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国際障害者デー(12月3日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 05/096-J 2005年12月02日

今年の「国際障害者デー」は、障害、人権、開発の相互依存関係に焦点を当てます。

障害を持つ人々は、世界最大のマイノリティ・グループを形成しています。一般の人々と比べた場合、障害者の貧困率、失業率、死亡率はいずれも、過度に高くなっています。また、市民的、政治的、社会的、文化的、経済的権利を完全に享受できないケースも、極めて多く見られます。

長年にわたり、障害者の権利は見落とされてきました。ようやく最近になって、障害者が開発に参加し、その恩恵を得られるようにしようとする取り組みが全世界で進む中、このような状況にも変化が見られるようになりました。しかし、その全面的な統合を確実にするためには、さらに一層の取り組みが必要です。

障害者を疎外する環境的、社会的、法的障壁を取り除きさえすれば、平等な参加が達成できるというわけではありません。そのためには、障害を持つ人々が健常者と同様、仕事、健康、情報その他のサービスを得られるようにする必要があります。

この使命を果たす上で、「障害者の権利と尊厳の保護および促進に関する包括的・総合的国際条約」について継続中の交渉には、極めて大きな意味があります。私はアドホック委員会の作業を支持するとともに、この交渉が結実することを期待しています。

今年の国際障害者デーにあたり、障害者を無視する社会は、その価値ある貢献を自ら奪い去っていることを思い起こそうではありませんか。そして、障害者に平等な権利と、社会における経済的、社会的、政治的活動への全面参加を認めるという決意を新たにしようではありませんか。