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オリンピック停戦を呼びかける潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 08-041-J 2008年08月04日

(2008年8月8日)

オリンピックは人間の精神力をたたえる式典です。そこには文化や国籍を異にし、多種多様な経歴を有するアスリートたちが集い、「より速く、より遠く、より高く」という共通の目標を目指して、競争を繰り広げます。しかし、オリンピックの本当の価値は、平等、フェアプレー、スポーツマンシップ、寛容、そして何よりも平和という普遍的な願いのもとに、人類を結束させる能力にあります。

これらの価値は、スポーツが秘めた力を用いて、平和、繁栄、人間の尊厳という文化を促進しようというオリンピック運動の原動力でもあります。国連憲章も、人間の福祉を向上させ、人権を擁護し、世界的な理解と協力を深めるというその壮大な希望も、この同じ理想に根ざしています。オリンピック運動と国連が力を合わせれば、人類の最も崇高な理想の実現を目指す競争で、金メダルを獲得できるチームが出来上がるのです。

国連とオリンピック運動のチームワークを最もはっきりと直接的に表現しているのは、オリンピック期間中、全世界で戦闘行為を停止するという「オリンピック停戦」の呼びかけです。

この停戦は、期間としては短いものの、限りない力を秘めています。戦争の大きな代償を考え直す余裕や、対話に取りかかるタイミング、さらには被災者に救援物資を提供できる間合いが生まれるからです。また、最も解決困難と見られる状況でも、真剣な取り組みがあれば和平が可能であることを世界に証明することもできるでしょう。

しかし、オリンピック停戦は守られてはじめて意味があります。私は国際オリンピック委員会(IOC)や国連総会と声を一つにして、この停戦を守るよう、あらゆる戦争当事者に呼びかけたいと思います。短い間でも武器を捨てさせようではありませんか。そして、オリンピック開幕を待たずして、人類の金メダル獲得を決めようではありませんか。