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国際寛容デー(11月16日)に寄せる
コフィー・アナン事務総長メッセージ

プレスリリース 01/96-J 2001年11月16日

9月11日の攻撃は地球家族の連帯をこれまでになく強化

 911日の恐ろしい攻撃以来、世界はこれまでになく連帯を強めています。多くの社会と文化を超えて、何百万という人々は、自分たちがすべて同じ人間という家族に属するのだという理解を再確認しました。これらの人々は、その悲しみと連帯により、私たちに共通の人間性を形作る共有の価値観を表明したのです。

 こうした価値観の一つが寛容です。この人権、多元主義および民主主義の根本原理は、開放性、対話、理解および他者の尊重を意味します。それは平和を可能にする価値観です。そして、平和がなければ、進歩も発展もありえません。

 寛容はまた、全ての人々が差別なく、経済的・社会的機会から恩恵を得るべきことを意味します。排除と疎外は敵意と狂信につながることがあり、また、それによってさらなる不寛容が生まれる可能性が高いのです。よって、寛容の促進は、現在私たちが進めているテロに対する闘いの重要な部分です。それは、連帯、社会的正義および人権の尊重という共有の価値観に基づくグローバルな共同体を作り上げるという私たちの目標の中心にあります。

 グローバル化が進む今日の世界では、寛容がこれまで以上に不可欠です。対話は暴力を、理解は無関心を、他者に関する知識は無知と偏見を、それぞれ克服しなければなりません。私たちが民族と文化の谷間を埋めようと努める中で、これらを国連の目標としなければなりません。私たちはすでに、この方向に向けて重要な一歩を踏み出しました。2001年を「国連文明間の対話年」と宣言することにより、国連総会は、民族間の理解と調和を模索する必要性に対する世論の意識を高めたのです。

 これまでにもまして、寛容を求める努力には私たちそれぞれの新たな約束が必要となっています。今年の国際デーに際し、私たちの間で、私たちの家族とコミュニティーの中で、そして、世界の他の国々と民族との関係において、寛容、対話および連帯を図るという約束を再確認しようではありませんか。不寛容が広がる中で、無関心がもたらす危険性はあまりにも大きすぎるのですから。

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SG/SM/8022, OBV/247