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オーストラリア・東ティモール新海洋境界線協定 署名式における アントニオ・グテーレス国連事務総長挨拶(ニューヨーク、2018年3月6日)

プレスリリース 18-013-J 2018年03月20日

© UN Photo/Evan Schneider

来賓の方々、皆様、

最初に、きょうが私にとって特に重要な日であることをお話ししたいと思います。東ティモールの人々の自決は、私の政治生命で最も重要な動機の一つでした。ですから、東ティモールが独立を果たした日、その場に立ち会えたことは、私にとってこの上ない喜びでした。本日の署名式はまるで、あの日と対をなすかのようであり、私はここに出席できたことに大きな名誉と、胸いっぱいの喜びを感じています。

本日の署名式は、国際法の持つ力と、平和的手段による紛争解決の実効性を如実に物語っています。紛争の平和的解決は、国連憲章の中心的要素であるだけでなく、オーストラリアと東ティモールがともに締約国となっている国連海洋法条約の礎石でもあります。

海洋法条約附属書Vに基づく調停手続きが無事完了した初のケースとして、この式典には歴史的な意味があります。

私は両当事国と調停委員会による建設的な関与と、両国が合意できる成果の達成に向けた不断の努力を祝福します。

また、この調停メカニズムの活用という画期的な決定を下したオーストラリア連邦、東ティモール両国の政府にも、お祝いを申し上げます。皆様はそうすることで、紛争解決への柔軟なアプローチを提供するという海洋法条約起草者たちのビジョンを、さらに前進させたのです。

皆様の前例は、他の国々が海洋法条約に基づく紛争解決に向けた現実的代替策として、調停を検討するきっかけとなるものと確信しています。

本日署名される協定は、安定的な関係、平和と安全、そして持続可能な開発の達成に欠かせない条件として、世界の海洋における法的確実性の確立にさらに寄与するものとなります。

ティモール海におけるオーストリア・東ティモール間の海洋境界線を画定し、グレーターサンライズ・ガス田を含む海域について特別制度を確立することにより、この協定はオーストラリアと東ティモールが実効的に、海洋法条約に基づくそれぞれの権利を行使し、義務を履行できる可能性を高めます。両国はまた、ティモール海の天然資源の持続的開発から十分な利益を得られるようになるはずです。

私は改めて、この協定を可能にしたオーストラリア、東ティモール両国のビジョンと決意に敬意を表します。そして、協定の円滑な履行により、他の国々も今後、皆様に追随することを期待します。

心からお祝いの言葉を申し上げます。ありがとうございました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。