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国連総会議長、次期事務総長候補との会談予定日を発表 - 4月12日から14日に

2016年03月02日

次期国連事務総長の選任プロセスが本格化する中で、モーエンス・リュッケトフト第70回国連総会議長は、4月12日から14日にかけ、候補者全員との間で、一連のインフォーマルな対話と会談を行うことを明らかにしました。

総会議長は2016年2月26日、ニューヨークの国連本部で選任プロセスに関する記者会見を行いました。これによると、各候補者はそれぞれに割り当てられた2時間の会談枠の中で、その抱負を述べる一方、国連加盟国には、各候補者と質疑応答を行う機会が与えられます。

リュッケトフト議長は「これは極めて画期的なことであり、事務総長の任命方法を根本から変える可能性を秘めている」と述べました。

総会議長は前日に国連の全加盟国に書簡を送り、その時点までに正式に立候補の表明があった候補者全員との会談を開始する旨伝えたことを明らかにしました。

書簡によると「インフォーマルな対話や会談は、グローバルな世論と市民社会から寄せられている大きな関心を十分に考慮し、できる限りオープンかつ透明な形で行う」ことになっています。

現在までに、6名が正式に立候補を表明しています。マケドニア旧ユーゴスラビア共和国のスルジャン・ケリム氏、クロアチアのベスナ・プシッチ氏、モンテネグロのイゴル・ルクシッチ氏、スロベニアのダニーロ・トゥルク氏、ブルガリアのイリーナ・ボコヴァ氏、モルドバ共和国のナタリア・ゲルマン氏です。

国連憲章の規定によると、事務総長は安全保障理事会の勧告に基づいて、総会が任命します。

総会議長は2015年12月15日、サマンサ・パワー安保理議長と共同で、候補者を募る書簡を送付し、選任プロセスを始動させています。

リュッケトフト議長は記者会見で、各候補者が事前に2,000ワード以内の短いビジョン・ステートメントの提出を求められており、提出された文書は議長室から加盟国へと回付され、公開されることを明らかにしました。

事務総長のポストに関し、地域の持ち回り制という規則の有無を問う質問に対し、リュッケトフト議長は、そのような「厳密なルール」はないと回答しました。議長はまた、5つの地域グループのうち、これまで事務総長が選ばれていないのは東欧グループのみであるという理由から、地域の持ち回り制を支持するグループはもちろんあり得るとしたうえで、初の女性事務総長を選任する絶好の機会が訪れていると主張するグループもあり得ると付け加えました。

安保理での審査プロセスに関する質問を受けたリュッケトフト議長は、安保理での最終的な手続きがどのようなものになるかは不明だとしながらも、上記で述べたプロセスの一環として、それぞれの候補者が総会に提示されることを期待すると述べました。議長はまた、すべての加盟国に候補者を立てるよう促しました。

議長は「加盟国には、これまでよりも大きな影響力を行使する機会があります」と述べ、安保理が「今後、さらに異なる候補者を推薦する」ことは「難しい」と付け加えました。

すでにいずれかの候補者と会ったことはあるのかという質問に対し、リュッケトフト議長は、様々な機会にすべての候補者と会っていると回答したうえで、今週中にも6名のうち3名の候補者と会ったことを明らかにしました。

総会議長はまた、候補者が選任を目指すキャンペーンに費やした資金の額を公表するのかどうかという質問に対し、このような事項に関する規則をつくることは「自らの権限外」であることを強調しました。しかし、議長は記者団に対し、このような質問を候補者自身に向けるよう促すとともに、総会と安保理が最善の候補者の選任に向け「バランスを見出す」であろうとの期待も表明しました。

次期事務総長は2017年1月に就任予定です。国連事務総長の任期は伝統的に5年とされていますが、加盟国による再任が可能です。

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-総会議長による記者会見の動画はこちらから。

-次期事務総長の選出プロセスについてはこちらをご覧ください(英文)。