタリカ大統領Miguel Angel Rodriguez氏は一般演説し、国連および国際社会が、最近の数多くの武力紛争や内戦を止めることができず、人道的危機を引き起こし開発を阻害したという事実に正面から向き合わなければならない、と述べた。
  • スリナム大統領Jules Wijdenbosch氏は一般演説において、薬物の不正取り引きが、数多くの国々、特にスリナムのような小さな脆弱な国にとっては、国家の安全に対する深刻な脅威となっている、と述べた。
  • ミクロネシア連邦大統領Leo A. Falcam氏は一般演説し、すでに海面上昇による被害を受けている小島嶼国は、自国が気候変動に対して脆弱性であることや、予測される世界的な破局状態に最も近い立場にあることについて、世界の関心を集めようとすることにすでに徒労感をもっている、と述べた。
  • ザンビア大統領Frederick Chiluba氏は一般演説し、国連に対して、コンゴ民主共和国における「適切な権限と規模をもった」国連平和維持軍の展開を承認し、適切な資源をもってこれを支援するよう求めた。
  • 国連は、東ティモールの避難民に対する人道援助物資提供を続行中。オーストラリアの軍用機3機が、1日分食糧30トン(WFP)を西ティモール東部の3地域に空中投下した。
  • 東ティモールにおいて、フィナンシャル・タイムズ(ロンドン)のジャカルタ特派員Sander Thoenes氏が、何者かによって殺害された。この事件について、オーストラリア主導の多国籍軍(INTERFET)およびインドネシア国軍は、調査を開始する予定。
  • 事務総長は、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)に関する安保理宛報告書において、ボスニア・ヘルツェゴビナの各民族コミュニティーが警察および司法を国際基準に合わせようとの政治的意思を依然として示さないなかで、同ミッションは専門的かつ民主的な警察の確立に着実な成果をあげている、と述べた。
  • コソボ暫定協議会の本日会合で、セルビア代表がコソボ保護部隊の創設に異を唱え、退席した。これについて、コソボ事務総長特別代表は、一時的な後退であるが、セルビア代表の参加を確保するための努力が早速はじまる、と述べた。
  • 「世界人口白書1999年」(UNFPA)、発行。同白書によれば、世界の人口は10月、60億に達する。最も人口が増えるのは、「貧しく、最も備えのない(“poorest and least-prepared”)」国々である。
  • アナン事務総長は、中央アフリカ共和国のすべての政治的参加者および人々が、日曜日に行われた大統領選挙で「成熟さと落ち着き」を見せたことに対して、祝福の意を表明した。
  • パキスタンは、インドによるパキスタン機撃墜事件(先月)について、国際司法裁判所に提訴。同裁判所がインドに対して、賠償金を支払うよう命じることを求めた。

1999年9月21日

  • クリントン米大統領は総会で一般演説を行い、国際社会が絶対的貧困との「たゆみない闘い」を遂行し、大量殺害や強制追放を防ぎ、そして大量破壊兵器の脅威を取り除くことにより、次世紀をより一層の平和と繁栄の入り口へと導くよう求めた。
  • 同じく総会一般演説において、ペルーのフジモリ大統領は、薬物密売者とテロリストの結託した活動によって、ラテンアメリカの静穏が乱され、また近代性と良い政府が脅かされている、と述べた。
  • ムガベ・ジンバブエ大統領は一般演説において、国際社会に対して、アフリカにおける平和活動に全面的に関与し、紛争を予防、管理、解決するアフリカの能力を支援するよう求めた。
  • グアテマラ大統領Alvaro Arzu Irigoyen氏は一般演説において、同国における平和プロセスが非常に短期間で成果を上げたことは、国連システムの有効性と効率性を具体的に証明するものである、と述べた。
  • ベネズエラ大統領Hugo Chavez Frias氏は一般演説において、ベネズエラが国内の変化に直面し再生の過程にあると述べた。また、かつてラテンアメリカの民主化モデルとされた同国は政治的、道徳的、社会的危機に見舞われたが、人権尊重を伴った変化を促進し、悲劇的状況から平和的に脱出する方法を見出した、と述べた。
  • アルゼンチン大統領Carlos Menem氏は一般演説において、安保理改革に関して、いずれの国に対する差別もなくすため、すべての国に対して開かれた理事国輪番制を支持した。
  • スロバキア首相Mikulas Dzurinda氏は一般演説において、最近発生した複数の悲劇的な紛争は、国連が紛争を予防し、紛争の結末よりもむしろその原因に取り組むためのメカニズムを強化することの重要性を明らかにした、と述べた。
  • その他、本日の総会において、ロシア連邦、ガーナ、マリ、フィンランド、日本、オーストリア、ウクライナ、モロッコ、ウズベキスタン、スウェーデン、アラブ首長国連邦、スペインの12カ国の外相がそれぞれ、一般演説を行なった。日本の高村外相は、現在の国際情勢をよりよく反映させるべく安保理を改革する必要を強調するとともに、同国が安保理常任理事国としてより大きい責任を担っていきたい、と述べた。
  • 安保理が、アフリカ情勢に関して公開協議。ザンビア大統領Frederick Chiluba氏は、アフリカが自らの問題について責任を果たす必要はあるが、国際の平和と安全に対する主要な責任は安保理が担うものである、と述べた。同大統領の発言後、数カ国の理事国が発言し、アフリカに平和をもたらすうえで国際社会が積極的な役割を果たす必要性について意見の一致をみた。
  • UNAMETは東ティモールのディリ本部に戻る準備を開始した。UNAMETによれば、ディリの状況は静穏である。本日、治安に関する事件としては、オーストラリア主導の多国籍軍が12人から15人を逮捕し、武器を押収したことにとどまった。
  • 昨夜、国連、KFOR、コソボ解放軍(KLA)は、コソボの州都プリシュティナにおいて、KLAを軍隊から文民緊急活動部隊へと変えるための計画を完成させ、署名した。コソボ事務総長特別代表は、プリシュティナで行われた式典において、3,000人の要員と2,000人の予備要員で構成されるコソボ保護部隊を法的に正式設置した。同部隊は、災害救助、地雷除去、その他の人道的活動を遂行するもので、コソボにおける法律執行や政治的活動に関する役割は一切担わない。
  • 昨夜、台湾で大地震が発生。国連は災害評価・調整チームを台北に派遣した。
  • 国連貿易開発会議(UNCTAD)が、「貿易開発報告1999年」を発行。同報告によれば、開発途上国がグローバル貿易および金融システムに一層統合された結果、対外債務が大きくなり、不安定化が進んだ。
  • アナン事務総長は、ブルガリアの外交官Ivo Petrov氏を、タジキスタン事務総長特別代表に任命した。同氏は、国連タジキスタン監視団(UNMOT)を率いることになる。
  • 中東における最近の前向きな動きに対応し、アナン事務総長は、ノルウェーの大使であるTerje Roed-Larsen氏を、新設の国連中東和平プロセス特別調整官、ならびにパレスチナ解放機構およびパレスチナ機構・事務総長個人代表に任命した。

1999年9月20日

  • 総会の一般討論開始にあたり、アナン事務総長は基調演説を行い、国連が戦争や貧困との闘いにおいて成功をおさめるためには、平和と開発のための新しいアクター、責任および可能性をもった世界に適応していかなければならない、と述べた。また、次世紀における人間安全保障と介入の問題について特別の焦点をあてながら、「大規模かつ組織的な人権侵害が行われているときに世界が傍観することはできないということを我々は学んだが、同時に、介入に対して世界の人々の持続的な支持を得ようとするなら、それは、正当かつ普遍的な原則に基づかなければならないということも学んだ」と述べた。
  • オーストラリア主導の多国籍軍が、東ティモールに到着した。
  • アナン事務総長はエリツィン・ロシア大統領に書簡を送り、同国で最近起こった爆破事件について、「罪のない市民に対する、残酷で、無差別な、弁明の余地のないテロ行為であり、国際社会全体の非難を受けるにふさわしい」と述べた。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は記者会見し、アフリカのいくつかの国々において、子どもの健康に関する過去数十年の成果が、HIV/AIDSによって消し去られている、と述べた。最新の国連調査によれば、現在、エイズはアフリカの主要な死因となっている。
  • ダナパラ軍縮担当事務次長は国連本部で記者会見し、国連がアルバニアにおいて、市民から武器を回収し、コミュニティーに根ざした開発計画を促進するパイロット・プロジェクトを後援したことにより、同国の法と秩序が再確立しつつある、と述べた(15ヶ月間で、5,770個の武器―ほとんどがライフル、その他の小火器および弾薬10万トンが回収された。)このプロジェクトは、1997年のアルバニア内戦の勃発後、同国政府の要請に応じて、軍縮局とUNDPが共同で開始した。

1999年9月17日

  • 安保理は決議1265を全会一致で採択し、武力紛争において文民を意図的に攻撃対象とすることについて強く非難した。そして、罪のない非戦闘員を保護するための国連の能力を永続的に強化するためにアナン事務総長が打ち出した提案を検討し、2000年4月までに、国連憲章の下の責任にしたがって、適切な措置を講じることに合意した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、ジュネーブ人権委員会のビューローに対して報告書を提出し、東ティモールにおいて大規模な人権侵害が、「意図的、悪意をもって、組織的に」行われたことを示す膨大な証拠がある、と指摘した。そして、それらの責任者を裁判にかけるべく、インドネシア当局に対して国際調査委員会の設置に協力するよう促したことを明らかにし、必要であれば、同氏自らが調査の着手においてイニシアチブをとる用意がある、と述べた。
  • WFPは、3万人の食料となる15トンの米および毛布を、東ティモールの3地点に空中投下した。一方、緒方難民高等弁務官はジャカルタに訪問し、西ティモールに強制的に移動させられた東ティモールの人々の問題について、インドネシア政府と協議した。
  • 総会は、コンゴ民主共和国における武力侵攻、国連東ティモール・ミッションの予算の問題など、今期の議題170件を採択した。なお今総会の一般討論は、9月20日から10月2日まで行われ、また9月27、28日の両日には、小島嶼開発途上国のための行動計画を再検討するための特別会期が開催される。12月17日、総会は休会に入る予定。
  • DPI/NGO年次会議、閉幕。グリラブ総会議長は閉会演説において、グローバリゼーションは、国家主権を損なうおそれを引き起こすかもしれないが、世界はこのプロセスから後退してはならず、最善の結果を引き出すべく、国々の間の協力を追求していくべきである、と述べた。
  • 16日、「世界経済社会報告1999年」が刊行された。
  • 「国連職員の日(UN Staff Day)」。アナン事務総長は、事務局が深刻な財政的制約に直面し、より少ない資源でより多くのことを遂行することを繰り返し求められるなかで、国連の職員たちは引き続き、数多くの人々の苦しみを緩和している、と述べた。

1999年9月16日

  • 安保理は、武力紛争下において文民を保護する措置について討論を開始した。罪のない非戦闘員が攻撃の対象となっている状況への国連の対応に関して、アナン事務総長は、今週前半、報告書を安保理に提出し、40を数える具体的提案を行っていた。本日の討論の開始にあたり、アナン事務総長は報告書を紹介し、世界各地の危機状態を終わらせるため、「会議、演説、報告書」以上の対応を国連はしなければならない、と述べた。
  • 第54回総会議長のテオ=ベン・グリラブ氏は国連本部で記者会見し、今総会の議題172件のなかで主要問題としては、安保理改組を含む国連改革、開発途上国の重債務緩和などがある、と述べた。
  • UNAMETの団長代行Brigadier General Rezaqul Haiderが、2週間にわたり暴力と破壊が続いた東ティモールのBaucauの状況を視察した。同氏によれば、国連が使っていた住居や独立支持者の民家が、明らかに略奪や放火の対象となった。
  • 国連各機関は、東ティモールの数十万の避難民に対する人道援助活動を調整して進めていくことに合意し、現在、30日間の行動計画のための準備を進めている。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏はモスクワで、ロシア外相Igor Ivanovと会談、コソボにおいて多民族の共存できる、民主的なシステムを築くための国連活動について話し合った。
  • 15日、スーダンで、子どもたちに対するポリオワクチン投与活動を行っていたユニセフ職員(Dr.Ayub Sheikh Yerow)が殺害された。ユニセフは声明を発表し、こうした攻撃は、国際法および基本的人権に対する全く許しがたい侵害である、と強調した。

1999年9月15日

  • 安保理は決議1264を全会一致で採択し、東ティモールの平和と安全を回復するため、統一された指揮の下に多国籍軍の設置を承認し、また、この多国籍軍に参加する国々が任務を遂行するため必要となるあらゆる措置を講じることを承認した。憲章第7章の下に武力行使を承認した同決議は、国連平和維持活動が展開されるまでの間、多国籍軍が東ティモールに集団的に配備されることを決定。事務総長はこの平和維持活動に関する勧告を提出するよう要請された。
  • 上記決議の採択を受けて、アナン事務総長は、インドネシアおよびポルトガル両国の外相と会談し、東ティモールの現状について意見交換した。また、この協議においては、5月5日の合意実施の第3段階(国連平和維持活動が多国籍軍にかわって東ティモールに展開する期間)に向けた準備の問題についても焦点が当てられた。
  • 東ティモールの数十万の避難民に対する人道援助の一環として、世界食料計画(WFP)は東ティモールへの緊急食糧空中投下に向けた準備を開始。
  • 第52回DPI/NGO年次会議が、800を超えるNGOの代表3,000名以上の参加を得て、国連本部で開催。会期は3日間。今年のテーマは、「グローバル化した世界の挑戦:新たな方向の模索」(“Challenges of a Globalized World: Finding New Directions”)。
  • コソボにおいて、国連は、新たな文民緊急援助部隊「コソボ部隊」(“Kosovo Corps”)の参加者を、元KLA戦闘員などから募集し始めた。この部隊はコソボの復興再建活動を支援したり、自然災害などに対応するためのものであり、軍隊や防衛部隊ではなく、また法律執行の役割を担うこともない。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は14日、コソボの最高裁判所“Ad Hoc Court of Final Appeal”の判事5人を任命した。
  • ユニセフ事務局長のキャロル・ベラミー氏は「アフリカにおけるエイズ及び性感染症に関する国際会議」(ザンビア)で演説し、アフリカのサブサハラ諸国がHIV/AIDSとの闘いを進めるためには、大規模な資金の投入が必要である、と訴えた。

1999年9月14日

  • 第54回総会が開幕、ナミビア外相のテオ=ベン・グリラブ(Theo-Ben Gurirab)氏を総会議長に選出した。
  • 総会は、キリバス共和国、ナウル共和国、トンガ王国の3カ国の加盟を全会一致で承認した。これにより、国連加盟国は、計188カ国となった。
  • 国際平和デー。アナン事務総長は、国連本部の「平和の鐘」をうち鳴らし、「平和の文化のための国際年」を正式に開始した。
  • 東ティモールの治安状況がさらに悪化するなか、国連は、中核となる要員を除くすべての国際および現地職員をUNAMET本部(ディリ)からオーストラリアのダーウィンに移送した。同本部に逃れていた避難民1,400人もまた、ダーウィンに退去させた。一方、安保理が東ティモールへの国際治安部隊の承認決議案について協議するなか、アナン事務総長はオーストラリア、インドネシア、ポルトガルの3カ国外相と会談した。
  • 東ティモールの人々は西チモールへ強制移動させられており、またKupangにおいて残留派民兵が独立支持者を襲っていることを示す報道や証拠も増えている(UNHCR発表)。
  • アナン事務総長は安保理に対する報告書において、武力紛争における文民の窮状について述べ、一部あるいはすべての状況において、罪のない非戦闘員を保護するための一連の具体的措置を安保理に勧告した。
  • コソボにおいて少数者に対する暴力事件が続くなか、UNHCRはこの治安問題に対して国際的な対応ばかりでなく、現地のすべてのレベルでの対応の強化を促した。
  • アナン事務総長は、冬の到来を前に、ユーゴスラビア連邦共和国(コソボを除く)の人道状況の悪化に懸念を示した。そして、セルビアおよびモンテネグロで増えている弱い立場の人々を支援する国連人道援助活動に対して、ドナーが迅速かつ寛大な援助を提供するよう強く求めた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の所長Navanethem Pillay氏は国連本部で記者会見し、各国に対して、ローマ規定を批准し、ジェノサイドや人道に対する罪などの犯罪を扱うための常設の国際刑事裁判所を設置するよう求めた。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)はアフリカにおけるエイズ感染について新しい研究報告を発表し、エイズの広がりを抑えるためには、男性の性行動を変えることが緊急に必要である、と強調した。同報告によれば、アフリカにおいて、若い女性(15-23歳)は同じ年齢層の男性との性交渉によってではなく、それ以上の年齢の男性との性交渉によってエイズに感染している割合が非常に高い。

1999年9月13日

  • アナン事務総長は国連本部でインドネシア外相のアリ・アラタス氏と会談し、東ティモールに展開させる国際治安部隊に関する取り決めについて話し合った。(12日、インドネシア政府は、東ティモールにおける平和と安全を回復するために国際支援を受け入れると発表。11日には、東ティモール問題に関して安保理公開協議が行われた。)
  • ロビンソン人権高等弁務官は東ティモールの人権状況を視察するため、同地を2日間にわたり訪問。本日、同弁務官はジャカルタで、東ティモールにおいて暴力行為を操作していたとしてインドネシア国軍を非難し、同地において起こった重大な暴力に対する説明責任を確立するためのひとつの措置として、国際的な調査委員会を設置するよう提案した。
  • 第53回総会が閉幕。今総会で検討した議題は170にのぼり、政治、経済、社会、開発など広範な問題をカバーした。閉会日となったこの日、総会は、無投票で「平和の文化に関する宣言と行動計画」を採択し、世界中で寛容および非暴力を促進するため国際的、国内的、地域的アクターのための戦略を示した。なお今会期中開かれた本会議は107回開かれ、採択された決議は309件(そのうち248件がコンセンサス採択)、並びに決定は130件であった。
  • 安保理は決議1263を全会一致で採択し、西サハラの将来に関する住民投票の有権者を確定するプロセスを完了させるべく、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を12月14日まで3ヶ月延長した。
  • コソボにおいて、国連国際文民警察が、プリシュティナ全土の警察任務を引き継いだ。500人以上の文民警察官がUNMIKの4つの事務所に配置され、現在、24時間体制で任務にあたっている。
  • 女性に対する暴力のための特別報告者Radhika Coomaraswamy氏は、アフガニスタンを2週間にわたり視察した後、同国のタリバン支配地域において女性の人権の広範かつ組織的な侵害が公の政策として行われている、と報告した。
  • アナン事務総長は、キャロル・ベラミー氏をユニセフ事務局長(2期目、2000年5月1日より)として再任した。

1999年9月10日

  • アナン事務総長は国連本部で声明を発表し、東ティモールが無秩序状態に陥り重大な危機に直面しているとし、インドネシアが同領土に秩序と安全をもたらすために国際社会の支援を求めるときが来たのは明らかである、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、東ティモールの秩序と安全を回復するためインドネシア政府に対して国際支援を受け入れるように促した事務総長の声明(本日)に対して全面的な支持を表明した。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は記者団に対して、国連がコソボにおいて犯罪を減らし文民統治を確立することに成功しているが、最近の惨禍の傷はまだ癒えず、多民族が共存できるコソボを建設するためにはまだ時間がかかるであろう、と述べた。
  • コソボ経済政策諮問委員会が、プリシュティナで初会合。コソボ経済の法的枠組みの草案づくりに関して、協議を開始した。
  • FAOとWFPは共同声明を発表し、最近の紛争および大量の住民移動によってコソボの食料生産が急激に落ち込むとみられ、その結果、農村地域の人々が栄養面および経済面において深刻な影響を受けるであろう、と述べた。
  • 国連国際薬物統制計画(UNDCP)の年次調査報告によれば、世界におけるアヘンの不法生産は1999年、60%増加し約6,000メートルトンとなった。またそのうち4分の3はアフガニスタンで生産されている。
  • DDTの有害な影響と、そのマラリア統制における重要な役割に関して比較検討する努力の一環として、WHOは殺虫剤への世界の依存を減らす計画を提案した。

1999年9月9日

  • 今年度の事務総長年次報告が、発表された。同報告において、アナン事務総長は、国際社会がかつてない人道的挑戦に直面しているが、戦争や緊急事態の予防のために一層効果的な戦略をとることによって、数百億ドルの資金を無駄にすることなく、また数十万の人々の命を救うことができるはずである、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、東ティモールにおける人道的危機状態の拡大に深刻な懸念を示すとともに、インドネシア当局に対して、UNAMETの安全を確保するため緊急かつ効果的な措置を講じるよう求めた。
  • 東ティモールのディリにおいて暴力が収拾する気配をみせるなか、事務総長は国連本部で記者団に対して、小人数の国連要員がUNAMET本部に残るであろう、と述べた。この後、スポークスマンのFred Eckhardは記者ブリーフィングにおいて、現在、UNAMET本部にいる200人の国連要員のうち、ほぼ半数が事務総長特別代表Ian Martin氏とともに残ることになる、と述べた。
  • 事務総長は安保理に対して、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)に関する報告書を提出。モロッコおよびPOLISARIOの両当事者が住民投票の実施に向けて積極的な姿勢を示していることを指摘し、MINURSOの任期を12月14日まで延長するよう勧告した。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏が、ニューヨークに到着。国連本部において、2日間にわたり、コソボのおける最近の動きとUNMIKの活動に関して協議する。
  • 今週末、コソボにおける文化芸術の回復を祝って、音楽・劇の国際フェスティバル“The Return Festival”がスコピエ(10日)とプリシュティナ(11日、12日)で行われる(ユニセフ発表)。

1999年9月8日

  • 国連は、UNAMET要員の東ティモール撤収を24時間延期することを決定。撤収に際して、数人の要員がUNAMET本部に残留する可能性を残した。(東ティモールにおいてUNAMETに対する民兵らの脅迫が引き続くなか、数時間前、国連はUNAMETの撤収を決定している。)
  • 安保理議長は報道声明を発表し、東ティモールの治安情勢が「非常に短い時間内に」改善しなければ、インドネシアが東ティモールの現在の危機を解決するのを支援するために安保理はさらなる行動をとらなければならない、とする事務総長の見解に対する支持を表明した。これに先立ち、アナン事務総長は記者団に対するコメントにおいて、インドネシアのハビビ大統領と昨夜、長時間、数回にわたって話し、インドネシア政府が法と秩序を維持することができなければ、同政府は秩序をもたらすための国際支援を「求め、また受け入れ」なければならないと強調した、と述べた。
  • コソボ暫定協議会(第5回会合)は、コソボにおける治安の改善をはかるため、UNMIK、KFOR、並びにコソボの民族コミュニティーの代表者たちから構成される合同委員会を設置することに合意した。
  • コソボにおける来年の選挙実施に向けた最初のステップとして、国連はコソボ全住民の登録を10月1日に開始する予定。
  • 国際識字デー。アナン事務総長は、国際社会に対して、知識における格差を埋め、すべての人々に生涯学習の機会を提供するため、識字プロジェクトをグローバルな開発努力に組み込むよう促した。
  • 国連は現在、NGOと協力して、アフガニスタンのHazarajatの3万世帯に対して食糧提供を行っている(国連アフガニスタン調整室発表)。報道によれば、同地域において、20万から30万の人々が、飢えおよび貧困に直面している。

1999年9月7日

  • 東ティモールの情勢悪化に対する国際社会の深刻な懸念を伝えるため、安保理の派遣するミッションが、インドネシアに向かった。8日早朝にはジャカルタに到着する予定。このミッションの団長はナミビア国連大使Martin Andjaba氏が務め、マレーシア、スロベニア、オランダ、英国の代表が参加する。
  • 民兵による暴行を止めさせるためインドネシアが戒厳令を宣言するなか、国連は職員をディリのUNAMET本部に集めた(国際職員215人、並びに現地職員120人)。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、東ティモールで先週行われた住民投票において大多数の住民が自治案を拒否した後、暴力が拡大していることについて最も強い調子で非難した。また安保理がインドネシア政府と、投票結果の平和的実施を可能にするための具体的措置について協議するため、ミッションを派遣することを計画している、と述べた。(先週の金曜日、アナン事務総長は、住民の78.5%がインドネシアにおける自治を拒否した、と発表するとともに、投票結果において勝者も敗者もなく、東ティモール全住民がともに共通の未来を築いていくための好機である、と述べた。また安保理は議長声明を採択し、住民投票の実施を歓迎し、全当事者に対して、結果を尊重するよう求めた。)
  • コソボ事務総長特別代表は6日、コソボ経済政策諮問委員会を設置した。同委員会は、コソボ暫定協議会と協力しながら、経済に関する法律について再検討、提案を行い、コソボ経済の法的基盤を築き、建て直しを図っていく。
  • メアリー・ロビンソン人権高等弁務官は、コソボの人権状況に関する報告書を発表し、コソボの人々に対して、マイノリティーに対する暴力をやめるよう求め、コソボ解放軍(KLA)に対して、そうした犯罪について調査するため国連と協力するよう要請した。また紛争下、セルビア軍によって行われた犯罪を調査し、犯罪者を裁判にかける重要性も強調した。
  • アナン事務総長は、オーストリア、バルバドス、ケニア、米国、ジンバブエの新・国連大使5人から信任状を受け取った。事務総長との会談後、米国国連大使Richard Holbrooke氏は記者団に対して、アナン氏との話しの焦点は特に東ティモールとコソボに当てられた、と述べた。
  • UNDP総裁Malloch Brown氏が記者会見において、“1999 UNDP Race Against Poverty賞”の受賞者6人を発表。貧困を克服したこと、コミュニティーにおいて他の人々に働きかけ生活を向上させたことの功績を認め、明日、国連総会ホールで受賞式典が行われる。
  • UNHCRによれば、反政府勢力がダゲスタンとチェチェン国境を超え、ノボラクスク地域のいくつかの村落を襲撃し、ダゲスタンの情勢が先週末に急激に悪化。6,000人の女性と子どもがノボラクスクから、マハチカラのレセプション・センターに逃げ込んだ(UNHCR支援)。
  • UNEPによれば、先週、ジュネーブで87カ国の代表が参加し行われた会合で、有害廃棄物に関する責任に関する新しい議定書草案について、かなりの進展がみられた。この規約は、「有害廃棄物の越境移動から生じる損害についての責任と補償に関する議定書」で、12月の第5回バーゼル条約締約国会議で採択される予定。

1999年9月3日

  • 東ティモールのMalianaおよびLiquicaにおいて、民兵たちが民家に放火し、住民を襲撃するなど、暴力事件を起こしているなか、国連はインドネシア当局に対して、国連職員の安全を確保するよう求めた。
  • メアリー・ロビンソン人権高等弁務官は、東ティモールにおける治安の悪化に深い懸念を示すとともに、インドネシア治安部隊がその状況を管理することができないことに鑑みて、民間人および国連職員を保護するための国連平和維持軍を展開する必要性を指摘した。
  • コソボの経済を再スタートさせるための新たな措置として、国連は、コソボにおいて行われる支払いおよび契約について外貨を使用することを合法化した。
  • 世界保健機関(WHO)は、緊急事態における医薬品の寄付に関して、新しいガイドラインを作成、発表した。WHOによれば、アルバニア保健衛生省に5月、寄付された医薬品のうち約41%は貯蔵寿命が1年にも満たず、また18%は無料サンプルや薬局に返品されたものであった。
  • ユニセフは、終日労働を余儀なくされている何百万の子どもたちに対して教育を提供するためのイニシアチブに着手した。このプログラムはまた、児童労働をなくす必要性も強調している。ユニセフによれば、開発途上国において、5歳から14歳の子どもたち約2億5,000万人が働いており、そのうち20%は危険の大きい労働に従事している。
  • 地域における最近の戦闘を逃れた避難民10万人が、食料、避難所、毛布を必要としているとの国連チームの視察報告を受けて、国連がアフガニスタン北部のPanjshir Valleyに送った約100メートルトンの食糧が、本日あるいは明日には届く予定。
  • アナン事務総長は、第8回フランス語圏サミット(カナダのMoncton)で演説し、世界のフランス語圏社会に対して、他の民族および社会との開かれた対話において、友好と協力を促進するよう促した。
  • ルワンダで1994年当時、保健衛生大臣を務めたCasmir Bizimungu氏は、ルワンダ国際刑事裁判所において、ジェノサイドおよび人道に対する罪について無罪を主張した。

1999年9月2日

  • 住民投票実施後、東ティモールにおいて暴力事件の広がりがみられるなか、国連東ティモールミッション(UNAMET)の現地スタッフ2人がマリアナにおいて、殺害された。イアン・マーティン事務総長特別代表はディリで記者会見し、独立派および残留派双方に対して、それぞれのメンバーが武器を携行して動き回らないようにさせるという当初の約束を果たすよう求めた。
  • 安保理議長は報道声明において、コンゴ民主連合(RCD)が今週前半、コンゴ民主共和国の停戦合意に署名したことについて、歓迎の意を表明した。また全当事者に対して、ルサカ合意を厳守し、平和が現実のものとなるように、その合意を壊すような行動をしないよう促した。
  • アナン事務総長は、5月にユーゴスラビア政府からスパイ活動の容疑で有罪判決を受けた2人のオーストラリア人が昨日、解放されたことについて、深い安堵の念を表明した。解放されたのは、援助団体、CARE(Australia)の職員、Steve PrattさんとPeter Wallaceさんの2人。
  • 対イラク制裁を監視する安保理委員会は、イラクがトルコ大地震の被災者支援のため、石油1,000万ドル相当を寄付することを承認した。
  • ソマリア事務総長代表兼国連ソマリア政治室(UNPOS)室長、David Stephen氏は国連本部で記者会見し、国連がソマリアを撤退してから約5年が過ぎた今、同地域のアフリカ諸国および安保理構成国は、今こそソマリアに対してもっと多くのことをしなければならないという意見を共有している、と述べた。
  • およそ3分の2の学校施設が損壊したコソボにおいて、ユニセフは現在、11月1日の学校年度開始日に間に合うように、修復作業などの活動を進めている。
  • 国連人道機関の合同ミッションが、2週間前発生した戦闘を逃れて6,000人が避難民となっているキルギス南部の視察訪問を行う予定。合同ミッションには、同国の首都ビシケクに事務所を構えるユニセフ、UNHCR、UNDP、WHOなどが参加する。

1999年9月1日

  • 国連東ティモール・ミッション(UNAMET)本部周辺で暴力事件が発生し、報道によれば少なくとも2人が死亡し、数百人が国連施設内に避難を余儀なくされた。これについて、アナン事務総長は強く非難する声明を発表した。
  • 安保理議長(9月の議長は、オランダ大使Arnold Peter van Walsum氏)は報道声明において、東ティモール住民投票が円滑に実施されたことを歓迎する一方、30日以来ディリで数多くの暴力事件が発生していることについて、最も強い調子で非難した。
  • コソボ暫定協議会が、コソボ全土における治安状況の改善を支援する委員会を設置することに合意。同委員会は今後、UNMIKおよびKFORに対して、具体的な治安問題の解決、文民警察の展開における優先順位の設定に関して、助言を提供することになる。
  • 子どもと軍事紛争のための事務総長特別代表、オララ・オトゥヌ氏が、シエラレオネにおいて、手足を切断された子どもたち200人を収容するMurray Town Amputee Campを訪問。同国の子どもたち約900人がこの憎むべき形態の拷問を受けた、と推計される。
  • 国連は、コンゴ民主共和国・停戦合意の実施支援を行う国連軍事要員の展開(第1段階)のため、3人構成のチームをナイロビに派遣する。同チームは明日、ナイロビに向けてニューヨークを出発、ナイロビにおいて国連軍事要員・第1陣26人を集結させる予定。
  • 法務担当事務次長補Ralph Zacklin氏は、カンボジアのポルポト派指導者を起訴するための裁判所設置に関して、同国当局との協議を終え、ニューヨークに戻った。同協議においては、カンボジアの法の下で、同国以外の国々の判事や検察官が参加する裁判所を設置するための法的および実際的側面について焦点が当てられた。
  • 世界食料計画(WFP)は、チャド南部において不作の影響を受ける約5万3,000人に対して緊急食料援助を行うため、同国政府との合意書に署名した(WFP発表)。

1999年8月31日

  • 東チモール協議委員会が、ディリで初会合。同委員会は、東チモールの独立派、残留派双方からそれぞれ10人の代表、ならびに事務総長の任命する委員5人で構成され、東チモールにおいて和解と協力を促進することをめざす。
  • コンゴ民主共和国の反政府勢力Rally for a Democratic Congo コンゴ民主連合(RCD)が、停戦合意に署名。アナン事務総長は、これに対して歓迎の意を表明した。
  • アナン事務総長は、ブルンジの反政府勢力が同国の首都で28日と29日、女性や子どもを含む民間人を襲撃、殺害し、財産を破壊したことを非難した。
  • 安保理議長は報道声明において、中央アフリカ共和国の当局および反対勢力指導者に対して、同国の大統領選挙を予定どおり実施するよう奨励した。
  • コソボの倒壊家屋の再建と仮設住宅の設置の双方を進め、家を破壊された約70万の人々に冬を越すための避難所を提供しなければならない(UNHCR発表)。
  • コソボ事務総長特別代表はMitrovicaを訪問し、判事7人(アルバニア人5人、セルビア人2人)と検察官2人を宣誓就任させた。これで、UNMIKがこれまでに就任させた判事は合計で31人、検察官は7人となった。
  • UNHCRによれば、リベリアのロファ州における最近の不安定な状況によって援助機関が退避するなか、シエラレオネ難民5,000人以上が同地の難民キャンプから逃げ出した。UNHCRは、難民キャンプにいる人々をケープマウント州の既設キャンプに移送する予定。

1999年8月30日

  • 「自らの将来に対する意思」(アナン事務総長)の表現として、東チモールの数十万の人々が、インドネシアの一部として残留するか、独立するかを選択するために、投票所に足を運んだ。国連によれば、45万人を超える有権者の90%が200箇所の投票所で、冷静に、かつ威厳をもって票を投じた。アナン事務総長は、一部の投票所において民兵たちによる威嚇があったにも拘わらず、投票が順調に進んだことは、投票者たちの決意と忍耐を証明するものである、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、コソボにおいて少数民族およびKFORに対する暴力が行われていることを非難し、そうした暴力行為の即時中止を要求した。
  • 新米国大使Richard Holbrooke氏は29日、プリシュティナで記者団に対して、UNMIKおよびその長に対する米国の全面的な支援を表明した。同氏は、UNMIKが民族間の緊張が続く地域に安定と民主化をもたらすうえで直面する難しさを指摘し、「コソボにおける損害はボスニアよりは小さいが、問題の複雑さは多くの面で深く、また憎しみも深い」と述べた。
  • 国連環境計画(UNEP)は、“Inventory of Technical and Institutional Resources for Promoting Methyl Bromide Alternatives”と題する報告書を発表。オゾン層を破壊する農薬である臭化メチルの代替品を促進するうえで開発途上国を支援するための、技術的・制度的資源の目録を提供する。
  • 人権小委員会が27日、ジュネーブで1ヶ月にわたり行われていた今年度会期を終了。

1999年8月27日

  • 安保理は決議1262を全会一致で採択し、国連東チモール・ミッション(UNAMET)が8月30日の住民投票後の移行期間を監督できるようにするため、その任期を11月30日まで延長し、UNAMETの文民警察を上限410人まで、軍事連絡要員を上限300人まで増員した。なお安保理はこの決議採択の後、議長声明において、「住民投票の結果がどのようなものであろうと、安保理メンバーは東チモールの人々がその決定を尊重し、平和的で豊かな未来を建設することをめざして、ともに働くことを強く希望する」と述べた。
  • 東チモール事務総長特別代表Ian Martin氏はディリで記者会見し、最近ディリで発生した暴力事件に拘わらず、国連は8月30日の歴史的な住民投票を予定どおり遂行する意向である、と述べた。
  • セルビアに未だ拘束されているコソボのアルバニア人政治捕虜5,000人以上の解放を求める集会が、プリシュティナで開催された。コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏はこの集会に参加し、国際社会に対して、これら政治捕虜の解放のため圧力を掛けるよう促した。
  • バルカン事務総長特使Carl Bildt氏は国連本部で記者会見し、国際社会はコソボを多民族が共存できる社会として保たなければならないとし、またUNMIKが現在、マイノリティーが自らの家に帰れるように治安確保に努めている、と述べた。
  • 国連イラク・プログラム室事務局長Benon Sevan氏は安保理に対するブリーフィングにおいて、現在、およそ500件の契約(5億ドル相当)が、イラク石油食料交換プログラムを監視する安保理委員会による承認待ちの状態にあり、このことがイラクの人々の人道的ニーズに深刻な影響を及ぼしている、と警告した。そして安保理メンバーに対して、これらの契約の承認を急ぐよう呼びかけたアナン事務総長のアピールを想起するよう求めた。
  • 政治問題担当事務次長Kieran Prendergast氏は安保理公式会合でのブリーフィングにおいて、アフガニスタンのタリバンが、ショマリ平原における襲撃において、全く受け入れがたい形態で、民間人の処遇を行ったとの証拠を握っている、と述べた。
  • WFPは、カブールの旧ソ連外交施設にいるアフガニスタン避難民7,000人に対して、今後も食料配給を続けることを決定した。この施設に避難する人々が増えていること、避難民の脆弱さ、そして、これら避難民が近い将来に帰還する可能性が低いことを考慮した。
  • およそ1万2,000人が死亡し、20万人以上が家を失ったトルコ大地震の発生から、10日が過ぎた。WHOは、保健衛生について最も切迫した最重要事項は、きれいな水および衛生サービスの再確立である、と述べた。
  • 国際海洋法裁判所は、オーストラリアとニュージーランドが7月末、ミナミマグロ保護を怠っているとして日本を提訴していた問題について、これらのすべての国に対して、ミナミマグロの調査漁獲を控えるよう決定を下した。
  • UNHCRは、マラウイにおいて、エリトリアからの避難民一人が今週殺害され、さらに24人の避難民がエチオピアに追放されたことに対して、マラウイ政府に対して強く抗議した。UNHCRによれば、8月14日、エリトリア人避難民のグループがエチオピアからマラウイに到着したが、一週間後飛行機で追い返された。UNHCR職員はこれらエリトリア人へのアクセスを認められなかった。マラウイ当局は、同グループは偽造ビザで不法に同国に入国したのであり、これは入国管理手続きの問題である、とした。

1999年8月26日

  • アナン事務総長は、東チモールのディリで広範にわたる暴力事件が発生し、生命が失われたことに衝撃を受けたとし、インドネシア当局に対して、法と秩序を回復・維持するための措置を即時に講じるよう求めた。一方、安保理議長は報道声明において、暴力事件に強い遺憾の意を示し、全当事者に対して、住民投票を予定どおり8月30日に平和と安全が確保された状況において実施するため、協力するよう求めた。
  • 東チモールに関するインドネシア、ポルトガル、国連との間の協議を終えた後、事務総長個人特使Jamsheed Marker氏はリスボンで記者団に対して、国連東チモール・ミッション(UNAMET)が住民投票の実施に向けて、技術面および兵站面において用意が整っている、と述べた。
  • 安保理は決議1261を全会一致で採択し、史上はじめて、軍事紛争下の子どもの福祉に焦点を当て、世界の子どもたちを戦争の恐怖から保護するための決議を採択した。
  • アナン事務総長は、国連ハイチ文民警察ミッション(MIPONUH)に関する最新の報告書を安保理に提出。同国の地方・議会選挙(第1回)が、今年後半に実施されるまでの間、治安状況の悪化を防ぐため、ハイチ政府、並びに警察、政治、民間の指導者たちの協調努力が必要となる、と述べた。
  • アンゴラの反政府勢力UNITAに対する制裁措置の違反状況について調査するために設置された2つの専門家パネルが国連本部で、初の会合を開いた。
  • コソボにおいて多民族警察(multi-ethnic police force)をつくるための第1歩として、新規採用者のための研修が来週、開始する。UNMIKの監督の下で行われるこの第1回研修コースは、10月まで行われる。
  • 旧ユーゴおよびルワンダ国際刑事裁判所の主任検察官Louise Arbour氏(9月14日退任予定)がハーグで記者会見。両刑事裁判所は、近代軍事紛争の最悪の副次的事象を統制するために必要なことを打ち出した、と述べた。

1999年8月25日

  • 東チモール住民投票(8月30日)のため、オーストラリアのダーウィンから選挙監視員50人が東チモールに到着。これにより、国連ボランティアの人数は、医療スタッフも含めて計460人となった。
  • コソボ暫定協議会が開催され、コソボ事務総長特別代表およびコソボの政治的指導者が、コソボ全土の治安を、特にマイノリティーのために改善する方法について、話し合った。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所に代わって、オーストリア警察がウィーンで、ボスニアのセルビア人共和国軍のモミル・タリッチ(Momir Talic)参謀長を逮捕した。国連刑事裁判所は3月12日、政治的、人種的、宗教的な理由で迫害を行なったとして、同参謀長を起訴した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所所長Gabriell Kirk McDonald氏は安保理に対して、クロアチア共和国が裁判所の調査・起訴手続きにおける協力義務に違反していると報告し、同国がこの義務を遵守するようしかるべき措置を講じるよう求めた。
  • グアテマラ和平合意実施を監視する「フォローアップ委員会」のメンバー4人が、ニューヨークで、和平プロセスに対する国際的支援を強化する努力の一環として、政治問題担当事務次長およびグアテマラの友人グループ(コロンビア、メキシコ、ノルウェー、スペイン、米国)の代表たちと会談した。「フォローアップ委員会」はグアテマラ和平合意の下、1997年に設置されたもので、この合意実施を監視、促進する技術的・政治的機関である。

1999年8月24日

  • 安保理は議長声明を発表し、アンゴラ危機の悪化に懸念を示し、同国政府および反政府勢力に対して、人道援助機関による数百万の避難民へのアクセスを可能にし、苛酷な状況で生活している人々への援助の流れを促進するよう促した。
  • 安保理議長は報道声明を発表、東チモールにおいて脅迫や暴力が続いていることに強い懸念を表明し、当事者たちに対して武装解除の約束を果たすよう求めた。
  • 安保理議長は、ソマリアに関する安保理協議の後、記者団に対して、同国の治安状況が、特に人道援助機関活動の関連において、依然として懸念される状態である、と述べた。
  • 総会議長Didier Operttiは声明において、トルコで先週発生した地震によって人間の生命が悲劇的に失われ、また多くの物質的損害が生じたことに、大きな悲しみを表明した。
  • コンゴ共和国からガボンに数千人の難民が最近、流入したことを受けて、UNHCRは、ガボン南西部に職員を追加派遣し、また東部にもうひとつ事務所を開設する、と発表した。
  • コンゴ民主共和国の人権に関する特別報告者Robert Garreton氏が28日から9月6日まで、同国を訪問し、政府、NGO、国際機関の代表らと会談する予定。

1999年8月23日

  • 国連援助機関高官および安保理理事国が、アンゴラの人道状況の悪化について懸念を表明。――同国の人道状況に関して、ユニセフ、WFP、人道問題調整室のそれぞれの長が安保理に対してブリーフィングを行なった後、安保理議長は報道声明において、アンゴラで活動する人道援助機関の努力を賞賛するとともに、人道アピールに対するドナーの対応が鈍いことについて懸念を表明した。
  • UNAMETスポークスマンによれば、東チモールの民兵組織の活動が激しさを増している。これは、明らかに、民兵たちによる住民に対する脅しであり、住民たちを有権者登録場所から追い出すことをねらったものである。
  • 人道問題調整室の欧州地域担当主任Sergio Piazzi氏によれば、トルコ大地震の被災者たちに対して、国連システムは現在、支援活動を拡大している。
  • イラク石油食糧交換プログラムの90日毎の再検討結果について、アナン事務総長は報告書(S/1999/898)を安保理に提出した。同報告書によれば、現在の価格および石油量を考ると、イラクは、現在の第5期(5月25日―11月21日)に、約63億ドル相当の石油を輸出する能力を有している。これは、承認された52億ドルを約10億ドルも上回る額であるが、イラクの人道状況向上を目的として、安保理はこの上限額について再検討する以降を示している。
  • コソボ暫定協議会の第2回会合が21日、プリシュティナで行われた。アルバニア人・セルビア人両政治指導者は治安状況、再建活動、広範な経済措置について話し合った。
  • 国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(UNOGBIS)は現在、今年11月28日に予定されたギニアビサウの国民議会選挙および大統領選挙に向けて、選挙人口調査のための技術支援を行っている。
  • UNHCRは、シェルター・キットの受け取りを拒否しているコソボの人々に対して、このキットが冬季前に提供できる再建援助物資としては最後のものになるかもしれないと強調し、それぞれの家で少なくとも一つの部屋を暖かく風雨に耐えるものに準備しておくために、キットの材料を最大限利用するよう促した。UNHCRが受けた報告によれば、多くの人々が、後日家を立てなおすときにより大きなパッケージが入手できることを期待して、今回のキットの受け取りを拒否している。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の発表によれば、UNMIK警察はプリシュティナにおける法律と秩序について、主要な責任の引き継ぎを開始した。同警察は、刑法の執行について調査権限および管轄権をもち、調査実施、犯罪者逮捕、コミュニティーとの調整を行っていく。
  • UNEPおよびHabitatの合同タスクフォース(BTF)が、バルカン半島における紛争のドナウ川に与えた環境損害の評価を開始した。Novi Sadの石油精製所、Pancevo工業地帯、KragujevacのZastava自動車工場近くの支流など、ユーゴスラビア連邦共和国のひどく汚染された場所で、沈殿物や土壌を収集している。
  • ILO報告書“Decent Work and Protection for All: Priority of the Americas”によれば、ラテンアメリカおよびカリブ地域において失業率が急速に高くなっており、今年、普通労働者の失業率は約10%にのぼるであろう。これは、1980年代の対外債務危機の時代を上回る失業率である。

1999年8月20日

  • トルコ大地震に関して、アナン事務総長は声明を発表し、国連が広範な国際活動を調整する用意があると述べ、また各国政府および自発的機関に対して、今後、その救済活動を拡大するよう求めた。
  • 安保理は決議1260を全会一致で採択し、国連シエラレオネ監視団(UNOMSIL)を暫定的に拡大し、軍事監視員を上限210人まで増員した。
  • 国連東チモール・ミッション(UNAMET)のスポークスマンによれば、東チモールにおいて、残留派民兵が独立派の集会に参加する人々や、UNAMETの軍事連絡要員に攻撃を加えるなど、暴力事件が依然として続いている。
  • コンゴ民主共和国の停戦協定の実施をはかるため、これまでに25カ国が同国内部および周辺に派遣される軍事連絡要員を提供することを約束した。平和維持活動担当事務次長補Hedi Annabi氏は、安保理に対するブリーフィングにおいて、財政的コストの承認後、まず軍事要員および文民支援要員がKinshasa、KigaliとKampalaに展開される、と述べた。これら要員は、最終的には、7月10日のルサカ合意の全署名国の首都に派遣される。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は、GnjilaneのKFOR治安部隊司令官、およびFerizajeの現地職員と会談し、治安状況および行政再建活動について話し合った。
  • WFPは、ソマリア南部において100万を超す人々が今年、深刻な穀物不作により、人道的危機に直面すると、警告を発した。
  • ユニセフによれば、ますます多くの10代の子どもたちが――14歳程度の子どもも含めて――、アフガニスタンの内戦において兵員として戦うため、パキスタンからアフガニスタンに送られている。

1999年8月19日

  • アナン事務総長は、ブルンジにおける最近の反政府勢力および政府軍による暴力事件について、強く非難。特に、ブジュンブラのKanyoshaおよびRuzibaにおいて、それぞれ10日と12日、反政府勢力と政府軍の双方の攻撃によって多くの罪のない市民が殺害されたことに衝撃を受けた、と述べた。
  • 東チモール事務総長特別代表Ian Martin氏はディリで記者会見し、東チモールの治安情勢が依然として深刻に懸念すべき状況にある、と述べた。今週前半、同氏は、残留派民兵と独立支持者が最近衝突した同地の3つの場所を視察訪問した。
  • 安保理は議長声明を発表し、タジキスタンの一般的和平合意の実施において大きな進展があったことを歓迎し、当事者たちに対して、憲法改正に関する国民投票ならびに大統領及び議会選挙を可能な限り早急に実施するよう奨励した。
  • 国連は現在、先月調印されたコンゴ民主共和国停戦協定の当事者による実施を支援する事務総長の計画の一環として、90人の軍事連絡要員および文民要員を展開するための準備を進めている。
  • 安保理議長は報道声明において、事務総長がアンゴラに国連事務所を新設する準備を開始する意向を示したことについて、理事国が歓迎の意を表明した、と述べた。
  • トルコ政府によれば、同国で17日起こった大地震の死者数は6,350人、負傷者は2万7,000人、そして推定3万5,000人が依然、瓦礫の下敷きとなっている。現在、イスタンブールにおいて国連災害援助専門家10人が活動しているが、さらに多くの専門家が派遣される予定。
  • UNEPとHabitatの合同タスクフォースは、最近のバルカン半島における紛争がドナウ川の環境に及ぼした影響に関する調査に着手する。同タスクフォースは23日にブタペストを出発し、一週間かけてドナウ川をユーゴスラビア連邦共和国まで下る予定。
  • 国連人道問題調整室(OCHA)によれば、ボリビアのアセンシオン・デ・グライヨスで先週発生した森林火災によって、いくつかの小さな町が影響を受け、数千の人々が家を失った。現在のところ、ボリビア政府から国際援助の要請はない。

1999年8月18日

  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏およびKFOR司令官Mike Jackson氏はプリシュティナで記者会見し、コソボにおいてマイノリティーに対する脅迫や殺害が続いていることを非難した。また、これらマイノリティーのコミュニティーを保護するため、広範にわたる措置を講じている、と述べた。
  • 東チモールのViquequeにおいて先週、暴力事件が発生したことを受けて、東チモール事務総長特別代表Ian Martin氏、インドネシア・タスク・フォースの委員長Agus Tarmidzi氏がViqueque、Suai、Malianaを訪問した。Malianaにおいては、昨夜と今朝、残留派民兵と独立支持者が衝突し、数人の負傷者がでた。
  • ソマリア情勢に関してアナン事務総長が安保理に提出した報告書が発表された。事務総長は、ソマリアの現状をみると、現在、国連が同国における役割を拡大するのに適切な時期にある、と述べた。
  • トルコ北西部で17日、大地震が発生し、数千人が死亡し、数万人が家を失ったのを受けて、国連災害管理チームはニーズ評価を行うため、イスタンブールへと向かった。
  • コソボ暫定協議会の第2回会合が、21日に開催される。第1回会合に欠席したコソボ民主連盟のIbrahim Rugova氏も出席する予定。
  • アフガニスタンのShamali峡谷における戦闘を逃れ、避難民となった人々に対して、国連の援助活動が続けられている。国連アフガニスタン調整官室によれば、3万から4万の人々が8月はじめ以来、自らの家を離れ、カブールへと逃れた。

1999年8月17日

  • アナン事務総長は、トルコ北西部で発生した地震により生じた生命の悲劇的損失に深い悲しみを表明。またトルコの人々に対して、国連が救済復興援助を行う意向であることを保証した。
  • アフガニスタンにおいて、タリバンが北部同盟に対して最近仕掛けた襲撃の結果として、市民たちが強制追放されていることについて、アナン事務総長が非難声明を発表。Shamali Plainの住民たちおよびカブールの避難民たちに対して人権および国際人権法の広範な侵害が行われていると報じられていることに、驚きと深い遺憾の意を表明した。
  • 安保理理事国は報道声明において、コンゴ民主共和国の全当事者に対して、戦闘を停止し、先月の停戦協定を遵守するよう要求した。理事国は、報道によればルワンダ・ウガンダとコンゴ反政府勢力の兵士たちが、同国北部のKisanganiにおいて戦闘を開始したことに深刻な懸念を表明した。
  • 国連政治局・選挙部部長のCarina Perilli氏は国連本部で記者会見し、東チモール住民投票(8月30日)の有権者登録数が、大方の予想を上回る高い数字となった、と述べた。同氏によれば、東チモール内外で、計45万1,792人が有権者登録をした。
  • 国連は、コソボの州都プリシュティナの公共サービス再建を活性化させるため、同州都において健康衛生分野に従事する労働者への賃金支払いを開始した。これらの労働者2,000人以上は、数ヶ月間賃金の支払いを受けていなかったが、コソボ文民行政の再建のために設置された国連信託基金から、臨時の支払いを受けることになる。
  • UNHCRスポークスマンJudith Kuminはジュネーブで記者会見し、コソボのセルビア人に対する暴力が続いていることに懸念を示し、攻撃の危険にさらされているセルビア人たちを避難させるなど、現在では保護的措置をも講じている、と述べた。
  • UNMIBHスポークスマンKelly Moorによれば、旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の派遣する法医学チームがボスニア・ヘルツェゴビナ北西部において、新たに集団埋葬地を発見した。つい先週、別の法医学チームが、ボスニア北西部のもうひとつの集団埋葬地において約250の遺体を発見している。
  • WFPが、スーダン南部で飢えている何千もの人々に対して食料援助の提供を再開した。3ヶ月前、食料を積んだWFPの船が攻撃され、一人が死亡し、2人が負傷して以来、Upper Nile地区のSobat川に沿う地域の人々への食料援助は一時中断していた。

1999年8月16日

  • コンゴ民主共和国において、週末から反政府勢力間の戦闘が続いている。この戦闘には、ウガンダおよびルワンダの兵力が関与していると伝えられる。アナン事務総長は声明を発表し、この戦闘の即時終結を促した。また、8月8日から20日までの期間は、全当事者が、1,000万人の子供たちへのポリオ・ワクチン投与のために休戦することを約束していたことを指摘し、この戦闘が同期間中に発生したことについて受け入れがたい、と述べた。
  • アナン事務総長は、タジキスタンの情勢に関して安保理に宛てた報告書を発表。同報告書によれば、タジキスタンの当事者の間で、一般的和平合意の主要規定の実施において、かなりの進展がみられる。事務総長は、今こそ、同国政府とタジキスタン統一反政府勢力(UTO)がその他の当事者やグループに対して対話の輪を広げ、同国社会を構成するすべての人々の参加を可能にすべきである、と述べた。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は15日、コソボで現在適用されている法的枠組みや法律を再検討し、国際基準に合わないすべての条項を削除する意向を表明した。
  • 東チモール事務総長個人代表Jamsheed Marker氏はディリで記者会見し、東チモールの治安状況が改善しており、またインドネシアおよび東チモールの政治指導者が、平和的雰囲気のなかで、来たる住民投票の実施のために取り組んでいる、と評価した。
  • アフガニスタン調整官室によれば、カブール北部の前線近辺のShamali峡谷において、約1万の人々が自らの家を追われている。カブールにたどり着いた人々によれば、タリバン戦闘員たちが住民たちを追放し、家に火を放っている。
  • 国連、NGO職員のほとんど全員がリベリア北西部のロファ川上流の地域から無事脱出した。先週、同地で戦闘が発生し、これら100人以上の安否が懸念されていた。
  • WHOによれば、米国から開発途上国に寄付される医薬品の多くが、現地のニーズに合致せず、また貯蔵寿命が短い。寄付される医薬品のうち約30%の貯蔵寿命は1年以下であり、6%は100日以下。また10%から42%は、寄付される国にとって必須の医薬品でもなく、またWHOの必需医薬品モデルリストに掲載されてもいない。

1999年8月13日

  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は昨夜、第2番目の規則(Regulation)を発表し、KFORおよび国際警察官に対して、憎しみを煽るような演説やその他の挑発的行動を行う人々を立ち退かせる権限を与えた。これは、Mitrovicaにおける緊張状態が最近、外部から着た扇動者によって高められたことに鑑みて、暴力を回避し、公共の治安を確保するための予防的措置として考えられた。
  • UNHCRがコソボに復帰してから2ヶ月が過ぎた。現在、およそ75万人のコソボ難民が故郷に無事帰還した。
  • アナン事務総長は、リベリア北部において3日前、援助団体の職員9人が武装グループによって誘拐、拘束された事件について深い懸念を表明。この武装グループに対して、すべての人質を即時・無条件解放するよう求めた。
  • 国際刑事裁判所のための準備委員会の第2会期が終了。委員長のPhilippe Kirsch氏は国連本部で記者会見し、同準備委員会が、手続き・証拠に関する規則、犯罪の要素に関する交渉において、大きな進展をみせた、と述べた。なお同裁判所は60カ国の批准により設立されるが、現在のところ批准したのは4カ国のみ。
  • コフィー・アナン事務総長は西サハラ住民投票の準備状況について新しい報告書を発表。それによれば、今年前半の外交的進展により、身元確認プロセスが6月中旬に再開し、国連活動の開始から現在までに、およそ15万5,000人以上の身元確認が済んだ。
  • アナン事務総長は安保理議長に宛てた書簡(S/1999/871)において、アンゴラの人々が和平を回復するのを支援するために、同国に国連事務所を早急に設置するための実際的な準備を開始する意向を示した。
  • 東チモール住民投票キャンペーン開始日の前日、インドネシア、ポルトガル、国連の3者がジャカルタにおいて、投票終了後から投票結果の実施にいたるまでの期間中のUNAMETの役割に焦点を当てた協議を続けた。
  • 国連シエラレオネ監視団(UNOMSIL)に関する報告書(先月提出)の追加文書において、アナン事務総長は、UNOMSIL暫定的拡大のための経費として、2000年6月30日までの10ヶ月間で全額2,430万ドルが必要となる、との見積もりを示した。
  • アナン事務総長は、タジキスタンの最高裁判所が12日、United Tajik Opposition(UTO)に所属する政党を合法化する決定を下したことに歓迎の意を表明した。
  • UNEP、WHO、IAEA、スウェーデン放射線研究所でつくる合同グループが、8月3日以来、NATOがユーゴ連邦共和国において使用した劣化ウラン弾に関する調査を続けている。
  • 中央アフリカ共和国の選挙委員会が12日、同国の大統領選挙(第1回目)の実施を9月12日(当初は8月29日実施予定)まで延期することを発表。第2回目の選挙が必要となった場合、それは3週間後の10月3日に実施される。国連スポークスマンは、この延期に関して、国連中央アフリカ・ミッションの任期が切れる11月15日までに同大統領選プロセスが完了することを期待する、と述べた。
  • 国連エイズ合同プログラム(UNAIDS)の事務局長Peter Piot氏はワルシャワで、第9回エイズ感染者国際会議に出席し、演説。エイズとの闘いにおけるエイズ感染者の一層の関与を求めた。

1999年8月12日

  • 人道援助の必要が危機的なレベルに近づいているアフリカで発生する紛争および自然災害の被害者の苦境に対して、国際社会が十分な対応をしていないことについて、アナン事務総長は警告を発した。1999年、同大陸で援助を必要とする1,200万の人々に対して支援を提供するため7億9,600万ドルが必要とされるが、現在、国連人道機関およびそのパートナーに対して拠出されたのは、そのうち3億5,200万ドルのみである。
  • ジュネーブ条約の50周年記念式典において、アナン事務総長は、この画期的な条約の遵守を確実なものとするため、国際的な決意およびコミットメントの継続の必要性を強調した。
  • アナン事務総長はジュネーブで記者会見し、セルビア系であるか、アルバニア系であるかに拘わらず、コソボのすべての住民は、共存することを奨励されなければならない、復讐を求めることを奨励されてはならない、と述べた。そして、「明らかに、正義は必要であるが、復讐は正義ではない」と訴えた。
  • スポークスマンFred Eckhard氏によれば、コソボにおいて国連文民警察は厳しい課題に直面しており、そのため、警察官候補者たちに求められる要件も非常に厳しくなっている。コソボにおける責任がかつてなく大きくなっており、国連文民警察官は、「世界の最も物騒な都市に匹敵する状況で、武器を使用することになる可能性もある」。
  • ルワンダ国際犯罪法廷は10日、ルワンダの元家族・女性問題担当大臣Pauline Nyiramasuhuko氏を、レイプの罪で起訴した。同法廷が、女性をレイプの罪で起訴したのは初めて。同氏はすでに、ジェノサイドやジュネーブ条約違反などで起訴されていたが、同法廷は、今回、その起訴内容を修正し、政治的、民族的、人種的理由を根拠とした市民に対する広範かつ組織的攻撃の一環としてレイプを利用した責任を加えた。なお、同氏は、国際犯罪法廷によって起訴された初めての女性でもある。
  • 国連児童基金(ユニセフ)の報告によれば、イラク中・南部において、5歳未満の子どもの死亡率が10年前に比べて、2倍以上に上っている。同基金は、国際社会に対して、イラクにおける人道活動のため追加的資金を拠出するよう提案した。
  • 国連開発計画(UNDP)およびCisco Systemsが組織するグローバル・コンサート“NetAid”に、世界的に有名な歌手Celine DionさんやPete Townsendさんも加わることが発表された。このコンサートは、開発途上国における貧困との闘いに対する人々の意識を高め、資金援助を集めることを目的として、10月9日、米国、ロンドン、ジュネーブで同時開催され、ラジオ、テレビ、インターネット(http://www.netaid.org)で放送される。
  • FAOの報告書“Commodity Market Review”によれば、開発途上国がこの1年間に1次産品の輸出で得た収入額は、前年度に比べて46億ドルあるいは6%減少した。この収入減少の主要原因となったのは、砂糖、綿、ゴムである。

1999年8月11日

  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の報道官Nadia Younes氏によれば、UNMIKはコソボの法執行プレゼンスを高めるため、さらなる措置を講じ、本日、州都プリシュティナをパトロールする国際警察官の数を、昨日の2倍の60人以上に増やした。
  • UNHCRによれば、プリシュティナのセルビア系住民に対する襲撃事件が増えており、同住民約2,000人の状況は過去数週間で、著しく悪化した。
  • 東チモールにおいて、2人の学生が銃で撃たれ、死亡した。スポークスマンFred Eckhard氏によれば、この銃撃事件は、東ティモール民族抵抗評議会の事務所(Vikeke)に集まっていた学生に対して行われたもので、明らかに、民兵およびインドネシア軍兵士による襲撃である。
  • アナン事務総長は、コンゴ民主共和国の周辺地域への国連軍事要員の派遣を開始することを決定した。(6日、安保理は、7月10日の停戦合意に署名したアフリカ6カ国の首都に、上限90人の国連軍事連絡要員を派遣することを全会一致で採択した。)
  • 安保理は決議1259を全会一致で採択し、旧ユーゴおよびルワンダ国際犯罪法廷の主任検察官として、スイスの検事総長Carla Del Ponte氏を正式任命した。同氏は、Louise Arbour氏の後任として、9月15日、同ポストに就任する。
  • 安保理は、事務総長特使Mohamed Sahnoun氏から、エチオピア・エリトリア紛争の交渉解決に向けた進展状況について、ブリーフィングを受けた。ブリーフィング後、安保理議長は報道声明を発表し、理事国が両国間の和平合意実施のため、適切な支援を講じる意向があることを再確認した、と述べた。
  • アフガニスタンにおいて、国連は、カブール北部の前線近辺で最近発生した戦闘により避難民となった人々に対して、限定的な食糧援助を開始した。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷は、7人の拘留者に対する弁護士提供(無料)を停止することを決定した。この7人は、逮捕された当初、法的援助を受けるために十分な手段を有していないという理由で、弁護士をつけられたが、報道によれば、現在、“Croatian Prisoners in The Hague”という団体から資金援助を受けている。

1999年8月10日

  • アナン事務総長は、インド空軍によるパキスタン機撃墜事件の発生後、人命が失われたことについて遺憾の意を表明した。スポークスマンを通じて発表された声明において、事務総長は、インド・パキスタン両国の間で繰り返し発生する事件についてますます懸念を強めていると述べ、両国に対して、平和的手段により対立を解決するよう求めた。
  • シエラレオネ(Ocra Hills)において、反政府勢力により一週間拘束されていた人質が、無事解放された。アナン事務総長は、人質が解放されたことに対して、歓迎の意を表明するとともに、すべての関係当事者に対して、シエラレオネで活動する国連およびその他の国際要員の安全を尊重し、このようなことが二度と繰り返されることのないよう手段を講じることを求めた。
  • 4つのジュネーブ条約採択50周年(8月12日)にあわせて、アナン事務総長は、本日刊行されたBulletinにおいて、国連の指揮下で活動する国連平和維持軍に適用されるべき国際人道法の基本的原則および規則を打ち出した。同原則は、文民の保護、戦闘の手段・方法、拘留された人々の取り扱い、負傷者、病人、医療・救済援助要員の保護などについてカバーする。
  • アナン事務総長は安保理に対する報告書において、東チモール住民投票の終了後から投票結果の実施にいたるまでの移行期間における、UNAMETの再編成を勧告。投票結果がどうであれ、同領土における信頼構築、安定支援のため、また投票において少数派となった人々を含め、すべてのグループが将来の政治的生活で果たすべき役割を負っていることを確信させるため、国連はその活動を倍加しなければならない、と述べた。そして再編成の一環として、UNAMETの文民警察官を410人に増員するよう勧告した。
  • UNHCRスポークスマンJudith Kumin氏はジュネーブで記者会見し、コソボ難民100万人のうち4分の3以上――ほとんどがアルバニア人――が故郷に帰った一方で、数多くの非アルバニア人がコソボを離れている、と述べた。同氏の発表によれば、セルビア人およびロマ族など17万9,000人が、セルビアの他の地域あるいはモンテネグロに流出している。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷の派遣した法医学チームはボスニア北部の集団埋葬地において、合計約250の遺体を発見し、先週末に作業を完了した。これらの遺体は、同法廷の遺体保管所に移送され、証拠として残すため、写真撮影し、リストに掲載し、分析される。
  • アフガニスタンで、イランの外交官8人およびジャーナリスト1人がタリバンによって殺害されてから1年が過ぎた。イラン外務大臣はアナン事務総長に対して、この事件に関して、タリバンの調査は全く進んでいない、と通知した。
  • コンゴ民主共和国において、1,000万人の子どもたちにポリオ・ワクチンを投与するため、複数の国連機関が準備を開始している。同国の紛争当事者たちは、効率的なワクチン投与が今週末に開始することを可能にすべく、戦闘を停止すること合意した。

1999年8月9日

  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の4部門の代表がプリシュティナで合同記者会見し、文民行政、人道問題、制度建設、再建における進展状況について、それぞれ報告した。
  • 事務総長付きスポークスマンFred Eckhard氏によれば、UNMIKがコソボの公務員に対して、臨時の給与支払いを開始した。当面、39人の裁判官、検察官、関税職員がUNMIKから、給付金の形で、給与の支払いを受ける。今後、国際社会からの財政的支援により、最終的に約5万人の公務員の給与支払いを行っていかなければならない。
  • 東チモールの独立派および残留派の双方が、8月30日の住民投票までの選挙運動期間のための行動綱領に署名した。同綱領は、両当事者に対して、政治的暴力や威嚇を回避、非難し、また他者による挑発にあった場合、それに直接対応せずに、インドネシア警察およびUNAMETに報告することを義務づけている。
  • 「世界の先住民の国際デー」。アナン事務総長はそのメッセージにおいて、各国政府が、何世紀にもわたって逆境のなか生きてきた世界の先住民に対して、よりよい未来を約束するよう訴えた。
  • FAOが発表した報告書は、アフリカのサハラ砂漠以南に生活する、1,000万近くの人々が、緊急食糧援助を必要としている、と指摘した。
  • クロアチア政府は、ボスニア・ヘルツェゴビナの民族浄化に関与した容疑者2人のうち、“Stela”として知られるVinko Martinovic氏を、旧ユーゴ国際犯罪法廷(ICTY)に引き渡した。ICTYの主任検察官Louise Arbour氏は、クロアチア政府の行動を称えたが、同時に、昨年12月、Martinovic氏とともに起訴したMladen Naletilic氏も引き渡すよう要求した。
  • 第5回国際海底機構が、キングストン(ジャマイカ)で開始。

1999年8月6日

  • 安保理は決議1258を全会一致で採択し、コンゴ民主共和国に関する停戦協定の署名6カ国(コンゴ民主共和国、アンゴラ、ナミビア、ウガンダ、ルワンダ、ジンバブエ)の首都に、上限90人の国連軍事要員を3ヶ月間駐留させることを決定した。
  • コソボの国連警察長官Sven Fredericksen氏はプリシュティナで記者団に対して、国連警察官が今週末からプリシュティナで巡回を開始する予定である、と述べた。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は、そのプリシュティナ地域文民行政事務所を庁舎に移動させた。同要員は今後、UNMIKおよびKFORの監視の下、コソボ人職員のパートナーとして、勤務する。
  • UNHCRによれば、マケドニア政府が7月中旬からコソボへ輸送される人道援助物資に通過料金を課すことをやめると発表し、これにより、同国を通過してコソボに入る援助の流れが始まった。
  • アナン事務総長は、スーダン政府が同国全土における70日の包括的停戦を発表したことについて歓迎の意を発表。この停戦により、人道援助物資が、深刻に援助を必要とする地域に届くようになる。
  • アフガニスタンで最近発生した紛争により数万の避難民が発生しているなか、アナン事務総長は戦闘当事者に対して、意味のない自己破壊行為をやめ、国連の下、真剣に交渉を再開するよう求めた。
  • アナン事務総長は、スイスのAttorney-Generalを務めるCarla Del Ponte氏を、Louise Arbour氏の後任として、旧ユーゴ国際犯罪法廷の主任検察官に任命するよう安保理に勧告した。
  • シエラレオネのOcra Hillsで、国連チームの要員が反政府勢力により、拘束されてから、3日間が過ぎた。その間、司教、国連スポークスマン、軍事要員3人、ロイター通信記者、人権担当官だけは、解放された。
  • FAOは、穀物が収穫後に消費者のテーブルに届くまでの効率性を高め、その間の損失を最小限にすることを支援するため、国際研究機関のグローバル・フォーラム-モPhActionモ-が設置された、と発表した。10機関がこのフォーラムに参加し、穀物の収穫後情報のシステムを開発し、その研究の向上をはかっていく。

1999年8月5日

  • 安保理議長の報道声明によれば、安保理理事国は、アフガニスタンのタリバンの最近の大規模な軍事攻勢、市民に対する暴力行為を非難するとともに、タリバンがこの攻撃を即時中止し、国連の後援の下、政治的交渉を再開するよう求めた。さらに、こうした事態に影響を及ぼすため、安保理理事国が追加的措置を講じる用意があることを示した。
  • アナン事務総長は、シエラレオネの武装反政府勢力に対して、100人の子供たちとともに拘禁された国連の軍事・文民要員のグループを即時に解放するよう促した。(4日、誘拐された子供たちを解放するため、国連シエラレオネ監視団(UNOMIL)のチームがECOMOGの護衛を受け、同国の首都フリータウンから70キロ離れたOcra Hillsを訪れたところ、反政府勢力は全員を拘束、人質全員の解放条件リストを提示した。)
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は4日、コソボ民主同盟(LDK)の指導者Ibrahim Rugova氏およびコソボ解放軍(KLA)の指導者Hashim Thaci氏と会談。RugovaおよびThaci両氏はKouchner氏に対して、次回のコソボ暫定協議会(9日に予定)に参加することを約束した。
  • UNEPとHabitat合同のバルカン・タスクフォースによってコソボおよびセルビアに派遣された科学者チーム団長、Pekka Haavisto氏が、国連本部で記者会見。同チームが7月末、NATO空爆によって最もひどい被害を受けた工業地域を10日間にわたって視察した結果、同地域の環境に対して深刻な影響がみられ、また人間の健康に対して潜在的な脅威が存在することが判明した、と述べた。そして同氏は、コソボおよびセルビアで発見された有毒・有害化学物質が、地下水汚染を引き起こしたり、施設の再建作業に着手している作業員たちの健康に対して影響を与えたりしないよう、即時に適切な措置を講じる必要性を強調した。
  • 東チモール住民投票のための有権者登録において、UNAMETの要員を巻き込んだ治安妨害事件が2つの選挙地域(SuaiとMaliana)において発生したが、登録作業は全体として、順調に進んでいる。3日現在、42万8,180人が有権者登録を済ませた(東チモール内では、41万6,812人)。
  • アナン事務総長は4日、国連本部で、「核不拡散・核軍縮に関する東京フォーラム」の共同議長、明石康氏と会談した後、報道声明を発表し、同フォーラムの報告書「核の危険に直面して-21世紀への行動計画-」に盛り込まれた提言に対して、歓迎の意を示した。

1999年8月4日

  • 安保理理事国は、シエラレオネの深刻な人道状況を強調し、アナン事務総長の打ち出した国連シエラレオネ監視団(UNOMSIL)強化案に対して積極的な対応をすべく緊急に行動する意向を示した。
  • 米国とロシアからあわせて約200人の警察官がUNMIKに加わるべく、コソボの州都プリシュティナにまもなく到着する{ロシアから69人(4日)、米国から116人(5日)}。また週末には、デンマークからも、200人が到着する予定。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は、MitroviaのSuvido近郊の集団埋葬地を視察。その後、記者団に対して、法医学専門家チームの活動について、「彼らの調査は、人権のための闘いにおいて、また二度とこうしたことが起こらないようにするため、不可欠である」と述べた。
  • メアリー・ロビンソン人権高等弁務官は、コソボにおいて引き続く殺害、誘拐、財産の破壊、復讐行為の終わりを求めた。そして加盟国に対して、コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchnerが法の支配、人権の尊重の回復をはかるうえで必要とする支援を提供するよう訴えた。
  • 事務総長スポークスマン、Fred Eckhard氏は、ヒューマン・ライツ・ウォッチが3日コソボのセルビア系住民およびロマ族に対する人権侵害に焦点を当てた報告書を発表したことについて、コソボのマイノリティーを一層保護する必要性に関するその見解は適切である、と歓迎の意を表明した。
  • 東チモール事務総長特別代表Ian Martin氏はディリで記者団に対して、東チモール住民投票の参加者を可能な限り確保するため、有権者登録期間を2日間延長する、と発表した。東チモール内の登録センターでは6日(金)まで、インドネシア、ポルトガル、オーストラリアなど東チモール外のセンターでは8日(日)まで、登録を受け付ける。
  • 小火器に関する政府専門家グループが、新しい報告書を発表し、小火器や軽兵器の生産、拡散、使用と闘うために、各国および国連システムの取るべき措置を勧告した。
  • アフガニスタンにおける最近の紛争によってパンジシエール渓谷に追われた数万の人々に対して、国連機関は現在、人道援助を提供すべく準備している(UNHCR発表)。
  • アナン事務総長は、タジキスタン統一反政府勢力(UTO)が武装解除すると正式に宣言したことに対して、歓迎の意を表明した。
  • WFPは、紛争で破壊されつくしたアンゴラの町、Malangeで、飢えている人々に対して、食料援助活動を開始。この町を先週視察したWFP職員によれば、その状況は危機的なものであり、毎日、飢餓が原因で、3人から4人が死んでいると思われる。

1999年8月3日

  • 安保理は決議1257を全会一致で採択し、国連東チモール・ミッション(UNAMET)の任期を9月30日まで1ヶ月延長した。
  • UNHCRスポークスマン、Kris Janowski氏はジュネーブで記者団に対して、コソボ難民85万人のうち90%近くが帰還したことにより、人道援助物資が円滑に提供されることが一層重要となっている、と述べた。マケドニア政府が7月中旬以降、同国を通過するすべてのモノに対して関税を課しはじめたことによって、UNHCRの援助提供活動が難しくなったことに懸念を示した。
  • アンゴラの反政府勢力UNITAに対する制裁を監視する安保理委員会が、制裁違反について調査するために任命された、2つのパネルの委員を承認した。一つは、UNITAの収入源や石油供給源について調査するパネルであり、議長はスウェーデンのAnders Mollander大使が務める。もう一つは、UNITAに対する軍事支援の提供元について調査するが、ボツワナのOtisitswe Broza Tiroyamodimo大佐が議長を務める。
  • UNHCRは、「タミル・イーラム解放の虎」として知られるゲリラ・グループ、LTTEの支配下にある、スリランカ北部の市民30万人の苦境に対して、深い懸念を表明した。6月下旬、Vanni地域へのアクセス・ポイントが閉鎖されて以来、これらの市民たちは、人道援助を受けていない。
  • 安保理は決議1256を全会一致で採択し、デイトン和平合意の実施において主要な役割を担う文民職員の長である、ボスニア・ヘルツェゴビナ高等代表として、Wolfgang Petritsch氏の任命を追認した。7月12日、同氏は、Carlos Westendorp氏の後任として、ボスニア・ヘルツェゴビナに関する和平実施協議会の運営委員会によって任命された。
  • 今年4月逮捕された、1994年当時のルワンダの閣僚3人が先週末、アルーシャ(タンザニア)にあるルワンダ国際犯罪法廷の拘置施設に移送された。この3人は、元外務大臣Jerome Bicamumpaka氏、元商工業大臣Justin Mugenzi氏、元行政事務大臣Prosper Mugiraneza氏であり、元保健衛生大臣Casimir Bizimungu(すでにアルーシャに拘禁中)とともに、ジェノサイドや人道に対する罪で、共同で告発されている。

1999年8月2日

  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏が、コソボの州都プリシュティナの郵便電気通信ビル(PTT)の業務を再開。400人が職員に復帰し、今年3月以来、ほとんど機能していなかった郵便・電気通信事業の復旧に着手する。また先週末、UNMIKは、通関手続きを再開するため、マケドニアおよびアルバニアとの国境線沿いに警官を配置した。
  • 特別代表Bernard Kouchner氏は、セルビア正教会が7月31日に爆破された事件を非難し、翌8月1日、繰り返される暴力と復讐を終わらせるよう訴えた。
  • Bernard Kouchner氏付きスポークスマンによれば、コソボで発見された集団埋葬地に埋められた死体の数については、まだ確かな情報は得られていない。コソボ事務総長特別代表Kouchner氏が1日、ロイター通信とのインタビューで、1万1,000人という具体的な数字をあげたが、これは、現時点で多くの人々によって推計される数字として述べたものであり、旧ユーゴ国際犯罪法廷(ICTY)によって確認された数字ではない。
  • アナン事務総長は1日、安保理に対して報告書を提出し、シエラレオネ政府と反政府勢力との間で7月7日に署名されたロメ和平合意の実施を支援するため、国連シエラレオネ監視団(UNOMSIL)を拡大、強化するよう勧告した。
  • 国連東チモール・ミッション(UNAMET)のスポークスマン、David Wimhurst氏は、ディリで行った記者ブリーフィングにおいて、7月末現在、8月30日住民投票のための有権者登録を済ませた人々は、37万8,000人(推計有権者総数は、40万人)を超えた、と発表した。
  • 経済社会理事会が7月30日、貧困の根絶に焦点を当てた一連の措置について合意し、実質会期を終了。この後、経社理は9月16日、ニューヨークで再開し、残る議題について審議する。
  • アナン事務総長は、コロンビアにおいて過去数週間、暴力が拡大し、生命も失われていることに憂慮を表明し、全当事者に対して、和平交渉に参加するよう促した。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷の主任検察官Louise Arbour氏は、ボスニアのセルビア軍指導者の一人、Radomir Kovac氏(1996年起訴)が逮捕されたことに対して、歓迎の意を表明した。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ事務総長特別代表(Special Representative of the Secretary-General and Coordinator of United Nations operation in Bosnia and Herzegovina)として、Jacques Klein氏が着任(前任者は、Elizabeth Rehn氏)。

1999年7月30日

  • アナン事務総長は、南東欧州安定化サミットに対してメッセージを送り、バルカン半島における紛争の地域的原因に焦点を当てることが、永続的平和と安定のための枠組みづくりを助けるであろう、と述べた。同サミットは30日、地域的平和と安定をたかめるための措置の概要を示す、15項目宣言を採択して終了した。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は、南東欧州安定化サミット閉幕後、サラエボで記者団に対して、国連暫定行政ミッション(UNMIK)はコソボにおいて唯一の政府である、と語った。
  • 報道によれば、コソボ民主同盟(LDK)の指導者、Ibrahim Rugova氏がプリシュティナに戻っている(UNMIK発表)。UNMIKスポークスマンは、Rugova氏が戻ったことを歓迎するとともに、コソボ暫定協議会への参加に期待する、と述べた。
  • 安保理は決議1254を全会一致で採択し、国連レバノン暫定軍の任期を、来年1月末まで6ヶ月間延長した。また議長声明において、南レバノンで引き続く暴力に懸念と、文民の生命が失われたことに遺憾の意を表明し、全当事者に対して自制を求めた。
  • 安保理は決議1255を全会一致で採択し、国連グルジア監視団(UNOMIG)の任期を、来年1月31日まで6ヶ月間延長した。
  • UNHCRは、インドネシア政府の要請に応じ、東・西チモールに職員を配置し、避難民の増大に対処している。
  • 安保理理事国は報道声明を発表し、今月初めにアルジェで開催されたOAUサミットに出席したアフリカ指導者たちの示した新たな精神と進歩に歓迎の意を示した。そしてOAU、およびその議長を務めるアルジェリア大統領Abdelaziz Bouteflika氏に対して、アフリカ大陸が直面する数多くの紛争やその他の課題を解決するための努力を続けるよう奨励した。
  • ソマリアの南部・中部地域において、紛争の拡大、乏しい収穫、疾病のため、100万の人々が、厳しい食料不足に苦しんでいる。政治問題担当事務次長補Alvaro de Soto 氏が、ソマリアの状況について、安保理にブリーフィングした。
  • メキシコ政府は、同国上院が1951年ジュネーブ難民条約および1967年議定書を批准するよう要請する予定(UNHCR発表)。同国内務省・外務省職員が29日、メキシコ・シティーで行った緒方難民高等弁務官との会談において、明らかにした。

1999年7月29日

  • オルブライト米国務長官が、コソボの州都プリシュティナを訪問し、コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏と会談。同長官は、UNMIK活動の立ち上がりについて、とても順調に運んでいる、と評価した。
  • コソボにおける警察要員の展開が、予定どおり進んでいる。過去2日間に、スウェーデンから37人、バングラデシュから101人の警察官がプリシュティナに到着。現在、UNMIKの警察官は合計で、372人となった。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は、事務総長特使のCarl BildtおよびEduard Kukan両氏とともに、バルカン半島地域の平和と安定について話し合う会議、Stability Pact Summit(29‐30日、サラエボ)に参加する。
  • 対アンゴラ制裁監視委員会の委員長、Robert Fowler大使(カナダ)が、安保理・公開会合において、ブリーフィングを行った。同制裁措置の実行性を高めるため、UNITAの収入源、石油、軍事支援の提供元について独立の調査を行う、2つの専門家パネルを設置する、と述べた。また同氏が最近行った、南アフリカ視察(S/1999/644)、ならびに、ヨーロッパ訪問およびOAUサミット参加(S/1999/829)についても、報告した。
  • 「人間開発に関するグローバル・フォーラム」(UNDP主催)が、国連本部で、3日間にわたり開催される。
  • コフィー・アナン事務総長は、スリランカ国会議員のNeelan Thiruchelvam氏(所属、Tamil United Liberation Front =TULF)が暗殺されたテロ事件について、強く非難するとともに、「長年苦境にある同国において無意味な暴力を終わらせることこそ、Thiruchelvam 氏に対する最善の弔いとなる」と述べた。
  • アフリカ経済委員会(ECA)で開幕した経済担当閣僚会議において、ユニセフとOxfam(本部、ロンドン)は共同文書を発表し、先進諸国に対して、ケルン・サミットのイニシアチブを尊重し、貧困緩和措置を講じた諸国の債務救済を急ぐよう求めた。
  • FAOは、カザフスタンで毎年みられるバッタの大量発生について、その地域がすでにロシア連邦に広がり、さらにウズベキスタンやキルギスタンにも移動している、と警告を発した。

1999年7月28日

  • 総会は無投票で決議を採択し、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の予算として、上限2億ドルを承認した。また、そのうち1億2,500万ドルについては、加盟国が分担して拠出することを決定した。
  • 世界銀行とEUがブリュッセルで、コソボ支援国会議を開催。100を超える国々や国際機関が参加し、緊急基金2億4,500万ドルを含め、20億ドル以上の拠出誓約をした。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏が、コソボのLipljan近郊の村で23日殺害されたセルビア系住民の葬儀に出席。家族たちに対して哀悼の意を表明し、この「恐ろしく残酷な罪」(“a horrible and horrific crime”)を犯した者たちを探しだすため最善の努力を払う、と約束した。
  • Radio Television Pristinaは6月末の活動停止以来、初の放送を行い、コソボ事務総長特別代表 Bernard Kouchner氏の声明を流した。アルバニア語、セルビア語、トルコ語に翻訳された声明において、Kouchner氏は、国連が、すべての人々にとって自由に使える、「新しいタイプの公的情報を提供」(“put a new type of public information”)したい、と述べた。
  • アナン事務総長は、インドネシアおよびポルトガルと協議し、東チモール住民投票の実施日を8月30日に変更すると決定、安保理にこのことを通告した。
  • アフガニスタンにおいて、タリバンが大規模な敵対的行動を再開したとの報道について、安保理理事国は報道声明を発表。深い憂慮の念を表明するとともに、アフガニスタン紛争当事者に対して、政治的解決をはかるため、早急に交渉に入るよう求めた。
  • 安保理は決議1253を無投票で採択し、総会に対して、トンガ王国の国連加盟を勧告した。
  • 総会は、先週死亡したモロッコのハッサン2世国王に哀悼の意を示し、1分間の黙とうを行った。
  • 国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の長を務める、キプロス事務総長特別代表Ann Herkus氏が、辞意を表明、事務総長によって受理された。9月末では、同職にとどまる。

1999年7月27日

  • コソボのセルビア人農民14人が殺害された事件(23日)について、アナン事務総長は国連本部で記者団の質問に答え、戦争で破壊されたコソボに平和をもたらそうとする国連の努力が、暴力によって損なわれることは許されない、と述べた。
  • 安保理理事国は報道声明において、コソボにおいてセルビア人農民が23日、殺害された事件に対して、深い衝撃と重大な懸念を表明し、犯罪者を裁判にかけるため早急な調査を求めた。
  • UNHCRは、コソボの約1,500の村落(全村落の3分の1)について、紛争による住居破損状況に関する調査結果を発表。それによれば、54%の住居が深刻な被害を受けたが、とくに40%近くは、「完全損壊」の範疇に入る。
  • UNEPとHABITATで構成する、合同バルカン・タスクフォースが派遣した国際専門家チームが26日、コソボ紛争による環境および人間居住の損害に関する初めての調査作業を終了。
  • アナン事務総長は26日、安保理に対して書簡を送り、東チモールの治安状況は依然、不十分であるものの、UNAMETは引き続き、住民投票のための有権者登録を行う、と述べた。
  • アナン事務総長が安保理に対して、今月上旬のアフリカ訪問に関してブリーフィング。その後、記者団に対して、今こそ、国際社会がアフリカ諸国の指導者に対して、彼らが必要とする支援を与えるべく最善を尽くすときである、と述べた。
  • 安保理理事国は報道声明において、オーストリアの外交官、Wolfgang Petritsch氏が、ボスニア・ヘルツェゴビナ高等代表に新しく任命されたことに対して、歓迎の意を表明した。
  • イタリアが国際刑事裁判所規程を批准した。現在、署名国は83カ国、批准国はイタリア、サンマリノ、セネガル、トリニダド・トバゴの4カ国。同規程は、60カ国の批准によって発効する。

1999年7月26日

  • UNHCRによれば、過去3日間で、4,527人のコソボ難民が周辺諸国から帰還。また23日と24日の両日、国際移住機構(IOM)の組織により、その他のヨーロッパ諸国からも、約1,700人のコソボ難民が帰還した。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は週末、声明を発表。コソボの町Lipijan近郊で、セルビア人農民14人が23日夜、殺害された事件を、「卑劣な犯罪」として非難するとともに、犯罪者を裁判にかけるため緊急かつ厳格な調査を求めた。

1999年7月23日

  • シュレーダー・ドイツ首相がプリズレンで、コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchnerと会談。UNMIKに対して、同国から警官100人を追加派遣することを約束した。(同国はすでに、UNMIKに対して200人を派遣している。)
  • 人道問題担当事務次長Sergio Vieira de Mello氏が、ジュネーブで開催中の経済社会理事会でコソボの状況についてブリーフィング。その後、記者会見し、国連がコソボにおいて、前例ない壮大な規模の任務を遂行していると強調、また同活動の展開を早急に進めるため、可能なことはすべて行っている、と述べた。
  • 安保理理事国は報道声明において、コンゴ民主共和国内戦の停戦合意の署名国との連絡を確立するため軍事要員90人を展開すべく、早急に決議を採択する用意がある、と述べた。
  • アナン事務総長は、モロッコのハッサン2世国王が死亡したことについて、同国国民に対して、深い弔慰を表明した。
  • WFPは、リベリア、シエラレオネ、ギニア、コートジボアール、ガーナの西アフリカ5カ国の難民および避難民約200万人に食糧を提供するため、1億600万ドル規模の緊急活動を行うことを承認した。
  • スーダン生命線活動(Operation Lifeline Sudan =OLS)に参加する国連機関は、スーダン政府がBahr-el-Ghazalにおける人道的停戦を延長したかどうかの確認がとれないことに留意し、同政府およびスーダン人民解放運動・軍(SPLM/A)に対して、7月15日に期限の切れた停戦の緊急延長に正式に合意するよう求めた。
  • アンゴラのChipetaにおいて集団埋葬地が発見されたとの報道について、アンゴラの国連ミッションの人権担当主任が、同国政府から、その存在を確認したとの通告を受けた。

1999年7月22日

  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は、コソボ民主連盟(DLK)の指導者、Ibrahim Rugova氏に対して、次回のコソボ暫定協議会に参加するよう促した。先週開催された同協議会の初会合に、DLKは不参加。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏は21日、声明を発表。国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)が、コソボにおいて独立したメディアを回復させるための計画を練り始めた、と述べた。
  • 総会第5委員会は、決議を無投票で採択し、アナン事務総長の要請に応じ、UNMIKの予算として上限2億ドルを承認した。
  • アナン事務総長は、コンゴ民主共和国内戦の全当事者に対して、同国の子供たち1,000万人へのポリオ・ワクチン投与を可能にするため、戦闘を停止するよう求めた。
  • 国連東チモール・ミッション(UNAMET)の選挙担当主任(Chief Electoral Officer)、Jeff Fescheer氏はディリで記者会見し、8月の住民投票のための有権者登録が、予想以上に順調に進んでいることに満足の意を表明した。
  • 緊急援助調整官補(AssistantEmergency Relief Coordinator)のRoss Mountain氏は、ジュネーブで記者会見し、国連機関が1999年中に発した緊急活動のための、23億ドルの資金要請アピールへの反応が「世界的に見て不十分」(“globally inadequate”)である、と述べた。
  • ユニセフは、子供たちの現状に関する年次報告書、「国々の前進、1999年」(“The Progress of Nations 1999”)を発表した。

1999年7月21日

  • 事務総長特別顧問John Ruggie氏が国連本部で、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の最新情報について記者ブリーフィング。コソボへの国連文民警察官の配置が現在、早いスピードで進んでおり、今年11月もしくは12月までに、警察官全員3,110人が現場に展開するであろう、と述べた。
  • 国連東チモール・ミッション(UNAMET)に関する、アナン事務総長の最新報告書が発表された。同報告によれば、東チモール住民投票のための有権者登録は、16日に開始されたが、その後数日間、比較的、平和的に進んでおり、国連要員に対する攻撃や脅迫もみられない。
  • 安保理は、アフリカ事務総長特使Mohammed Sahnoun氏から、エチオピア・エリトリア紛争の解決をはかるための交渉の進展状況について、ブリーフィングを受けた。その後、安保理理事国は報道声明を発表し、紛争を終結するための提案に対して、両国が前向きな対応を示していることに歓迎の意を表明した。
  • UNHCRによれば、コンゴ民主共和国およびコンゴ共和国における紛争を逃れて、両国を流出した難民が、過去3週間で、5万人を越えた。
  • 国際民間航空機関(ICAO)が、世界中で航空機を利用する乗客数の推移を予測。それによれば、1999年には4%、2000年には5%、2001年には6%の増加が見込まれる。

1999年7月20日

  • 総会第5委員会が、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の予算に関する事務総長報告について検討。財務官のJean-Pierre Halbwachs氏は、事務総長の要請するUNMIK暫定経費2億ドルについて、総会が早急に承認するよう求めた。
  • アナン事務総長が、OSCEの常設理事会(Permanent Council)で演説。OSCEに対して、コソボの民主化と繁栄を確実なものにするため、国連と密接に協力するよう求めた。
  • UNHCRによれば、およそ70万人のコソボ難民がすでに帰還した。
  • 安保理理事国は、中央アフリカ共和国・事務総長特別代表のOluyemi Adeniji氏のブリーフィングを受けた後、報道声明を発表。同国政府が平和と安全の維持に対して主要な責任を負っていることを強調し、いくつかの地域でわずかな進展しか見られないことに深い懸念を表明した。
  • 安保理理事国は、コンゴ民主共和国に関して、平和維持活動担当事務次長Bernard Miyet氏のブリーフィングを受けた後、報道声明を発表。同国内戦の停戦合意の署名以降見られる進展、特にその実施メカニズムが確立したことに対して歓迎の意を表明。しかし一方で、反政府勢力指導者がまだ停戦合意に署名していないことについて、懸念を表明した。
  • アナン事務総長は、イスラエル国防軍 (IDF)/南レバノン軍(de fact forces=DFF)が19日、南レバノンに駐留する国連要員を攻撃したことを非難。イスラエル政府に対して、IDF/DFFがUNIFILの非戦闘的地位を尊重するよう措置を講じることを求めた。
  • 国連人口基金(UNFPA)は、米国下院が2000会計年度、同基金に対する資金拠出を再開すると決定したことに歓迎の意を表明した。
  • アナン事務総長は、アンゴラCuito州のChipeta村において2つの集団埋葬地が発見されたとの報道に深い憂慮の念を表明した。
  • アフガニスタン内戦当事者のタリバンと北部同盟が、国連の主催する話し合い(タシュケント、ウズベキスタン)で、停戦合意の可能性について協議した。
  • 小火器拡散が子供に与える影響に焦点を当てた展示、“Taking Aim at Small Arms: Defending Children's Rights”が、国連本部(ニューヨーク)で始まった。国連軍縮局、ユニセフの共催。フレシェット副事務総長は、小火器や軽兵器の拡散によって起こる問題は、単独で解決することは不可能であり、国連ファミリー全体の共同努力が必要である、と述べた。
  • コンゴ共和国の内戦を逃れて、ガボンに流出した難民は、過去2週間で、すでに推計2万人に上る(UNHCR発表)。
  • スーダンのナイル川上流西部における激しい戦闘によって、ユニセフおよびNGOが行う、 はしか予防のためのワクチン投与(5歳以下の子ども約5万人対象)の実施が妨げられている。
  • ダナパラ軍縮担当事務次長は、軍縮と開発に関するシンポジウム(国連本部)で演説し、最近、世界の軍事費は減少傾向にあったが、2000年から再び増加していくとみられる、と述べた。
  • 宇宙空間の探査および平和利用に関する第3回国連会議(The Third UN Conference on the Exploration and Peaceful Uses of Outer Space = UNISPACE III)で、10カ国の宇宙飛行士たちが集い、1969年7月20日の人類の月面着陸30周年を祝った。

1999年7月19日

  • アナン事務総長が、オーストリア(ウィーン)において、同国首相Viktor Klima氏と会談した。会談後、アナン氏は記者団に対して、コソボにおける出来事が国連の必要性を強調した、と述べた。
  • UNHCRによれば、コソボにおいて民族間の緊張が引き続いており、毎日、異なる少数者グループの人々が攻撃を受け、ときには死亡者もでている。
  • 16日に開始した東チモール住民投票の有権者登録が、予想よりも順調に進んでいる。Casa in Suaiの登録センターにおいては、民兵が2種類の身分証明書の提示という登録手続きに抗議し、閉鎖されたが、その他のすべての登録センターは開設している。
  • 国連は、エチオピアにおいて干ばつの影響を受ける500万の人々に食料を提供するため、4,700万ドル以上の拠出を求めるアピールを発した。
  • アフガニスタンの紛争当事者(タリバンと北部同盟)、および「6プラス2」グループの初会合が、ウズベキスタンの首都タシュケントで開催された。アフガニスタン事務総長特使のLakhdar Brahimi氏が議長を務めた。「6プラス2」グループは、ロシア、米国、並びにアフガニスタンの近隣諸国(中国、イラン、パキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)で構成される。
  • 宇宙空間の探査および平和利用に関する第3回国連会議(The Third UN Conference on the Exploration and Peaceful Uses of Outer Space = UNISPACE III)が開幕。会期は2週間。テーマは、“Space Benefits for Humanity in the Twenty-First Century”。会期の終わりに、ウィーン宣言および行動計画」を採択する予定。

1999年7月16日

  • 第1回コソボ暫定協議会(Kosovo Transitional Council)、開催。コソボのセルビア系およびアルバニア系住民の双方の政治指導者が出席した。同協議会は、UNMIKの下の最も高い政治的協議機関であり、コソボにおいて執行権限を有する。主要な政党や民族集団に対して、UNMIKの意思決定プロセスに直接のインプットを提供する機会を与える。
  • 東チモール住民投票のための有権者登録が、開始された。
  • 東チモールにおいて、紛争当事者たちが第1回目の「子どもたちのための休戦(週間)」を遵守した。休戦の目的は、ユニセフが、その期間中、東チモールの子どもたち数千人に対して、結核、はしか、ポリオなどの免疫予防注射を行えるようにすること。今回の一週間の休戦期間中、240人の保健衛生職員が、114の村落の子どもたち3万人を対象として活動した。
  • コンゴ民主共和国の内戦停戦協定署名(7月10日)を受けて、アナン事務総長は、安保理が、コンゴ民主共和国に対して、軍事要員90人、および文民要員を派遣することを即時に承認するよう勧告した。また、反政府勢力が遅滞なく停戦合意に署名するよう希望を表明した。
  • アナン事務総長は安保理に対する報告書において、中央アフリカ共和国において突然、緊張が高まったことを指摘し、国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)について、その兵力を148人増やすよう勧告した。これにより、MINURCAの軍事部隊の人数は、合計で1,498人となる。
  • 国連は15日、西サハラの将来を決める住民投票実施(2000年7月)のための暫定的な有権者リストを発表した。リストには、8万5,000人の有権者の名前が掲載される。来年3月に最終的なリストが発表される予定。

1999年7月15日

  • アナン事務総長は14日、安保理に書簡を送付し、東チモール住民投票のための有権者登録を7月16日に開始することを決定した、と伝えた。
  • 安保理は決議1252を全会一致で採択し、国連プレブラカ監視ミッション(UNMOP)の任期を2000年1月15日まで、半年間延長した。
  • コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchner氏がコソボの州都プリシュティナ入り。
  • 安保理理事国はコソボの最近の情勢について事務局からのブリーフィングを受け、UNMIKに関する事務総長報告およびKFORの報告書を検討し、コソボの全当事者がUNMIKとKFORに対して協力するようアピールを発した。
  • アナン事務総長、スロバキア訪問。同国で最も古い大学、Comenius Universityで演説し、コソボの真の成功のためには、バルカン地域全体が健康な状態に戻らなければならない、と述べた。
  • 「1999年人間開発報告」においてインターネットへの言及、並びにEメイル課税の提案がなされていることに関連して、国連開発計画(UNDP)総裁がMedia Advisoryを発表。UNDPが、その政策において、開発援助の資金繰りの手段として、いわゆるグローバル税を唱導したり、支持するということはない、と述べた。人間開発報告はUNDPから独立した報告書であり、その勧告は、UNDPまたは加盟国の政策や見解を反映するものではない。

1999年7月14日

  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は、コソボ全土において、少数者のセルビア系住民とロマ族に対する高いレベルの暴力・脅迫が続いていることについて、懸念を表明した。
  • 大多数のコソボ難民が帰還したことを受け、UNHCRは、コソボで活動するその他の機関に対して、一戸建ての家、アパート、破壊されたインフラを早急に再建するよう促している。
  • 経済社会理事会・実質会期(ジュネーブ)が、広範な人道問題の一環として自然災害および紛争への国際的対応について、討議した。そのなかで、国連専門家たちは、開発途上国における自然災害および複合的緊急事態への最善の対応は、長期的な開発と予防である、と述べた。
  • インドネシアとポルトガル両国の政府高官が、国連本部において、東チモール住民投票に関するさまざまな問題について、15、16日の2日間にわたって会談する。同会談において、東チモール事務総長個人代表のJamsheed Marker氏が議長を務める。
  • 宇宙空間の平和利用に関する委員会・第42会期、開始。「宇宙ゴミ(“space debris”)」をどう処理するか、国際宇宙条約の批准状況等の議題について検討する。

1999年7月13日

  • アナン事務総長が安保理に提出した、国連コソボ暫定行政ミッション(UN Interim Administration Mission in Kosovo = UNMIK)に関する報告書が発表された。事務総長はこの報告書において、国際社会がコソボにおいて、前例のない挑戦に直面していると述べ、その再建を支援するUNMIKの包括的戦略について説明した。
  • 旧ユーゴスラビア国際犯罪法廷の主席検察官Louise Arbour氏はプリシュティナで記者会見し、ミロシェビッチ大統領に対する現時点の起訴内容を今後、拡大する可能性がある、と述べた。
  • 安保理理事国は報道声明を発表し、アナン事務総長が、東チモール住民投票のための有権者登録の開始時期を3日間延期し、7月16日としたことについて、全面的な支持を表明した。
  • OAUサミット開催中、アナン事務総長は、アフリカ諸国の指導者たちと個別に会談を行った。一連の会談のなか、アナン事務総長は本日、アフリカの指導者たちが、同大陸の政治的危機の解決をはかり、経済・社会問題に焦点を当てようと決意を固めている、と述べた。
  • アナン事務総長は、ギニアビサウの反乱軍(Military Junta)が、拘束していた残りの政治的捕虜を9日、同国の暫定統一政府に引渡したことに対して、歓迎の意を表明した。
  • アナン事務総長は、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の特別代表および調整官として、Jacques Klein氏を任命した。Elizabeth Rehn氏の後任として、8月2日に就任する。Klein氏は、現在、ボスニア・ヘルツェゴビナ主席副特別代表(Principal Deputy High Representative in Bosnia and Herzegovina)、それ以前は、国連東スラボニア・バラニャ・西スレム暫定行政官(United Nations Transitional Administrator for Eastern Slavonia, Baranja and Western Sirmium)を務めていた。

1999年7月12日

  • 安保理理事国は報道声明を発表し、アフリカの6カ国首脳が9日、ルサカ(ザンビア)において、コンゴ民主共和国内の紛争の停戦合意に署名したことに歓迎の意を表明した。しかし同時に、コンゴ民主共和国の反政府勢力が合意に署名していないことに失望を表明し、同勢力に対して、できる限り早急に、対立点を解決し、合意に署名するよう促した。この合意に署名したのは、コンゴ民主共和国、ナミビア、ルワンダ、ウガンダおよびジンバブエの大統領、ならびにアンゴラの防衛大臣。
  • アナン事務総長は、本日開幕したOAUサミット(アルジェ)で演説。アフリカ諸国政府が経済の自由化、政府の民主化、法の統治の強化に向けて、断固たる措置を講じていることを賞賛した。
  • 1999年人間開発報告、発行。同報告は、グローバリゼーションのルールは、単に利益のためだけでなく、人々のために役立つように書きかえられる必要がある、と述べた。また174カ国を、生活の質の指標で順位づけたが、その一位はカナダ。その後に、ノルウェー、米国、日本、ベルギー、スウェーデン、オーストラリア、オランダ、アイスランド、英国が続く。(詳細については、http://www.undp.org/hdro/99.htmへ)
  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏が、プリシュティナ郊外のKosovo Poljeにある一つの校舎で苛酷な避難生活を送っているロマ族を訪問した。国際社会が、すべての人々の人権が尊重されるよう甚大な努力を行っていると述べ、ロマ族に対して、あきらめてコソボを離れることのないよう促した。
  • ユニセフが、コソボの小学校の損壊状況に関する暫定調査結果を発表。それによれば、これまでに調査した396校のうち、43%が完全に破壊されているか、深刻な損壊状態にある。またコソボの全自治体29のうち、現在までに調査した16自治体にある学校において、95%が様々な修繕作業を必要とする。コソボには、小学校が全部で約1,000校あり、ユニセフは今月中に、それらの調査を完了する予定。
  • アナン事務総長は先週末、安保理に書簡を提出し、東チモール住民投票のための有権者登録開始を3日延期し、インドネシア政府に治安問題を解決する時間を与えるよう提案した。
  • アナン事務総長は、国連プレブラカ監視団(UNMOP)に関する報告書において、クロアチアとユーゴスラビア連邦共和国の間の交渉が進展していないことに失望の念を表明し、両者に対して、プレブラカ半島に関する対立の平和的解決を建設的かつ迅速に図るための交渉を遂行するよう促した。また現場の状況を安定した、可能な限り緊張のない状態にしておくことの重要性を指摘し、UNMOPの任期を2000年1月15日まで6ヶ月間延長するよう勧告した。
  • 国連薬物統制犯罪予防室のピノ・アルラッキ事務局長が、9日から11日まで、レバノンを訪問。レバノン政府が不法薬物生産の根絶、ベッカー高原での代替作物開発の推進のため続けている努力に対して、さらなる支援を提供することを約束した。

1999年7月9日

  • 安保理は議長声明を発表し、パンナム航空機103爆破事件(スコットランド上空)後に採択された安保理決議のリビアによる遵守について、「重要な進展」がみられることを歓迎。そして、1992年および1993年にリビアに科した制裁措置が一時停止されていることを想起し、関連決議に沿って、できる限り早急に、制裁を解除する意向を再確認した。
  • 8日夜、安保理議長は報道声明において、シエラレオネの政府および反政府勢力が7日にトーゴで和平合意に署名したことについて理事国が歓迎の意を表明した、と述べた。
  • UNHCRによれば、約10万人のセルビア系住民がコソボからセルビアに流入したが、これらの人々は、セルビア政府によって年金、教育等を拒否され、第2級市民としての扱いを受けている。
  • 新たに事務総長特別代表に任命されたBernard Kouchner氏は、UNMIKの長のポスト就任へ向けて、国連本部で一連のブリーフィングを受けた。同氏は、13日に開催されるコソボ再建に関する高位級会議に出席した後、来週半ばにはプリシュティナに入る予定。
  • 経済社会理事会・実質会議(ジュネーブ)において、開発のための国連活動に関して、国連の基金および計画の長たちによる非公式協議が行われた。協議においては、主に、開発資金の減少に対する懸念に焦点が当てられた。
  • イスラエルとパレスチナ指導者は今週、個別に薬物統制犯罪防止室(ODCCP)のピノ・アルラッキ事務局長と会談し、薬物乱用および組織犯罪との闘いに対して協力を提供することが和平プロセスへの大きな貢献となる、と述べた。
  • FAOとWFPが合同で作成・発表した報告書によれば、今年、アフガニスタンにおいて穀物生産が急激に落ち込み、今後18カ月の間に、同国民100万以上が救済および復興援助を必要とする見込みである。

1999年7月8日

  • 安保理は、紛争後の平和建設という重要問題について、一日に及ぶ公開討論(26カ国参加)を行った後、議長声明を発表。軍縮、武装解除、元戦闘員の社会復帰というそれぞれの問題を個別に見るのではなく、平和、安定、開発の広範な追求に根付いた、そして、それらにつながる継続的なプロセスとして見る必要性を強調した。
  • コソボの損壊状態を調査した国連報告書(暫定)によれば、コソボにおいて住居がかなり破壊され、食料不足が蔓延し、また水資源の汚染状況もひどい。調査対象となった141の村落において64%の住居が深刻な損壊状態にあるか、あるいは完全に破壊され、他の20%も軽度の損壊状態にある。また水資源の40%が家からでるゴミなどによって汚染されている。
  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は、ユーゴスラビア連邦共和国の野党指導者グループ、“The Alliance for Change”と会談し、セルビア系住民のコソボ流出を止め、また誘拐されたセルビア系住民を解放させるために、同代表が現在どのような活動を行っているかについて説明した。
  • コンゴ民主共和国のための停戦合意が成立したのを受け、アナン事務総長は同国に国連軍事監視員を展開させる意向である。そのため、事務総長は数日以内に、その展開の可能性を探るための技術調査団を派遣する予定。
  • アナン事務総長、シエラレオネ訪問。事務総長は同国大統領との会談後、記者団に対して、「国連はシエラレオネ政府および同国人民と密接に協力し、平和をもたらすために働くことを約束する」と述べた。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、東チモールで最近起こった武装民兵による国連要員襲撃事件、またそうした暴力によって東チモール人の将来を決める権利がマイナスの影響を受けることを深刻に憂慮している、と述べた。
  • アナン事務総長は、イラクの石油産業が引き続き「貧弱な状態」にあると強調し、イラクの石油輸出量を安保理が承認したレベルにまで増加させるために必要な設備や部品の申請について、安保理委員会が早急に認可するよう勧告した。
  • FAOおよびWFPは、朝鮮民主主義人民共和国の人々が深刻な栄養不足状態にあり、このまま続けば正常な発育の阻止および慢性栄養不良を招くと警告。国際社会からの一層の支援を求めるアピールを発した。

1999年7月7日

  • アナン事務総長は声明を発表し、シエラレオネ政府と反政府勢力が和平合意に署名したことに歓迎の意を表明した。
  • UNHCRによれば、コソボにおいてセルビア系住民およびロマ族の複数のコミュニティーが、KFORに対して、民族的暴力からの24時間体制の保護、あるいはモンテネグロまたはセルビアへの避難を要請した。
  • 化学・生物兵器専門家チームが、国連イラク特別委員会(UNSCOM)の研究所(危険化学物質を保管しているとされる)を閉鎖するため、バグダッドへ向かう。同チームは多国籍の5人チームで、化学兵器禁止機関(OPCW)から派遣される4人と、独立生物兵器専門家一人で構成される。8日、バーレーンに向けて出発し、そこで、UNSCOMから同研究所についてのブリーフィングを受ける予定。
  • ソマリア援助調整機関(国連機関、援助国、援助救済団体で構成)はナイロビで、ソマリア中・南部における今後6ヶ月間の緊急援助救済活動をカバーするため、国際社会に対して、170万ドルの拠出を求める共同アピールを発した。同機関によれば、同地域において、100万以上の人々が飢餓状態となる危険性がある。
  • WHOは、2000年末までのポリオ根絶という目標に向けて、新たな協力者の名前を発表。英国の写真家Lord Snowdon氏、並びに、企業パートナーとしては初めてポリオ根絶キャンペーンに対する大きな資金援助をすることになったダイヤモンド採鉱企業De Beers社である。
  • 国連人道問題局のKevin Kennedy氏は国連本部で記者会見し、ソロモン諸島において最近の社会不安の影響を受ける人々のニーズに応えるため、国連が人道援助活動を開始する、と発表した。同氏は、UNDP、WHO、UNICEF、国連政治局および人道問題局の代表で構成するチームを率いて、6月25日から7月5日まで、ソロモン諸島を視察訪問し、ガダルカナル島において先住者とマライタ島からの入植者の間で最近高まった緊張による影響を受ける1万5,000人から2万人の人々のニーズを評価した。

1999年7月6日

  • 4日、東チモールのLiquica近郊で避難民援助活動を終えて帰る途中の人道援助ミッションが武装民兵の襲撃を受け、数人が負傷した。これを受けて、安保理議長は本日、報道声明において、理事国が、東チモールにおける民兵による暴力と威嚇の即時停止を要求した、と述べた。
  • 経済社会理事会・年次会期、ジュネーブで開幕。アナン事務総長は、高位級会合において開幕演説し、国際社会に対して、貧困根絶のため前例のない努力をするよう求めた。「世界人口60億の半数の人々が一日3ドルまたはそれ以下で生活しているということは、受け入れがたいことである」
  • 5日、コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は声明を発表し、KFORが、安全と秩序を損なった犯罪容疑者を逮捕し、さらに、逮捕した者については、公判前の尋問が行われ、並びに拘禁状態に引き続き置かれるべきか否かについて、またその場合の期間について、法的な決定がなされるまで、48時間以上拘禁できる、とした。
  • アナン事務総長は4日、国際商工会議所(ICC)の指導者たちと会談した後、記者会見し、ビジネス界はますます、国連をグローバリゼーションの利益のより広範な広がりを確保するひとつの方法として見るようになっている、と述べた。また事務総長が世界経済フォーラム(1月、ダボス)で初めて提案した“Global Compact”という課題に対するビジネス界からの支援をたいへん喜んでいる、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(UNOGBIS)を任務の変更を伴った形で設置するという事務総長の決定について、理事国が支持を表明した、と述べた。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷主任検察官Louise Arbour氏は声明を発表し、NATOの率いるSFOR部隊が、ボスニアのセルビア人高官Radislav Brdjanin氏を戦争犯罪の容疑で逮捕したことに歓迎の意を示した。
  • 週末、コンゴ共和国において引き続く紛争を逃れて、難民1,500人がガボンに流入した(UNHCR発表)。
  • FAO-WHO合同食品規格委員会(Codex Alimentarius Commission)は3日、有機栽培食品のための広範なガイドライン、“Guidelines for the Production, Processing, Labelling and Marketing of Organic Food”を採択した。

1999年7月2日

  • アナン事務総長は、フランスのBernard Kouchner氏をコソボ事務総長特別代表に任命した。Kouchner氏は、フランス政府閣僚であり、また「国境なき医師団」の創設者等として、その人道的活動によって幅広く知られている。
  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は、コソボのアルバニア系およびセルビア系住民を招請し、コソボの全住民の治安問題に焦点を当てた討議を行った。その後、両系住民は共同声明を発表し、抑制と人間の生命の尊重を求めた。この会合に先だって、同特別代表は、KFORの努力にも拘わらず、治安状況が悪化し、暴力の悪循環が広がり、より多くの人々に影響を与えている、と警告を発した。
  • UNHCR特使のDennis McNamara氏はジュネーブで記者会見し、コソボの軍事行動において各国政府が数十億ドルを費やした一方で、UNHCRがコソボ難民の安全な帰還をはかるための資金をほとんど持っていない、と失望を表明した。UNHCRは、コソボの活動のため、毎週、わずかに1,000万ドルを予算として計上しているが、1999年の同地域における活動のためには、さらに2億3,400万ドルを必要とする。
  • 「国際人口開発会議の行動計画の実施を再検討するための国連特別総会」アドホック全体委員会の委員長を務めるバングラデシュ大使Anwarful Chowdhury氏は、同委員会がカイロ行動計画のさらなる実施のための主要行動を含んだ包括的文書に関する合意を成立させる数時間前に記者会見し、「激しい論争にも拘わらず、議論の多い複数の問題にも拘わらず、数々の困難にも拘わらず、資源の不足にも拘わらず、国際社会のコミットメントが引き続き存在するということは、注目すべきことである」と述べた。
  • 東チモール事務総長特使Jamsheed Marker氏はシドニーで記者会見し、今週前半に発生した東チモールの国連事務所襲撃事件にも拘わらず、同地の治安状況が住民投票を可能とするのに十分な程度改善するとの楽観的な見通しに変わりがない、と述べた。
  • リビアに関する、アナン事務総長による安保理宛報告書が発表された。UTA航空機772およびパンナム航空機103の爆破事件に関する対リビア制裁の解除要件について、同国の遵守状況を検討した。
  • アナン事務総長は安保理に宛てた報告書において、国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(United Nations Peace-building Support Office in Guinea-Bissau = UNOGBIS)を現状に適応したものとするための新たな任務の輪郭を示した。

1999年7月1日

  • コソボ事務総長特別代表Sergio Vieira de Mello氏は、コソボにおける新たな司法システム確立へ向けて、「巡回裁判所」(“a kind of itinerant court”)の当局者9人を任命した。同裁判所は、コソボ全土において、KFORが逮捕・拘束した人々に対して正当な司法手続きを提供する。
  • 難民高等弁務官補Soren Jessen-Petersen氏は国連本部で記者会見し、コソボ難民が「電光石火のスピード」(“Lightning speed”)で帰還している、と述べた。本日、帰還難民の数は、50万人を突破した。
  • 東チモールにおいて、先月29日に引き続き再び、民兵らによる国連に対する襲撃事件が発生。この日、東チモールのVikekeに設置された国連職員住居において、民兵15人が国連職員を取り囲み、威嚇。これにより、国連職員数人がVikekeからDiliへと一時的に移動した。
  • 「1999年の世界経済」報告、発表。同報告によれば、世界経済市場の回復にも拘わらず、世界経済の緩慢な成長は、すでに深刻な打撃を受けた開発途上国や市場経済移行国の生活水準の低下を招いている。
  • 世界食糧計画(WFP)の発表によれば、同計画は現在、バングラデシュにおいて、昨年の大洪水の被災者(約300万人)に対して、緊急救済・復興援助を行うため、2,700万ドル規模の活動を展開中である。
  • 国際海洋法裁判所(International Tribunal for the Law of the Sea)が、3年前の設置以来、初の判決を下した。この判決において、同裁判所は、ギニアが1997年、セントビンセント・グレナディーンの石油タンカーを西アフリカ沿岸でだ捕し、船員を逮捕した事件について、ギニアによるセントビンセント・グレナディーンの権利の侵害である、と宣言した。同判決によれば、ギニアはこの事件において、必要以上の武力を行使し、人間の命を危険にさらした。またギニア高速監視艇が、国際法および慣習によって要求される警告を発することもなく、セントグレナディーンのタンカーに向けて実弾を発射した事実に対して、いかなる弁解も有り得ない、とした。

1999年6月30日

  • 国際人口開発会議の行動計画の実施を再検討するための国連特別総会、開催。会期は3日間。
  • アナン事務総長は、「コソボの友人たちのグループ」を招請し、UNMIK初期活動およびコソボ再建のために必用な資源に関して、ブリーフィングを行った。この会合の後、事務総長は記者会見し、コソボにおける多民族共存という目的や、今後の任務の難しさ・複雑さなどについて、参加者の間に一般的な意見の一致がみられた、と述べた。18カ国と3つの国際機関が参加した ―― オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、オランダ、ロシア、スペイン、スウェーデン、トルコ、英国、米国、EU、OSCE、イスラム会議機構(OIC)。
  • コソボ人道問題事務総長副特別代表Dennis McNamara氏は、コソボにおけるセルビア系住民およびロマ族に対する一連の報復事件に憂慮を示し、コソボに帰還する難民に対して、復讐的な襲撃を行わないよう求めた。またKFORに対して、それら少数者の保護のため、引き続き治安対策を強化するよう求めた。
  • WFPは、バルカン地域における緊急援助活動を拡大し、コソボ危機の影響を受けた250万人を支援する、と発表した。総額2億2,400万ドルの同援助活動は、7月1日から6ヶ月間にわたって行われる。
  • アナン事務総長は安保理に報告書を提出し、アフガニスタンにおける暴力の再発に遺憾の意を示し、紛争両当事者に対して無条件かつ遅滞なく直接交渉を再開するよう促した。
  • 法廷外、略式、恣意的処刑に関する特別報告者(UN Special Rapporteur on extrajudicial, summary, or arbitrary executions)のAsma Jahangir氏はトルコ外相に書簡を送り、オジャラン氏裁判において報じられた変則性および判事の公平性に対する懸念により、同氏に下された死刑判決に疑問を呈さざる終えない、と述べた。そして、トルコ政府に死刑を実施しないよう訴えた。

1999年6月29日

  • 安保理は議長声明において、東チモールの現在の不安定な治安状況に鑑みて、アナン事務総長が東チモール住民投票の延期を決定したことについて、支持を表明した。
  • 東チモール・ミッション(UNAMET)の事務所に向けて、残留派民兵とみられる100人程度の集団が投石、襲撃。国連職員一人および東チモール住民数人が負傷した。安保理は議長声明において、この襲撃事件について深刻な憂慮を表明するとともに、これに関して徹底的な調査が行われ、また犯行者が裁判にかけられるよう要求した。またアナン事務総長も声明を発表し、国連の職員あるいは財産に対するいかなる攻撃も決して容認できない、と述べた。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK=UN INTERIM ADMINISTRATION MISSION IN KOSOVO)に対して、18カ国が警察官を派遣することを誓約した。18カ国の内訳は、オーストリア、バングラデシュ、ブルガリア、カナダ、デンマーク、エジプト、イタリア、ケニア、リトアニア、マレーシア、ネパール、パキスタン、ルーマニア、タンザニア、トルコ、英、ザンビア、ジンバブエ。
  • UNHCRによれば、コソボ難民帰還のペースが緩慢になった。26日には4万1,700人のコソボ難民が帰還したが、28日の帰還難民数はそれに比較して30%減少した。
  • 安保理は決議1250を全会一致で採択し、キプロスにおいて政治解決に向けた進展がみられないことについて深刻な憂慮を表明し、両当事者に対して、1999年秋に事務総長の後援の下に行われる交渉に対する全面的な支援およびコミットメントを示すよう求めた。さらにまた、安保理は決議1251を全会一致で採択し、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の任期を12月15日まで延長した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、西サハラの将来を決める住民投票の有権者確認作業が再開されたことに歓迎の意を表した。
  • フレシェット副事務総長は、軍縮諮問委員会(Advisory Board on Disarmament Matters)に対する演説において、国際社会が軍縮のための新しい課題に合意する緊急の必要性を指摘した。
  • コンゴ民主共和国東部で引き続く紛争により、現在、一時間100人のペースで、同国難民が隣国タンザニアへと流出している(UNHCR発表)。昨年8月以来、コンゴ民主共和国からタンザニアへ流出した難民は、8万人を超える。

1999年6月28日

  • 80万に及ぶコソボ難民のうちすでに半数以上が帰還するなか、国連は、コソボにおける司法制度の再構築や国際警察官の展開を通じて、アルバニア系およびセルビア系住民の間の緊張緩和を図っている。
  • UNHCRが、コソボ難民の組織的帰還を開始。本日、マケドニアの難民キャンプから、難民300人以上をコソボの州都プリシュティナに帰還させた。難民の組織的帰還の目的地は、比較的損壊が少なく、マケドニアからのアクセスが容易であるプリシュティナ、プリズレン、ウロシェバッツの3つの町である。なおアルバニアからの組織的帰還は29日に開始する予定。
  • アナン事務総長は27日、オクスフォード・イスラム研究センター(Oxford Centre for Islamic Studies)での演説において、「文明の衝突」論に異見を立て、異なる伝統の平和的共存を可能にする、価値の共有および共通の人間性の感覚という枠組みに根付いた「世界倫理」の必要性を指摘した。「現代文明の間の相互交流が、過去の文明間と同様に、軍事紛争という形態をとるには、現代社会の相互関係はあまりにも密接であり、また近代兵器はあまりにも恐ろしく破壊的である」
  • 30人以上の文民警察監視員が週末、東チモールに到着。これで、同地に展開する文民警察監視員は100人となった。
  • アナン事務総長が、西サハラの現状に関する報告書を安保理に提出。同報告によれば、モロッコおよびPOLISARIO両当事者は、同領土の将来を決める住民投票の準備のため、投票者登録に協力を提供している。
  • 国連人道ミッションが6月19―27日、スーダンの反政府組織の統制下にあるヌバ山岳地帯の状況を視察。飢餓の蔓延の兆候は見られないものの、子どもたちの間で栄養不良状態が確認された。(国連緊急援助調整官補Ross Mountain氏がジュネーブで、記者会見)
  • FAO-WHO合同食品規格委員会(Codex Alimentarius Commission)がローマで開催。今会期において、有機栽培食品に関するガイドライン採択をめざす。同委員会は、FAOおよびWHOの合同機関であり、国際的な食品規格を策定する委員会である。会期は隔年。

1999年6月25日

  • アナン事務総長は、コソボ問題について協議するための「友人グループ」を設置。当面、同グループは、カナダ、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、オランダ、ロシア、トルコ、英国、米国、EU、OSCEなどで構成される。
  • コソボの州都プリシュティナにおいて、アルバニア・セルビア系両住民間の銃撃、暴力事件などが発生。KFORのコソボ入り以来、両者間の緊張状態が最も高まった。
  • この日、コソボに戻った難民は、およそ5万人。これで、過去10日間に帰還した難民は、合計30万人を超えた。援助機関は現在、これら難民に対する避難所提供、また地雷犠牲者に対する支援に力を注いでいる。
  • 安保理議長は報道声明において、レバノン一部地域およびイスラエル北部において緊張が高まっていることに憂慮を示し、両国に対してすべての敵対行為を停止し、これまでの安保理決議を尊重するよう求めた。アナン事務総長もまた、声明を発表し、特に罪のない市民の生命が失われたことに対して、遺憾の意を示した。
  • アナン事務総長、ロンドンで第一回ダイアナ妃・エイズ記念講演を行い、企業コミュニティーに対して、エイズ(後天性免疫不全症候群)との闘いのため、国連と力を合わせるよう呼びかけた。
  • 安保理が南太平洋のキリバス、ナウル両共和国の加盟申請について、それぞれ、無投票、賛成14、反対0、棄権1(中国)で、承認採択した。
  • 英仏両国が、安保理常任理事国としては初めて、国連待機軍制度に関する合意覚え書きに署名、将来の国連平和維持活動の迅速な展開のため、自国軍の部隊・設備を提供することを誓約した。この両国を除き、現在までに、22カ国がこの制度に対する協力に合意している。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、2日間のシエラレオネ視察を終了するにあたり、同国の最近の内戦において主に反政府組織が市民に対して使った暴力の規模と残忍性に、深い衝撃を受けた、と述べた。
  • 26日は、「国際薬物乱用・不正取引防止デー」。(事務総長メッセージ全文-ここをクリック)
  • 同じく26日は、「拷問の犠牲者を支援する国際デー」。
  • UNHCRが、メキシコからのグアテマラ難民帰還作業を完了。24日、メキシコに残る最後の難民167人がグアテマラに帰還し、帰還難民の総数は、4万3,000人となった。(1982-1984年、グアテマラの内戦から逃れ、4万5,000人の難民がメキシコに流入した)

1999年6月24日

  • UNMIKの長である、コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は、プリシュティナでソラナNATO事務総長およびクラークNATO欧州連合軍最高司令官と会談。コソボにおける文民警察および行政官の迅速な展開のため、NATO諸国に対して、それら要員の派遣を求めた。
  • UNHCRは、KFORによって安全と判断されたコソボの一部地域への組織的な難民帰還のため準備を整えている。UNHCRの特使Dennis McNamara氏は、来週にも、アルバニアおよびマケドニアの難民キャンプからコソボのUrosevac, Prizren, Pristinaへの組織的な難民帰還作業を開始できるであろう、と述べた。
  • ユニセフは、小学校就学年齢の子ども全員に対して、9月の新学期が始まるまでに学校に戻って勉強できる機会を与える、との決意を示した。
  • アナン事務総長は、コソボに急いで帰還しようとする難民たちに対して、国連がコソボに彼らを迎え入れることができるよう準備を終えるまで辛抱強く待つよう再び訴えた。(ロンドンにおいて、ブレア英首相と会談後、記者団に語った)
  • 安保理議長は報道声明を発表し、コンゴ民主共和国の紛争当事者に対して、停戦合意に即時署名し、ザンビアの首都ルサカで今週末開かれるサミットに建設的に参加するよう求めた。
  • 国連とイラク政府が、国連特別委員会(UNSCOM)のバグダッド研究所(危険化学物質の保有が報告されている)の査察および浄化作業を行う技術ミッションの構成について合意に達した。今後2週間以内に実施予定。
  • 東チモール事務総長特別代表Jamsheed Marker氏が、ディリに到着。今週前半、インドネシア指導層との間で、東チモールにおいて引き続く暴力について協議したのに続き、東チモールの軍事・警察指揮官や国連要員らと会談する。
  • ロビンソン人権高等弁務官が、シエラレオネ訪問。目的は、同国における和平プロセス支援および人権保護・促進。
  • 第4回運営グループ(1996年CIS会議のフォローアップを行なう)の開催を前に、難民高等弁務官補のSoren Jessen-Petersen氏は、コソボ危機によって、CIS諸国およびその他の地域への世界の関心が薄められてはならない、と述べた。
  • 国連薬物統制計画(UNDCP)は、世界の不法薬物取引について追跡調査するための画期的なデータベースがまもなく利用可能になる、と発表した。このデーターベースは、UNDCP、国際刑事警察機構(Interpol)、世界税関機構(WCO)が、世界の薬物押収に関して保有する情報を統合したもの。
  • コンゴ民主共和国は23日、ブルンジ、ウガンダ、ルワンダの3カ国が同国の主権を侵害し、またカビラ大統領の暗殺を謀ったとして、国際司法裁判所(ICJ)に提訴した。

1999年6月23日

  • アナン事務総長は安保理に対して、東チモールに関する最新の隔週報告を提出。東チモールの治安状況に対する懸念から、当初8月8日に予定された東チモール住民投票実施の2週間延期を決定した旨、伝えた。また同報告によれば、住民投票のための登録手続きについても、国連職員の東チモール全土への配置を可能にし、インドネシア政府にこの治安状況への対処の時間を与えるため、3週間延期され、7月13日に開始する。
  • コソボ事務総長特別代表Sergio Vieira de Mello氏が、新設のUNMIK本部(プリシュティナ)で、英・仏・独・伊の外相との会合をもち、コソボにおける国連活動に関してブリーフィングを行なった。KFOR司令官Michael Jackson氏も同会合に参加した。
  • アナン事務総長はモスクワで、ステパーシン首相、イワノフ外相、セレズニョフ国家院議長、International Council of Former Foreign Ministers を率いるベススメルトヌィフ氏らと会談、コソボ問題などについて話し合った。
  • コソボにおいて、国連援助機関および視察チームが州都プリシュティナから村落部へと移動するなか、UNHCRは援助物資配給ネットワークおよび保健衛生業務を強化。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷に協力し、コソボにおいて戦争犯罪が行われたと疑われる場所を詳しく調査するため、世界各地から法廷専門家がコソボに入っている。(本日、オランダから複数の専門家、並びに米国からFBIチームが到着。今週末には、カナダ連邦警察のチームが到着予定。また英国チームはすでに調査を開始しているが、今週末までにVelika Krusaでの調査を終え、次の調査場所に移動する予定)
  • 安保理議長は報道声明において、エリトリア・エチオピア両国の人々が深刻な干ばつと食料不足のおそれに直面していることに鑑み、両国間の引き続く紛争に憂慮を示し、即時かつ無条件停戦を要求した。
  • アナン事務総長は安保理に対して、キプロスに関する仲介努力について報告書を提出。治安、権限配分、財産、領土という中核的問題に焦点を絞る重要性を強調。ギリシャ系・トルコ系住民両代表に対して、無条件に、かつ妥協・協力の精神において交渉を開始するよう招請する用意があることを明らかにした。
  • WFPは、アンゴラにおいて引き続く紛争を逃れる難民80万人の間で飢えが蔓延するのを回避するため、国際社会に対して、4,000万ドルの拠出を求める緊急アピールを発信。

1999年6月22日

  • アナン事務総長、ロシア訪問2日目。1899年にロシアのイニシアチブで開催された第1回国際平和会議(ハーグ)の100周年を記念するフォーラム(サンクトペテルブルク)において演説した。「国連は、国際的な合法性の源泉および多国間の意思決定のためのフォーラムであり、また集団安全保障および予防外交の道具である。しかし国連が仕事をやり遂げるためには、加盟国から、より多くの資源と政治的意思を得ることが必要である」
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)は、コソボに帰還した難民に避難場所を提供する必要性を強調。UNHCRによれば、KFOR第1陣の展開から22日までにコソボに帰還した難民は、20万人を超える見込み。今後も、この帰還の勢いに衰えのみえる兆候はない。
  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は2日間にわたり、コソボ解放軍(KLA)指導者のThaciと会談。さらに今後、ランブイエ和平合意の署名当事者であるその他の3つのアルバニア系住民代表、並びに、セルビア系政治指導者に対しても、暫定的政治取り決めに関して諮問委員会を設置し、討議するよう呼びかける。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、国連とアンゴラ政府の間で、同国における将来の国連プレゼンスに関して、協議が継続していることの重要性を強調した。
  • コンピューター2000年問題(Y2K)の被害を最小限に抑える世界的な準備・対策について再検討するため、170カ国以上から専門家が集まり、ニューヨーク国連本部で国際会議開催(3日間)。主催は、情報科学作業部会(UN Working Group on Informatics)。1988年12月のY2K会議の後に設置された国際Y2K協力センター(International Y2K Cooperation Centre) が協力提供。
  • 1980年代前半以来初めて、UNICEF、WFP、人道問題調整室などの代表で構成する国連人道視察ミッションが、スーダン民族解放運動/軍(SPLA/A)の支配下にある、スーダン南部のヌバ山岳地帯に入ることができた。
  • WFPは、「アフリカの角」地域における異例の降雨量不足のために、数百万の人々が飢餓に直面する、と警告を発した。
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)は、クリミア・タタール人3万5,000人がウクライナの市民権を得るための手続き期限は、今年末であることに注意を喚起した。(旧ソ連時代の1944年5月、スターリンは40万人のクリミア・タタール人を中央アジアへと追放。その後、冷戦の終焉、旧ソ連の崩壊を受け、およそ25万人が自らの故郷、ウクライナ南部のクリミアへ戻っている)

1999年6月21日

  • アナン事務総長、ロシア連邦を訪問。4日間の滞在中、エリツィン大統領、ステパーシン首相らと会談する。なお本日、アナン氏はサンクトペテルブルクで、記者団に対して、コソボの教訓に学ぶ必要性を強調し、安保理常任理事国を含めた全員が、安保理の効率化、その対応の迅速化、民主化のために何をなすべきか、についてある程度の判断を下さなければならないであろう、と述べた。
  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は、プリシュティナで記者会見し、「国連は、コソボを、機能的・民主的で、寛容かつ自治的な社会へと再建するという大きな任務を与えられた」と述べた。
  • UNHCRによれば、先週末、6万人以上の難民がアルバニアおよびマケドニアからコソボに帰還した。これで、現在までにコソボに帰還した難民の数は、合計で14万人となった。
  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏は、プリシュティナで記者会見し、コソボ解放軍(KLA)が20日、自らの武装解除に関して、KFORとの間で合意文書に署名したことに歓迎の意を示した。
  • 英国と米国からの調査団が、旧ユーゴ国際犯罪法廷に協力するため、数日前にコソボに入り、調査を開始。調査の対象は、同法廷が、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領に対する起訴状において、戦争犯罪が実行されたと指摘した7箇所。今週、他国の調査団もこれに参加する。
  • アナン事務総長が、先週末のG8サミット(ドイツ、ケルン)において、開発途上国の抱える債務700億ドルの帳消しが約束されたことに歓迎の意を示した。
  • コンゴ民主共和国和平プロセスのための事務総長特使、Moustapha Niasse氏が安保理に対して、コンゴ民主共和国・和平プロセスの状況についてブリーフィング。この後、安保理議長は報道声明を発表、同国の現状について懸念を表明した。
  • 20日は、アフリカ難民デー(Africa Refugee Day)。25年前のこの日、「アフリカの難民問題に関するOAU条約」(Convention Governing the Specific Aspects of Refugees in Africa)が発効した。緒方貞子難民高等弁務官はこの日、声明を発表し、国際社会に対して、この条約の意義と、それが世界中の難民に対して有する永続的な意味を忘れないよう訴えた。
  • 平和維持担当事務次長Bernard Miyet氏との会談の後、アンゴラの外務大臣が、同国における小規模の国連プレゼンス(政治、情報、人道分野)について原則的に合意した。(アンゴラでは、今年2月までMONUAが活動していたが、同国の和平プロセス崩壊を指摘した事務総長勧告に基づき、安保理が任務の終了を決定、撤退した)
  • 国連東チモールミッション(UNAMET)の文民警察監視員の第1陣、41人がディリに到着。

1999年6月18日

  • アナン事務総長は声明において、コソボのすべての当事者および住民に対して、平和建設・再建活動が開始するなか、最大限の自制と忍耐を示すよう訴える、と述べた。
  • 国連によるコソボ復興作業が進んでいる。コソボ事務総長特別代表(暫定任命)が来週、地雷除去センターをプリシュティナに開設することを最終決定。
  • コソボ解放軍(KLA)指導層がUNHCRに対して、コソボにおける国連援助活動への完全協力を保証。さらにセルビア系住民のコソボ脱出については、KLAメンバーの自制を約束するとともに、戦争犯罪容疑者の対処については、旧ユーゴ国際犯罪法廷に任せる、とした。
  • 安保理は決議1247を全会一致で採択し、憲章第7章の下、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の任期を2000年6月21日まで1年間延長した。
  • 東チモール住民投票・事務総長特別代表のIan Martin氏はディリで記者会見し、インドネシアにおける自治を支持する民兵たちによる暴力事件が続いていることを指摘し、東チモールの治安状況に懸念を示した。
  • 国連は、国際サッカー連盟(FIFA)とともに、男女平等、健康増進、子どもの権利、教育に関する国連活動を世界中に伝え広めていく、と発表した。FIFAは女性サッカーのワールド・カップ(米国)を皮切りに、今後、すべてのワールド・カップで国連旗を掲げることに合意。
  • ルワンダの1994年ジェノサイド前後の国連行動を調査するため、アナン事務総長が任命した独立パネルが活動を開始、国連高官の聞き取り調査を行った。同パネルの議長、カールソン・前スウェーデン首相は国連本部で記者会見し、「我々の任務は、ルワンダのジェノサイドに対する国連対応について事実を確め、結論をだすことである」と述べた。
  • ロビンソン国連人権高等弁務官が、ロシア連邦との間で、人権教育および訓練に関する300万ドル規模の技術協力協定に署名した、と発表。

1999年6月17日

  • フレシェット副事務総長が、UNMIKの活動において主導的な任務を果たすことになるOSCEやECとの協議を終えてジュネーブから戻り、安保理に対して、コソボにおける国連文民活動の準備状況についてブリーフィングを行った。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷の専門家(forensic experts)が16日夜、拷問が行われたと疑われているユーゴ警察本部(コソボの州都プリシュティナ)への立ち入り調査を実施。調査において使用する可能性がある書類ファイルを押収した。
  • コソボ事務総長特別代表(暫定任命)Sergio Vieira de Mello氏が、KFOR司令官Michael Jackson氏とともに、プリシュティナ訪問中のベオグラードのセルビア総主教(Patriarch of Belgrade)と会談。セルビア系住民の医者や下水道管理職員などのコソボ流出によって、同州の保健衛生施設などが受ける影響について話し合った。
  • UNHCRによれば、この3日間において、喜びに満ち溢れるコソボ難民3万4,000人以上が、地雷や仕掛け爆弾の危険を指摘する国連機関の警告を無視して、自らの故郷コソボに向かった。
  • 国際労働総会が、1999年の最悪の形態の児童労働条約(Worst Forms of Child Labour Convention, 1999)を全会一致で採択し、終了した。アナン事務総長は声明を発表し、この条約採択は、世界中の子どもたちにとっての勝利である、と述べた。
  • アナン事務総長は総会第5委員会に対して、国連東チモール・ミッション(UNAMET)の活動経費(改定)を提案した。これによれば、5月5日から8月31日までのUNAMETの活動経費は、5,250万ドルと推計される。
  • アゼルバイジャンとアルメニア軍の間で衝突が起こり、死者がでたと報道されたことを受け、アナン事務総長は、すべての当事者に対して、停戦合意を遵守し、長く引き続く紛争に解決をもたらすよう求めた。
  • 砂漠化および干ばつと闘う国際デー。(アナン事務総長メッセージ-ここをクリック)
  • アナン事務総長は、ニューヨークで開催されたAcademic Council on the United Nations System (ACUNS)の年次会期(今年のテーマ:Rebuilding Torn Societies)において演説し、複雑な世界において、国連をより「活動的かつ断定的」(“active and assertive”)にする方法について、学者および思想家の見解を歓迎する、と訴えた。
  • タジキスタン事務総長特別代表のJan Kubis氏が、OSCE事務局長にされたのを受けて同ポストを離任する。アナン事務総長は、同氏がタジキスタンの和平のために献身的な活動を行ったことに賛辞を呈した。正式離任日は6月21日。現在、後任者について協議中。

1999年6月16日

  • コソボ事務総長特別代表Sergio Vieira de Mello氏は、KFOR司令官Michael Jackson氏と共同記者会見し、セルビア系住民に対してコソボから流出しないようアピールを発した。UNHCRによれば、すでにセルビア系住民2万4,000人がセルビアへ、9,000人がモンテネグロへ流出した。また同特別代表は、ボスニア・ヘルツェゴビナから、150人から200人の国連文民警察モニター員を動員し、最終的には2,000人を上回ることになる国連警察部隊の先遣隊とする案について検討。
  • UNHCRによれば、コソボ難民の故郷への帰還が勢いを増している。難民1万人以上が、アルバニアの国境地点Moriniを越えてコソボに入った。これに比べて人数は少ないが、マケドニアからも同様に、難民がコソボに戻っている。
  • 安保理議長は報道声明において、理事国が東チモール当事者に対して、来たる住民投票が平和的に、かつ脅迫や暴力のない環境において実現するよう努力を求めた、と述べた。
  • アナン事務総長は安保理に対して、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の活動報告を提出。ボスニア・ヘルツェゴビナにおける和平プロセスを自立的なものとするため、国際社会はまだ長い道のりを歩まなければならないとし、同ミッションの任務を12ヶ月間延長するよう勧告した。
  • FAO及びWFPの最新報告によれば、アンゴラにおいて数十万の人々が栄養不良状態となる危険性がある。しかし一方で、必要な援助資金のうち、援助国が拠出を誓約したのは、3分の1以下。報告によれば、同国において、約170万人の避難民が引き続く紛争のため、複数の都市において、実質的に孤立した状態となっている。
  • アナン事務総長は、引退するネルソン・マンデラ南アフリカ大統領に宛てた書簡において、マンデラ氏が5年前のアパルトヘイト撤廃によって勝ち取ったのは、「全人類にとっての勝利」である、と述べた。マンデラ氏の達成したものの大きさと深さに対する感動を心に残していない市民は世界中どこにもいない、と賛辞を送った。
  • ユニセフは声明を発表し、来たるG8サミット(ドイツ、ケルン)が世界の貧困国の債務負担を解消するため、実質的な措置を講じるよう促した。
  • WHOは最新研究報告を発表、たばこの煙が子どもたちの健康に及ぼす害について指摘。同研究「International Consultation on Environmental Tobacco Smoke (ETS) and Child Health」によれば、世界中で7億人の子ども(世界中の子どもの約半分に相当)が、自宅で喫煙家といっしょに暮らしている。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、米国当局に対して、本日予定されているDouglas Christopher Thomas の死刑執行をやめるようアピールを発信。17歳のときに犯した殺人の罪で、Thomasを死刑に処することは、確立した国際的原則に反する、とした。
  • WHO、UNDP、UNFPA、世銀が共同ですすめるリプロダクティブ・ヘルスに関する研究プログラムが、William H. Gates Foundation から1,000万ドルの寄付金の提供を受けた。このプログラムは、ジュネーブに本部を置く、Special Programme of Research Development and Research Training in Human Reproduction (HRP)。

1999年6月15日

  • UNHCRは、コソボ・セルビア系住民が、セルビアおよびモンテネグロに大量流出していることに深刻な懸念を表明。UNHCRの推計によれば、10日以来、1万3,000人のセルビア系住民がモンテネグロへ流出。しかしセルビアに直接流入した住民の数はわからない。なおコソボにいるセルビア系住民は、10万人から20万人と推計される。
  • フレシェット副事務総長はジュネーブに到着。国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK=UN INTERIM ADMINISTRATION MISSION IN KOSOVO)の展開について、共同作業することになるOSCE、EUの代表らと一連の会談を行なう。
  • 安保理議長は報道声明において、理事国がアナン事務総長の昨年の報告書「アフリカにおける紛争の原因と恒久的平和および持続可能な開発の促進」に関する討議の後、平和と安全の問題について、国連とOAUの協力拡大の必要性を強調した、と述べた。また声明によれば、理事国は、事務局がこの報告書に関する3件の決議実施のため努力していることに敬意を表しながらも、やるべきことはまだ多いとし、事務局に対して、勧告とともに進捗状況について、報告書を提出するよう要請した。
  • アナン事務総長は、北朝鮮(DPRK)と韓国の艦艇の間で衝突が発生したことに懸念を表明し、当事者に対して「最大限の自制」を求めた。
  • 13日、アンゴラで援助活動を行なうNGO、Instituto Portugues de Medicinaの職員2人が武装集団に襲われ殺害されたことを受け、ディメロ事務次長はアンゴラ政府およびUNITAに対して、この殺害に責任を有するものを裁判にかけるため、即時かつ具体的な措置を講じるよう求めた。
  • 国連イラク・プログラム室(OIP)によれば、同室事務局長ベノン・セバン氏は14日、イラクに向けて、ニューヨーク出発。イラク政府と、同国の石油輸出能力を拡大させる見通しについて討議する予定。
  • 19回モントリオール議定書開放型作業部会(UNEP主催)がジュネーブで開始。世界100カ国の政府代表が集まり、オゾン層破壊物質の使用規制の強化や、それらの化学物質を撤廃しようとする各国の努力に対して資金援助することについて検討する。

1999年6月14日

  • アナン事務総長は、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK=UN INTERIM ADMINISTRATION MISSION IN KOSOVO)の全体的組織について予備的活動概念を示す報告書を提出した。これによれば、UNMIKは事務総長特別代表の権限の下、暫定文民行政、人道問題、制度建設、再建の4つの部門から構成される。なお、より詳細な報告書が、すでにコソボの州都プリシュティナ入りしている国連先遣隊の評価に基づいて作成され、30日以内に提出される予定。
  • 国連は先週末、コソボの首都プリシュティナにUNMIK本部の設置を開始。一方、アナン事務総長は11日、人道問題事務次長Sergio Vieira de Mello氏をコソボ事務総長特別代表に暫定任命。ディメロ氏は13日、先遣隊を率いて、プリシュティナ入り、UNMIKの受け入れ準備を開始した。
  • 国連人道機関は先週、コソボにおける緊急援助物資の提供を開始。なおUNHCRがコソボにおける人道援助活動を監督しているが、同機関によれば、今後3-4カ月間において、おそらく50万人の難民がアルバニアおよびマケドニアからコソボへ帰還する。
  • WFPは、インドネシアの都市部で経済危機の影響を受ける貧しい人々のための援助資金を拡大する、と発表した。8,800万ドル(当初)から1億3,580万ドルに増額されるプログラムによって、7月1日から2000年6月まで、170万の人々に食糧を提供する。
  • 国連は先週末、8月8日に予定される東チモール住民投票に向けて、住民たちに対する広報キャンペーンを開始した。ラジオ、テレビ、新聞などを使って、投票プロセス、自治案に対して住民が投じる賛成・反対票のもつ意味について説明する。
  • これまでの慣習に従い、前事務総長のブトロス・ブトロス=ガーリ氏の公式肖像画が、5人の歴代事務総長のものと並んで、ニューヨーク国連事務局ビル・ロビーに飾られた。作者はノルウェーのEven Richardson氏。
  • セネガルとアルゼンチンの2カ国が、FAO事務局長の候補者を決定。FAOによれば、セネガルは現事務局長のJacques Diouf氏、アルゼンチンは同国駐スウェーデン大使のJuan Carlos Roland Vignuad氏を候補とした。

1999年6月11日

  • 安保理が昨日、コソボ和平プランを決定したことを受け、アナン事務総長は国際文民行政の設置のため、コソボへの先遣隊の早期派遣を命じた。先遣隊は、コソボで活動する軍事およびその他の国際的アクターの調整メカニズム設置などに着手する。
  • 5月16日から27日にかけて、コソボを含むユーゴ連邦共和国における人道状況を視察したミッションが、視察内容について報告書を発表。NATO空爆が開始した3月24日以来、国連機関がコソボから撤退し、住民が援助を全く受けていないとし、また、大量強制追放、財産の破壊、殺害などが行われた状況について報告する。
  • 安保理は決議1246を全快一致で採択し、国連東チモール・ミッション(United Nations Mission in East Timor=UNAMET)を設置。また同領土の自治提案のための住民投票に関する事務総長提案を承認した。UNAMETの任期は8月末まで、8月8日に予定される直接住民投票の組織運営を行う。
  • 安保理は決議1245を全会一致で採択し、国連シエラレオネ監視ミッション(UN Observer Mission in Sierra Leone =UNOMSIL)の任期を12月13日まで、6ヶ月間延長した。
  • 国連貿易開発会議(UNCTAD)が研究報告「開発途上国の債務問題の解決を模索して」("Finding Solutions to the Debt Problems of Developing Countries")を国連経済社会問題執行委員会のために作成。この研究報告は、G8に対して、世界の重債務開発途上国(HIPC)に対する債権帳消しを求める。
  • アナン事務総長は安保理に報告書を提出し、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の任期を12月31日まで、6ヶ月間延長するよう勧告。
  • 旧ユーゴおよびルワンダ国際犯罪法廷の主任検察官Louis Arbour氏は声明を発表し、今年9月15日に主任検察官のポストを辞任する意向をアナン事務総長に通知したことを明らかにした。
  • UNHCRとイランが、より多くのアフガニスタン難民の祖国への自発的帰還をめざし、その手段の概要について暫定合意を成立させた。

1999年6月10日

  • アナン事務総長は、ソラナNATO事務総長から、ユーゴ軍のコソボ撤退が開始し、NATO空爆が停止したことについて通知を受けた。これを受け、安保理は決議1244を賛成14、反対0、棄権1(中国)で採択し、コソボ和平プランを承認。コソボ危機に対する政治的解決に関する原則をユーゴ連邦共和国が受諾したことを歓迎し、国連の下、コソボにおいて国際的な文民・治安部隊を展開することを決定した。(決議全文、ここをクリック)
  • コソボ和平案を承認した安保理においては、30カ国の代表が出席し、それぞれの意見を主張した。いくつかの国は、コソボにおける国際的な文民・治安部隊を承認する決議が採択されたことについて、このことが国連の役割を強調し、平和と安全に対する安保理の主要な責任を回復することになった、と強調した。
  • 国連機関は、コソボの安全が保証され次第、同地に復帰するため用意を急いでいる。一方で、難民に対しては、あわてて帰還しないよう呼びかけている。なおUNHCRおよびその他の援助機関は今週末、マケドニア・スコピエにおいて、78万人以上の難民、避難民の帰還の最終準備について討論する。
  • ベルギーでダイオキシンに汚染された畜産物による癌発生の可能性が広まっていることを受け、FAOは家畜飼料の汚染を防ぐためのガイドラインを作成。
  • グルジアとアブハジアの信頼醸成措置に関するイスタンブール会議が、2日間の会議を終了。来週、3つの作業部会を開き、治安問題、難民帰還、経済関係強化について討議することに合意した。
  • 世界食糧計画(WFP)は、コンゴ民主共和国の首都ブラザビルに帰還する、最もひどい被害を受けた難民10万人に対して緊急食糧物資を提供するため、WFP緊急基金から、150万ドルを借用した、と発表した。
  • ハンガリーは、国連薬物統制犯罪予防室(ODCCP)と、同国の腐敗問題の早急な評価を行なうため、合意文書に署名した。

1999年6月9日

  • バルカン問題事務総長特使(エドアルド・クカンおよびカール・ビルト両氏)は、コソボ和平実施活動に関する調整会合(ジュネーブ)の結果について安保理にブリーフィング。その後、報道記者たちに対して、コソボでの活動が、近代において最も挑戦的かつ複合的なものとなることを指摘した。
  • 国連機関は、コソボ危機によって影響を受けた約150万の人々に対して、今後6ヶ月間緊急援助を行なうため、国際社会に対して、4億7,340万ドルの資金拠出を求めるアピールを発信した。
  • UNHCRによれば、アルバニアおよびマケドニアへのコソボ難民の流入は続いているが、その数は減少した。(8日、アルバニアの国境地点、Moriniに到着したコソボ難民は、計106人。マケドニアに到着した難民は、計213人)
  • アナン事務総長は8日、ワシントンで、米国商工会議所に対して演説。「...国連は、平和と開発というグローバルな課題に立ち向かうため、世界の実業家たちを、完全なパートナーとして必要としている」と述べた。
  • 国連職員の安全と独立性に関する第2回サミット(Second Summit on the Security and Independence of UN International Civil Servants)、国連本部で開催。主催は、UN Staff Union's Standing Committee on the Security and Independence of the International Civil Service(CSIICS)。世界各地の困難かつ危険な状況において、任務を遂行する国連職員の安全を高める必要性に焦点を当てた。
  • イラク・プログラム室(OIP)によれば、イラクは、石油食糧交換プログラムの第6期(5月25日から6カ月間)において、初めての石油輸出を開始した。――6月1日、石油540万バレル(7,400万ドル相当)を積んだ船が、Ceyhan港を出発した。

1999年6月8日

  • アナン事務総長は、G8がコソボに関する安保理決議案に合意したとの報道に歓迎の意を示した。この決議案は本日、安保理(非公式・非公開協議)に提出された。
  • バルカン問題事務総長特使のカール・ビルト氏はジュネーブで記者団に対して、コソボが荒廃地であり、ゼロからの再建を必要とする、と述べた。なお同氏ともう一人の特使Eduard Kukan氏はジュネーブにおいて、国連、民間援助団体、NATO、OSCEの間の活動調整会議を開催した。
  • マケドニアに新たに流入したコソボ難民がUNHCR職員に語るところによれば、セルビア勢力はコソボ住民に対して、新規の登録証を入手するよう要求している。UNHCRは、この証言に対して、懸念を表明。UNHCRによれば、この登録証は明らかに、コソボの人々の公式な住居地の登録と、その抹消について記載したものである。また、その他のコソボ難民によれば、セルビア勢力が、コソボを流出する難民に対して、市民権を放棄するよう要求している。
  • IAEAは8日、その査察団が3日―4日、ユーゴの核施設、Vinca Institute of Nuclear Sciencesの立ち入り検査を実施、終了した、と報告。
  • アナン事務総長は、国連シエラレオネ監視ミッション(UNOMSIL)に関する報告書を安保理に提出。同ミッションの任期を12月13日まで、6カ月間延長するよう勧告した。
  • WFPによれば、5カ月ぶりに、シエラレオネ南部の町、Boにいる数千人の避難民たちに対して緊急食糧援助物資を輸送、提供できた。昨年12月以来、治安状況が悪化し、フリータウンからBoへの主要道路が閉鎖され、食糧輸送ができずにいた。
  • 子どもと軍事紛争のための事務総長特別代表Olala Otunnu氏が国連本部で、記者ブリーフィング。同氏は最近、コロンビアを訪問し、コロンビア政府、ゲリラ組織の代表らと会談したが、同国の状況について進展がみられる、と述べた。

1999年6月7日

  • UNHCRによれば、NATOとユーゴ軍の交渉が中断したにも関わらず、国連機関は難民帰還に備えて、集中的に準備を続行。UNHCRおよび国連機関は9日、民間救済機関および援助国との会合を開く予定。またUNHCRは、同安全が保証され次第、UNHCRとパートナー機関が、国内避難民支援および難民機関準備のため、コソボに入る必要を指摘。
  • 安保理議長は報道声明において、アンゴラの反政府勢力UNITAに対する制裁を監視する委員会の報告書を歓迎し、同措置をさらに効果的なものにするという「極めて重要な問題」についてなされる努力に対して、強い支持を表明した。
  • アナン事務総長はスポークスマンを通じて声明を発表し、アンゴラの人道状況の悪化に深い懸念を示し、国際援助コミュニティーに対して、「大規模な人間の悲劇」が起こるのを防ぐため、同国の大規模活動を緊急に支援するようアピールを発信した。
  • アブハジアにおける紛争の包括的解決をはかるため、国連が仲介する、グルジアとアブハジアの話し合いが、トルコ(イスタンブール)で行われた。事務総長特別代表Liviv Bota氏が議長を務めた。会議の正式名称は、Istanbul Meeting of the Georgian and Abkhaz Sides on Confidence-Building Measures。
  • アナン事務総長は総会に対して、ハイチ情勢に関する報告書(A/53/90)を提出。同報告によれば、ハイチにおける政治的、制度的危機の影響を受け、人権状況は全体的に悪化した。しかし、一方で、表現、集会、結社などの基本的自由の尊重などにおいて、前向きな進展も見られる。
  • 女子差別撤廃委員会(CEDAW)が、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の20周年記念式典を開催。フレシェット副事務総長は同式典で演説し、世界中で女性の人権が、さまざまな形で、さまざまな程度で、未だに無視され、侵害されているとした。そして、多くの場所で、真の平等を達成するために、断固たる行動を取るよう求めた。
  • シエラレオネ政府と反政府勢力Revolutionary United Frontが4日、それぞれの管理下のすべての地域への人道援助機関の安全かつ妨害のないアクセスを保証することに合意。これについて、ディメロ事務次長は賞賛し、当事者に対して、合意の即時かつ効果的な実施のために、あらゆる努力をするよう促した。

1999年6月4日

  • アナン事務総長は、ユーゴで昨日、コソボ和平合意が成立したとの報道について歓迎の意を表明。まだ、この和平合意については今後、さらに数多くの詳細を煮詰める必要があるが、この合意を実施に移すため安保理決議の採択に向けて、すでに集中的な作業が始まっている、と述べた。
  • アナン事務総長はカール・ビルト、エドアルド・クカン両特使に対して、国連機関およびその他の組織を集めて、コソボにおける紛争終結後の活動について検討するための会議を8日、開催するよう要請した。
  • UNHCRは6日、コソボ和平合意実施に関して、来週予定される一連の会議に備えて、企画立案チーム会合を開催する。なおUNHCRは本日、難民帰還の成否がユーゴ軍のコソボ全面撤退、並びに安全な帰還を保証する強力な国際兵力の展開が実施されるかどうかにかかっていると強調した。
  • IAEAがユーゴのベオグラード近くの町、Vincaにある核研究センターを立ち入り検査。これは、5ヶ月ぶりに再開した、ユーゴ核施設の月例検査。
  • アナン事務総長は、ムベキ南アフリカ新大統領に祝辞を送り、民主主義と開発に向けた同国の努力に対する国連の支援を約束した。
  • 6月5日は、世界環境デー。今年のテーマは、「私たちの地球、私たちの未来、救うのは今!」である。なお東京において、「グローバル500賞」授賞式など、主要な記念行儀が行なわれた。
  • クラウス・テプファーUNEP事務局長は、残留性有機汚染物質(POPs)のひとつ、ダイオキシンに汚染された鶏肉を見つけ出し、処分するよう求めるEUの呼びかけを支持。同氏は、EUの行動はPOPsの発生を削減、根絶する地球的行動の必要性を示しているとし、これに関して法的拘束力のある条約が年内に採択されることを確信している、と述べた。
  • 国連調整官室は、アフガニスタンの森林伐採の拡大を防ぐため、海外の木材業者に対して、成長森林で伐採される木材を輸入しないよう求めた。
  • WFPによれば、干ばつに襲われたソマリアに、モンスーン到来前、最後となる食糧輸送船が到着。今回輸送されたのは、フランスから運ばれたトウモロコシの実5,000トンで、8月の収穫期まで、ソマリア南部50万の人々の食糧となる。

1999年6月3日

  • 国際司法裁判所(ICJ)は、NATO空爆の即時中止を求めた、ユーゴスラビアによる仮処分申請
  • アナン事務総長は、セルビア議会がNATOコソボ和平案の受諾を決定したとの報道を受け、慎重な姿勢を保ちながら歓迎の意を表明した。
  • UNHCRは、ユーゴによるNATO和平案の受諾決定の報道を受け、歓迎の意を表明。しかし、コソボ難民80万人の帰還の成否については、現地の情勢にかかっている、と指摘した。
  • 司法権外、即決および恣意的な刑の執行に関する人権特別報告者Asma Jahangir氏は、最近アルバニア、マケドニアを視察した結果について、ジュネーブで記者会見。コソボにおいて、セルビア警察、軍隊、民兵組織により人権侵害が行なわれているとの複数の証言を得た、と述べた。そしてユーゴの行動について、恐ろしい野蛮な民族排除である、とした。
  • 安保理議長は報道声明において、世界で難民・避難民の数が急激に増加していることについて深刻な懸念を表明。国際社会、特に援助国に対して、干ばつ、飢餓に襲われている国々への援助を要請する国連機関間アピールに積極的に対応するよう求めた。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、アナン事務総長が国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)の活動報告において、中央アフリカ共和国治安部隊の再構築支援を援助国に求めたことについて支持を示した。また国際ドナーに対して、同国の大統領選のため、財政的・物質的支援を提供するよう求めた。
  • WFPは、アフリカ中部の大湖地域における食糧援助活動の継続を可能にするため、国際社会に対して、,300万ドルの追加的資金拠出アピールを発した。ルワンダ、ブルンジ、ウガンダの国内避難民や戦争被災者90万人、並びにタンザニアに避難するルワンダ及びブルンジ難民36万人にとって、WFPは現在、実質的に唯一の食糧供給源である。
  • テプファーUNEP事務局長は、グローバル・コモンズ世界環境会議(東京)で演説し、経済が依存する「生命を支える」(“life support”)システムに対する負荷が大きくなり過ぎており、世界が持続可能な開発への道を進まない限り、深刻かつ不可逆的な環境破壊に直面するであろう、と警告した。
  • FAO/WFPの報告によれば、ヨルダンは現在、数十年に一度の最悪の干ばつに襲われており、100万人以上の人々が食糧不足の脅威を受ける可能性がある。

1999年6月2日

  • 国際司法裁判所(ICJ)は、NATO空爆の即時中止を求めた、ユーゴスラビアによる仮処分申請を却下。なお同時に、その決定において、ICJは、現状において国際法に関して非常に深刻な問題を投げかける、ユーゴにおける武力行使について深く憂慮する、とした。(4月、ユーゴは、NATO空爆を国際法違反として、10カ国を個別に提訴。この提訴に関する最終的な決定を待つ一方、同国は、NATO空爆の即時停止の仮処分を求めていた。)
  • アナン事務総長はバチカン市国で、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と会談。コソボ危機および周辺地域における平和建設の見通しについて話し合った。
  • ディメロ人道問題担当事務次長が、コソボの人道状況について現地視察した結果について、安保理にブリーフィング。コソボ紛争が早急に終結しない限り、コソボおよびユーゴ内の他の地域において人道状況が劇的に悪化するであろう、とした。
  • UNHCRが、コソボ・アルバニア境界地点の治安状況の悪化について深刻な懸念を表明。同国境地点における戦闘によって、人道援助活動が妨げられ、またアルバニア住民が避難を余儀なくされている。
  • 安保理議長は報道声明において、イスラエル国防軍(IDF)/南レバノン軍(de facto forces =DDF)の攻撃によって、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)要員のアイルランド兵士が死亡したことについて、非難した。
  • 「アフリカ・ファクトシート」最新号(UNHCR発行)によれば、今年1月現在、アフリカで自分の家を追われた人々は計650万人(昨年は720万人)。そのうち、難民は330万人、国内避難民は210万人、110万人が最近帰還した。難民流出が最も多い国は、シエラレオネ41万1,000人である。
  • UNCTADは、海外直接投資(FDI)に関する最新の統計を発表。それによれば、今年、ロシア連邦への海外直接投資総額は、20億ドル。昨年(60億ドル)から、かなり減少した。中・西欧諸国については、昨年の13億ドルから、160億ドルへと増加した。
  • FAOは、牛疫(rinderpest)が再び世界各国に蔓延する危険性について警告。国際社会に対して、牛疫撲滅計画を支援するよう訴えた。現在、牛疫は、スーダン南部、ソマリア南部、パキスタン一部地域の3地域においてのみ、みられる。しかし過去5年間に、ロシア東部、アラビア半島南部、トルコ・イラク国境沿いのクルド居住地域で発生した。

1999年6月1日

  • ロビンソン人権高等弁務官は、コソボの人権状況に関する包括的報告書を発表。恣意的な刑の執行、強制追放、レイプ、身体的虐待、財産・身分証明書類の破壊など、弁務官室職員が現地で収集した、大規模な人権侵害の証拠を提示。そして、コソボで起こっている人道的悲劇の根元は、人権の危機的状態にあるとし、ユーゴ当局の責任者に対して、人権侵害を終わらせ、すべての軍隊および民兵組織をコソボから即時・無条件に撤退するよう求めた。
  • UNHCRによれば、アルバニア国境で引き続く戦闘、マケドニア国境におけるセルビア勢力の新たな統制によって、コソボ難民の流出が妨げられている。
  • 機関間常設委員会(Inter-Agency Standing Committee)は、ユーゴ政府が先週、NGOのCAREに所属するオーストラリア人職員3人に対して、スパイ行為で有罪の判決を下したことについて、深い遺憾と憂慮の念を表明した。同委員会は、15の国連機関およびNGOで構成される。
  • アナン事務総長は週末、インド・パキスタン両首相と会談。両首相はカシミール問題について討議するため会談することに合意した。アナン氏は、この合意に勇気づけれられるとし、両首相の外交的解決努力に対して希望を表明した。
  • アナン事務総長は、国連中央アフリカ共和国(MINURCA)の活動報告を安保理に提出。中央アフリカ共和国の選挙支援のさらなる遅れ、あるいは削減は、同ミッションの目的の達成を危うくするとし、同国政府に対して、今夏後半に予定される大統領選の準備を急ぐよう促した。
  • アナン事務総長は、レバノンにおいて、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の要員が一人、イスラエル国防軍 (IDF)/南レバノン軍(de fact forces=DDF)の攻撃を受けて死亡したことについて、非難表明。死亡したのは、アイルランド部隊に所属する、Private William Kedian氏。これで、1978年以来、レバノンにおける敵対的戦闘によって死亡した国連平和維持兵は、77人となった。
  • 東チモール住民投票事務総長特別代表Ian Martin氏が、ディリ空港に到着。報道声明において、国連の役割は、東チモール住民が公正な選挙運動、秘密投票によって、自らの将来を選択できるよう確保することである、と述べた。そして住民の選択について、国連の完全中立を強調した。
  • 第87回ILO年次総会が、ジュネーブで開幕。同総会において、最悪の形態の有害かつ搾取的な児童労働の廃止条約が、採択される見込み。

1999年5月28日

  • アナン事務総長は記者会見(スウェーデン)において、旧ユーゴ国際犯罪法廷がユーゴのミロシェビッチ大統領を起訴したことにより和平プロセス進行が複雑化するであろう、と述べた。またチェルノムイルジン・ロシア特使(本日、ベオグラード)がこの起訴について批判したことについて、同氏と国連との関係において、「過度に複雑な要因」とはならないであろう、と付け加えた。
  • WFPの後方支援部部長のRamiro Lopes de Silva氏は、コソボの食糧不足の深刻さを指摘し、早急な行動の必要性を強調した。同氏は今週、国連人道ミッションの一環でコソボを視察。
  • この2日間、マケドニアに流入するコソボ難民は、少ない人数にとどまる。一方、マケドニア政府が、同国北西部において、新たに2万人のコソボ難民を収容できる難民キャンプを設置することに合意した(UNHCR発表)。
  • アナン事務総長は声明において、カシミール地域をめぐって、インド・パキスタン間で戦闘が継続していることに懸念を再表明。
  • UNHCRによれば、コンゴ民主共和国東部で発生した戦闘によって、タンザニアに流入するコンゴ難民が急激に拡大した。25日以来、4,800人がKigomaで難民登録、昨年8月の戦闘勃発以来、流入したコンゴ難民は計6万1,855人となった。
  • 経済社会局の社会開発政策部長John Langmore 氏は国連本部で記者会見し、社会開発サミットの成果の実施に関する特別総会(2000年)の準備委員会(5月17-28日)において、コペンハーゲン行動計画をすすめるための14の追加的措置に関する暫定合意が成立した、と述べた。

1999年5月27日

  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷が、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領とその他の政府高官4人を、人道に対する罪で起訴し、逮捕状を出した。アルブール主任検察官は、同起訴が和平プロセスに及ぼすであろう影響に留意しているとしたうえで、同法廷の活動がコソボおよびその他の地域における永続的平和に大きな貢献を果たすことを確信していると述べた。
  • アナン事務総長は、スウェーデンのLund University法学部で演説し、国際社会がルワンダおよび旧ユーゴ国際犯罪法廷の検察官を支持し、協力せねばならない、と述べた。さらに2つの犯罪法廷だけでは不十分であるとし、各国に対して、国際刑事裁判所規程を批准するよう求めた。
  • UNHCRは、コソボ難民のマケドニアへの流出(過去5日間)が急に止まったことに懸念を表明(26日、同国に越境した難民はわずか300人のみ)。
  • 安保理は決議1243を全会一致で採択し、国連引き離し監視軍(UNDOF)の任期を、1999年11月30日まで、6ヶ月間延長した。
  • 安保理は議長声明において、ソマリアにおいて政治・軍事・人道状況が深刻に悪化していることに懸念を表明。また文民および人道援助要員に対する攻撃を非難した。
  • 総会第5委員会は、UNFICYP、UNDOF、UNIFILなど、現在活動中の12件の平和維持活動の2000年6月末までの予算として、6億2,360万ドルを承認した。
  • 非植民地化委員会が主催した、カリブ地域セミナー(3日間、セントルシア)が終了。アナン事務総長は、同セミナーに対するメッセージにおいて、17の非自治地域の200万の人々がその将来に関して決定するため闘いを続けていると指摘し、このセミナーが人々の見解・懸念を聴き、全体的な進捗状況を評価するよい機会を提供した、と述べた。
  • スーダン政府、スーダン人民解放運動、および国連は25日、人道援助技術委員会会合で、Operation Lifeline Sudanに係わる重要問題について合意、最終コミュニケに署名した。

1999年5月26日

  • アナン事務総長はG8サミット(6月18-20日)を前に、シュレーダー独首相(G8議長)に書簡を送り、G8諸国に対して、より均衡のとれたパターンおよび経済成長をめざした政策を取るとともに、安定した国際金融システムを保護するために追加的措置を講じるよう促した。また最貧国の債務を削減し、開発援助を拡大するため、早急に行動をとる必要性を強調した。
  • UNHCRによれば、この数日間続いたマケドニアへのコソボ難民の大量流入が止まった。本日、越境地点、Blaceにおいて、難民の姿が一人も見られない。(過去5日間に同国に流入した難民は3万人以上)
  • 安保理は議長声明において、アンゴラの人道状況が引き続き悪化し、増え続ける国内避難民の数が、すでに160万人に達したことに深い憂慮を表明。また人道援助機関の活動可能範囲が急激に狭まり、援助を必要とする人々への人道援助提供が不可能となっている状況に対して、特別な懸念を示した。
  • 安保理議長は報道声明において、事務総長が24日提出した報告書で示した東チモールの治安状況に対して深い憂慮を表明。また国連東チモール・ミッション(UNAMET)の設置提案に対して支持を示した。
  • アナン事務総長、スウェーデン訪問2日目。同国の国会で演説し、グローバルな課題に対しては、多国間でグローバルな解決をはかり、それにより、すべての国がその正当性を受け入れ、実施義務を感じねばならない、と述べた。
  • アナン事務総長は、「アフリカの日」会議(OAU主催、ロンドン)にメッセージを送り、アフリカおよび世界で基本的な変化が起こっている時代において、今こそアフリカの人々にふさわしいアフリカをつくるときである、と述べた。
  • FAOは、EUの資金を得て行なう、環境にやさしい綿生産プロジェクトの計画を発表。1,200万ユーロ(1,270万ドル)規模の同プロジェクトは、農家が使う農薬を50%以上削減し、なおかつ生産の拡大をねらうもので、バングラデシュ、中国、インド、パキスタン、フィリピン、ベトナムで実施される。
  • シエラレオネと反政府勢力間の停戦合意発効を受けて、WFPは同国において食糧援助を必要とするすべての人々に対して、人道援助機関が安全かつ妨害のないアクセスを保証されるよう訴えた。

1999年5月25日

  • UNHCRによれば、過去4日間において、2万人を超えるコソボ難民がマケドニアに流入。24日だけで、8,000人の難民が列車およびバスで、Blaceに到着、さらに数百人の難民がその他の地点を通って越境した。
  • UNFPAが、コソボ難民の女性のレイプおよび誘拐について詳しい報告を発表。性的暴力・トラウマ・カウンセリングを専門とする心理学者、Deminique Serrano-Fitamant氏が5月上旬、アルバニア(ティラナおよびクケス)の難民キャンプの難民女性らに事情聴取し、作成した。
  • アナン事務総長、スウェーデンを訪問。同国で行われた中米援助国会議で演説、中米および国際社会に対し、平和と再建という2つの課題への取り組みを訴えた。
  • アナン事務総長はストックホルムで記者会見し、1994年、ルワンダで行われたジェノサイドへの国連の対応について調査するため、3人の委員で構成するパネルを設置した。委員に任命されたのは、前スウェーデン首相のIngvar Carlsson氏、元韓国外相のHan Sung-Joo氏、ナイジェリア大将のRufus Kupolati氏の3人。
  • アナン事務総長は声明を発表し、インドとパキスタンがジャムカシミールKargilとDrass 地区のLine of Controlにおいて激しい戦闘が約2週間継続していることに憂慮を表明。
  • 総会は決議を無投票で採択し、国連東チモール・ミッション(UNAMET)の経費として、3万5,000ドルを承認した。
  • ブルントラントWHO事務局長は世界保健総会で演説し、今後10年以内にヨウ素欠乏症(IDD)をなくすための一連の措置を示した。
  • アジア太平洋の経済危機緩和をめざして、バンコクで高級会合が開催。ESCAPと、開発に関連するその他の国連機関の共催。この会合の最終報告は、来年、1995年社会開発サミット以降の進捗状況を再検討する特別総会に提出される。
  • UNHCRによれば、シエラレオネ反政府勢力が週末、ギニア国境沿いの村、Tassin(シエラレオネ難民キャンプ地)を攻撃し、11人が死亡した。これにより、シエラレオネ政府および反政府勢力の停戦合意に暗雲。

1999年5月24日

  • 国連人道調査団が、3日間のコソボ視察を終了。セルジオ・ディメロ事務次長(団長)はモンテネグロで記者団に対し、同調査団がコソボにおいて民族浄化を示すに足る十分な状況を視察し、証言を得た、と語った。
  • UNHCRによれば、コソボ難民の周辺諸国への流出が再び勢いを増した。21日から23日の3日間で、難民1万8,000人以上がアルバニアおよびマケドニアに流出。
  • アナン事務総長は安保理に報告書を提出し、東チモールの住民投票を組織・運営するため、国連東チモール・ミッション(UNAMET=United Nations Mission in East Timor)を設置するよう勧告した。文民警察官280人を含む、約5,000人の要員で構成される。同報告書は、東チモール住民投票事務総長特別代表(兼ミッション長)として、Ian Martin氏を任命することを確認。なおJamsheed Marker氏は、東チモール問題事務総長個人代表の職にとどまる。
  • 総会は、事務総長の勧告を承認し、ルワンダ国際犯罪法廷判事のLennart Aspergen氏の任期を延長し、同氏が現在審理中の2つの係争事件を完了することを可能にした。一方、安保理は、事務総長からの同様の勧告を受け、19日にこれを承認している。同2件の審理完了に必要な日数は8ヶ月、必要経費は26万1,800ドルと見積もられる。
  • アナン事務総長は、国連ハイチ文民警察ミッション(MIPONUH)の活動報告を提出し、ハイチの政治的危機解決のために講じられた最近の措置について「勇気づけられる」と評価。すべての政治的アクターに対して、選挙プロセスに建設的に参加し、公正かつ透明で、信頼できる選挙の実施を確保するよう求めた。
  • 国連西アジア経済社会委員会(ESCWA)は23日、ベイルート(レバノン)で、千年紀総会および千年紀サミットの準備の一環として、各国政府および市民社会の意見を聴取するための会合を開催した。同会合は、地域委員会が主催する初の公聴会となる。
  • 世界保健総会は決議を全会一致で採択し、煙草統制枠組み条約(FCTC)に関する交渉の開始を求めた。WHOがその50年の歴史において、条約交渉作業を行なうのは初めて。同日、総会はまた、米露で保存する天然痘ウィルスの破棄を遅らせることを決定した。
  • FAOは声明を発表し、アフリカおよび近東において大量に備蓄された農薬を「時限爆弾」にたとえて、人間および環境に対する危険性を指摘。化学産業に対して、その安全な破棄のため、資金を拠出するよう求めた。
  • 国連海洋法条約・国際法廷の新判事7人が選出された。任期は10月1日から9年間。同法廷は、海洋法の解釈・適用において生じる紛争解決のための中心的なフォーラムとして、1996年に発足。
  • アナン事務総長は21日、声明を発表し、コロンビアの上院議員かつ人権活動家、Piedad Cordoba de Castro氏が誘拐されたことを非難。同氏が早急に解放されるよう希望を表明し、そのためコロンビア政府が全力を尽くすよう求めた。
  • WFPはリベリアのVoinjamadで先月起こった人質事件後初めて、同国北部のシエラレオネ難民2万6,500人に対する食糧輸送を再開した。

1999年5月21日

  • 国連人道視察団が20日、コソボ入り(NATOのユーゴ空爆開始以来、初めて)。同視察団によれば、プリシュティナへと向かう道中、数多くの人々や、いくつかの商店が開店している一方で、数多くの家や店が選択的に破壊されている。
  • UNHCRは、コソボ難民キャンプの防寒対策を本格化。すでに防寒テント1万5,000張を購入し、7月にはその配給を開始する予定。
  • 安保理は、憲章第7章の下、決議1242を全会一致で採択し、イラク石油食糧交換プログラムを6ヶ月間延長した。同計画の下、イラクは医療、その他の人道物資購入のため、180日間に上限52億ドル相当の石油輸出を許される。また石油購入が上減額52億ドルに達した場合、この上限について見直しを図る意向を表明した。
  • アナン事務総長は、国連引き離し監視軍(UNDOF)の活動状況について安保理に報告書を提出し、同軍の任期を11月30日まで6ヶ月間延長するよう勧告した。
  • ルワンダ国際犯罪法廷は、ルワンダのKibuye州知事(当時)のClement Kayishema氏、並びに同州の企業家Obed Ruzindana氏について、それぞれ有罪の決定を下した(Kayishema氏は終身刑、Ruzindana氏は20年刑期)。
  • 国連薬物統制犯罪防止室(ODCCP)の事務局長Pino Arlacchi氏とラオス大統領は、同国のケシ栽培を根絶するための6年計画(総額8,000万ドル)に合意した。
  • 米英仏の3カ国が20日、ジュネーブ軍縮会議の実質会期を開始させるため、活動計画案を提出。消極的安全保障および核軍縮に関するアドホック委員会を再設置すること、また核分裂性物質生産禁止条約交渉アドホック委員会が今後、毎年の設置承認を必要とせず、同交渉の終了まで、実質会期での作業を継続することなどを提案した。
  • 世界保健総会において、現在、米露2カ国で保存する天然痘ウィルスを破棄する時期を遅らせる決議案が提出された。1996年、総会は1999年6月末までに同ウィルスを破棄することを決定していたが、同決議案によれば、2002年まで、暫定的に保存することになる。

1999年5月20日

  • アナン事務総長がアルバニアのコソボ難民キャンプ訪問。アルバニアの町、Kukesで、報道記者たちに対して、コソボ難民を支援するため、緊急の国際行動の必要性を強調した。
  • NATOのユーゴ空爆開始以来初めて、コソボの人道状況を調査するための国連視察団がコソボの州都プリシュティナに到着する。同地に3日間、滞在する予定。
  • UNHCR及びその他の国連機関が、コソボ難民帰還計画の概要について報告書を発表。同報告書は、現在のところコソボ帰還の見込みは立っていないものの、150万人のコソボ難民の帰還計画に早急に着手する必要がある、と指摘。
  • アナン事務総長は総会に対して、東チモールの自治に関する住民投票のための国連ミッション派遣のため、4,560万ドルの予算を提案した。総会第5委員会は、この提案について審議し、同委員会の現会期終了(来週金曜日)前に、総会に対して勧告を行う。
  • フレシェット副事務総長はAssociation of Former International Civil Servantsの昼食会(国連本部)で演説し、国連には改革能力がないという「神話」とは逆に、実際には国連が創設以来、変容・進化・順応を続けてきた、と述べた。
  • ユニセフは、ハイチにおいて半数以上の国民が読み書きができず、また子どもの半分以上が第5学年に進級できない状況を指摘し、国際社会の緊急の関心を求めた。
  • 国連薬物統制犯罪防止室(ODCCP)の事務局長、Pinno Arlacchi氏は21日、東南アジアの薬物取引撲滅に向けた協力拡大のための閣僚会合(ラオス)で、基調演説を行う。

1999年5月19日

  • アナン事務総長が、マケドニアのコソボ難民キャンプを視察訪問。
  • 国連人道視察ミッションが、ユーゴ南部の町、Novi SadおよびPancevoを訪問。一方、バルカン問題事務総長特使Eduard Kukan氏はワシントンで、オルブライト米国務長官と会談、また明日には、モスクワでイワノフ外相と会談する予定。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、シエラレオネ大統領および反政府組織指導者が停戦合意に署名したことを歓迎。また紛争当事者に対して、5月25日に始まる交渉を建設的かつ誠実に行い、より広範かつ包括的な和平合意を成立させるよう促した。
  • 安保理は議長声明において、アンゴラ上空で、先週、ロシア商用機が撃墜されたことを非難。UNITAが拘束している可能性があるロシア人乗員、その他の外国人の即時・無条件解放を要求した。
  • 安保理は議長声明において、エリトリア・エチオピア紛争が依然として継続し、生命が失われていることに憂慮を示すとともに、最近の外交交渉における前向きな動きがただちにフォローアップされるよう強い希望を表明した。
  • アナン事務総長は、第5回African/African-American Summit(アクラ、ガーナ)に対するメッセージにおいて、アフリカの平和と持続可能な開発を促進するうえで、国際経済界が国連にとって重要なパートナーであると述べた。
  • 安保理は決議1241を全会一致で採択、5月24日任期終了となるルワンダ国際犯罪法廷判事Lennart Aspegren氏がTrial Chamber 1で審理中の2つの係争事件(検察/Georges Anderson Rutaganda、検察/Alfred Musema)を終了するまでその職にとどまるよう提案する事務総長勧告を承認した。また同法廷が、可能であれば2000年1月31日までに、これらの係争を終了させる意向を示していることに留意した。
  • ハビタットと世界銀行共同の「Cities Alliance」開始式典(ワシントン)。都市開発協力の効率性および影響を向上させるための新たなイニシアチブ。
  • テッド・ターナー氏からの寄付金10億ドルの分配を監督する、国連財団(United Nations Foundation)が、世界各地で行われる国連プロジェクト11件に対して2,100万ドルを提供することを承認。
  • 世界保健総会において、各国政府は2000年までにポリオを根絶するため努力を拡大するよう訴えた。

1999年5月18日

  • アナン事務総長は第一回国際平和会議100周年記念式典(ハーグ)で演説し、「武力行使に合法性を与える唯一の源として、安保理がその卓越した地位を回復しない限り、私たちは混沌とした無政府状態への危険な道を歩むことになる」と述べた。
  • コソボのアルバニア系住民100人(兵役年齢の男性)が15日、モンテネグロに流入しようとしたところ、ユーゴ軍によって連行されたが、その後、国連およびその他の国際機関の働きかけが行われ、無事解放された(UNHCR発表)。しかし、少なくとも1人、もしくはそれ以上の男性が未だ行方不明である。
  • バルカン問題事務総長特使のエドゥアルド・クカン氏は国連本部で記者会見し、コソボ危機の平和的解決努力に国連を関与させることついて広範な支持が見られる、と述べた。同氏は今後、ワシントンでオルブライト米国務長官と、モスクワでイワノフ露外相と会談する予定。
  • WFP食糧輸送船がスーダン南部で銃撃を受け、Sudan River Transport Companyの従業員(スーダン人)がひとり死亡、WFP職員2人が負傷した。同輸送船はWFPの旗をつけ、全紛争当事者から安全に関する保証を得ていた。バーティーニWFP事務局長は、この攻撃がWFPに損害を与えるばかりでなく、生存のためWFP援助物資に依存する数万の人々への生命線を脅かすとしたうえで、この悲劇は二度と起こってはならない、と訴えた。
  • ブルントラントWHO事務局長は第52回世界保健総会で演説し、世界の貧しい人々の健康を向上させ、経済的利益をもたらすために、WHOが各国政府およびその他の国連機関と密接に協力していく、と述べた。
  • リベリアの首都モンロビアにおいて、昨年、数多くの死傷者がでた銃撃事件について、国連ミッションが同首都において調査活動を開始。NGO、政府職員、その他の人々から事情聴取する。
  • 世界銀行が、煙草統制に関する新たな研究報告、「流行病を抑えるために 各国政府と煙草統制の経済」(Curbing the Epidemic: Governments and the Economics of Tobacco Control)を発表。需要の効果的な削減のため、各国政府に対して、煙草税、煙草広告禁止、煙草が健康に与える害に関する情報提供などを提案する。

1999年5月17日

  • 14日深夜、安保理は決議1239を賛成13、反対0、棄権2(中国、ロシア連邦)で採択、 UNHCR、その他の国際援助組織に対して、コソボ、モンテネグロ、ユーゴのその他の地域の国内避難民、並びにコソボ危機によって影響を受けているその他の市民に支援を提供するよう招請。コソボ、ユーゴのその他の地域で人道援助活動を行う、国連などの人道援助要員のためのアクセスを求めた。また、すべての難民および避難民が安全に、尊厳をもって帰還する権利を再確認した。
  • 同じく14日深夜、安保理は議長声明において、ユーゴの中国大使館が5月7日爆撃されたことに対して深い懸念を示し、財物が損壊し、人々が負傷し、命を失ったことに対して深い悲しみを表明。またこの惨劇に対して、NATOが遺憾と謝罪を表明したことに留意し、このNATO爆撃について、完全かつ徹底した調査が行われる必要を強調した。
  • 15日未明、安保理は西サハラ、タジキスタンの国連平和維持活動2件の任期延長決議を採択した。決議1238が、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を9月14日まで延長。決議1240が、国連タジキスタン監視ミッション(UNMOT)の任期を11月15日まで、6ヶ月延長した。両決議ともに、全会一致で採択された。
  • 同15日未明、安保理は議長声明において、シエラレオネの政府および反政府組織代表に対して、直接交渉の遅滞ない開始を阻む障害がないことを確保するよう促した。

1999年5月14日

  • アナン事務総長はジュネーブで記者会見し、コソボ難民並びに受け入れ国の現状を把握するため、来週、アルバニアおよびマケドニアを訪問する、と発表した。
  • アナン事務総長は、コソボ人道援助・高級会合(ジュネーブ)で演説し、国連機関、赤十字国際委員会、非政府援助機関に対して、バルカン人道危機への対応拡充の問題について率直かつ建設的に議論するよう求めた。また政治的解決の有無に関わらずコソボ難民キャンプにおける防寒対策を行う緊急性と、アルバニア系住民の市民権および財産権を保護するためUNHCR登録作業の重要性を指摘した。
  • UNHCRによれば、本日、アルバニアあるいはマケドニアに流入したコソボ難民はほとんどいない。なおUNHCRは、アルバニアにおける難民受け入れ家族に対して、現地通貨10ドル相当(一家族上限120ドル相当)を支給する措置について、アルバニア政府と合意し、これに署名した。UNHCRは、今後3ヶ月間、3万5,000家族に対する手当てとして800万ドルの予算を組んだ。受け入れ家族の登録を済み次第、4月1日に溯って支給される。
  • アナン事務総長は安保理宛書簡において、イラク石油食糧交換プログラム下の収益の一部をイラク電気通信インフラの再建のために使うことを承認した、と伝えた。同国政府はプログラム第5期の期間中に9,200万ドルを、同目的のために使うことを提案しているが、実際に計上される金額は、同期(5月24日終了)にどれだけの収益があがるか、またプログラムの優先事項の設定によって決まる。現在、フランスおよび中国の企業から、総額8,800万ドルに及ぶ電気通信施設関連の契約5件を受けているが、これらの契約は今後、安保理制裁委員会に送られる。
  • コンゴ民主共和国の国連人道援助調整官Georg Charpentier氏は国連本部で記者会見し、同国の危機において最も懸念すべき側面として、1万5,000人の若者の民兵組織への入隊と、彼らを市民生活に復帰させるための資金の不足をあげた。
  • Godwin P. Obasi氏が、世界気象機関(WMO)の事務局長に再任された。2000年1月1日から4年の任期。5期目。

1999年5月13日

  • アナン事務総長はジュネーブで、バルカン危機への国連対応について検討するため、政治、平和維持、人道援助、人権、開発に関わる国連諸機関の長らを招き、高級会合(2日間)を開催。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、コソボ危機の影響を受ける国々の視察を終え、ジュネーブに戻った。同氏は本日、帰国の途に着く前、ベオグラードにおいて、ユーゴ政府に対して、同国軍隊、警察、民兵組織による人権侵害を即時に停止し、コソボ難民・避難民の無条件かつ安全な帰還を約束するよう求めた。
  • UNHCRは、Euopean Community Humanitarian Officeから、ユーゴ難民援助活動に対する2,000万ユーロの資金拠出を受けた。これにより、同活動の続行が可能となった。また、カナダ、フランス、アイルランドからも新たな拠出が行なわれた。
  • 市民会議「ハーグ平和アピール」の一環として、国際刑事裁判所規程の早期批准を求めるキャンペーンが開始(International Criminal Court Coalitionによる)。ルワンダ・旧ユーゴ両国際犯罪法廷の主任検察官、Louise Arbour氏は、同開始式典に出席し、国際刑事司法が今や平和と安全の維持のための国際努力のため不可欠な要素となったとし、同裁判所を緊急に設置する必要を訴えた。
  • アナン事務総長は2000年の千年紀総会について、報告書(A/53/948)を提出。千年紀総会は、単なる祝賀行事ではなく、国連憲章への道義的コミットメントのための好機と捉えるべきである、と指摘した。
  • アナン事務総長は、国際家族デー(5月15日)に寄せるメッセージにおいて、家族がますます多様化するなかで、世界人権宣言のうたう家族保護のため、社会および国家は多様性を認識・尊重することが必要である、と述べた。今年が国際高齢者年であることから、家族デーのテーマは、「すべての世代のための家族」(“Families for all ages”)。
  • WHOは、「World Health Opportunity」のテーマの下、各国政府高官、世銀などを招いて、国際会議(ロンドン)を開催。健康への取り組みを通して、貧困を緩和する方法を模索する。

1999年5月12日

  • 11日、アナン事務総長はギニアビサウ情勢について声明を発表し、クーデターなど違法手段によって政権の転覆を図るすべての試みを非難した。また最近の戦闘において罪のない市民が殺害され、外国人および外交施設が攻撃されたことについても非難し、紛争当事者が武力不行使の公約を破ったことに強い失望を表明した。12日、安保理議長は報道声明において、この事務総長声明を支持し、同国大統領のJoao Bernardo Vieira氏の安全が保証されるよう訴えた。
  • 平和維持活動担当事務次長Bernard Miyet氏が安保理に対して、西サハラ情勢についてブリーフィング。モロッコ政府およびPOLISARIOの両当事者が住民投票の準備に向けた一連の措置に合意したことを受け、身元確認プロセスが6月15日再開する、と説明した。なおブリーフィング後、安保理議長は報道声明において、当事者に対して、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)への十分な協力を求めた。
  • UNHCRによれば、アルバニアおよびマケドニアで過密状態にあるコソボ難民キャンプから別の場所に難民を移送しようとうる作業がなかなか進めることができない。コソボを逃れてくる家族との再会への期待、帰還が可能になった場合のためにコソボ周辺に留まりたいとの希望、見知らぬ土地への不安、あるいはコソボ解放軍からの働きかけ、などがコソボ難民達の間に見られる為。
  • 平和維持活動担当事務次長補、Hedi Annabi氏は安保理に対して、国連が仲介するシエラレオネ和平プロセスに関してブリーフィング。同氏によれば、シエラレオネのMasiakaおよびその他の地域に派遣した国連視察団が、反政府勢力による人権侵害行為の証拠を見つけた。
  • ユニセフのベラミー事務局長が、第一回平和会議100周年を記念する市民会議、「ハーグ平和アピール」で演説。平和の促進、紛争の解決をはかるうえで、子どもや女性が最優先課題として認識される必要を訴えた。
  • イラク・プログラム室のベノン・セバン事務局長によれば、イラク石油食糧交換プログラムの下、この2年間で、5億7,000万ドル相当の医療品・機器がイラクに到着したが、病院や薬局に実際に届いたのは、わずか48%の2億7,880万ドルにしかすぎない。同プログラムの下での石油売却を監視する安保理委員会は最近、倉庫にあふれる医療品を運びだすため、フォークリフト36台などの購入契約を承認した。
  • アフガニスタンの内戦が激化するなか、同国の和平プロセスを進めるために、国連本部で、「6プラス2」グループ(大使級)会合が開催。アフガニスタン周辺6カ国(中国、イラン、パキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン)、米国およびロシアが参加。国連政治問題担当事務次長のKieran Prendergastが議長を務めた。

1999年5月11日

  • UNHCRは、コソボ難民支援のために必要な資金がすでに枯渇し、今後、早急に大きな資金拠出がなされない限り、援助活動の続行は不可能となる、と訴えた。UNHCRは国際社会に対して、今年6月までの援助活動資金として1億4,300万ドルを求めていたが、これまでに集まった金額は7,100万ドルで、これがすでに使い果たされた。
  • アナン事務総長は13日と14日の2日間にわたり、ジュネーブで、国連のバルカン危機への対応について協議するため、ハイレベル会合を開催する。世界銀行総裁、並びに国連機関・基金・計画などの長が参加する。14日には、バルカン地域で活動するNGO代表、「子どもと軍事紛争」事務総長特別代表のオララ・オトゥヌ氏も討議に加わる。
  • UNHCR及び国際移住機構(IOM)は、マイクロソフト、並びにそのパートナー(コンパック、ヒューレットパッカード、セキュリティーワールド、スクリーンチェックBV)からのコンピューター支援を得て、コソボ難民の登録業務を迅速化する新しいシステムを導入。緒方難民高等弁務官は、これら企業の寛大かつ迅速な行動に謝意を表明した。
  • 「コンゴ民主共和国の和平プロセス」事務総長特使、Moustapha Niasse氏が、アフリカ諸国訪問の内容について、安保理にブリーフィング。その後、安保理議長は報道声明において、コンゴ民主共和国の全当事者に対して、停戦合意に遅滞なく署名するよう求めた。
  • イスラエルは、国連加盟50周年を記念して、ガリラヤの礼拝堂(シナゴーグ)のため紀元4世紀に彫刻された「まぐさ」(lintel)を国連に寄贈した。
  • 世界保健総会(ジュネーブ)開幕の日、WHOは、「世界保健報告1999 違いをもたらすために」(World Health Report 1999: Making a Difference)を発表。ブルントラントWHO事務局長は、この報告書発表のためのビデオ会議(ジュネーブ、ワシントン)において、貧しい人々の健康を守ることは道義的義務であるばかりでなく、経済的に健全である、と指摘した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、東チモールの人権状況を調査するために同地に派遣する特使として、インドの検事総長、Soli Sorabjee氏を任命した。同特使は5月14日―24日、東チモールを訪れ、政府高官、NGO、個人らと会う。
  • 10日に2週間の会期を開幕した国際麻薬統制委員会(INCB)は、ポルトガル最高裁判所判事のAntonio Lourenzo Martins氏を一年間の任期で、同委員会の委員長に任命した。

1999年5月10日

  • アナン事務総長は8日、駐ユーゴ・中国大使館がNATOの誤爆によって破壊され、犠牲者がでたことについて、衝撃と心痛を表明。また安保理議長も報道声明において、中国政府と犠牲者の家族に対して、弔慰を表明した。
  • UNHCRによれば、先週末、新たにコソボからアルバニア北部に逃れた難民は、1万5,000人。これまでに周辺諸国に流出したコソボ難民は現在、マケドニアに24万人、アルバニアに42万2,000人、モンテネグロに6万3,000人など、約74万6,000人。
  • ユーゴが同国に対する武力行使について、英米など10カ国を提訴した問題について、国際司法裁判所(ICJ)が審理を開始。
  • ユーゴに派遣される国連ニーズ評価ミッション(ユニセフ主導)の先遣隊が、ベオグラードで国連現地職員やユーゴ政府高官と協議。この後、同先遣隊は、コソボをはじめ、ユーゴの人道援助活動の現場に赴く。
  • ロビンソン人権高等弁務官が9日、モンテネグロを訪問。コソボ危機、および避難民の流入への当局の対処に賛辞を呈した。また10日にはクロアチア入りし、ツジマン大統領と会談したほか、副首相および外相とともに、人権訓練教育プログラムに関する協力合意に署名した。
  • タジキスタン情勢について、アナン事務総長は安保理に報告書(S/1999/514)を提出。同国の和平プロセスに多少進展はみられるものの、依然として、紛争当事者の間の信頼欠如がその進展を阻害している、と述べた。また国連タジキスタン監視ミッション(UNMOT)の任期を11月15日まで6カ月間延長するよう勧告した。
  • 国連政治局アジア太平洋部部長のFrancesc Vendrell氏は国連本部で記者会見し、8月8日に予定される東チモールの住民投票に向け、選挙支援要員、文民警察官などの国際職員600人が6月中頃までに完全配置されるべきである、と述べた。
  • 国連開発計画(UNDP)は「地球的公共財 21世紀の国際協力」(Global Public Goods: International Cooperation in the 21st Century)と題する新しい研究報告を発表。各国政府および国際機関が、地球的公共財の管理・保護により多くの投資をしていれば、今世紀後半の世界の危機的事態は防止できた、と指摘。

1999年5月7日

  • アナン事務総長は、バルカン地域に対する特使として、元スウェーデン首相のCarl Bildt氏とスロバキア外相のEduard Kukan氏を任命した、と発表した。これら特使は今後、バルカン地域の和平模索において事務総長を補佐し、何らかの合意が成立した場合、その実施のために効率的かつ積極的に活動することになる。
  • ユーゴに派遣される「ニーズ調査ミッション」の先遣隊が、ジュネーブに集結開始。ユニセフ主導の同先遣隊は、ミッション派遣の形態、後方支援、日程、治安対策についての調査を目的とする。
  • UNHCRによれば、4月緊急アピールが今後3ヶ月間の援助経費として総額1億4,300万ドルを求めたが、これまでに集まったのはその約半分の7,740万ドル。新たな資金拠出がなされなければ、コソボ難民緊急援助に深刻な影響が及ぶことが予想される。
  • 安保理は決議1236を全会一致で採択し、東チモールの将来並びにその自治の枠組み案(constitutional framework)に関する住民投票を支援する国連プレゼンスについて、インドネシア・ポルトガル両国政府が合意に署名したことを歓迎した。
  • 安保理は決議1237を全会一致で採択し、アンゴラの危機的状況について、アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)を非難するとともに、武器密輸、石油供与、ダイヤモンド貿易、UNITA資金の移送など、対UNITA制裁措置の違反状況を調査するための専門家パネルを設置した。
  • 安保理議長は報道声明において、ギニアビサウにおいて、6日、政府側勢力と反政府勢力の間で戦闘が発生したことについて憂慮の念を表明し、当事者に対して、アブジャおよびロメ合意、特に、自由かつ公正な選挙の組織に関する条項の実施を求めた。アナン事務総長も同様に、当事者に対して、平和的移行と自由・公正な選挙の組織のため、環境を整備するよう求めた。
  • 対人地雷禁止条約第1回締約国会議が、「マプト宣言」を全会一致で採択して終了。対人地雷の完全撤廃に向けた、締約国の不動の姿勢を再確認した。次回の会議は2000年9月11日-15日、ジュネーブで開催される。
  • 「CNN World Report」第10回会議が終了。世界の報道関係者、400人以上が参加した。アナン事務総長は、世界情勢に関する理解が一層重要性を増しているなかで、財政的制約や世界情勢に対する関心の低さを示す市場調査などを理由として、国際ニュースの配信がますます少なくなっていることに懸念を示した。
  • 犯罪予防・刑事司法委員会の年次会合が終了。越境組織犯罪に反対する条約およびその議定書を千年紀総会(2000年)で採択できるよう、国際犯罪予防センターに対して、その完成を促した。

1999年5月6日

  • アナン事務総長は、G8会議(ドイツ)がコソボ危機の政治的解決に向けた一般原則を採択したことに歓迎の意を表明。
  • 安保理は、インドネシアとポルトガル両国が東チモール自治に関する合意に署名したことを歓迎するとともに、アナン事務総長とマーカー特使の長年にわたる努力を賞賛した。
  • UNHCRは、マケドニア内相から、同国が引き続きコソボ難民に対して国境を開放する、との保証を得た、と述べた。UNHCRは、この口頭での保証を歓迎し、この政策が現場で守られることに期待を表明。(UNHCRは5日、同国に流入しようとしたコソボ難民1,000人が強制的に追い返された現場を目撃。その後、マケドニア政府から説明を求めていた)
  • ロビンソン人権高等弁務官は、アルバニアのDurresおよびTiranaを2日間にわたって訪問。コソボ難民の人権侵害状況について、数多くの証言を聞いた同弁務官は、コソボ危機を、人権の大惨事、人道の大災害であると言い表した。
  • 安保理において、アブハジアの状況に関する事務総長報告について、理事国がそれぞれの見解を表明。安保理は7日、同状況について、議長声明を採択する予定。
  • WHOは、コンゴ民主共和国で発生したウイルス性出血熱について、マールブルク病と確認した。WHOによれば、年頭以来、76件の症例が確認されたが、そのうち52人が死亡した。

1999年5月5日

  • インドネシアとポルトガルの両外相がニューヨーク国連本部で、東チモールに特別の自治を与える枠組み案(constitutional framework)について、東チモール住民の意志を問うことを定めた基本合意並びに2つの付属文書に署名した。コフィー・アナン事務総長は、この署名式典を歴史的瞬間であるとし、この署名がこの領土の歴史に、新たな、より平和な時代をもたらすよう真剣に希望する、と述べた。
  • 安保理議長によれば、アナン事務総長がコソボおよびユーゴ共和国連邦のその他の地域に調査団を派遣する意向を示したことについて、理事国は関心をもって留意した。人道問題担当事務次長のSergio Vieira de Mello氏はユーゴ国連大使に対して、事務総長書簡を送り、同国による調査団の受け入れを要請したが、まだ回答はない。
  • 緒方難民高等弁務官が安保理に、70万近いコソボ難民の苦境についてブリーフィング。安保理議長は報道声明において、コソボ難民援助における主導的役割を果たすUNHCR、ならびに緒方弁務官に感謝の意を表明した。
  • コソボ西部からアルバニアに新たに流入した難民たちが、Djakovica地域で行われている残虐行為について証言(UNHCR)。この証言によれば、同地域において、最も残虐な暴力が行われており、実質的にキリング・フィールドと化している。
  • 安保理議長は報道声明において、アンゴラのUNITA制裁違反調査パネルの設置に関する制裁委員会議長の提案を支援することを理事国が再確認した、と述べた。(同制裁委員会は、UNITA勢力に対する武器禁輸を監視するため、安保理決議864によって設置された。)
  • アイルランドが、本年度のフランクリン・D・ルーズベルト国際障害者賞(Franklin Delano Roosevelt International Disability Award )を受賞。同賞は1995年に設置され、毎年、「障害者に関する国連世界行動計画」の目標に向けて意義ある進展を見せた国家に授与されている。
  • 第17回人間居住委員会が、ナイロビ(ケニア)で開始。Habitat改革のための提案、および「City Agency of the United Nations」としての新しい戦略などを検討する他、2000-2001年の活動・予算について決定を行う。
  • Jim Jeffords米上院議員はワシントンで記者会見し、米国のUNFPAに対する自発的拠出金(昨年10月に米議会が廃止)を復活させるための法案を提出した、と発表。UNFPAは、この発表について歓迎の意を表明した。

1999年5月4日

  • コフィー・アナン事務総長は報道記者たちに、人道状況調査団をコソボに派遣する計画を発表した。
  • アナン事務総長は、コソボ危機の政治的解決をめざして、チェルノムイルジン露大統領特使、米国のジェシー・ジャクソン師、緒方国連難民高等弁務官らと会談。
  • UNHCRによれば、3日、新たにコソボ難民1万1,000人がマケドニアに流入。一方、アルバニアに流入した難民は700人。現在、コソボから周辺諸国に流出した難民人口は推定で、67万7,000人を超える。(アルバニア39万6,000人、マケドニア20万4,000人、モンテネグロ6万2,000人を含む)
  • 欧州経済委員会(ECE)が、「1999年欧州経済概況」を刊行。ユーゴにおける紛争がバルカン地域の移行経済に深刻な影響を及ぼしているとし、西欧諸国およびNATO加盟諸国からの緊急支援の必要を指摘。
  • FAOは、アルバニア・マケドニアでコソボ難民を受け入れている貧しい農民たちを支援するため、国際社会に緊急援助アピール。これら農民たちが、今年の農業生産を維持できるようにするため。(アルバニアに550万ドル、マケドニアに350万ドル)。
  • アナン事務総長は、国連と国際的研究機関の協力関係について討論するため国連本部に集まった、世界22カ国の独立研究機関の代表約30人と会談。来年の千年紀総会について、これら研究機関からの提案に期待を表明した。
  • 「世界経済概況に関する専門家グループ会合」に提出された経済予測によれば、1999年の世界経済は昨年に比べれば、わずかに上向くことが期待される。同予測は、60人の経済研究者を結ぶ国際的な経済研究ネットワーク、「Project Link」によって作成されたもの。
  • 東チモールに関する高官レベル協議が再開。マーカー事務総長特使が、ポルトガル国連大使、インドネシア国連大使らと個別に2者協議、その後、3者協議を行った。
  • UNHCR報告によれば、コンゴ民主主義共和国(DRC)からルワンダ北西部に帰還した難民は現在、1万4,000人。現地当局では、今後、さらに数千人の難民が帰還すると予測。
  • ユニセフはソマリアにおいて、当初目標の6万人を上回る、8万人以上の子どもたちに、はしかワクチンを投与した、と発表。

1999年5月3日

  • UNHCRは、マケドニアのコソボ難民キャンプの過密状態を緩和するため、各国に対して、これら難民受け入れを開始するよう繰り返し呼びかけている。しかし2日、マケドニアからのコソボ難民移送は、400人にとどまった。一方で、同日、新たに4,000人のコソボ難民が同国に流入した。
  • コフィー・アナン事務総長は、ユーゴに拘束されていた米兵3人が解放されたことに歓迎の意を表明。
  • ロビンソン人権高等弁務官が2日から、コソボ情勢について現地調査を行うため、バルカン地域訪問開始。マケドニアの難民キャンプを訪れ、数多くの難民、現地で活動する人権・人道援助NGOなどから話しを聞いている。
  • アナン事務総長は安保理に対して、イラクの石油食料交換プログラムに関して最新の報告書を提出した。資金不足によって、同プログラムがイラク国民の人道的ニーズに対応できない状況を説明し、人道的観点から、追加的な資金繰りを許す必要性を指摘した。
  • 情報委員会の年次会期が開幕。インターネット利用による広報活動の拡充、その他の問題について検討する。
  • 対人地雷禁止条約の第1回締約国会議がマプト(モザンビーク)で開幕。会期は5日間。フレシェット副事務総長は開幕演説において、「同条約の実施とは対人地雷の生産、備蓄、使用、移転をなくすことだけを意味しない。おそらく最も重要なことであるが、それは、条約が求めるとおりに、蓄積された地雷を破壊することを意味する」と述べた。
  • 世界報道自由デー。アナン事務総長、マヨールUNESCO事務局長、ロビンソン人権高等弁務官は共同声明を発表し、地方、国内の、そして国際的な報道の自由が情報社会の台頭を支え、持続可能な人間開発を推進する、と述べた。
  • WHOは、コンゴ民主共和国でウィルス性の出血熱が発生したとの報道について、これがエボラ・ウィルスであるとは未だ確認していない、と述べた。WHOは現在、このウィルスのサンプルを分析のためにヨハネスブルクに輸送すべく、国境なき医師団と協力作業中。

1999年4月30日

  • UNHCRによれば、午後4時半(現地時間)までに、マケドニアとアルバニアに新たに流入したコソボ難民はそれぞれ8,500人と7,500人、計1万6,000人。
  • ロビンソン人権高等弁務官は人権委員会において、コソボで行われている民族浄化の即時停止、そして外交および平和創造努力を求めた。
  • UNHCRは、マケドニアの難民キャンプの過密状態が限界を超えたため、これまでの方針を変え、欧州諸国以外の国々に対しても、コソボ難民の受け入れ活動を開始するよう求めた。
  • 安保理は全会一致で決議1235を採択し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を5月14日まで延長した。
  • 持続的開発委員会の年次会期が終了。
  • コフィー・アナン事務総長は、ASEANへのカンボジア正式加盟を歓迎。
  • WFPは、紛争の影響下にあるアンゴラの町、クイト、フアンボ、ルエナへの追加的食料物資の輸送機をチャーターする費用880万ドルの資金拠出を求めて、国際社会に緊急アピール。
  • アナン事務総長はコモロ(Islamic Federal Republic of the Comoros)においてクーデターが起こり、合法政府が転覆されたことを非難。同国における暴力を回避し、平和・安定・合法的秩序を回復するため、すべての政治・軍事および市民社会の指導者があらゆる努力を行うよう求めた。
  • ILOとユニセフ両機関は記者会見(イスラマバード)において、パキスタンの児童労働人口が少なくとも300万であることを指摘し、これをなくすために、同国政府および市民社会に対して一層の努力を行うよう求めた。
  • アナン事務総長は2日、ミシガン大学の学位授与式で、8万人の聴衆を前に演説する予定。
  • アナン事務総長は、Samuel C. Nana-Sinkam氏(カメルーン)を、国連ギニアビサウ平和建設支援オフィス(UNOGBIS=UN Peace-building Office in Guinea-Bissau)の長に任命した。

1999年4月29日

  • アナン事務総長はロシアを訪問し(昨夜到着)、コソボ危機の政治的解決をめざして、エリツィン大統領、その他の同国指導者と会談。一連の会談の中、アナン事務総長は報道記者たちに対し、ロシア指導者による「精力的かつ重要な行動」の重要性を指摘した。
  • UNHCRによれば、コソボ難民の周辺諸国への流入が依然として続いている。29日、新たに5,000人のコソボ難民がマケドニアに流入し、Cegrane難民キャンプ(設営未完了)に移送された。同国においては、現在、キャンプ外の難民が9万人を超えた。キャンプ収容の難民(6万4,000人)とあわせて、同国のコソボ難民は現在、15万4,000人。一方、アルバニアでは37万人のコソボ難民を収容。
  • ユーゴ連邦共和国はNATO空爆を国際法違反とし、国際司法裁判所(ICJ)に対して、10カ国を相手に提訴手続きを行なった。10カ国の内訳は、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、カナダ、ポルトガル、スペイン。
  • ユニセフは、心に傷を負ったコソボ難民の子どもたちを支援するため、さらに多くの心理療法家が緊急に必要である、と述べた。
  • 経社理議長は、経社理とブレトンウッズ機構合同の高級レベル会合終了後に記者会見し、同会議への高い関心と参加が、ブレトンウッズ機構との協力関係構築の成功を証明している、と述べた。また金融ファンダメンタルズを扱うことなしに、開発をすすめることはできないことは明白である、とした。
  • ICJは、勧告的意見を賛成14、反対1で採択し、「国際連合の特権及び免除に関する条約」のセクション22が、パラム・クマラスワミ氏(マレーシア国籍、1994年に人権委員会によって裁判官・法律家の独立性に関する特別報告者に任命)に適用可能である、とした。同意見によれば、クマラスワミ氏は「International Commercial Litigation」(1995年11月号)で取り上げられたようなインタビュー発言について、法的責任を免除される。アナン事務総長、ロビンソン高等弁務官は、同意見に歓迎の意を示した。
  • 化学兵器禁止条約発効2周年。現在、締約国は、121カ国。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、シエラレオネで現在起こっている残虐行為について、最も強い調子で非難。そして全当事者に対して、国際人道法を尊重するよう求めた。

1999年4月28日

  • アナン事務総長がコソボ危機について声明を発表。「我々は大胆に、かつ想像力を働かせて、同危機の永続的な政治解決をはからなければならない。解決を戦場で勝ち取ることはできない」。
  • UNHCRは、マケドニア難民キャンプの収容能力が限界に達したとして、欧州諸国がコソボ難民の受け入れを加速するよう訴えた。
  • 安保理議長は報道声明において、ソマリアの引き続く紛争と人道状況の悪化に懸念を示し、加盟各国および国際機関に対して緊急援助を拡大するよう求めた。
  • 経社理議長のPaolo Fulciイタリア大使はニューヨークで記者会見し、経社理とブレトンウッズ機構との間で行われる対話(29日)が経社理に新しい命を与える第一歩である、と述べた。「経社理・ブレトンウッズII」と名づけられた、この1日会合はニューヨーク国連本部で行われる。テーマは「国際金融市場の機能、そして開発のための金融の安定」。
  • アジア太平洋経済社会理事会(ESCAP)の第55回年次会合が、改革および地域協力を通じた、アジア太平洋地域の包括的な経済社会回復を求め、終了した。
  • 人権委員会は決議を賛成30、反対11、棄権12で採択し、死刑未廃止の国々に対し、重罪以外には死刑を適用しないよう求めた。また死刑の完全廃止をめざし、死刑の執行の延期を促した。

1999年4月27日

  • UNHCRは、マケドニアのコソボ難民キャンプにおいて、衛生条件が過密状態によって悪化している、と警鐘を発した。またUNHCRは現在、新たな難民4,000人が流入し(27日)、同難民キャンプの収容能力が限界に達したとして、同国当局に対してキャンプ地の拡大を認可するよう求めている。
  • 人道問題担当事務次長、Sergio Vieira de Mello氏がコソボの人道状況について安保理にブリーフィング。またユーゴ連邦共和国に対する石油禁輸について、それが同国軍隊よりも先に市民にその影響を与え、また援助活動を一層困難にする、と指摘した。なお同ブリーフィング後、安保理議長は報道声明において、コソボおよび周辺諸国における人道状況の悪化に懸念を示した。
  • アナン事務総長、ドイツ訪問2日目。ドレスデン技術大学から名誉博士号を授与された。
  • 人権委員会は、コンゴ民主共和国(DRC)の人権状況に懸念を表明し、国連が同国で起こる虐殺および人権侵害について調査を行なうよう求めた。
  • UNHCRによれば、リベリア北部で先週起こった戦闘から逃れた難民約6,000人が、隣国のギニアに流入。
  • 世界の人々の国連意識調査発表(世論調査機関のZogby International とGfk Great Britainが年頭の3ヶ月にわたり、13カ国で行った)。同調査によれば、カナダ、米国、ブラジル、メキシコにおいて、国連に対する支持率が高い。なお米国国内においては国連を支持する層が不支持層の倍以上いるが、一方、13カ国の中で比較すると、米国の人々の国連支持率が最も低い。
  • UNDPは今年10月、シスコ・システムズと共同で、インターネットを利用したグローバル・コンサート「ネット・エイド(Net Aid)」を行なう、と発表した。開発途上国の貧困との闘いについて、人々の認識の向上と財政支援の増大をねらう。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)は、大湖地域エイズ・イニシアチブを開始。大湖地域諸国におけるエイズ禍の原因のひとつは、ゴマ・モンバサ間、ゴマ・ダルエスサラム間で盛んに行われる越境貿易。これらのルートに沿って、合同エイズ予防プログラムを設置し、同地域の難民・避難民の感染を予防することが、同イニシアチブの最初の取り組みとなる。
  • ブルントラントWHO事務局長は、煙草が他の薬物と同様に規制されるべきである、と述べた。近い将来、WHOは、煙草規制に関する高級レベル国際会議を開催する予定。
  • WFPの北朝鮮駐在代表によれば、昨年収穫された作物はすべて配給され、それ以後、同国の人々に配給する食糧がすでに枯渇している。
  • ESCAP年次総会のパネル討論会「情報技術、グローバリゼーション、経済安全保障、開発」が開催。同地域の各国政府が、電子商取引・情報技術力の拡充に力を注ぐ必要性について、専門家が強調。

1999年4月26日

  • アナン事務総長がドイツ訪問(3日間)。訪問初日、同氏はベルリンにおいて、コソボ危機の解決について、難民および避難民が迅速かつ安全に帰還できるかどうかが評価の分かれ目となる、と述べた。
  • 新たにコソボを流出した難民たちの証言によれば、コソボにおいて女性と子どもが「人間の盾」として使われている(UNHCR報告)
  • ユニセフは、マケドニアのコソボ難民キャンプにいる8,900人を超える子どもたちに対して、ポリオ・はしか等を予防するためのワクチン投与を開始。
  • 人権委員会は23日、ナイジェリアにおいて政治犯の釈放を含めた「深い変化」が起こっていることを歓迎する決議をコンセンサスで採択し、同国の人権状況の審議を終了。
  • アナン事務総長はアブハジア(グルジア)の情勢に関する報告書を安保理に提出。その悲惨な人道的状況について指摘した。
  • 平和維持活動特別委員会は年次会合の終了にあたり、国連が平和と安全の維持に一義的な責任を負うこと、国連がその責任を果たすうえで平和維持が主要な道具のひとつであることを再確認した。
  • 東チモールの人道・開発ニーズについて調査するため、同地を4月22-24日訪問した国連機関間ミッションが報告するところによると、同地において保健および教育などの基礎サービスの提供が深刻に不足している。
  • アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)・年次会期の閣僚級会合。アジア金融危機からの回復を加速し、将来、類似の危機が発生した場合の影響を緩和するための国際努力の拡大を求める声があがった。
  • 拷問禁止条約の履行監視委員会が春会期(3週間)を開始。マケドニア、モーリシャス、ベネズエラ、ブルガリア、イタリア、ルクセンブルグ、リビア、モロッコ、エジプト、リヒテンシュタインにおける条約履行状況について扱う。

1999年4月23日

  • アナン事務総長は、東チモール問題に関して、インドネシアとポルトガルの合意が成立したことを発表。両国は来月5日、この合意に調印する予定。
  • UNHCRによれば、現在、コソボから周辺諸国に流出した難民は、およそ60万人。今後、さらに多くの難民の流出が予想される。なお同日、緒方貞子難民高等弁務官はジュネーブで記者会見し、これら難民の安全な帰還のため、コソボにおいて、かなり強力な国際的軍事プレゼンスが必要となる、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、シエラレオネ政府と反政府グループの間で予定される交渉を歓迎。また、ECOMOG(ECOWASの軍事監視団)のプレゼンスおよび活動を評価し、各国に対して、ECOMOGおよび他の国際的人道機関に対して支援を行なうよう重ねて求めた。
  • 総会はアナン事務総長による、Mark Malloch Brown氏のUNDP新総裁への任命を追認した。
  • WFPは、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の子どもおよび高齢者を中心とする800万の人々に対して、新たに2億6,000万ドル規模の緊急援助を行なうことを承認した。WFPによれば、同国において現在、生後6ヶ月の子どもから7歳児の16%が栄養不良あるいは衰弱状態にあり、また子ども全体の62%が慢性栄養不良あるいは発育阻害に苦しんでいる。
  • UNHCRとWFPは、イスラマバードで記者会見し、パキスタンのアフガン難民に対する援助資金が不足していることに懸念を表明した。
  • UNHCRは、リベリアとギニアの治安が悪化している、と警鐘を鳴らした。(リベリアにおいては21日、Voinjamaという町で戦闘が発生し、UNHCRとWFPの視察が中止。ギニアにおいては20日、シエラレオネ反政府グループと見られる組織による越境攻撃があった)
  • 人道問題担当事務次長、Sergio Vieira de Mello氏は、ソマリアで16日に誘拐された国際人道援助NGO、Terra Nuovaのメンバーの即時釈放を求めた。
  • バーゼル条約の第5回締約国会議(12月6-10日、スイスのバーゼル)に向けた、一連の準備会議が終了した。バーゼル条約(1989年採択、1992年発効)の締約国は現在、123カ国。
  • 安保理および総会との協議を経て、アナン事務総長は、Asoka de Zoysa Gunawardana氏(スリランカ)を、ルワンダ国際犯罪法廷・判事に任命した。3月22日一身上の都合により辞任した、Dionysios Kondylis氏(ギリシャ)の後任。なおICRTは、新設の第3小法廷への同氏の配属を発表した。

1999年4月22日

  • 人権高等弁務官事務所の現地職員がコソボ難民から聴取した、セルビア勢力のアルバニア系住民殺害の様子について、ロビンソン高等弁務官が人権委員会に報告。
  • UNHCRは、マケドニアの首都スコピエに、国連/NGO緊急タスクフォースを開設した。同国の難民キャンプの過密状態、新たな難民流入、援助物資の配給に取り組む。なお国連機関は、今後2ヶ月間に見込まれる難民の数を、当初の65万人から95万人へと上方修正し、その援助に必要な金額を計6,250万ドルと試算した。
  • ユニセフは、コソボの惨劇は筆舌に尽くし難く、世界がその関心を向けるべきであるとしたうえで、それが他の国々の避難民2,200万の苦境に対する関心を薄めることになってはならない、と指摘した。
  • 安保理議長は報道声明において、コンゴ民主共和国内戦の一部当事者が18日、リビアの町Sirteにおいて、和平合意に調印したことを歓迎した。
  • 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)がギニアビサウ情勢について、安保理に報告書を提出。同国における武装解除に大きな進展がみられるものの、現地の状況はまだ不安定である、とした。ECOWASは1988年12月から、軍事監視団(ECOMOG=ECOWAS Military Observer Group)を同国に派遣している。
  • アナン事務総長は、日本が最貧国に対する債権78億2,000万ドルを帳消しにする意向を示すなど、G7諸国が最貧国の債務を緩和する努力を行なっていることに歓迎の意を表明。
  • 「アース・デー2000」開幕式典(ニューヨーク国連本部)。21世紀に向けた環境保護キャンペーン。主催は、NGOのアース・デー・ネットワーク。
  • アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)がバンコクで開幕。ESCAP事務局長は開幕演説において、アジア太平洋諸国の金融危機からの回復を支援するため、緊急集団行動の必要性を強調した。
  • 1990年から1997年までの間に、エイズ・ウイルス感染者は3倍以上増え、3,030万となった一方、エイズ予防のための各国からの資金拠出は1,650万ドルから2,730万ドルへとわずかに増えたのみ。― 国連エイズ合同計画(UNAID)がハーバード大学の研究機関(Francois-Xavier Bagnoud Centre for Health and Human Rights, Harvard University School of Public Health)と共同で行なった研究報告を発表。
  • 「娘の職場見学デー」(Take Our Daughters to Work Day)。国連職員、並びに加盟国代表部、報道機関で働く親をもつ少女たち(9歳―15歳)が国連本部を訪れた(1993年より開始。)

1999年4月21日

  • アナン事務総長は、東チモールにおいて暴力を収束させ、平和と安定を確立するための合意が調印されたことを歓迎する声明を発表。
  • 安保理議長は報道声明において、中央アフリカ共和国当局および全当事者に対して、来たる大統領選挙に向け、最終的な準備を進めるよう促した。
  • UNHCRによれば、20日正午現在、コソボからの難民の大規模な流出はない。一方、UNHCRは、コソボ・マケドニア国境沿いの山岳にある村落、Male Malinaに避難しているコソボ難民6,000人へのアクセスをマケドニア政府と交渉中。(同政府は、これらの難民の入国を正式に承認していない)
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷の主任検察官Louise Arbour氏は、イギリスとドイツが同法廷に協力し、コソボにおける戦争犯罪に関連する軍事情報を提供する意向を示したことを歓迎。
  • 国連プレブラカ監視ミッション(UNMOP)は、ユーゴ軍事警察20人がクロアチア国境沿いの非武装地帯(DMZ)に展開していることを確認。安保理議長は報道声明において、理事国がこの状況を引き続き注視していく、と述べた。
  • 持続的開発委員会・高官レベル会合が開幕(21日―23日)。フレシェット副事務総長は開幕演説において、開発と持続性の間の緊張した関係の緩和のため、様々な機関と人々がどう協力したら良いかということについて、同委員会が短期間で、その方法を提示し始めた、と指摘した。
  • エチオピア・エリトリア紛争によって避難民となった、およそ26万8,000人を数えるエリトリア人に対して、WFPは今月、1,540万ドル相当の食糧援助を開始する。
  • FAOの特別報告によれば、サハラ以南地域の多くの国々において食糧事情は引き続き改善している。しかし一方で、同報告は、同地域の17カ国が戦争、内戦によって、その農業生産に大きな脅威を受けている、と警告。(同17カ国は以下のとおり。アンゴラ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、エリトリア、エチオピア、ギニアビサウ、ケニア、リベリア、モーリタニア、ルワンダ、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、タンザニア、ウガンダ、ザンビア)

1999年4月20日

  • 緒方貞子難民高等弁務官は声明を発表し、UNHCRが増え続けるコソボ難民に対処するうえで、NATO加盟諸国および他の国々の援助拡大を必要とする、と訴えた。
  • UNHCRは、コソボから周辺諸国に流出する難民が突然、大幅に減少したことに憂慮の念を表明。
  • ドイツ、ウクライナがそれぞれ安保理に提出した、コソボ紛争の解決案が国連本部で公式文書として回覧された。
  • WFPは、コソボ難民に対する追加的食糧援助600万トンを求めるアピールを発信。
  • 安保理は国連プレブラカ監視団(UNMOP)に関する事務総長報告について討議。安保理議長によれば、理事国はプレブラカ紛争の解決に向けて実質的な進展がないことに懸念を示し、クロアチアとユーゴ連邦に対して、解決のため努力を拡大するよう求めた。
  • 国連イラクプログラム室(OIP)のベノン・セバン事務局長によれば、イラク石油食糧交換プログラム・第5段階(5月24日まで)の石油収入は当初の予想を上回り、34億ドルに達する見込み。しかし、人道物資購入のための累積不足額、25億ドルを相殺するには至らない。
  • 対人地雷禁止条約(今年3月1日発効)の第1回締約国会議が5月5-7日、モザンビークの首都マプトで開催される。
  • UNHCRの推計によれば、コンゴ民主共和国の内戦を逃れてタンザニアに流入する難民の数が本日、5万人を超えた。
  • WFPによれば、米国と朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)が初めて、食糧援助に関する2国間協定を結んだ。これにより、米国からDPRKに対し、米国のNGOを通じて、10トン規模の食糧援助と、1,000トンのジャガイモの種が提供される。

1999年4月19日

  • アナン事務総長は安保理に、コソボ危機の政治的解決に向けた自らの努力についてブリーフィング。理事国のコンセンサスの重要性を指摘し、和平プロセスを促進するため、地域に外交特使を派遣する意向を表明した。またマーティン・グリフィス緊急救済副調整官も同様にブリーフィングを行ない、コソボ内の避難民70万人の人道状況が悪化していることについて懸念を表明した。これらのブリーフィングを受け、安保理議長は報道声明を発表し、国連がコソボ危機の解決のために重要な役割を担う必要性を強調した。
  • UNHCRによれば、週末、数多くの難民がコソボを流出したが、その後、その数は大幅に減少。19日、新たに流出した難民はいない。
  • WFPは、コソボ内の人々、100万人以上の食糧事情に懸念を表明し、コソボに調査団を派遣する意向を明らかにした。
  • アナン事務総長は、東チモールで17日暴力事件が発生したことに遺憾の意を表明し、暴力がこれ以上拡大することのないよう訴えた。
  • 安保理議長は報道声明において、タリバン指導者が、アフガニスタン和平交渉不参加の決定を下したことに深い憂慮を表明。タリバンに対して、同決定について考え直し、交渉のテーブルに戻るよう促した。
  • ルワンダ国際犯罪法廷において、Emmanuel Bagambiki氏(1994年当時、Cyangugu知事)は、7つの容疑について無罪を主張した。(同氏は1994年当時、ルワンダでジェノサイドに加担した容疑で、1998年6月5日逮捕され、7月10日アルーシャに移送)
  • アナン事務総長は、ブルンジ和平交渉が重大な局面を迎えているとし、ブルンジの国連事務所の長、Cheikh Tidiane Sy氏をブルンジ事務総長代表のレベルに格上げした。
  • 第7回持続的開発委員会が開幕。2週間にわたる会期において、海洋、持続的観光、消費・生産パターン、小島嶼開発途上国の直面する問題に焦点を当てる。
  • アナン事務総長は、国連開発計画(UNDP)の新総裁に、世銀副総裁のMark Malloch Brow氏(イギリス)を指名した。正式な任命の発表は、今週半ばに行なう予定。
  • 子ども兵士の使用に反対するNGO国際的連帯組織、Coalition to Stop the Use of Child Soldiers はニューヨークで子ども兵士の状況について報告書を発表。同報告によれば、現在、アフリカにおいて、18歳以下の子ども12万人が兵士となっている。
  • WHOによれば、ハンセン病撲滅の日が近い。しかし2000年末時点で、WHOの目標とする、1万人に一人未満の患者数を上回る国が依然として、10カ国残る。
  • WHOの独立研究機関、International Agency for Research on Cancer(IARC)によれば、葉巻を吸う人は、喫煙しない人に比べて肺ガンになる確立が9倍、パイプ愛好家は8倍高い。
  • FAOは、コンピューター2000年問題が世界の農業食糧生産に及ぼす脅威について警告を発した。

1999年4月16日

  • UNHCRによれば、コソボのアルバニア系住民の流出が再び勢いを増大。この24時間以内に、新たに1万2,000人の難民がコソボを流出した。UNHCRはアルバニア北部地域、クケスの複数の村がユーゴ軍の爆撃を受け、治安状況が悪化していることに懸念を表明した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は人権委員会に報告書を提出し、コソボのセルビア警察および民兵組織によるアルバニア系住民の人権侵害について、現地での情報収集が進行中である、と述べた。
  • WHOによれば、バルカン半島南部において、暴力は人々の心身に影響を与えているものの、今のところ、難民の間に伝染病が発生した様子はない。
  • 国内避難民に関する事務総長代表、Francis M. Deng氏は、ジュネーブで発表した声明において、コソボの状況を引き合いにだし、世界各地の国内避難民に対する国際社会の取り組みが依然不十分であることに遺憾の意を示した。
  • 国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)について、アナン事務総長は安保理に報告書を提出。中央アフリカ共和国の軍隊再構築が、同国並びに小地域全体の安定化にとっての重要なプロセスであるとし、援助国に対して資金拠出を求めた。
  • 人道問題担当事務次長、Vieira de Mello氏は声明を発表し、アンゴラにおいて援助活動家6人が15日殺害されたことに遺憾の意を示し、同国政府およびUNITAが殺害者を見つけだし裁判にかけるべく、速やかに行動するよう求めた。
  • ロビンソン人権高等弁務官はコロンビアの人権状況の悪化に関して報告し、同国の指導者に対して、人権問題に取り組むための国内行動計画を採択するよう求めた。
  • 薬物統制犯罪防止室(ODCCP)の事務局長、ピノ・アルラッキ氏がタジキスタン訪問。事務局長は同国滞在中、タジキスタン大統領Emomali Rakhmonov氏と、同国の薬物統制並びに犯罪防止に対する国連支援プロジェクトに関する合意文書に署名する予定。

1999年4月15日

  • アナン事務総長は記者会見(ブリュッセル)において、NATO戦闘機がコソボ難民を乗せた車両に爆撃を加え、これにより死亡者がでたことについて遺憾の意を表明。また安保理議長も報道声明において、事務総長と同様、遺憾の意を表明した。
  • UNHCRによれば、数多くのコソボ難民が依然として周辺諸国に流入している。14日だけで、新たに3,600人の難民がアルバニアに、3,000人がマケドニアに到着。一日の難民到着数としては、7日にユーゴ当局が国境を封鎖して以来、最大。
  • 緒方貞子難民高等弁務官は、ソラナNATO事務総長との会談(ブリュッセル)において、コソボでの人道活動の文民的性格を維持する必要性を強調。ソラナ氏もこれに同意した。UNHCRとNATOはまた、これまでNATOが積極的に関与してきた、マケドニアにおける4つの難民キャンプの運営を14日付で、民間の管理に移すことに同意した。
  • UNFPAのナフィス・サディク事務局長はニューヨークで記者会見し、同機関がコソボで堕胎薬「RU-486」を配っているとの報道(イタリア)について反論。UNFPAが配給しているのは、レイプされた女性が72時間後に緊急服用すれば妊娠を防ぐことができる経口避妊薬である、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、インドとパキスタンが最近、弾道ミサイルの試射を行なったことに懸念を表明。両国に対して、最大限の自制を示し、今年2月のラホール宣言の精神に基き対話を継続するよう求めた。またアナン事務総長は、ミサイル開発を規制する多国間条約を作成する必要性を指摘した。
  • 米下院の国際問題委員会(International Relations Committee)は賛成23、反対17で、UNFPAに対する資金拠出の再開を決定した。なおこの決定は、来週、下院本会議で承認される見込み。(昨年9月、米のUNFPAに対する資金拠出は停止された)。
  • 東チモール事務総長個人代表、Jamsheed Marker氏はニューヨークで記者会見し、4月21日に再開される、インドネシアとポルトガルの高官レベル交渉における進展に期待を表明。

1999年4月14日

  • ドイツのシュレーダー首相はブリュッセルで記者会見し、コソボ危機を終わらせるためアナン事務総長が行った5項目提案(9日)をEU諸国が支持する、と表明。
  • ユーゴ国際犯罪法廷の検察官、Louise Arbour氏は記者会見(ブリュッセル)で、同法廷調査団がコソボの悲劇について責任の所在を明確化するため、各国からの情報提供を必要とする、と述べた。
  • FAOは、コソボ危機が同地域の食糧事情に重大かつ長期的な影響を及ぼすことであろう、と警告した。
  • 安保理議長は報道声明において、アンゴラの状況が悪化し続けていることに重大な懸念を示し、戦闘員たちに対して、同国における人道援助へのアクセスを保証するよう求めた。
  • 事務総長特別代表、Jamsheed Marker氏は、東チモールの反体制指導者が和平への呼びかけを行ったことを歓迎し、東チモールの全指導者および組織が政治的解決をはかる手段としての暴力行使を停止するよう促した。
  • 国連プレブラカ監視ミッション(UNMOP)の活動について、アナン事務総長は安保理に報告書を提出。クロアチアとユーゴ連邦共和国に対して、プレブラカ半島をめぐる対立の平和的解決をめざして、お互いに自制を示し、建設的交渉をすすめる決意を持続させるよう促した。
  • アフガニスタン情勢(昨年11月―今年3月)について、アナン事務総長は総会および安保理に報告書を提出。アフガニスタンへの国連職員の段階的・限定的復帰の決定は、精緻にモニターされるとし、タリバンに対して国連職員の安全に関する公約を実施するよう強く求めた。
  • UNHCRによれば、コンゴ民主共和国の内戦を逃れる難民が、ザンビアとタンザニアに引き続き流入している。現在、ザンビア北部には1日平均200人の難民が流入。
  • ソマリア人権状況に関する独立専門家、Mona Rishmawi氏は人権委員会に対する報告書において、ソマリアの首都モガディシュにおいて最近暴力が激増していることに深い懸念を表明。同報告書は、人権委員会で22日、審議される予定。
  • ルワンダ国際犯罪法廷のRegistrar、Agwu Ukiwe Okali氏はニューヨークで記者会見し、ルワンダで1994年に起こったジェノサイドに加担した容疑者の起訴における進展状況について報告。
  • UNSCOMおよびIAEAのバーレーン現地事務所がスパイ活動のために使われていたとする英国BBCの報道に対して、アナン事務総長が声明を発表。同事務総長はUNSCOMとIAEAの両組織から、同事務所が任務に沿った後方行政支援以外の目的には使われていないとの確証を得た、と述べた。

1999年4月13日

  • 人権委員会は決議を賛成43、反対1、棄権6で採択し、ユーゴ当局がコソボ住民に対して行っている「民族浄化」を非難した。
  • アルバニアのコソボ難民視察から戻ったユニセフ事務局長は、数十万のコソボ難民の子どもたちのトラウマ(精神的外傷)への対処の重要性を指摘した。(過去3週間、コソボから流出した難民51万7,000人のおよそ半分は、15歳以下の子どもである)
  • UNHCRによれば、昨夜、新たに5,000人近い難民がアルバニアに流入した。多くの難民が、燃料が切れた車を牽引し、トラクターで到着した。
  • アナン事務総長はスペイン公式訪問を終了。なお、この後、欧州評議会に出席するため、14日、ブリュッセルを訪問する。ニューヨークには15日に戻る予定。
  • 安保理議長は報道声明において、エリトリア・エチオピア紛争の即時停止を再度要求。またOAUによる紛争終結努力を支援するため、事務総長がアフリカ問題特使のMohamed Sahnoun氏を派遣するとの決定を行ったことを歓迎した。
  • イラク・プログラム室(OIP)によれば、4月3日から9日までの期間中、1,670万バレルを輸出し、2億1、100万ドルの収入を得た。これは、イラク石油食糧交換プログラム開始以来、一週間単位としては最も多い収益である。
  • 12日、ユネスコは国際科学委員会の最終会合(トリポリ)で、300万年に及ぶアフリカの歴史をまとめた、「General History of Africa」(全部で8巻、それぞれ800ページから1,000ページ)を発表した。
  • ILOによれば、毎年100万人以上が労働災害によって死亡している。なお、これは年間平均で、交通事故(99万9,000人)、戦争(50万2,000人)、暴力(56万3,000人)、HIV/AIDS(31万2,000人)を上回る数字である。

1999年4月12日

  • アナン事務総長はマドリッドで記者会見し、コソボの悲劇を終わらせるために9日行った提案に対して、まだミロシェビッチ・ユーゴ大統領からの回答がないことを明らかにした。
  • UNHCRによれば、先週末、セルビア勢力による国境の一時開放に伴い、コソボ難民8,000人以上が周辺諸国に流入した。しかし、その後、難民流入は減少。本日、アルバニアの町、クケスへの流入はわずか29人のみ(別に75人が現在、国境を越えている)。
  • アナン事務総長はスペインを訪問(11日到着)し、Jose Maria Aznar首相と会談。
  • アナン事務総長は、アフガニスタンのタリバン指導層が週末、トルクメニスタンのアシュカバドで始まった和平交渉を再開しないとの決定を行ったことに憂慮を表明。
  • UNSCOMは、昨年10月6日から今年4月11日までの活動状況について、第7回報告書を発表。同報告によれば、英米の空爆開始前の査察団撤退(12月16日)以来、UNSCOMの活動は行われていない。
  • 人権特別報告者、Max van der Stoel氏はイラクの人権状況について報告し、人権改善のための勧告(1992年)について、同国が実質的に何も実施に移していない、と述べた。
  • 軍縮委員会年次会期が開幕。ダナパラ軍縮担当事務次長は、「持続的軍縮」が持続的開発に追いつかなければならない、と述べた。

1999年4月9日

  • アナン事務総長は行政調整委員会(ACC)において、コソボの悲劇に深い憂慮を表明し、ユーゴ連邦に対して、アルバニア系住民追放・脅迫の停止、ユーゴ軍・民兵組織の撤退、コソボ難民の無条件帰還、国際部隊の展開、国際社会による検証の受け入れを求めた。そしてユーゴがこれら条件を受諾すれば、NATOがユーゴ空爆を即時停止するよう促す、とした。
  • 行政調整委員会(ACC)は、コソボの悲劇に深い憂慮の念を表明するとともに、UNHCRを主導機関として国連システム全体が、コソボ難民援助に全力で取り組んでいく意向を示した。
  • 安保理は決議1234を全会一致で採択し、コンゴ民主共和国における敵対行為の即時停止を求めた。
  • アナン事務総長は、ニジェールのメネサーラ大統領が殺害されたことに失望を表明するとともに、テロ行為、並びに軍事力やその他の違憲手段で国家政府の転覆を図ろうとする行為を改めて非難した。また安保理議長は報道声明において、アナン事務総長の見解を共有し、この殺害事件に対して重大な懸念を表明。
  • 東チモール事務総長個人代表、Jamsheed Marker 氏は、今週初め、東チモールの町、Liquicaで起こった殺害事件によって、東チモール住民が冷静さを失わないよう訴えた。
  • ロビンソン人権高等弁務官はコソボ情勢について、人権委員会にブリーフィングを行い、女性や子どもの殺害など恣意的処刑が行われている、と述べた。なお現在、同弁務官代表Micale Moussallisi氏、および特別報告者Jiri Dientsbier氏、その他6人の人権監視員がマケドニアにおいて、難民聴取を行っている。
  • UNHCRによれば、セルビアによる国境閉鎖にもかかわらず、数千人のコソボ難民が周辺諸国に流入している。
  • UNFPAは、コソボ難民のなかでも、特に妊娠中の女性と新生児の生命が危ない、と警告した。
  • UNDP専門家は11日、コソボ難民流入がアルバニアの水・電気など基礎的サービスに及ぼす影響、アルバニアのコソボ難民対処能力の改善方法について調査を開始。
  • UNDPと人権高等弁務官室は、人権を持続的人間開発に統合することをめざしたプログラム、「人権の強化のために」(Human Rights Strengthening =HURIST)に着手。
  • B規約人権委員会は、チリ、カナダ、レソト、コスタリカの報告書を審議し、今年の第1会期を終了した。

1999年4月8日

  • コソボとアルバニア・マケドニア間の国境が閉鎖されてから2日目。UNHCRによれば、現在、コソボを流出する難民はほとんどいない。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷所長、Gabrielle Kirk McDonald氏はNATO加盟諸国外相に書簡を送り、同裁判所が戦争犯罪の容疑者を調査・起訴し、裁判にかけるのを支援するため、NATOのもつ情報を提供するよう促した。
  • 国連人口基金(UNFPA)は、アルバニアに流出したコソボ難民女性の安全な出産、緊急避妊(レイプ後)のために必要な物資の輸送を開始。
  • WFPは、マケドニアのコソボ難民に対する緊急食糧援助提供を強化した、と発表。
  • 安保理は議長声明において、パンナム機爆破事件(スコットランド上空、1988年)のリビア人容疑者2人のオランダへの引き渡し実現において、国連事務総長、南アフリカ、サウジアラビア、その他の諸国が重要な役割を果たしたことに深い感謝の念を表明。
  • 東チモールのLiquicaで最近殺害事件が起こったことを受けて、現在、アナン事務総長及びその個人特使はポルトガル、インドネシア、教会指導者その他の東チモール当事者との接触を重ねている。なお東チモールに関する高官会議はインドネシア政府の要請に応じ、当初予定の13、14日の日程を延期し、21日に行われる。アナン事務総長とインドネシア・ポルトガル外相との会談は予定どおり、22日に行われる。
  • 行政調整委員会(ACC)の春会期が9、10日に開催。国連と経済界との関係、そして2000年総会の準備に焦点を当てて、討議する。
  • 国連薬物統制委員会(UNDCP)は正式に国連エイズ合同計画(UNAIDS)に参加した。なお、ユニセフ、UNDP、UNFPA、ユネスコ、WHO、世界銀行の6つの機関がすでにUNAIDSに参加している。
  • WHOは児童虐待が世界の重大な健康問題となっている、と訴えた。現在、世界中で、4000万人の子どもが、親による無関心や虐待の犠牲になっている。
  • WFPは、揚子江(中国)氾濫の被災者に対する緊急援助活動を終了したと発表。被災者に対して提供した援助米は合計で、当初計画の90%にあたる、31万5,000メートルトン。なおWFPが中国において食糧援助活動を行ったのは、今回が初めて。
  • ESCAPが、1999年版アジア太平洋経済社会報告を発表した。

1999年4月7日

  • アナン事務総長は人権委員会に対する演説において、コソボにおけるセルビア勢力による民族浄化について触れ、いかなる政府も国家主権の名の下に、人々の人権・基本的自由を侵害する権利をもたない、と強調した。
  • セルビア当局は、コソボとアルバニア・マケドニア間の国境を閉鎖。UNHCRによれば、モンテネグロへのコソボ難民流出地点でも、新たな難民の到着が途絶えた。なお国連機関はコソボ難民65万人に対する援助(6月30日まで)のため、UNHCRへの拠出6,500万ドルを含めて計1億3,840万ドルを拠出するよう援助国に求めた。
  • UNHCRはコソボ難民の他国への移送に関して指針を発表し、あくまでも難民の自発性に基き、家族を離散させないよう求めた。UNHCRによれば、1998年3月以来発生したコソボ難民は62万1,000人。そのうち29万3,000人がアルバニアへ、13万6,000人がマケドニアへ流出した。
  • WFPは、アルバニア、マケドニア、モンテネグロへ流出したコソボ難民を援助するため、援助国に対して、2,410万ドルの追加的資金拠出アピールをだした。
  • FAOはアルバニア、マケドニアに流出したコソボ難民が必要とする食糧について調査するため、両国へ視察団を派遣した。FAOは、両国において、野菜、じゃがいも等の作物の生産を通じて食糧供給を確保し、難民に対処することをねらう。
  • 安保理は、イラクの軍縮、人道問題、戦争捕虜・クウェート資産に関するパネルが提出した報告書について検討。
  • 世界保健デー。今年のテーマは、「アクティブ・エイジングが違いをもたらす」。

1999年4月6日

  • コソボ難民の大量発生について討議するため、国連人道問題作業部会がUNHCRの呼びかけで開催(ジュネーブ)。アルバニア、ユーゴ連邦、マケドニアなどを含む56カ国政府、国連人道機関、NGOが参加した。
  • UNHCRによれば、新たに4万人のコソボ難民がアルバニアに流入。多くの難民たちは、セルビア民兵によって拷問、恣意的な処刑など残虐な行為が行われている様子を語る。
  • WHOは、コソボ難民にとって今後、はしかやコレラなどの伝染病が脅威となっていくであろう、と警告。(すでにアルバニア北部で4人のはしか患者が発生した。)
  • 国連財団のテッド・ターナー会長は、コソボ難民の援助活動における主要機関であるUNHCRを支援するため、100万ドルを寄付した。なお国連の専門家によれば、コソボ難民に対する緊急人道援助活動のため、当面7,000万ドルが必要である。
  • 安保理は決議1233を全会一致で採択し、ギニアビサウの永続的平和を達成する第一義的責任は当事者にあるとし、当事者に対してアブジャ合意を完全実施するよう求めた。また、国連ギニアビサウ紛争後平和建設支援室(UNOGBIS)を設置した事務総長の決定を強く支持した。
  • アナン事務総長は東チモールにおける暴力の拡大に関する報道に対して、再び深刻な懸念を表明した。
  • イラクプログラム室(OIP)によれば、Mina Al Bakrにおいて4日以来一時中断していた石油船積みが再開。現在、一時間あたり5万バレルの石油船積みが行われている。
  • 国連人道調整問題室(OCHA)担当事務次長、Vieira de Mello氏は、スーダン政府が同国南部における国連の人道援助活動を可能にするために、停戦(4月15日発効)を宣言したことを歓迎した。

1999年4月5日

  • パンナム機爆破事件(スコットランド上空、1988年)のリビア人容疑者2人がオランダに到着。安保理は、アナン事務総長から、容疑者2人のリビアからオランダへの引き渡し完了の報告を受け、対リビア制裁を即時停止したことを発表した。なお同制裁の完全解除については、事務総長がリビアによる国際テロ活動への不関与、並びに犠牲者に対する賠償金支払いの用意を確認する報告書を提出した後90日以内に、安保理によって正式決定される。
  • アナン事務総長は、リビア人容疑者のオランダへの引き渡し完了に安堵と満足の意を表明。
  • コソボ情勢について、アナン事務総長は安保理にブリーフィング。コソボ難民を現在受け入れている周辺諸国の資源は限られているとともに、それぞれ国内不安定化の恐れを抱えているとし、緊急支援の必要性を訴えた。
  • 安保理議長(フランスのAlain Dejammet氏)は報道声明において、コソボ難民の大量発生によって人道状況が非常に悪化していることに深刻な憂慮を表明した。
  • 緒方貞子難民高等弁務官は、周辺諸国においてコソボ難民の受け入れが難しくなっているとし、世界各国が難民を受け入れるよう訴えた。UNHCRによれば、NATOによる対ユーゴ空爆開始以来、40万人のコソボ難民が発生した。
  • 世界食糧計画(WFP)は4日、米軍C-117が空輸した最初の食糧物資を、アルバニア北部およびマケドニアに流入するコソボ難民に配給した。
  • アナン事務総長は、東チモールで暴力が引き続いているとの報道に深刻な懸念を表明。東チモール問題の解決に向けた外交プロセスを損なうことがあってはならない、と述べた。
  • スーダン人民解放軍(SPLM/A)によって身柄を拘束されていたスーダン4人が先週、死亡したことについて、赤十字国際委員会(ICRC)が完全かつ即時調査を要求していることをアナン事務総長は支持すると述べた。
  • アナン事務総長は、セネガルの前外務大臣Moustapha Niasse氏を、コンゴ民主共和国の和平プロセスのための特使に任命した。

1999年4月1日

  • UNHCRによれば、NATOの対ユーゴ空爆開始以来、これまでにコソボ難民約18万人がアルバニア、マケドニア、モンテネグロに流入した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は人権委員会において、コソボ人権状況把握のために、旧ユーゴ人権特別報告者(Jiri Dienstbier氏)を同地域に派遣する旨を明らかにした。
  • ユニセフは、アルバニア、マケドニア、モンテネグロに流入したコソボ難民の子供たち及びその家族に対する人道援助を開始。
  • 国連待機軍取極制度について、アナン事務総長が安保理に報告書(S/1999/361)を提出。同報告によれば、現在、81カ国が計10万4,302人を、国連平和維持活動のため迅速に提供する用意がある。
  • ルワンダ国際犯罪法廷において、ジェノサイド容疑者のIgnace Bagilishema氏(当時、Mabanza Commune市長)は、13件の訴因について無罪を主張した。

1999年3月31日

  • UNHCRによれば、先週、コソボから13万人を超える難民が流出。現在もその数は増え続けている。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷検察官は、アメリカ、イギリス、NATOが戦争犯罪者に関する情報を同法廷と共有すると示唆したことについて歓迎の意を表明。同検察官はまた、新たに“Arkan”(又は“Zseljko Raznjatovic”)を起訴したことを明らかにした。
  • ロビンソン人権高等弁務官は旧ユーゴ人権状況特別報告者のJiri Dienstbier氏とともに、現在報道されるコソボ・アルバニア系住民の恣意的裁判処分や行方不明について、深刻な憂慮の念を表明した。
  • ルワンダ国際犯罪法廷検察官は、タンザニア当局がルワンダでのジェノサイドおよびベルギー兵10人の殺害に関与した容疑者のBernard Ntuyahaga氏を逮捕したことを歓迎。なお国際法廷は、同氏をベルギー法廷で裁くべきであるとする検察官の要請を受け入れ、Ntuyahaga氏を釈放。ベルギー政府はすでに、タンザニアに同氏の引き渡しを求めている。
  • 開発の権利の促進に関するワークショップ(31日―4月1日、Worldview International Foundation、ESCAP共催)。アジア太平洋地域において、開発の権利に関する人々の意識を啓発する放送番組作成プロジェクト(ノルウェイ政府出資)の一環。

1999年3月30日

  • アナン事務総長は、コソボにおいてセルビア勢力による大規模な民族浄化が行われているとの報道に深い怒りを表明。
  • UNHCRによれば、NATOによる対ユーゴ空爆開始(3月24日)以来、約10万人のコソボ難民が発生した。UNHCRはコソボ周辺国に対して、同難民を受け入れるべく国境を開放しておくよう訴えた。
  • WFPは、アルバニア北部の町、Kukesに流入したコソボ難民約7万人に対する食糧援助として、高蛋白ビスケット10メートルトンを輸送した。さらに、ビスケット10メートルトンと小麦粉40メートルトンを輸送中。
  • 安保理議長はアナン事務総長に書簡を送り、ルワンダで1994年前後に起こったジェノサイドへの国連の対応について独立調査を開始するとの事務総長提案について、安保理理事国の支持を伝えた。
  • 安保理は全会一致で決議1232を採択し、西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を4月30日まで延長した。
  • イラクの軍縮に関する国連パネル(2月設置)は29日、アナン事務総長に報告書を提出。同報告は、同国の軍縮を進めるために、侵入的検証など、監視検証システムの強化をはかるよう勧告した。
  • アナン事務総長は、UNIKOMの活動について安保理に報告書を提出。報告対象期間中(昨年9月24日―3月23日)、イラク・クウェート国境の状況が全般的に平穏であった、とした。
  • 全米模擬国連年次大会がニューヨーク国連本部で開催。アナン事務総長は開幕演説において、青年のコミットメント、想像力、理想主義が21世紀における課題解決の成否を決める、と述べた。
  • アナン事務総長は28日、ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スーチーさんの夫、Michael Aris氏が死去したことについて、哀悼の意を表明。

1999年3月26日

  • 安保理は、ロシアが提出した、NATOによるユーゴ連邦空爆非難決議案について採決。中国、ナミビア、ロシアを除く12カ国が反対し、不採択。
  • 緒方難民高等弁務官は、ヨーロッパ各国に対して、国境を開放し、コソボ難民を受け入れる体制を維持するよう訴えた。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、ユーゴ連邦、特にコソボの人々の生命に対する権利を保護するため、全当事者に対して最大限の警戒を求めた。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷の検察官は、コソボで国際人道法の重大な違反が続いていることに深刻な懸念を示すとともに、ユーゴ当局に対して新たな犯罪の発生を防ぐよう求めた。
  • UNHCRによれば、隣国タイに残っていた、最後のカンボジア難民750人がカンボジアへ無事帰還した。
  • カンボジア人権担当事務総長特使、Thomas Hammarberg氏は25日、ポルポト派の裁判方法に関して同国の正式な立場を確認するため、フンセン首相と会談した。
  • 国連人道問題調整室は、対タジキスタン援助要請アピール(総額2470万ドル)について、現時点の拠出額がわずか60万ドルにとどまり、同国の人道活動が脅かされている、と警告。
  • アフガニスタン人道調整官、Erick de Mul氏は、国際職員5人がカブールに復帰した、と発表。また、対アフガニスタン援助要請アピール(総額1億1,500万ドル)に対して、現時点でわずか1,400万ドルしか拠出されていない、と訴えた。

1999年3月25日

  • ロシアはNATOの対ユーゴ空爆について、国連憲章に違反する一方的な武力行使であるとし、その即時停止を求める決議案を提出した。
  • 安保理議長は報道声明において、アンゴラの政治、軍事、人道状況が深刻さを増していることに憂慮を表明。この事態の主因は、ルサカ合意を遵守しないUNITAにある、とした。
  • 経済社会理事会・組織会期が再開。アナン事務総長は開会演説し、平和建設および長期的開発における経社理と安保理の協力の潜在的可能性を指摘した。
  • 麻薬委員会が年次会合(10日間)を終了。不正薬物の需給を削減するための国際的努力を拡大すべく、数々の措置を採択した。
  • コンゴ民主共和国の人権状況に関する特別報告者、Robert Gareton氏は声明を発表し、最近、同国の南・北キブ両州で暴力が拡大していることを強く非難した。
  • 国連環境計画(UNEP)はポリ塩化ビフェニル(PCB)について、世界各地の破棄方法をリストアップし、破棄責任者に選択肢を提供すべく初の目録を作成した、と発表。
  • 緒方難民高等弁務官がオバサンジョ・ナイジェリア次期大統領とジュネーブで会談。アフリカの難民問題を中心に話し合った。
  • FAOは、地球環境の悪化によって、人間の食生活における重要な蛋白質源である淡水魚の供給が損なわれている、と警告した。

1999年3月24日

  • NATOによるユーゴ空爆開始について、安保理が緊急会合。
  • アナン事務総長は、NATOによるユーゴ空爆について、平和を追求するため武力行使が正当化されることもあるとの認識を示す一方、安保理が国際の平和と安全に主要な責任を負っており、武力行使の決定においては安保理の関与が必要である、と述べた。
  • NATOのユーゴ空爆開始までに、すべての国連職員がコソボから撤退。現在、UNHCR、WFP、ユニセフなどの職員、わずか15人がベオグラードに残る。
  • ユーゴ代理大使のVladislav Jovanovic氏は、NATOによるユーゴ空爆開始について、国連本部で記者会見し、このような空爆は国際関係を損ない、国連の権威を傷つけるものだ、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、ギニアビサウの総選挙の日程が早急に作成されるよう希望を表明。
  • 緒方難民高等弁務官は人権委員会において演説し、世界各地で数百万人の難民・避難民を生んでいる大規模な人権侵害をなくすため、確固たる政治的行動を求めた。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、英上院がピノチェト・元チリ大統領のスペインへの身柄引き渡しのための審理を進める決定を下したことを賞賛。
  • 平和維持活動担当事務次長、Bernard Miyet氏は平和維持活動特別委員会で演説を行い、地域機関との協力が、紛争解決において国連を傍観者的立場に押しやることになってはならないと述べた。
  • カイロ行動計画実施評価のための特別総会(6月30日―7月2日)の準備委員会議長、Anwarul Chowdury氏は、援助国に対して、カイロ行動計画履行のための一層の取り組みを求めた。
  • 麻薬委員会は年次会合で、麻薬の不法栽培を2008年までになくすため、遠隔探査などハイテク監視ネットワークを構築することを決定。
  • 世界結核デー。

1999年3月23日

  • 安保理議長は報道声明において、リビアがパンナム機墜落事件の容疑者2人を引き渡す意向を示したことを歓迎し、状況が整い次第、同国に対する制裁措置が停止されることに期待を表明した。
  • 安保理議長は報道声明において、ボスニア連邦およびセルビア人共和国の警察機構改革の進展を歓迎し、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ(UNMIBH)への支援を再確認した。
  • UNHCRによれば、コソボの主要都市Pristinaに数千人の国内避難民が押し寄せ、緊張が急激に高まっている。
  • アナン事務総長は国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)に関する報告書を安保理に提出し、同ミッションの任期を4月30日まで、1ヶ月間延長するよう勧告した。
  • アナン事務総長は先週、安保理議長に書簡を送付し、1994年のルワンダ惨劇について真実を究明し国連の対応を練るため独立調査を行う意向を伝え、安保理の支援を求めた。
  • 米国下院議員Carolyne Maloney氏はニューヨーク国連本部で記者会見し、UNFPAに対するアメリカの資金拠出を確保するため米議会に提出した法案への支援を求めた。
  • オペルッティ総会議長は、パラグアイ副大統領が23日殺害されたことに対して、衝撃と驚きを表明。また同国の民主的体制が、この危機を早急に乗り越えるよう希望した。
  • 国連緊急援助調整官は、ソマリアで活動していた援助団体職員のDeena Marie Umbarger氏が殺害されたことに悲しみを表明し、文民保護のための緊急措置を求めた。

1999年3月22日

  • アナン事務総長はコソボで拡大し続ける暴力に懸念を示し、ユーゴスラビア当局に対して、軍事行動を停止し、深刻な人道状況を緩和するため努力するよう求めた。
  • UNHCRによれば、20日、コソボにおいてOSCE検証団が撤退した後、戦闘が拡大し、20日以降、新たに2万5,000人が避難民となった。
  • バーティーニWFP事務局長はニューヨーク国連本部で記者会見し、スーダンへの食糧援助(年内分)を確保するため、国際社会が少なくとも6,400万ドルを拠出するよう訴えた。
  • 世界水の日。今年のテーマは、「みんなが下流に住んでいる(Everybody lives downstream)」として、ひとつの水源地域において問題が発生すれば、水源から離れて暮らしている人々にも影響が及ぶことを強調した。
  • アナン事務総長は、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の活動報告を安保理に提出。IPTFによるボスニア警察機構改革の支援状況を説明した。
  • B規約人権委員会が年次会合を開催(4月9日まで)。カンボジア、カメルーン、カナダ、チリ、コスタリカ、レソトの規約遵守状況について審議する。
  • 第32回人口開発委員会が開催。なお年次会合の後、同委員会は24日―31日、カイロ行動計画実施状況評価・特別総会(6月30日―7月2日)の準備委員会として機能する。
  • 中国の人権規約批准・実施のため、人権高等弁務官が同国に2週間派遣した視察団が技術協力などに関する調査を終え、21日、ジュネーブに戻った。

1999年3月19日

  • 安保理は、コンゴ民主共和国において引き続く紛争について討議。アフリカの大湖地域からも数カ国が参加。
  • アナン事務総長は、リビア国連大使から、同国政府が1988年のパンナム機墜落事件のリビア人容疑者2人をオランダに引き渡す意向であることを確認する書簡を受け取った。
  • UNHCRによれば、この2週間で、コンゴ民主共和国からザンビア、タンザニアに流入した難民は、1万4,000人に及ぶ。
  • 人権高等弁務官はニューヨーク国連本部で記者会見し、人権委員会(22―30日)において、反人種主義世界会議(2001年)の準備にも重点が置かれることを指摘した。
  • 国際人種差別撤廃デー(21日)。今年のテーマは、「反人種主義世界会議に向けて」。
  • 国連グアテマラ検証ミッション(MINUGUA)はグアテマラの人権状況(昨年4-12月)について報告し、同国における人権侵害の減少傾向が止まったことを明らかにし、同国の治安・司法行政システムの欠点を指摘した。
  • 第34回国際地方行政連合世界会議が21―24日、バルセロナで開催。アナン事務総長はビデオ・メッセージにおいて、国連と地方行政とのパートナーシップの重要性を強調。
  • WHOは、西太平洋地域において最後のポリオ患者が報告されてから2年が過ぎた今、中国を含む同地域において再びポリオが発生する可能性はほとんどない、と述べた。
  • WFPによれば、シエラレオネにおいて紛争が起こってから初めて、1,100メートルトンの食糧物資を積んだ船が同国に到着。
  • 婦人の地位委員会は、男女平等と開発に取り組む特別総会(2000年)の準備を開始。
  • 事務総長スポークスマンによれば、西サハラ事務総長特別代表、Charles F. Dunbar氏が、今月末で辞任する。
  • 「世界遺産---オーストラリア」というテーマの下、国連切手(6枚綴り)が発行された。

1999年3月18日

  • 安保理議長は、エチオピア・エリトリア両国に対して、紛争の即時停止を要求した。
  • アナン事務総長はギニアビサウに関する安保理宛報告書において、和平合意実施の遅れに鑑みて、当初、3月末までに行うとした国内選挙実施予定を変更するよう提案した。
  • ルワンダ国際犯罪法廷は検察官の要請を受け入れ、平和維持活動兵士10人(ベルギー人)に関与した容疑者、Bernard Ntuyahaga氏の釈放を決定した。なお検察官は同容疑者をベルギーで裁くため、タンザニア当局に引き渡すよう要請したが、同法廷はこれについては管轄権外であることを主張し、却下。
  • ジョセフ・コナー事務次長は記者会見(ニューヨーク)において、国連の財政状況が依然として深刻な状況にある、と訴えた。
  • 歴代7人の米国国務長官が連名でワシントン・タイムズに投書し、米国議会が国連に対する滞納金を支払うよう求めた。この投書は、Better World Fund(国連財団の一部)の広告に掲載された。
  • 事務総長スポークスマンは、ニューヨークタイムズ紙がジェシー・ヘルムズ米上院議員の発言を引用し、アナン事務総長が米国の通常予算分担率の20%への引き下げに同意したと書いた記事について、誤解を指摘。分担率のいかなる変更も、加盟国の交渉によって決められなければならない、とするアナン事務総長の見解を示した。
  • 経社理議長は、貿易開発ハイレベルシンポジウム(ジュネーブ、WTO主催)で演説し、グローバリゼーションに人間の顔を与えるよう訴えた。
  • イラクが最近、事務総長宛の書簡において、現在、同国において家畜用ワクチンが不足し、家畜事業が影響を受けているのは、UNSCOMによって家畜用ワクチン工場が破壊されたためであると主張したことについて、UNSCOMのバトラー委員長が安保理議長宛書簡において反駁。
  • 国連賠償委員会管理理事会が第31会期を終了。イラクのクェート占領によって生じた損害に対する賠償金として、約2億ドルを承認した。
  • ユニセフ事務局長は17日、シエラレオネ反政府勢力が誘拐した子どもたちを解放し始めたことに希望の光を見る、と述べた。
  • アナン事務総長は、女子差別撤廃条約選択議定書が婦人の地位委員会で採択されたことについて、歓迎の意を表明。
  • 国連調査団がジャカルタと東チモールに向けて出発。東チモールでの直接投票実施に向け、視察を行う。
  • 世界食糧計画(WFP)は、スーダンに対する食糧支援のため、緊急に資金が必要である、と訴えた。

1999年3月17日

  • 安保理議長は報道声明において、中央アフリカ共和国の全政治指導者に対して、国民和解に関する合意を完全実施するため、共同で努力するよう求めた。
  • アナン事務総長は安保理および総会議長に書簡を送り、カンボジアのポルポト派指導者を国際法廷において裁くべきである、と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、国連が調停して実現したアフガニスタン内戦当事者の和平交渉を歓迎。同当事者が停戦、広範な支持を受けた政府樹立に関する合意成立をめざして交渉を継続するよう求めた。
  • 国連人道問題調整室が、アフガニスタン人道援助に関する最新報告を発表。FAO、WHOなどの国連機関が同国各地域に対して援助を拡大している状況について報告した。
  • アナン事務総長は、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)と米国が、DPRKの地下施設の査察に関して合意したことを歓迎。また、この合意が朝鮮半島の緊張緩和に役立つことを希望した。
  • 国連貿易開発会議(UNCTAD)事務局長は、WTOの主催するシンポジウム(ジュネーブ)で基調演説を行い、貿易交渉において開発途上国の貿易競争力確保のための政策が否定されるべきでない、と述べた。
  • 世界食糧計画(WFP)は、アンゴラ南部のフアンボにおいて栄養不良に苦しむ避難民が増大していることに憂慮の念を表明した。
  • サイラス・ヴァンス事務総長特使主宰の下、ギリシャとマケドニア・旧ユーゴスラビア共和国の両代表がニューヨーク国連本部で、マケドニアの国名使用にめぐる両国の主張の相違点について会談した。
  • 世界食糧計画(FAO)によれば、FAOは現在、地中海沿岸諸国における食糧安保、所得確保、家畜の多様化、飼料の効率的使用をめざし、ウサギ飼育促進ネットワーク構築への支援を提供中。

1999年3月16日

  • アナン事務総長は、米国アフリカ閣僚会議(ワシントン)の開幕にあたって演説を行い、クリントン米大統領とともに、アフリカの債務軽減を求めた。
  • ハイチでの国連ヘリコプター墜落事故(12日)について、事故現場を調査した国連捜査隊が、乗員13人の全員の死亡を確認。
  • 北アイルランドの人権法律家、ローズマリー・ネルソン氏が車爆弾によって殺害された(15日)ことについて、アナン事務総長、ロビンソン人権高等弁務官、裁判官および法律家の独立に関する特別報告者はいずれも、この「卑劣な」犯罪を強く非難した。
  • 16日、ボスニア・ヘルツェゴビナの米国大使館近辺で車爆弾によってボスニア連邦内務次官のJose Leutar氏が重傷を負ったことについて、エリザベス・レン事務総長特別代表が強く非難。
  • ジョセフ・コナー事務次長は総会第5委員会において、国連の厳しい財政状況を訴えた。同氏は、米国が1998年、同年の義務的拠出金を超える金額を支払ったものの、昨年末時点で、通常予算に対する全滞納金の76%が依然として未納である、と指摘した。
  • UNHCRはアルバニア系住民代表団が和平合意署名の用意を表明したことを歓迎。一方、15日のランブイエ和平交渉再開以降、すでに約9,000人が家を追われた、と指摘。
  • UNHCRはコンゴ民主共和国における内戦によって、同国からザンビアへ流入する難民が増加している、と述べた。
  • ユニセフ事務局長は「Global Vitamin A Partnership」昼食会(ワシントン)で演説し、何百万の子どもたちに必要なビタミンAを提供する、同キャンペーンにイギリスが加わったことを歓迎した。
  • 麻薬委員会が今年の年次会合を開始(ウィーン)。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷所長のGabrielle Kirk McDonald判事(アメリカ)が、今年11月に辞任することを明らかにした。

1999年3月15日

  • タリバンと反タリバン勢力間で行われた第2回アフガニスタン和平交渉(トルクメニスタンで4日間開催)が14日、終了した。最終コミュニケにおいて4つの点に合意した。
  • UNHCRによれば、ランブイエ和平協議終了(2月23日)以降、戦闘の激化によって約3万人が自宅を離れて避難した(ただし、うち1万2,000人はすでに帰還)。現在、コソボ内の避難民は少なくとも23万人。
  • ハイチにおいて、13人を乗せた国連ヘリコプターが14日夜、消息を絶った。
  • アンゴラ事務総長特別代表、Issa Diallo氏が、アンゴラを発った。一方、13日、Kuitoからの国連機関の撤退が完了。同国において、国連人道機関の駐在地はわずか8個所に減少した。
  • イラク北部、Dohukにおいて、仕掛けられた爆弾が破裂し、世界食糧計画(WFP)の車が損壊した。
  • 婦人の地位委員会が12日、女子差別撤廃条約の選択議定書を採択。
  • WFPは、タンザニアの140万の人々に食糧を配給するため、国際社会に対して援助資金の拠出を求めた。
  • ユネスコは、メキシコのジャーナリスト、Jesus Biancomelas氏に、1999年のGuillermo Cano World Press Freedom Prizeを授与することを決定した。5月3日、「世界報道の自由デー」記念の一環として、賞金2万5,000万ドルが渡される。

1999年3月12日

  • アナン事務総長とカンボジア外相はニューヨーク国連本部で会談し、ポルポト派指導者を裁く方法に関する専門家グループの報告書について議論した。(同グループは報告書において、アド・ホック国際犯罪法廷の設置を勧告)
  • 国連緊急援助調整官、Sergio Vieira de Mello氏は記者会見し(ニューヨーク)、アフガニスタンにおいてタリバンが治安合意を遵守していることに鑑み、避難撤退させていた国連職員を同国に段階的に再配置する、と発表。
  • 世界食糧計画(WFP)は、15日からのアフガニスタンへの国連援助職員復帰を前に、同国の食糧事情調査を開始した。
  • UNHCRは、コソボ難民の直面する人道状況の悪化を指摘。緒方貞子難民高等弁務官は11日、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領に対して、これ以上の惨状を防ぐため、セルビア軍、警察部隊等の行動を抑制するよう訴えた。
  • ユニセフ事務局長はニューヨークとジュネーブで声明を発表し、スーダンにおいて奴隷を買い戻す運動を展開している慈善団体の行為は、奴隷問題の根本的原因を解決することにならない、と指摘した。
  • アナン事務総長は、12日死去したバイオリン奏者、ユーディ・メニューイン氏に哀悼の意を表明。

1999年3月11日

  • 安保理は決議1231を全会一致で採択し、国連シエラレオネ国連監視ミッション(UNOMSIL)の任期を6月13日まで延長した。
  • 東チモール高級レベル協議が終了。アナン事務総長は今回の協議が非常に前向き、かつ建設的であった、と述べた。
  • アフガニスタンのタリバンと反タリバン勢力が国連主宰の下、両者間の対立の政治解決を探るため、トルクメニスタンのAshgabadで協議を開始した。
  • リベリア担当事務総長特別代表、Felix Downes-Thomas氏は安保理に対するブリーフィングの後、報道機関に対して、現在、リベリアでおおむね平和と安定が保たれている状況を説明した。
  • イラク北部において、今週2回、爆破事件が起こった。一つはFAO事務所近辺(9日)、もう一つはユネスコ、WHO事務所近辺(10日)。国連職員には死傷者なし。
  • 緒方貞子難民高等弁務官(ワシントン訪問中)は、コソボにおいて市民に対する暴力が拡大し、その結果、避難民の数が増大していることに懸念を表明した。
  • ピノ・アルラッキ国際犯罪防止センター事務局長は各国代表部会合(ウィーン)において、国境を越える犯罪の増加に対処するため、腐敗、人間の取り引き、組織犯罪に対する新しい戦略を練ったことを発表。
  • 婦人の地位委員会の作業グループは、女子差別撤廃条約の議定書を採択した。12日、婦人の地位委員会に提出される。アンジェラ・キング事務総長特別顧問は、同条約採択20周年(1999年)におけるこの進展が、実に時宜にかなったものである、と感慨を述べた。

1999年3月10日

  • 東チモール高級レベル協議がニューヨークで開始。アナン事務総長は同協議を前に、インドネシア、ポルトガルの両外相と会談した。
  • 第54回人種差別撤廃委員会は声明をコンセンサスで採択し、クルド人がいかなる場所においても、威厳をもって生活し、自らの文化を守り、高いレベルの自治を享受できなければならない、と訴えた。
  • WFP、ユニセフ、EUは朝鮮民主主義人民共和国政府と共同で行った同国の栄養状況に関する調査報告を発表。同報告によれば、同国の子どもたちの栄養不良の割合が東アジアにおいて最も高い。
  • 本日、トルクメニスタンで開催が予定されたアフガニスタンのタリバンと反タリバン勢力の間の和平協議が11日に延期。(アフガニスタンの天候不順により、反タリバン勢力の到着が遅れた)
  • WHOは9日、アフガニスタン北部のFaizabadに医薬品(400キログラム)を空輸した。同地域において、これまでに、インフルエンザに似た疾病により約200人が命を落としている。
  • アナン事務総長は、John Hvidegaard准将(デンマーク)を4月4日付で国連タジキスタン監視団(UNMOT)の新団長に任命した。
  • UNHCRはアフリカの大湖地域および西アフリカに関する最新報告書を発表。同報告によれば、1998年12月以降、6,500人を超えるシエラレオネ難民がギニアのGueckEou地域に入った。
  • 世界食糧計画(WFP)は、エリトリアとの国境紛争によって発生した、27万2000人のエチオピア国内避難民に対して、2,430万ドル相当の緊急食糧物資を提供することを決定。
  • 「ホスト国との関係に関する委員会」(UN Committee on Relations with the Host Country)が今年の初会合。総会決議53/104に基いて、キューバ、ハンガリー、リビアの3カ国をメンバーに加えた。(合計19カ国)

1999年3月9日

  • アナン事務総長はニューヨーク国連本部で、米国国連協会・全国大会に対して演説し、アメリカが国連分担金を滞納していることについて、責任を負っているのは一般市民ではなく政治指導者である、と述べた。
  • UNHCRによれば、コソボ和平交渉の再開が一週間後に予定されるなか、戦闘や避難民の発生によってコソボの状況が悪化している。
  • アナン事務総長は、コンゴ民主共和国の紛争当事者が戦闘の停止、並びにWHOおよびユニセフによるポリオ予防接種キャンペーン実施の許可について保証したことを歓迎。
  • メアリー・ロビンソン人権高等弁務官は、先住民の人権を守る活動家3人が先週、コロンビアで殺害されたことを非難し、コロンビア当局がこの事件について十分な調査を行うよう求めた。
  • UNHCRによれば、コンゴ民主共和国の南東部、シャバ州で戦闘が拡大し、難民4,000人がザンビア北部に入った。(ザンビアには現在、すでにコンゴ民主共和国からの難民が1万2,000人いる)
  • 東チモールに関する高官レベル協議(ニューヨーク、国連本部)は、インドネシア代表のニューヨーク到着が遅れるため、10日に延期。
  • 「イラク石油食糧交換プログラム」に関する最新週間報告によれば、プログラム第5期開始以来(昨年11月26日)、これまでにイラク原油1億9,000万バレルが輸出された。また同報告は、同期間中、イラクからトルコへの原油輸出の停止(先週)が、トルコのCeyhan港からの全体的な輸出に影響を及ぼしてはならない、とした。
  • 世界食糧計画(WFP)は、朝鮮民主主義人民共和国において、国内食糧配給システムの資源が枯渇した、と発表。そして同国の人々は今年10月まで、国際食糧援助を必要とする、と訴えた。

1999年3月8日

  • 国際婦人デー。
  • 国連婦人開発基金(UNIFEM)はニューヨーク、メキシコシティ、ナイロビ、ニューデリー、ストラスブルグを結んで、国連機関合同のビデオ会議を行い、女性に対する暴力について討論した。
  • ユニセフ・国連開発計画(UNDP)両事務局長はそれぞれ、国際婦人デーのメッセージにおいて、貧しい国の女性、少女たちがエイズ禍の被害者となっていることに憂慮の念を表明。
  • 婦人の地位向上部が先週、カナダNGO代表Losang Rabgey氏による「女性と健康に関するパネル討論」(先週)での発言を許可しなかったことについて、アンジェラ・キング事務総長顧問が深謝。
  • 東チモールに関する次回交渉が9日、ニューヨーク国連本部で開始。
  • フランシス・オケロ事務総長特別代表はニューヨークで報道機関に対して、シエラレオネの首都フリータウンの状況がかなり安定したと述べるとともに、国際社会による人道支援の必要を訴えた。
  • ピノ・アルラッキUNDCP事務局長は、コロンビアのRio Araucaで米国市民3人の死体が発見されたことについて十分な調査が行われるまで、同国の非武装地帯訪問を見合わせる、と発表した。

1999年3月5日

  • 安保理議長は事務総長宛書簡において、事務総長が、ギニア・ビサウの平和・民主化、自由かつ透明な選挙実施のために、同国内に国連平和建設支援室の設置を提案したことを歓迎した。
  • アナン事務総長は国連シエラレオネ監視団(UNOMSIL)に関する報告書において、シエラレオネにおいて反政府グループが罪のない市民を殺害し、人権を著しく侵害していることを非難。またUNOMSIL の任期を6月13日まで延長するよう勧告した。
  • アンゴラ人道調整官、Francesco Strippolli氏はジュネーブで記者会見し、アンゴラにおいて内戦が継続し、避難民が35万人(11月)から65万人(現在)に増えた、と述べた。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷・検察長官、Louis Anne Arbour氏はニューヨークで記者会見し、旧ユーゴ連邦共和国やセルビア人共和国などから十分な協力が得られないとし、同法廷と平和維持活動とのパートナーシップが必要であると訴えた。
  • アナン事務総長は、ブルチコ仲裁裁判所が、セルビア人共和国とボスニア連邦の共同管理の下、ボスニア・ヘルツェゴビナにブルチコ地区を創設するとの裁定を下したことを歓迎した。
  • 世界食糧計画(WFP)は、モザンビークにおいて発生した40年ぶりの大洪水によって被害を受けた7万人の同国住民たちに対して緊急食糧空輸を開始した。
  • アナン事務総長は第21回ライオンズ・デーに対する演説において、Lions Club Internationalの活動を賞賛するとともに、グローバリゼーションのもたらす利益と弊害を指摘した。
  • アナン事務総長はUN International School(UNIS)と国連学生会議に対する演説において、地球は、将来の世代に譲り渡さなければならない財産である、と述べた。
  • ユネスコは、国際平和文化年(2000年)準備の一環として、「Manifesto 2000 for a Culture of Peace and Non-Violence」を開始。草の根レベルで平和、連帯、寛容を促進することをめざすManifestoに対して、2000年総会までに1億人の署名を集める。ノーベル平和賞受賞者3人、Mairead Corrigan Magure(北アイルランド)、Rigoberta Menchu Tum(グアテマラ)、Adolfo Perez Esquivel(アルゼンチン)も参加。

1999年3月4日

  • 安保理議長は報道声明において、エチオピア・エリトリア国境で継続する戦闘に懸念を示し、両国に対して再度、即時停戦を求めた。
  • 安保理は国連ハイチ文民警察ミッションに関する事務総長報告を検討。その後、安保理議長はハイチの状況に懸念を示し、政治指導者たちに対して相違点を克服するよう求めた。
  • 国際婦人デー(3月8日)を記念して、「女性のための平等の権利に関する国連グループ」がパネル討論会を開催。アナン事務総長、ヒラリー米国大統領夫人が参加し、基調演説。
  • 国際労働機関(ILO)の新・事務局長(第9代)にチリのJuan Somavia氏が就任。南半球出身者としては初めて。
  • 国際高齢者年記念事業の一環として、高齢者NGO委員会が、国連、高齢者年国連協議グループとともに、討論会「Age Quake Debates」の第一回目(合計4回開催予定)を開催。
  • ブラヒミ・アフガニスタン事務総長特使は、タリバンと反タリバン勢力が10日、高級レベル会談を行うことに合意した、と発表した。
  • アナン事務総長は、インターネット雑誌「In the Window」でチャイルドネット国際賞を受賞した車椅子・手話の少女(12歳)Hero Nightingaleさんにメッセージを送り、障害者、難民、そして相違を持つ人々こそ、私たちの生活を豊かにする、と述べた。
  • 世界食糧計画(WFP)は国際援助を求める緊急アピールを発信し、昨年10月のハリケーンによって被災したLa Mosquitia(ホンジュラス)の住民に対して、緊急に食糧を空輸するため、合計50万ドルを拠出するよう求めた。
  • WFPは、コンゴ民主共和国の南部にいるアンゴラ難民3万人のための緊急食糧170メートルトンを輸送する貨物列車が同国のルブンバシを出発した、と発表。

1999年3月3日

  • 事務総長は安保理/総会に報告書を提出し、アフリカ地域機構の平和維持活動向上をめざして、訓練支援のための作業部会設置、国連平和維持兵との交流基金設置などを提案。
  • 対旧ユーゴ武器禁輸監視委員会(昨年4月設置)が安保理に報告書を提出。昨年12月までの期間中、わずか数カ国からしか禁輸違反についての実質的報告がない、と述べた。
  • セバン国連イラク・プログラム事務局長は安保理に対して、イラク空爆の人道活動への影響について説明。その後、報道機関に対して、イラク・トルコ間の石油パイプライン中断に懸念表明(2日)。
  • 国際司法裁判所はアメリカに対して、アリゾナ州での殺人事件で死刑判決を受けたドイツ人Walter LaGrandが、ドイツの提訴に関するICJ最終判決まで、刑の執行を受けないよう最大限の措置を尽くすよう求めた。
  • ユニセフ、WFP、国連緊急援助調整官は合同報道声明において、「国境なき医師団」によるOperation Lifeline Sudan (OLS)に対する批判を不正確でバランスを欠いたものである、と述べた。
  • 婦人の地位委員会は女性と健康の問題に焦点をあてて審議。ブルントラントWHO事務局長、サディクUNFPA事務局長が参加し、演説。
  • WHOは、国際煙草生産者協会(ITGA)との会合において、煙草統制枠組み条約(FTTC)の作成のうえでの支援を求めた。

1999年3月2日

  • アナン事務総長はニューヨーク国連本部で記者会見を行い、アンゴラ、マケドニアからの国連平和維持軍の撤退に遺憾の意を表した。またイラクに関する記者からの質問に対して、安保理がイラクでの経験を今後生かしていくことを希望する、と述べた。
  • ベノン・セバン国連イラク・プログラム事務局長は、トルコ国境付近での最近の空爆による石油パイプライン閉鎖に懸念表明。さらに閉鎖が広がれば、イラク人道援助のための資金状態を悪化させる、と述べた。
  • UNHCRによれば、コソボ解放軍(KLA)とセルビア治安部隊との戦闘を避ける数千人の避難民が現在、凍えつくような真冬の寒さに直面している。
  • FAOが「最新食糧事情」を発表。1998-99年、全般的な穀物生産状況は良いが、依然として数多くの国が深刻な食糧問題に悩んでいる、と指摘。
  • アリゾナ州(アメリカ)で殺人を犯した罪でドイツ人2人が死刑判決(うち一人、2月24日刑執行)を受けた問題に関して、ドイツはアメリカが国際法に違反したと主張して、ICJに提訴した。
  • 世界食糧計画(WFP)は、シエラレオネの首都フリータウンへの緊急人道援助物資輸送を開始。

1999年3月1日

  • 対人地雷禁止条約が発効。
  • 2月27日、安保理は議長声明を発表し、エリトリアが同日、エチオピアとの国境紛争を収束するためのOAU枠組み合意を受託したことに歓迎の意を示した。
  • アナン事務総長は、グアテマラ真相究明委員会メンバーと会談。グアテマラにおいて36年間に及んだ紛争下の人権侵害の調査結果報告(2月25日発表)に歓迎の意を表した。
  • 第43回婦人の地位委員会が開始(3月1-12日)。なお15-19日には、2000年特別総会「Women 2000: gender equailty, development and peace for the 21st century」準備委員会として審議を予定。
  • アナン事務総長は、ナイジェリア大統領選(2月27日)によって同国の民主化が進むことを希望する、と述べた。
  • 国連人道調整官Hans Von Sponek氏は、安保理イラク人道問題パネルで、イラク飛行禁止地域空爆が今後も頻繁に継続する場合、国連人道活動の再考が必要となる、と指摘。
  • 国連予防展開軍(UNPREDEP)、国連アンゴラ監視団(MONUA)が先週、任期を終了。本日現在、国連平和維持活動は14件、兵力は1万4,000人。

1999年2月26日

  • 安保理は決議1129を全会一致で採択し、国連アンゴラ監視団(MONUA)の任期終了(本日)に留意し、同監視団の完全撤退までの兵力地位協定の有効性を再確認した。
  • 安保理は決議1130を全会一致で採択し、国連中央アフリカ共和国(MINURCA)の任期を今年11月15日まで延長した。
  • アナン事務総長は安保理に対して、パンナム機爆破事件(1988年、スコットランド上空)のリビア人容疑者の引き渡しに関する進捗状況を説明。その後、記者団に対して、この問題解決への楽観的見通しを語った。
  • ユニセフ事務局長は、グアテマラ真相究明委員会の報告書(25日発表)が36年間に及んだ紛争下の子どもの人権侵害を明らかにした、と指摘。
  • コンゴ民主共和国反政府グループCongolese Rally for Democracy(CRD)は、子どもワクチン投与など緊急人道援助のための一時停戦遵守を、オトゥヌ事務総長特別代表に保証。
  • 国連人権高等弁務官は、中国がその人権状況を改善するためどのような技術支援を必要とするか調査するため、同国に対して3月8-22日、視察団を派遣する。
  • ギニアからリベリア難民1,300人が帰還。ギニア訪問中の緒方貞子・難民高等弁務官が見守った。
  • 第54回人種差別撤廃委員会(3月1-19日)。審議対象国は、オーストリア、コスタリカ、フィンランド、イタリア、レソト、モンゴル、ペルー、ポルトガル、韓国、シリア、クウェート。

1999年2月25日

  • 安保理において、中国が拒否権を行使。国連予防展開軍(UNPREDEP)の任期延長(事務総長勧告)が否決された。―賛成13、反対1(中国)、棄権1(ロシア連邦)
  • アナン事務総長は声明を発表し、東チモールにおいて暴力が発生したとの報道に懸念を表した。
  • アナン事務総長は、安保理に対して国連ハイチ文民警察ミッション(MIPONUH)に関する最新の報告書において、ハイチ国会が機能を失っていることに憂慮を示した。
  • アナン事務総長は2日間のワシントン訪問を終了。
  • UNHCRは、コンゴ民主共和国において栄養不良に苦しむアンゴラ難民の割合が非常に高くなっている、と指摘。
  • UNHCRは、ブルンジの和平プロセスを支援するMwalimu Nyerere財団に対して、5万ドルを寄付した。
  • ユニセフ事務局長は「青年は、資産か荷物か」と題する会議(Yacobs Foundation及びCarnegie Corporation共催)の基調演説で、未来の鍵は青年が握っている、と強調。

1999年2月24日

  • 安保理議長は報道声明において、エチオピア・エリトリア紛争の即時停止を求めるとともに、すべての国に対して両国への武器供与を停止するよう促した。
  • 安保理議長は報道声明において、国際社会がソマリアの人道的状況の悪化に関心を向け、同国市民に対する支援を提供するよう促した。
  • アナン事務総長は22日、イラク人道プログラムの実施状況に関する報告書を安保理に提出し、イラクでの人道物資配給の実施に必要な歳入が減少していることに懸念を表明。
  • アナン事務総長はワシントンにおいて、米国上院・下院議員らと会談。
  • アナン事務総長は、アンゴラで起こった国連機墜落事故の犠牲者の追悼式典(ルワンダ)にメッセージを寄せ、国連職員の遺体捜査に一層の努力を傾ける、と述べた。
  • 国際麻薬統制委員会(INCB)は23日、年次報告(1998)を発表。
  • ルワンダ国際犯罪法廷は、2月11日逮捕したCasimir Bizimungu氏(1994年当時、保健大臣)を同法廷の拘留施設に移送した、と発表。

1999年2月23日

  • 安保理は議長声明を発表し、タジキスタンの和平プロセスを加速するため、当事者が努力を拡大するよう求めた。
  • 安保理はボスニア和平合意実施高等代表Carlos Westendorp氏の報告書を検討。安保理議長はこの検討内容に関する報道声明において、ボスニア和平実施のため一層の努力の必要性を強調した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、コソボ紛争に関する和平交渉(ランブイエ、フランス)で成立した合意において、コソボの幅広い自治のための政治的枠組みが出来上がったことに満足の意を表明。
  • UNHCRによれば、コソボにおいて先週末から続く戦闘によって約9,000人の避難民が発生した。
  • アナン事務総長はジョージタウン大学(ワシントン)において演説し、たとえアメリカにとって遠隔地の平和維持活動であっても、支援・協力を惜しむべきでない、と訴えた。
  • フレシェット副事務総長は、アメリカン大学(ワシントン)で行われた「国連持続的開発プログラムに関するフォーラム」において演説し、持続可能な開発における草の根レベルの取り組みの重要性を強調した。

1999年2月22日

  • 安保理は軍事紛争下の文民保護の問題に関して、非理事国を交えて、討議を再開。
  • イラクに関する安保理パネル、審議開始へ。(軍縮問題パネル23―27日、人道問題パネル3月1-2日、クウェート戦争捕虜パネル3月3-4日)
  • アナン事務総長は非植民地化委員会で演説し、国際植民地主義撤廃10年の終了年(2000年)に向け、国連システム、専門機関、国際金融機関、施政国の継続的支援を求めた。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷所長は、現在ランブイエで交渉中の和平合意から同法廷調査者に完全なアクセスを保証した個所が削除されたとの報道に対して懸念を表明。
  • 国際犯罪法廷準備委員会は公開審議を行い、およそ1週間続いた作業部会の非公開討議の進捗状況を検討。
  • ルワンダ国際犯罪法廷は20日、1994年当時マバンザ市長を務めていたIgnace Bagilishema氏を逮捕し、アルーシャ(タンザニア)に移送した。
  • 小火器に関する政府専門家グループの第2会期がジュネーブで開始。
  • アフガニスタン事務総長特使のLakhdar Brahimi氏が、イスラマバド(パキスタン)入り。同国滞在中、アフガニスタンのタリバン代表と会談する予定。

1999年2月19日

  • 事務総長は安保理への報告書において、国連予防展開軍(UNPREDEP)の任期を8月31日まで6ヶ月延長するよう勧告した。
  • クルド人たちは先週に引き続いて世界各地の国連事務所において、トルコ反体制指導者オジャラン氏の身柄拘束に抗議。
  • UNHCRによれば、コソボにおいて現在、14の都市を結ぶバスの運行が開始するなど、不安な日常のなかにも多少正常化の兆しが見られる。
  • フレシェット副事務総長は記者会見において、国連システム間の調整および管理の向上など、国連改革が着実に実施されている、と述べた。
  • 世界食糧計画(WFP)はアフリカ大湖地域に対して、今年8月から2年間にわたり、2億7,000ドル相当の緊急食糧援助計画を行う、と発表した。
  • アルラッキ国連薬物統制計画事務局長はニューヨークで記者会見を行い、ペルーのコカ不法栽培の根絶対策のため、各国から2億7,000万ドルの拠出があった、と発表。
  • WHOは、アフガニスタン北東部で発生した、熱、咳、痛み、嘔吐、下痢を伴う疾病について調査するため、現地に専門家を派遣する予定。

1999年2月18日

  • 安保理は議長声明において、中央アフリカ共和国の政治的状況に懸念を示し、同国に対して政治、経済、社会、治安面の改革を進めるよう求めた。
  • 「ベツレヘム2000国際会議」がFAO本部(ローマ)で開幕。
  • 総会は、国連貿易開発会議(UNCTAD)の事務局長に、Rubens Ricupero氏を再任。
  • 60-70人のクルド人が、トルコ反体制指導者、オジャラン氏の身柄拘束に抗議し、ウィーン国連事務局に乱入。およそ2時間後、平和的に退去した。
  • 国連アフガニスタン人道調整官事務所によれば、国連および専門機関がアフガニスタンで先週発生した地震の被災者に対して援助物資を現在提供中。
  • 「女性に対する暴力」特別報告者Radhika Coomaraswamy氏と「女性と子どもの健康に影響を及ぼす伝統的慣習」特別報告者Halima Warzazi氏は共同声明において、女性性器削除など有害な慣習をなくすため、情報と教育の拡充の必要性を訴えた。

1999年2月17日

  • 安保理議長は報道声明において、コンゴ民主共和国へ武器が不正に流れ込んでいる現状を憂慮し、すべての当事者に対して紛争を停止するよう求めた。
  • 安保理は報道声明において、ブルンジで戦闘が引き続いている状況に憂慮を示した。
  • 国連ジュネーブ事務局およびUNHCR本部に立てこもっていたクルド人のグループが、平和的に退去した。
  • アナン事務総長は12日、アンゴラの国連平和維持活動の継続的駐留を不要とする同国大統領からの書簡を受け取った。
  • 子どもと軍事紛争に関する事務総長特別代表、オララ・オトゥヌ氏は記者会見において、シエラレオネで女性や子どもに対する残虐行為が行われていることを非難した。
  • ブルントラントWHO事務局長は、インフルエンザ監視50周年記念の専門家会議(ジュネーブ)で、インフルエンザ・ワクチンをめぐる主要な課題について指摘した。

1999年2月16日

  • アナン事務総長は駐ワシントン・サウジアラビア大使のRihad Massoud氏から、パンナム機爆破事件(1988年、スコットランド上空)のリビア人容疑者引き渡しに向けて、すべての問題が解決したとの報告を受けた。
  • 国際刑事裁判所設立準備委員会の初会期がニューヨークで開始。
  • 約25人のクルド人が、トルコの反体制指導者オジャラン氏の身柄拘束に抗議し、ジュネーブ国連事務局ビルに乱入。
  • 世界食糧計画(WFP)は15日、アンゴラ避難民50万人の栄養不良の悪化に警鐘を発した。
  • WFPは、シエラレオネの首都フリータウン東部に4つの緊急食糧配給センターを設置。
  • エリトリアは同国の外交特権をエチオピアが侵害したとし、国際司法裁判所へ提訴。

1999年2月12日

  • 安保理は議長声明を発表し、世界各地の軍事紛争において市民が標的となっていることを強く非難するとともに、事務総長に対して市民の保護に関する報告書を9月までに提出するよう要請した。
  • 人口開発に関するハーグ・フォーラムが閉幕。
  • アナン事務総長はタジキスタンに関する報告書において、同国における不安定な状況に懸念を表明。
  • WFPは、シエラレオネの首都フリータウンにおける戦闘がこのまま継続すれば、全市民が3週間以内に大規模な食糧不足の危機に直面するであろう、と警告。
  • UNHCRは、コソボ住民がランブイエ(フランス)での和平交渉に最後の希望を託しながら、恐怖と不安に震えている、と指摘した。
  • UNHCRは、ソ連の撤退から10年が過ぎた現在、アフガニスタン難民は世界で最も多く、その数は260万を超える、と述べた。
  • マリは加盟国のなかで初めて、ルワンダ国際犯罪法廷と正式に協定を結び、刑務所施設の提供を約束した。

1999年2月11日

  • 安保理は決議1228を全会一致で採択し、西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を3月31日まで延長した。
  • アナン事務総長は安保理において世界の安全保障問題に関するブリーフィングを行った後、報道機関に対して、アフリカにおいて紛争が続く限り、同大陸の経済発展はないと述べた。
  • アナン事務総長は、シエラレオネ人道ミッション(先週)の視察報告を安保理に伝え、同国反政府組織が首都フリータウンで著しい人権侵害を犯している、と指摘した
  • アナン事務総長は、東チモールの独立運動指導者、シャナナ・グスマン氏が刑務所から移送され自宅軟禁となったことを歓迎。
  • ルワンダのジェノサイドに関与した罪で9日逮捕されたルワンダ元情報相のEliezer Niyitegeka氏が、ルワンダ国際犯罪法廷拘留施設(アルーシャ、タンザニア)に移送された。
  • 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES)の常設委員会は10日、ナミビアとジンバブエが日本に対して象牙を輸出することを許可した。
  • アナン事務総長は、「高齢化に関するグローバル・ビデオ会議」(ニューヨーク国連本部)で演説し、高齢化問題に対して長期的な計画を練ることの重要性を強調した。
  • 国連人口基金(UNFPA)は、マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏とメリンダ夫人が、世界の人口・保健活動のために22億ドルを寄付したことに対して謝意を表した。

1999年2月10日

  • 安保理は決議1227を全会一致で採択し、エチオピアとエリトリア両国に対して即時停戦、紛争の平和的解決を求めた。
  • 事務総長特別代表のフランシス・オケロ氏は、シエラレオネ大統領が2月7日の演説において、同国における紛争終結への道筋を示したことを歓迎した。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)は、タイ政府が2,500人のボランティアを対象にしたエイズ・ワクチン試験投与を承認したことを歓迎。
  • 世界食糧計画(FAO)は、イラクで発生した人畜共通感染症が周辺諸国に広がり、地域の食糧事情に深刻な影響を及ぼす可能性がある、と懸念を表明した。
  • 都市および村落における長寿に関する専門家会議がニューヨーク国連本部で開催。

1999年2月9日

  • 第10回緊急特別総会は決議を採択し、中東和平プロセスを軌道に戻すために努力を拡大するよう求めた。(賛成115、反対2、棄権5)
  • 安保理は報道声明において、エチオピアとエリトリア両国に対して即時停戦を求めた。
  • 安保理議長は、7日死去したヨルダンのフセイン国王に対して弔慰を表明。
  • 事務総長はパレスチナ人不可譲権利行使委員会開幕にあたりメッセージを送り、当事者が和平プロセスを遅滞なく進めていくよう呼びかけた。
  • ヒラリー米国大統領夫人はハーグ・フォーラムにおいて、家族計画に対する取り組みを後退させないよう訴えた。
  • UNHCRは、コソボにおいて散発的な銃撃が行われているため、人々が帰還できない、と述べた。
  • 国連はスーダンに対する緊急人道支援のため、国際社会に対して1億9、840万ドルの拠出を求めた。
  • 社会開発委員会が審議を開始し、「コペンハーゲン+5」(2000年)の準備に着手。
  • 国連国際警察タスク・フォース(IPTF)の長、リチャード・モンク氏は、ニューヨーク国連本部で記者会見を行い、平和維持活動における文民警察の重要性を強調した。

1999年2月8日

  • 総会は、7日死去したヨルダンのフセイン国王に対して弔慰を表明した。
  • 東チモール事務総長個人代表のJamsheed Marker氏は、ニューヨーク国連本部で行われたインドネシア・ポルトガル両外相会談について記者会見を行い、東チモール問題に関してかなりの歩み寄りがみられた、と述べた。
  • 1994年国際人口開発会議行動計画の実施状況を再検討するためのハーグ・フォーラム開幕。
  • 事務総長は声明を発表し、エチオピアおよびエリトリア両国の即時停戦と、国境紛争の外交的解決を求めた。
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、イスラエル国防軍(IDF)と南レバノン軍(DFF)によるUNIFIL駐留地点への攻撃を強く非難した。

1999年2月5日

  • 総会は、第10回緊急特別総会を開催し、イスラエルによる東エルサレムおよびその他のパレスチナ領土の不法占領について審議を再開。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、コソボ紛争の解決をめざす和平交渉(フランス)の開始を前に、連絡調整グループのメンバー国と会談。
  • 東チモール事務総長個人代表、Jamsheed Marker氏は記者会見を行い、インドネシアと東チモールの高官レベルで行われた協議において、国連の提案する幅広い自治に関して歩み寄りが見られた、と述べた。
  • アナン事務総長は、セネガルが国際刑事裁判所規程の初の批准国となったことを歓迎し、他の国々が後に続くよう訴えた。
  • ルワンダ国際犯罪法廷は、1994年のジェノサイドに加わった罪で、フツ族過激派民兵組織インタラハムウェの元指導者であるOmar Serushago氏に対して15年の懲役刑を科した。
  • UNHCRは、タイのカンボジア難民が1997年夏以来初めて2万人を下回った、と発表。
  • 世界食糧計画(WFP)は、中国洪水の被災者の食糧援助に必要となる資金の50%も集まっていないとし、国際社会の緊急な資金拠出を求めた。
  • 高齢者問題に関する専門家会議が2月1-3日、ウィーンで、Novartis Founation for Gerontological Reserchの主催で開催される。同会議は世界各国が21世紀における高齢者の急増への対策を急ぐ必要性を強調。

1999年2月4日

  • 安保理は報道声明において、ギニアビサウの紛争当事者に対して戦闘を停止するよう求めた。アナン事務総長もまた、同様の声明を発表。
  • 安保理は報道声明において、悪化するアンゴラ状況に懸念を示し、和平のための外交努力に対する支援を表明した。
  • 世界食糧計画(WFP)は、アルメニア西部(コロンビア)を襲った地震の被災者を支援するための大規模な緊急援助活動の開始を発表した。
  • WFPは、フリータウン(シエラレオネ)の市民が今後2、3ヶ月以内に深刻な食糧不足に直面するであろう、と警告。
  • アナン事務総長は3日、Black History Makers Awardの受賞にあたって、アフリカの紛争を終結し、その可能性を引き出すため、一層の努力が必要である、と強調した。
  • セネガルは2日、国際刑事裁判所規程(1998年7月採択)の初の批准国となった。なお同規程の発効のためには60カ国の批准が必要である。
  • ジェンダーに関する事務総長特別顧問のアンジェラ・キング氏は、5日に審議を終了する婦人差別撤廃委員会について記者会見を行い、男女平等を促進する法律が現実の生活に十分に反映されていない、と述べた。
  • 世界銀行は、国際人口開発会議再検討会議(ハーグ)の開催を前に、開発途上国において、1億2,000万以上の貧しい男女がリプロダクティブ・ヘルス・サービスやカウンセリングを受けられずにいると憂慮を表明。

1999年2月3日

  • アナン事務総長は、コソボ和平協議をランブイエ(フランス)で開催するという連絡調整グループの決定を歓迎。安保理も報道声明において、紛争当事者が誠実かつ活発に同協議に参加するよう求めた。
  • 安保理は報道声明を発表し、ハイチの政党指導者たちに対して、同国における自由かつ公正な選挙の実施のため、お互いの相違点を乗り越えるよう呼びかけた。
  • アナン事務総長は経社理・組織会期で演説し、グローバリゼーションに立ち向かうため、国連システム間の調整強化の必要性を指摘した。
  • 東チモールに関して、インドネシア・ポルトガルの両外相は、事務総長の招きに応じ、ニューヨークで8日会談予定。
  • ベノン・セバン国連治安調整官は、イラクに勤務する英国・米国国籍の国連職員に同国を立ち去るよう指示。イラクは1月4日、同国籍職員の安全を保証できない旨を国連に伝えた。
  • 国連食糧計画(WFP)は、イラクで栄養不良に苦しむ子どもたちへの食糧提供のため国際社会が2,100万ドルを拠出するよう求めた。
  • マーティン・グリフィス副緊急救済調整官は、アフリカ3カ国への2週間の視察を終了。記者会見において、アンゴラおよびコンゴ民主共和国の人道状況が深刻であると報告。
  • WFPは、ソマリア南部の飢餓を救うためには食糧援助ばかりでなく、種子および道具を提供する必要性がある、と述べた。
  • 国連人権高等弁務官は死刑廃止条約の重要性を強調し、米国およびオクラホマ州当局に対して、Sean Sellers氏の死刑執行を停止するよう訴えた。
  • UNEPは「Wildland Fires and Environment: a Global Synthesis」と題する報告書を発表。これまでの森林火災の原因、影響、並びに国際社会の対応について概観する。
  • 経済専門家会議(ジュネーブ)が3日間の会期で開幕。開発途上国のグローバル経済への統合を支援するための戦略を練る。

1999年2月2日

  • アナン事務総長は安保理への報告書において、中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)を今年後半、同国大統領選が実施されるまで引き続き駐留させるよう勧告。
  • UNHCRは、コソボの人道状況が悪化し続けており、人口の20%が内戦のために避難民・難民化した、と指摘。
  • UNAIDSは2月1日、第6回レトロウイルス会議(シカゴ)において、抗ウイルスの使用によって母子感染率を劇的に減少させる方法について研究発表を行った。
  • 国連財団は、子ども保健、人口、女性、環境などの国連活動について、新たに25件、総額3、170万ドルにのぼる助成金を認可したことを発表。
  • 国連経済社会局と国連開発計画は1月29日、イラク北部の水力発電ダムの修復プロジェクトを完了。

1999年2月1日

  • アナン事務総長は安保理への報告書において、コソボにおける暴力の拡大は全面的な内戦状態につながるばかりでなく、この地域全体に予測不可能な事態を招く可能性がある、とした。
  • 安保理は1月30日、イラクに関する決議の完全実施を確保するため、「軍縮」、「人道状況」、「戦争捕虜およびクウェート人の財産」に関する3つの分科会の設置を決定した。
  • アナン事務総長は1月31日、世界経済フォーラム(ダボス、スイス)で演説し、財界と国連が共有する価値と原則に関して地球的な合意をつくり、世界市場に人間の顔を与えるよう提案した。
  • ロビンソン国連人権高等弁務官は、コロンビアにおいて起こった人権活動家の殺害や誘拐を強く非難し、同国当局が事件について徹底調査し犯罪者を裁判にかけるよう促した。
  • アナン事務総長は、国連環境計画(UNEP)の第20回管理理事会に対するメッセージにおいて、世界が直面する環境の脅威はあまりにも大規模かつ世界的なものであり、どの国も、また国々のつくるグループも、あるいはどの機関もひとりで解決できるものではないとし、環境分野における国連活動の改革・強化の必要性を指摘した。
  • 世界保健機関(WHO)の第103回執行理事会は、加盟191カ国に対して、煙草を規制する枠組み条約の起草および交渉に参加するよう求める決議を採択した。
  • 人道問題室緊急連絡ブランチの長であるケビン・ケネディ氏は、国連調査団による1月19日―28日のシエラレオネ視察について、ニューヨークで記者会見を行い、シエラレオネの人道状況が非常に深刻であると述べた。
  • 国連開発計画(UNDP)のアフリカ45カ国駐在代表らがコトヌー(ベニン)に会し、21世紀におけるアフリカ開発の方向性を検討。
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)は、カザフスタンが1月15日に難民の地位に関する条約(1951年)およびその議定書(1967年)を批准したことを歓迎した。

1999年1月29日

  • 安保理は決議1226を全会一致で採択し、エチオピアとエリトリア両国に対して、平和的解決への取り組みを維持するよう強く促した。
  • 安保理は議長声明において、コソボの紛争当事者がすべての暴力および挑発的行動を即時に停止するよう求めた。
  • UNHCRは、コソボにおける紛争によって毎日、新たな国内避難民が発生している、と述べた。
  • グルジア政府代表団のLonder Tsaava氏はニューヨーク国連本部で記者会見において、自らをアブハジア正統政府の首相であるとし、グルジアのアブハジアの紛争解決交渉の行詰まりを打開するため、より思い切った解決策が必要である、と述べた。
  • アナン事務総長は安保理に提出した報告書において、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を2月28日まで延長するよう勧告した。
  • 国連調査団は今週初め、シエラレオネの首都フリータウンに入り、治安状況を視察する予定。
  • シエラレオネのジェームズ・ジョナ財政・開発・経済計画大臣はニューヨーク国連本部で記者会見を行い、同国の現在の危機は外部勢力によってもたらされたものであり、それは国内紛争ではなく、地域紛争である、と述べた。
  • UNHCRによれば、スーダンのディンカとディディンガの2つのコミュニティー間で対立が発生後、ケニア北西部のカクマ難民キャンプに女性および子どもが4、000が一時避難。また、コンゴ民主共和国からタンザニアに避難する難民について、その数が増加している、と警告した。
  • ルワンダ大量虐殺に直接参加し、大きな役割を担ったとして起訴されたOmar Serushago被告は、ルワンダ国際犯罪法廷において情状酌量を求めた。
  • 傭兵に関する特別報告者、Enrique Bernales Ballesteros氏は英国訪問終了を終了。同国訪問中、同氏と英国政府高官は傭兵活動に対する非難的な立場を確認し、この問題に国際社会の関心を喚起する必要性について合意したことを明らかにした。
  • IAEAは加盟国に対して、コンピューターの2000年問題の取り組みにおいて協力をはかるよう呼びかけた。
  • UNEP事務局長は、オランダのWillem Wouter Wijinstekers氏を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」の事務局長に任命したことを発表。
  • UNEPナイロビ本部において、残留性有機汚染物質を根絶・削減するための国際条約に関する交渉が終了。

1999年1月28日

  • アナン事務総長は、NATO本部(ブリュッセル)において演説し、国内紛争を解決するための最後の手段として武力行使の必要性を認めるとともに、旧ユーゴスラビアにおいて再び、その限界点に達しつつある、と述べた。
  • 安保理は決議1223を全会一致で採択し、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の任期を7月31日まで延長。
  • 安保理は決議1225を全会一致で採択し、国連グルジア監視団(UNOMIG)の任期を7月31日まで延長。
  • 安保理は決議1224を全会一致で採択し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を2月11日まで延長。
  • アナン事務総長、3日間のベルギー公式訪問を終了。同国訪問中、NATOのソラナ事務総長、EUのサンテール委員長らと会談した。
  • 東チモールに関する交渉がニューヨークで開始。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナの国連国際警察タスクフォース(IPTF)は、ストラッチ地方の警察官に対して、3ヶ月間実習を開始。
  • 世界食糧計画(WFP)は、コンゴ共和国の首都ブラザビルの国内避難民50万人への食糧援助物資の空輸を再開した。
  • WFPは、エチオピアにおいて27日以来行方不明の同職員の捜索活動を開始。

1999年1月27日

  • 東チモール住民があくまでも独立を望むならば、インドネシアはそれを認める意向であるとの報道に対して、アナン事務総長が歓迎の意を表明。
  • コロンビア駐在国連機関は、同国西部を襲った地震によって被災した人々に対する食糧・衛生・医療面における援助の必要性について現在、調査中。
  • アナン事務総長は27日、ベルギー訪問。同国国会議員らと、平和維持の問題について話し合った。
  • 世界食糧計画(WFP)は27日、アンゴラでの国連機墜落事故で死亡した職員のひとりがWFP職員であることを確認。
  • ジャン・クビス事務総長特使は27日、タジキスタン大統領と会談し、和平プロセスを再検討。
  • UNHCRによれば、アフリカ大湖地域において難民の発生が引き続き深刻な影響を及ぼしている
  • 旧ユーゴ犯罪法廷のブレウィット次席検察官は27日の記者会見において、1月15日のコソボ住民殺害に関する調査が現在進行中である、と述べた。
  • 国連薬物統制計画(UNDCP)は27日、テヘラン(イラン)現地事務所の設置決定を発表。
  • 主要20人道援助団体・国際的企業は27日、ビジネス人道フォーラム(BHF)の初会合に出席し、人道援助における財界・人道団体の行う活動の調整方法について討議。

1999年1月26日

  • アナン事務総長はジュネーブ軍縮会議で演説し、兵器用核分裂物質生産禁止条約の交渉開始を呼びかけた。
  • アナン事務総長は、国連がコロンビア地震被災者に対する救済活動を可能なかぎり支援する用意がある、と述べた。
  • 世界食糧計画(WFP)はシエラレオネの首都フリータウンでの反政府グループの襲撃において、食糧援助物資の略奪が行われたことを強く非難した。
  • 国連捜査チームは、アンゴラで1月2日の国連機墜落事故の生存者がいる可能性は低いと報告。
  • エリク・デ・ムル国連特使は25日、昨夏の国連職員の殺害後、アフガニスタンを離れた国際職員を現地に戻す問題について、話し合った。
  • UNHCRは、コンゴ民主共和国の難民キャンプにいるルワンダ人が政府軍に参加しているとの情報について現在調査中である、と述べた。
  • ユニセフは、ソマリアの中南部における食糧が深刻に不足していると警鐘を発した。

1999年1月25日

  • アナン事務総長は赤十字国際委員会本部において、国連と赤十字の人道活動が近年、これまでになく攻撃の脅威にさらされている、と指摘した
  • ブルンジに対する経済制裁について、近隣諸国は先週末、停止することを決定
  • 国連人道調整室によれば、シエラレオネの首都フリータウンの国内避難民は現在15万人にのぼる
  • 残留性有機汚染物質削減・根絶条約を作成するための交渉、UNEP本部で開始
  • WHO執行理事会において、ブルントラント事務局長は「人類生き残り戦略」を提示
  • FAO報告書は、有機農業が農家に新たな市場チャンスを提供する、と指摘
  • 国連チャーター機の墜落地点(アンゴラ)に国連捜索チームが到着
  • 国連の各機関はコンゴ民主共和国における人道援助を調整するため、ゴマに合同事務所を設置することに合意。

1999年1月22日

  • アナン事務総長は、イラクの石油食料交換プログラムを向上させる勧告を準備。同勧告が採択されば、イラクは受諾する見込み。
  • 中国・国連大使は21日、記者団に対し、IAEAがイラク核査察を終了する時期である、と述べた。
  • アナン事務総長は安保理に対する報告書において、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の7月までの延長を勧告。
  • アナン事務総長は、安保理に対する報告書において、国連グルジア監視団(UNOMIG)の6ヶ月間の延長を勧告。
  • 旧ユーゴ国際犯罪法廷検察官は21日、安定化部隊(SFOR)がジェノサイド容疑者を逮捕したことに歓迎の意を表明
  • 国連人権高等弁務官、カンボジアの首都プノンペンで政府要人と会談。
  • ミャンマー入りしたアルバロ・デ・ソト事務総長特使は21日、アウン・サン・スーチー氏と会談。
  • アナン事務総長は21日、米国国連協会NGOサミットで演説し、アメリカの分担金支払いの重要性を強調した。
  • 経済社会理事会は21日、世銀とIMF協力拡大のためのハイレベル特別会合を4月18日に開催することを決定した。

1999年1月21日

  • 国連イラク特別委員会(UNSCOM)のバトラー委員長は20日、イラクによる大統領府査察中止の要求は受け入れることはできない、と述べた。
  • アナン事務総長は22日、コンゴ民主共和国と国連機関の協力拡大を歓迎する意を表明。
  • 国連人道問題局によれば、世界食糧計画(FAO)によるケニアの洪水被災地への食糧輸送が不可能な状況となっている。
  • 婦人差別撤廃委員会において、クロアチア政府代表は同国において女性に対する暴力が増加している、と述べた。
  • ILOと国際オリンピック委員会(IOC)は18日、児童労働をなくすために協力を拡大していくことに合意。
  • 国連平和維持兵訓練セミナーが21日、シンガポールで始まる。

1999年1月20日

  • ジュネーブ軍縮会議が19日、開幕。アナン事務総長は同会議に対する演説において、核軍縮の重要性を強調。
  • UNHCRは19日、エチオピアにおいて移送されるスーダン難民の苦境に懸念表明。
  • UNHCRは19日、ブルンジとルワンダで長期化する紛争が両国における人道活動に深刻な影響を及ぼすしている、と懸念を表明。
  • 事務総長は、エクアドルとペルーの国境紛争の解決に向けた進展を歓迎。
  • 東チモール事務総長個人代表は19日、ポルトガル国会の東チモール問題担当委員会で、インドネシアと東チモールへの視察について報告。
  • 婦人差別撤廃委員会において、アゼルバイジャン代表は女性がコーカサス地域において平和の達成のために努力している、と述べた。
  • 国連人口基金親善大使の女優リンダ・グレイさん、世界の男女平等、リプロダクティブ・ヘルス・ケア、女性のエンパワーメントの啓発へ。
  • WHOは26日、執行理事会で次期事務局長の候補について討議。現在UNFPA事務局長を務めるナフィス・サディク氏は候補のひとりとして、ブルントラント氏に次ぐ資格を備えていると、述べた。