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世界環境デー(6月5日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 05/048-J 2005年06月03日

今年の世界環境デーのテーマ「緑の都市:地球のための計画を!」は、都市環境で暮らす人々の割合が急増しているという、現代でもっとも大きな動きの一つが引き起こす課題にスポットを当てたものです。

今後の四半世紀の人口増加は都市、それも開発途上国の都市だけで起こるといっても過言ではないでしょう。2030年までに、世界人口の6割以上は都市部で暮らすことになります。このような急激な都市化は、貧困、失業から犯罪、薬物中毒まで、深刻な課題を投げかけています。すでに、都市住民の3人に1人はスラムで暮らしています。そして、拡張を続ける世界の諸都市では、環境保護策がほとんどなく、都市計画も場当たり的になっているケースがあまりにも多いのです。

事実、都市の肥大化は環境に重大な影響を及ぼしています。都市では天然資源が大量に使われ、多くのゴミが作り出されます。グローバルな気候変動の原因となっている温室効果ガスの大半も、都市が排出しています。都市はしばしば、地域の水質を悪化させ、地下水を枯渇させ、海洋環境を汚染し、空気を汚し、土地を開発し尽くすことによって、生物多様性を破壊しているのです。

人口の都市集中が進んでいるということは、環境計画を都市管理の全側面に取り入れない限り、世界はミレニアム開発目標(MDGs)を達成し得ないことを意味します。環境にやさしい都市づくりは難問であることに間違いありませんが、必要な技術や専門知識はすでに存在しています。クリーン輸送、エネルギー効率の高い建物、安全な衛生設備、そして節水は、すでに将来を待たずして可能であり、しかも多くの場合、すべての人々にとって金銭的に手の届く範囲にあります。

今年の世界環境デーにあたり、私は一人ひとりの人々、企業、地方自治体そして政府に対し、都市環境の課題に立ち向かうよう求めたいと思います。都市部の偉大な知識と自然な活力を十分に活用しようではありませんか。そして、人々が計画の行き届いた清潔で健康的な環境の中で子どもを育て、夢を追い求められるような「緑の都市」をつくろうではありませんか。