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アディスアベバ:開発資金の「再起動」を呼びかけ、国連会議が開幕

2015年07月16日

国連が「グローバルな行動の年」と位置づける重要な節目を迎えるなか、2015年7月13日、エチオピアの首都において「第3回開発資金国際会議」が幕を開けました。本会議では、地球を保護しつつ人々の生活を改善するために必要な資源の確保を呼びかけます。

「世界人口が増加し、資源の制約が増すなかで、開発のための資金の再起動が必要です」。潘基文(パン・ギムン)事務総長は、アディスアベバでのオープニングでこのように述べました。

会議には各国政府高官や金融機関、民間部門、非政府組織、市民社会の代表者が一堂に会します。今年9月に一連の新しい持続可能な開発目標(SDGs)を採択し、12月には気候変動合意に達するための準備に加盟国が取り組むなか、アディスアベバの会議は重要な位置づけにあります。

「とはいえ、資源がなければ、コミットメントは、紙に書かれた約束に過ぎません」と潘事務総長は指摘し、会議の成果を示す「アディスアベバ・アクション・アジェンダ」が、持続可能な開発のための資金調達に新たな道を拓く出発点になる、と述べました。

現在協議中である成果文書の草案では、質の高い投資に向けた新たな社会契約をはじめ、少なくとも6分野における具体的な政策コミットメントが含まれる「野心的な資金調達フレームワーク」を提示します。

また、後発開発途上国のためのパッケージも用意されます。この中には、政府開発支援を強化するというコミットメントのほか、持続可能な開発目標に向けての関連技術の開発や移転、普及を促進するために新天地を切り開くことを目指す、新たな技術促進メカニズムも含まれます。

同草案は、税務についての国際協力を強化して、違法な資金の流れを食い止めることも呼びかけています。また、開発アジェンダにおける資金調達についてジェンダー平等を徹底し、あらゆる者の行動は、地球を保護するという力強いコミットメントをともなう必要があることを強調しています。

「我々を分け隔てるものを追いやり、人類共通の幸福のために協力することを選択して、狭量な自己の利益を克服しましょう」と、潘事務総長は各国代表団に訴えました。「貧困のない持続可能な世界という共通のビジョンに基づいて前進し、ここアディスにおいて変革的な成果を上げようではありませんか」

国連アフリカ経済委員会の本部で開催中の会議で議長を務めるエチオピアのハイレマリアム・デサレン首相は、持続可能な開発アジェンダは野心的過ぎると言う声もあることを指摘しました。

「私はそうは思いません。過渡期にある世界において、これは適切なアジェンダです。歴史上初めて完全に貧困を撲滅するためのパワーを備えた世界において、適切なアジェンダです。また、真剣に方向転換に着手しなければ、地球における我々の将来はもはや確実とは言えない、歴史上のこの瞬間において、適切なアジェンダなのです」と、デサレン氏は会議で述べました。

「しかしながら、アディスアベバ・アクション・アジェンダを通して実現させようとする我々の意思が、その目標そのものと全く同程度に野心的であることによって初めて、持続可能な開発目標の大きな野望が意味を成すのです」と、同氏は引き続き述べました。

「それほど野心的でなければ、我々が代表する各国の国民を失望させ、最終的には我々の真剣さが欠如していたとして、この先何年も非難されることになるでしょう。そのうえ、重要な世界機関である国連の信用を著しく損なうことになります。かつてないほど共同行動の必要性が増している状況のなか、これは破壊的な打撃となります。とはいえ、我々はそのような道をたどることはないと私は確信しております」

サム・クテサ総会議長は、各国代表団に対し、この会議において持続可能な開発の資金調達のための、野心的、全体的かつ包括的なフレームワークを構築しなければならないと述べました。

「あらゆる財源からの資源の動員を一層強めることのできる、具体的な方策や行動、政策が必要です。そして、普遍的なポスト2015開発アジェンダの実施を支援するよう、それらを効果的に活用しなければなりません」

総会議長は、極めて重要な6分野を次のように示しました。国内資源の増大の促進、国際財政、インフラのための長期資金調達を各国が譲許的または手頃なレートにて活用可能にすることの必要性、新しいアジェンダの実施に対する民間部門の参加および貢献を促進する方法の模索、国内外の開発環境の整備への対処、ならびに、進捗状況を追跡する効果的なフォローアップ体制です。

「新たなグローバル・パートナーシップ、連帯、および共同行動を通して資源を動員し、すべての国々のために豊かで持続可能な未来を達成することは、我々にとって可能であり、我々はそれを実現していきます」

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