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国際防災の日(10月8日)に寄せる 潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 08-056-J 2008年10月08日

例年にも増して多くの自然災害に見舞われた2008年の「国際防災の日」は、パキスタン地震発生からちょうど3年目にあたります。同災害を含め、今年発生した中国・四川大地震とサイクロン・ナルギスの犠牲者は記憶に新しく、過去の災害から得た多くの教訓を生かさなければならないことを改めて痛感させられます。

4年近く前、各国政府は自然災害に対する脆弱性を軽減すべく、「兵庫行動枠組」を採択しました。しかし、今後発生し得る大災害から多くの命を救い、人々の暮らしを守るためには、この枠組を実践に移さなければなりません。ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を目指した国内的・国際的努力を促進するにあたり、これまで以上に災害リスク軽減に対する認識を高め、防災を重要な課題として目標達成計画に組み込む必要があります。干ばつ、洪水、暴風雨などを含め、気候変動がもたらす脅威はより一層緊急性を増していますが、とりわけ世界で最も貧しく最も脆弱なコミュニティへの対応は喫緊の課題となっています。

世界防災キャンペーン2008-2009は「災害に負けない医療施設」に焦点を当てています。医療施設が被害を受ければ、母子の健康改善や必須医療サービスの供給が困難になります。逆に、災害に強いコミュニティでは、医療システムが自然災害に耐える力を備えています。災害リスクを軽減し、医療施設を守るためには、私たちは社会のすべてのレベルに働きかける必要があります。そうすることで、多くの命を守ることができるのです。

各国政府、市民社会、国際金融機関、民間企業をはじめとするすべての関係者に対して、「兵庫行動枠組」の実施を強化するよう、私は強く要請します。災害リスク軽減は私たち全員にとっての責務です。具体的にリスク軽減の対策を講じることによってのみ、脆弱性を軽減し、開発を継続させることができるのです。今年の「国際防災の日」にあたり、この重大な使命を果たす決意を新たにしようではありませんか。