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国連:南スーダン、ソマリア、ナイジェリア、イエメンの飢餓危機対策に44億ドルの拠出を要請

2017年02月24日

ソマリアの国内避難民キャンプでは、UNICEFのパートナーSwiss-Kaalmoの地域保健師がキャンプで暮らす母子を戸別訪問し、健康に関するメッセージを伝えている©UNICEF/Rich

2017年2月22日 – アントニオ・グテーレス国連事務総長はきょう、南スーダン、ソマリア、イエメン、ナイジェリア北東部で壊滅的レベルの食料不安に直面する2,000万を超える人々の声を国連高官と共に代弁し、ただでさえ脆弱な国々が大惨事を回避できるよう、国際社会に「強力かつ緊急」の支援を求めました。

事務総長は「南スーダンの一部で、飢饉はすでに現実のものとなりつつあります。私たちが直ちに行動を起こさなければ、他の地域や国々にも影響が及ぶのは時間の問題です。私たちはもうすでに、悲劇に直面しています。これが大惨事となることを避けなければなりません」と語り、「国際社会が決定的な行動を起こせば、それを予防できる」ことを強調しました。

ニューヨークの国連本部でスティーブン・オブライアン国連緊急援助調整官、ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁、テレビ会議で出席したアーサリン・カズン世界食糧計画(WFP)事務局長とともに記者会見に臨んだグテーレス事務総長は、大惨事を回避するためには、国連は3月末までに少なくとも44億ドルを必要としていることを明らかにしました。

事務総長は「寛大な拠出誓約はいくつかあったものの、現在までの受取額はわずか9,000万ドルと、必要額1ドル当たり2セント程度にとどまっています。今年はまだ始まったばかりであるとはいえ、これは非常に気がかりな数字です。数百万人の命が、私たちが集団行動を起こせる能力にかかっています。私たちのこの豊かな世界において、無為や無関心の言い訳となるものなどありません」と述べています。

2,000万人:ナイジェリア北東部、南スーダン、ソマリア、イエメンで飢饉に直面しているか、その一歩手前にある人々の数。140万人:重症の急性栄養不良により、差し迫った死の危険に直面している子どもの数。国連とその人道パートナーは今年、南スーダンで580万人、ソマリアで550万人、イエメンで830万人に対する援助の提供を目指しています。ナイジェリア北東部では、人道援助機関が200万人以上に食料援助を提供しています。

これら4つの危機には大きな違いがあるものの、予防可能であるという点では一致しています。事務総長は「危機はいずれも紛争に端を発しています。私たちはその予防と解決に向け、はるかに多くの取り組みを行わねばなりません」と語り、国際社会のすべてのメンバーに対し、支援の動員であれ、紛争当事者への政治的圧力の行使であれ、人道活動への資金供与であれ、可能な範囲の取り組みにさらに力を入れるよう強く訴えました。

グテーレス事務総長は「人命の救助が最優先課題ですが、私たちは、ショックに対するより長期的なレジリエンスの構築も目指しています」と述べるとともに、ヘレン・クラークUNDP総裁とスティーブン・オブライアン緊急援助調整官が、国連開発グループと機関間常設委員会の人道援助活動を調整する運営委員会を設置し、調整の取れた長期的アプローチの確保を図る予定であることを明らかにしました。

【ビデオ】アントニオ・グテーレス国連事務総長は2017年2月22日、ナイジェリア、ソマリア、南スーダン、イエメンの人道危機に関する共同記者会見に臨み、国際社会に対して、壊滅的レベルの食料不安が大惨事に発展することを防ぐため「さらに力を入れ、決定的な行動」を起こすよう強く訴えた

次いで、人道問題担当国連事務次長を兼務するオブライアン調整官が発言し、これら危機への対応に向けた開発パートナーと人道パートナーの協力を確保するため、取り組みが続けられていることを改めて強調しました。調整官は「私たちは人々の生存を支援したいと考えています。しかし同時に、人々が脆弱な状況に置かれないようにするため、さらに持続的な解決策を構築するための支援も行いたいと思います」と語りました。

調整官はさらに、4カ国に飢饉が忍び寄る中で、今年は重症の急性栄養不良により、140万人近くの子どもが差し迫った死の危機に直面していることを強調しました。この問題は国連児童基金(UNICEF)も昨日(2月21日)、取り上げています。調整官は、今すぐに行動を起こせば、大惨事は避けられると述べました。状況を一変させるためには、事務総長が明らかにした拠出金額を3月末までに調達しなければなりません。「私たちはすでに、勇敢で意欲ある援助要員を現地に展開し、(中略)取り組みの規模を拡大する準備を整えています」

クラーク総裁は、4つの危機への今後の対応には、2016年の国連世界人道サミットで合意された援助機関と開発機関の「活動の新しいやり方」が大きく反映されることを明らかにしました。この合意は「人命の救助こそが優先課題であり、また、人命の救助には将来に向けたレジリエンスの構築が含まれる」ことを強調するものとなっています。

一方、カズンWFP事務局長によれば、これら4カ国のそれぞれで「計画ができ上がっており、必要な作業を遂行する人員の準備も整っています。必要なのは資金とアクセスです」と語りました。

また、事務局長は「これらの国で収穫が最も少なくなる時期が訪れる前に、直ちに行動すれば、私たち全員が予期できる最悪の事態、すなわち行動を怠った場合に4カ国すべてで飢饉が起きるという事態を回避するために、私たちが必要な支援を提供する能力は確保できることでしょう」と述べました。

記者会見には、カーラ・ムカビ国連食糧農業機関(FAO)ニューヨーク連絡事務所長と、ジャスティン・フォーサイス国連児童基金(UNICEF)事務局次長も同席しました。

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