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国際人種差別撤廃デー記念行事における事務総長の挨拶(2017年3月21日)

プレスリリース 17-015-J 2017年03月24日

アパルヘイト体制下の南アフリカ、ヨハネスブルクの近郊で。子どもたちは白人コミュニティーと自らを隔てるフェンスの向こうに佇んでいた©UN Photo/Pendl


移住関連を含む人種的選別と憎悪の扇動をなくそう

総会議長からも先程お話があったとおり、きょうは1960年、南アフリカのシャープビルで、人種主義的なアパルトヘイト体制が導入した差別的な「パス法」に反対し、平和的な抗議行動を行っていた非武装の参加者69人が殺害された日に当たります。

私は総会議長と声を一つにして、人種差別に対する私たちの共通の闘争でリーダーシップを発揮した南アフリカを称賛したいと思います。

しかし、それから57年を経た世界の現状を眺めると、私たちはますます不寛容で分裂を深める世界に暮らしているように見えます。

差別と暴力が激化しています。

人種や国籍、民族、宗教または性的指向を理由に攻撃される人々がいます。

国境が閉ざされ、国際的な難民保護体制は根底から損なわれています。

混乱と激動の時代には、社会的に弱い立場にあるコミュニティーが簡単に問題の原因とされます。

移民は格好の標的とされ、排外主義が広まっています。

少数者コミュニティーの女性や女児が標的とされることも多くなっています。

多くの少数者は、当局による人種的選別の対象となっています。

ヘイトスピーチやステレオタイプ化、レッテル貼りの横行があまりにも広く見られます。

多くの政治体制では、極端な主張を展開する人々が表舞台に上るようになりました。

しかし、こうした暗澹たる状況の中でも、多くの希望の光が見えています。

数百万人が人種主義と不寛容に反対する声を上げています。

多くのコミュニティーが、グローバルな問題の解決策の一つとして移住を認識、評価し、難民や移民に心と門戸を開いています。

きょうは、これまでの前進を土台に、さらに歩を進めること、つまり分裂の溝を埋め、不寛容と闘い、すべての人の人権を守るため、一層の取り組みを行うことを誓う日です。

きょうはまた、私たちに共通の義務を想起する日でもあります。

国際法は国家に対し、市民的、経済的、政治的、社会的、文化的生活の全分野において、あらゆる理由に基づく差別を予防、撤廃するよう要求しています。

各国は警戒を解くことなく、人種、国籍、宗教に基づく憎悪の扇動を禁止し、人種的選別に終止符を打つことにより、直ちに適切な対策を講じなければなりません。

また、国際的な難民保護体制を守り抜かなければなりません。

政治家やリーダーは声を上げ、ヘイトスピーチに立ち向かわなければなりません。

そして私たちの一人ひとりが、人権擁護のために立ち上がる必要があります。

私たちによりよい、より多くの取り組みが必要であることを改めて気づかせてくれた世界中の市民社会団体に対し、私は拍手を送ります。

私たち全員に果たすべき役割があります。「国際人種差別撤廃デー」は、私たちの集団的責任をはっきりと示すものです。

人種差別は結局のところ、社会を不安定にし、民主主義を根底から損ない、政府の正当性を低下させます。

差別に終止符を打つために力を合わせることで、私たちは人類全体を高めることができるのです。

社会が多民族的、多宗教的、多文化的になる中で、私たちは持続可能な開発目標(SDGs)に基づき、包摂性と一体性に対する政治的、文化的、経済的な投資をさらに増やす必要があります。

私たちは、多様性が弱さではなく、強さと豊かさの根源であることを認識するコミュニティーを築くことができるのです。

不寛容に対して立ち上がり、差別をなくそうではありませんか。

すべての人の尊重、安全、尊厳のためのグローバル・キャンペーン「TOGETHER」を、力を合わせて進めようではありませんか。

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原文(English)はこちらをご覧ください。