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世界環境デー(6月5日):国連事務総長メッセージ

プレスリリース 09-021-J 2009年06月03日

世界では今、経済や金融の混乱が広がっています。この事態こそ、従来の成長パターンを改め、
よりグリーンでクリーンな開発の時代へと移行する必要性を訴える警鐘にほかなりません。今年の世界環境デーのテーマ「あなたの地球、あなたを必要としています(“Your planet needs you”)」は、私たちにそれぞれの責任を果たすよう呼び掛けています。

地球は、気候変動の深刻な脅威に直面しています。すべての国がその影響を受けることになりますが、特に貧しい国はその矢面に立たされるでしょう。しかし、これは方向を転換できるチャンスでもあります。今年の12月、コペンハーゲンにおいて気候変動に関する極めて重要な会合が開催される予定です。気候に関する新たな協定に各国政府が「シールSeal ザthe ディールDeal(合意する)」よう、私たちは一体となって働き掛けなければなりません。

また、世界は再生可能なエネルギー源、環境に配慮したインフラ、エネルギー効率への投資に重点を置いた、「グリーン・ニューディール」政策も必要としています。この政策は、雇用を創出し景気回復を刺激するだけでなく、地球温暖化への取り組みも促します。グリーン・エコノミーにおける実質的な新しい経済刺激パッケージに部分的に投資することだけで、現在の危機を、将来の持続可能な成長へと転換させることができます。また、低炭素社会への転換を目指す国家が手に入れるのは、目に見える環境面における恩恵だけではありません。こうした国々は、自国の新たな技術を他の国々と分かち合うという立場を得ることになるのです。

しかし、私たちの地球を守るためには、政府や企業の取り組みだけでは不十分です。地球には、私たち一人ひとりの力が必要です。地球規模の脅威や気候変動の前では、一人の人間の決意は取るに足らないものかもしれません。しかし、数十億の人々が共通の目的のために力を結集すれば、著しい変化をもたらすことができるのです。

世界環境デーを迎え、もっとグリーンでクリーンな地球のためにすべての人々が具体的な策を講じるよう、私は呼び掛けます。照明を消しましょう。公共交通機関を利用しましょう。リサイクルをしましょう。木を植えましょう。近所の公園をきれいにしましょう。企業には責任をもって環境活動をしてもらいましょう。そして政府代表に対しては、コペンハーゲンでの会合で協定に合意するよう、働き掛けようではありませんか。