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世界電気通信の日(5月17日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 04/039-J 2004年05月24日

~技術の普及は社会的・物質的変革の原動力~

160年前、サミュエル・モールスは簡単な点と線を用いて、世界初の電報を送り、電気通信時代の幕開けを告げました。それから10年で、電報は日常的な公共サービスへと発展しました。

今日では、テレビ、ラジオから携帯電話、さらにはインターネットまで、ますます進化を遂げる情報通信技術(ICT)のない日常生活は、ほとんど考えられないほどになっています。それでも、世界の最貧国に暮らす数百万の人々の前には、ICTの恩恵から自分たちを隔てる「デジタル・デバイド(情報技術格差)」が依然として横たわっています。

今年の「世界電気通信の日」のテーマ「ICT:持続可能な開発への先導役」は、ICTが経済的前進を遂げる上で極めて重要な道具であることを改めて物語っています。金銭的に利用可能な技術が地域社会で普及すれば、社会面、物質面双方の変革に向けた原動力となることができます。世界が貧困を克服し、環境を守るとともに、2000年の国連ミレニアム・サミットで各国首脳が合意したその他の「ミレニアム開発目標(MDGs)」を達成するためには、情報と技術的ノウハウへのアクセスが欠かせません。しかし、その潜在性を引き出すためには、政府、民間、市民社会、そして国連システムの間で、開発のためのグローバル・パートナーシップを構築する必要があります。

昨年12月、ジュネーブでの第1回世界情報社会サミットで指導者たちは、コンテンツと物的インフラの両面で、どのようにすればデジタル・デバイドを解消できるかという問題について、共有のビジョンを作り上げました。この種のものとしては初のグローバル会合でしたが、私は革新的な構想が提示されたこと、そして、世界中でこれほど多くの人々が抱えるハンデの克服に向けた力強い決意が表明されたことを、大変心強く思いました。来年チュニスで開催される第2回サミットに向けた準備作業を進める中で、私は加盟国とその他あらゆるステークホールダー(利害関係者)に対し、この決意を忘れないよう求めたいと思います。

世界電気通信の日にあたり、真の意味でオープンな、誰もが参加できる輝かしい電気通信時代を迎えられるよう、力を尽くしてゆくことを決意しようではありませんか。