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世界自閉症啓発デー(4月2日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 10-020-J 2010年04月02日

自閉症は様々な症状が現れてくる複雑な障害で、その理解は十分に進んでいません。自閉症の人々、さらに言えば障害全般を抱えて暮らす人々は大人も子どもも、二重の負担を強いられています。障害という日々の苦難に加え、社会の冷ややかな態度や自分たちのニーズに対する支援の不足、さらに場合によってはあからさまな差別とも闘わねばならないからです。

2008年5月に発効した国連障害者権利条約は、このような状況を改めるための強力な手段です。そのねらいは、障害を持つ人々があらゆる人権と基本的自由を平等に享受できるようにすることにあります。現在までに144カ国が条約に署名し、83カ国がこれを批准しています。

「世界自閉症啓発デー」は、自閉症に対する理解を深め、国連条約への普遍的な加入を促進するための日です。研究と啓発努力を組み合わせることで、私たちは自閉症を含む障害を持つ大人と子どもに、保護と支援の手を差し伸べるとともに、こうした人々を包括的な社会の立派な一員として迎え入れることができるのです。

「世界自閉症啓発デー2010」を記念するにあたり、私たちの一人ひとりがこの責任を果たせることを記憶にとどめようではありませんか。自閉症の人々とその家族、さらには支援者の方々と声を合わせ、認識と理解を深めるよう求めていこうではありませんか。また、自分自身を振り返り、障害を持つ人々に対する差別を生み出す偏見をなくすことができるよう、自分たちと社会の態度を考え直そうではありませんか。そして、あらゆる人々に真の尊厳と権利を認めることのできる公正で優しい社会を創造できるよう、全力を尽くそうではありませんか。