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気候変動に関するハイレベル・ステークホルダー対話における 事務総長挨拶(ニューヨーク、2017年9月18日)

プレスリリース 17-049-J 2017年09月18日

皆様は、2015年のパリ協定採択に至る世界的な運動で、中心的な役割を果たしました。

私たちはパリで、グローバルな課題に立ち向かったのです。

そして今、私たちにはさらに大きな課題が突きつけられています。それは、野心を高め、正しい方向に進み続けることです。

温室効果ガスの排出量は減少していますが、まだ十分ではありません。

気温は依然として上昇を続けています。

私たちはその影響を日々、目の当たりにしています。

失われた生命や暮らし、経済的損害も明らかになっています。

皆様のほうがよくご存じかと思いますが、2008年以来、洪水や暴風雨、火災、異常気象により、年間約2,000万人が避難を強いられています。

さらに多くの人々が、干ばつや海面上昇によって移動を余儀なくされていることからも、気候変動が将来の世代にとっての遠い問題ではないことが分かります。

それは今ここにあり、私たちはそれに対処する必要があるのです。

政府だけで、この巨大な課題を取り扱うことはできません。必ずしも政府にその意思があるとは限りませんが、たとえ意思があったとしても、政府だけでは不可能です。

だからこそ、パリ行動誓約には1,300を超える署名がなされたのです。

全世界で行動がスタートしていることは、多くの事例が物語っています。

海運業界は「グローバル・インダストリー・アライアンス」を通じ、海運部門のカーボン・フットプリント削減に取り組んでいます。

ケニアでは、革新的なソーラー「プリペイド」モバイル会社が、農村部や遠隔地で安価なエネルギーを提供しています。

エジプトの主要都市部では、類似の官民パートナーシップが省エネ型照明を支援しています。

バーレーンやクウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦といった世界最大の産油国には、持続可能なエネルギーに関する卓越した研究拠点が設けられています。

ここにいらっしゃるマイケル・ブルームバーグ氏は「グローバル市長誓約(Global Covenant of Mayors)」を率い、レジリエントな都市の構築に向けた取り組みを進めています。

ブルームバーグ氏には、国連事務総長特使として、2019年の気候サミットに向けた準備として、パリ協定履行における地方主体の役割を加速し、充実させるようお願いする予定です。

カリフォルニア州は2018年、すべての非国家主体を集めたサミットを招集します。

民間企業や事業者の中にも、率先して炭素価格を採用する向きが増えてきました。

輸送部門では、TeslaやVolkswagen、Volvoといった多くの自動車メーカーが、電気自動車を開発しています。

テクノロジー業界では、GoogleやAppleなどの企業が、100%再生エネルギー化という目標に向け、歩を進めています。

機関投資家も、気候変動対策を約束しました。

中央銀行や監督官庁などの金融規制当局は、気候変動のリスクと機会に対応しています。

しかし、気候変動対策をグローバル金融システムの自然な要素とするためには、まだ長い道のりがあります。

多量の炭素排出を伴う投資は依然として大がかりに実施されています。

パリ協定に基づき、国別目標(NDC)で行われた約束は、明らかに不十分です。

現時点での炭素ギャップは、少なくとも140億トンに上ります。

私たちがきょう、ここに参集しているのもそのためです。

私たちは、この状況を変えることができます。

私には、皆様全員と協力し、皆様の取り組みに対する障壁の除去をお手伝いする用意があります。

私がどこで、どのようにお手伝いができるかを明らかにすることが、この会合での私の中心的な目的です。

私は3つの領域に焦点を置きたいと考えています。

第1に、皆様の役割をさらに広く深くすることです。

パリ協定に定められた目標に照らし、すべてのステークホルダーの貢献をどのように認識、測定できるかについて、一緒に考えようではありませんか。

第2に、金融の動員に対する障壁を除去し、融資可能なプロジェクトを作り出すことです。

国別の行動を実行に移すためには、百億ドル単位の資金が必要です。

政府も公的融資メカニズムのいずれも、この費用を負担することはできません。

皆様の貢献が欠かせないのです。

第3に、テクノロジーやエネルギー伝送、炭素価格制度、リスク緩和など、インパクトの大きい領域での取り組みを本格化することです。

私は2019年の気候サミットを、パリ協定の履行に向けた官民間の連携をさらに緊密化する会議にしたいと考えています。

私たちが力を合わせれば、2020年までに排出量の増大傾向を一気に逆転できるはずです。

可能性の限界を広げようではありませんか。

そのやり方について、皆様の意見もお聞かせください。

皆様とともに学べることを楽しみにしています。

ありがとうございました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。