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広島平和記念式典に寄せる潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 08-043-J 2008年08月07日

セルジオ・ドアルテ国連軍縮担当上級代表が代読

広島平和記念式典には、毎年恒例の儀式をはるかに超える意味があります。それは広島市民の皆様と全世界の人々が、核戦争の最初の犠牲者を追悼し、核兵器のない世界を実現するためには何が必要かを深く考える機会なのです。悲しみや苦悩の中から、私たちがともに、新しい平和と安全の時代に向かって歩を進めていけるという新しい希望が生まれるかもしれません。このような希望を抱ける根拠は多くあります。

核軍縮を進める必要性に対する世界の認識は、何年かぶりに高まっています。これを支持する声は、全世界のさまざまな人々から幅広く寄せられています。教育者や宗教指導者、新旧の政府高官、非政府組織(NGO)、ジャーナリスト、市長、議員その他の数限りない人々が、単に軍縮を言葉で主張するだけでなく、この目標達成に向けて積極的に取り組んでいます。

私は毎年、この式典への子どもたちの参加を大いに歓迎しています。子どもたちはやがて、過去の記憶を胸に刻みつつ、核兵器のない世界を目指して集団的な取り組みを続ける責任を担うからです。

私は広島、長崎両市長の指導力にも謝意を表したいと思います。「平和市長会議」を通じた両市長の取り組みは、全世界で認識され、また尊敬されています。国連人口基金(UNFPA)は最近、都市人口が史上初めて、世界の多数派を占めるようになったことを発表しました。よって、核兵器が二度と使われないようにすることは、全世界の市長にとっても当然の利益となるはずです。そして、この目標を達成する最も確かな方法が、核兵器の廃絶であるという理解も広がっています。

この厳粛な場で、私は老いも若きも、広島の全市民の方々に、最も深い敬意を表したいと思います。私は皆様とともに、過去を記憶にとどめながら、核兵器のない平和で安全な世界を実現するため、
皆様をはじめ、あらゆる人々と手を携えていく決意を確認いたします。