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日本語訳(非公式)ができましたのでお知らせします
安全保障理事会決議1718(2006)
2006年10月14日の安全保障理事会第5551回会合で採択

プレスリリース 06/072-J 2006年11月01日

国連安全保障理事会(安保理)は、 
決議825(1993)、決議1540(2004)、および、特に決議1695(2006)を含む過去の関連決議、ならびに、2006年10月6日の安保理議長声明(S/PRST/2006/41)を想起し、 
核兵器、化学兵器および生物兵器、ならびにその運搬手段の拡散は、国際の平和と安全にとって脅威であることを再確認し、 
朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)が、2006年10月9日に核実験を行ったとしていること、かかる実験は核不拡散条約、および、グローバルな核不拡散体制の強化を図る国際的取り組みへの挑戦であること、ならびに、かかる実験は地域内だけでなく、さらに幅広い範囲の平和と安定を危険にさらすものであることに対し、最も重大な懸念を表明し、 
核不拡散に関する国際体制を維持すべきであるとの強固な確信を表明するとともに、DPRKは核不拡散条約による核保有国の地位を得られないことを想起し、 
核不拡散条約から脱退し、核兵器の開発を続けるとのDPRKの発表を憂慮し、 
さらに、DPRKが無条件の6者協議復帰を拒否したことも憂慮し、 
中国、DPRK、日本、韓国、ロシア連邦および米国が2005年9月19日に発した共同声明への支持を表明し、 
DPRKが国際社会の他の安全上および人道上の懸念に対応することの重要性を強調し、 
DPRKが実施したとする実験が、地域内だけでなく、さらに広い範囲で緊張を高めたことに対し、深い懸念を表明するとともに、これにより、国際の平和と安全に明白な脅威が及んでいると判断し、 
国連憲章第7章の下に行動するとともに、その第41条による措置を講じ、

  1. 決議1695(2006)をはじめとする関連の安保理決議、および、2006年10月6日の安保理議長声明(S/PRST/2006/41)を公然と無視し、DPRKが10月9日に宣言した核実験を、かかる実験を行えば、国際社会全体から非難を受けるだけでなく、国際の平和と安全にとって明白な脅威となるという意味を込めて非難する。
  2. DPRKに対し、今後はいかなる核実験も弾道ミサイル発射も行わないよう要求する。
  3. DPRKが直ちに、核不拡散条約からの脱退発表を撤回することを要求する。
  4. さらに、DPRKが核不拡散条約と国際原子力機関(IAEA)の保障措置へ復帰することを要求するとともに、核不拡散条約の全締約国が、条約義務の遵守を続ける必要性を強調する。
  5. DPRKは、その弾道ミサイル開発プログラム関連の活動をすべて中止し、また、これとの関連で、ミサイル発射を停止するという以前の公約に立ち戻らねばならないことを決定する。
  6. DPRKは、完全で検証可能かつ不可逆的な形で、すべての核兵器と既存の核開発プログラムを廃棄し、核不拡散条約により締約国に適用される義務、ならびに、国際原子力機関(IAEA)保障措置協定(IAEA INFCIRC/403)の規定および条件を厳密に遵守するとともに、IAEAが要求し、また必要と判断しうる個人、文書、機材および施設へのアクセスを含め、これら要件を越える透明性措置をIAEAに提供しなければならないことを決定する。
  7. また、DPRKは完全で検証可能かつ不可逆的な形で、その他あらゆる既存の大量破壊兵器および弾道ミサイル・プログラムを廃棄しなければならないことも決定する。
  8. 下記を決定する。
    1. 全加盟国は、その領内を原産地とするか否かにかかわらず、その領内を通じた、または自国民による、もしくは、自国籍の船舶または航空機による、DPRKへの下記の直接的または間接的な供給、売却または移転を防ぐものとする。
      1. 国連通常兵器登録制度の関連で定義される何らかの戦車、装甲車、大口径砲システム、戦闘機、攻撃用ヘリコプター、軍艦、ミサイルあるいはミサイル・システム、または、スペアパーツを含む関連物資、もしくは、安保理あるいは下記パラグラフ12により設置された委員会(以下「委員会」とする)が決定した品目。
      2. 本決議採択から14日以内に、委員会が文書S/2006/816のリストも勘案して規定の修正または補正を行わない限り、文書S/2006/814およびS/2006/815のリストに掲げるすべての品目、物資、機材、商品および技術、ならびに、安保理および委員会がDPRKの核関連、弾道ミサイル関連またはその他の大量破壊兵器関連プログラムに用いられかねないと判断したその他の品目、物資、機材、商品および技術。
      3. 奢侈品。
    2. DPRKは、上記サブパラグラフ(A) (a)および(A) (b)の対象となる全品目の輸出を停止しなければならず、また、全加盟国は、DPRK領内を原産地とするか否かにかかわらず、自国民による、もしくは、自国籍の船舶または航空機を利用した、DPRKからのかかる品目の調達を禁じるものとする。
    3. 全加盟国は、自国民による、または自国領内からのDPRKに対する、もしくは、DPRK国民による同国からの、または同国領内からの、上記サブパラグラフ(A) (a)および(A) (b)にある品目の提供、製造、保守または使用に関する技術訓練、助言、サービスまたは援助のいかなる移転も防がなければならない。
    4. 全加盟国は、それぞれの法的手続に従い、本決議の採択日付またはその後何らかの時点で自国領内にあり、かつ、委員会または安保理が、その他の不正手段を通じたものを含め、DPRKの核関連、その他大量破壊兵器関連および弾道ミサイル関連のプログラムに関与しているか、これを支援しているとして指定した者または主体により、もしくは、これらに代わり、またはこれらの指示により行動する者または主体により、直接または間接に所有または支配されている資金、その他金融資産および経済資源を直ちに凍結するとともに、自国民、もしくは、自国領内の何らかの者または主体により、かかる者または主体に対し、もしくは、これらの利益となる形で、何らかの資金、金融資産または経済資源が提供されることのないようにせねばならない。
    5. 全加盟国は、委員会または安保理が、支援または促進を通じたものを含め、DPRKの核関連、弾道ミサイル関連およびその他大量破壊兵器関連のプログラムに関するDPRKの政策に責任を有するとして指定した者、ならびに、その家族の入国または自国領内の通過を防ぐため、必要なステップを踏まなければならないが、本パラグラフのいかなる文言も、ある国に自国民の入国拒否を義務づけるものではない。
    6. 本パラグラフの要件遵守を確保することにより、核兵器、化学兵器または生物兵器、それらの運搬手段および関連物資の不正取引を防ぐため、全加盟国に対し、その国内的権限と国内法に従い、かつ、国際法に沿いつつ、必要に応じてDPRKを発着する貨物の検査を含む協調行動をとるよう呼びかける。
  9. 上記パラグラフ8 (B)は、該当する国が下記のいずれかの判定を下した金融その他の資産または資源に適用しないことを決定する。
    1. 食糧、地代あるいは抵当貸付、医薬品および医療、租税、保険料、ならびに公共料金の支払いを含む基礎支出、もしくは、妥当な専門家鑑定料、および司法サービスの提供に関連する発生経費払戻金、または、国内法に従い、凍結された資金、その他の金融資産および経済資源の日常的保有あるいは維持にかかる手数料あるいはサービス料の支払いのみに必要であり、かつ、当該国は事前に委員会に対し、かかる資金、その他の金融資産および経済資源へのアクセスを適宜、認める意思を通知し、委員会はかかる通知から5就業日以内に、否定的な決定を下していない。
    2. 臨時経費として必要であり、かつ、かかる判定は当該国から委員会に通知され、委員会の承認を受けている。
    3. 司法、行政または仲裁上の先取特権、もしくは判決の対象であり、また、当該資金、その他の金融資産および経済資源がかかる先取特権または判決を履行するために使用される可能性があり、かつ、該当する先取特権または判決は、本決議の日付以前に確定され、上記パラグラフ8 (B)に言う者も、安保理または委員会が特定した個人または主体も利するものではなく、しかも、当該国から委員会に通知されている。
  10. 上記パラグラフ8 (E)により課された措置は、委員会が個別に、宗教的義務を含む人道上のニーズを根拠として、かかる渡航が正当化されると判定したか、または、措置適用を除外することが、その他の面で本決議の目的に資すると委員会が結論した場合、適用しないことを決定する。
  11. 全加盟国に対し、本決議の採択日付から30日以内に、上記パラグラフ8の規定を効果的に実施することを念頭に踏んだステップについて、安保理に報告を行うよう呼びかける。
  12. 暫定的手続規則の規則28に従い、下記の任務遂行を目的として、全理事国からなる安保理の委員会を設置することを決定する。
    1. すべての国々、特に上記パラグラフ8 (A)に言う品目、物資、機材、商品および技術を生産または保有する国々から、本決議パラグラフ8により課された措置を効果的に実施するためにとった行動に関する情報、および、委員会がこの関連で有用と考えるその他あらゆる情報の提供を求めること。
    2. 本決議パラグラフ8により課された措置に対する違反の疑いに関する情報につき、調査を行うとともに、適切な策を講じること。
    3. 上記パラグラフ9および10に定める除外申請を検討し、これに関する決定を下すこと。
    4. 上記パラグラフ8 (A) (a)および8 (A) (b)の関連で特定すべき追加的な品目、物資、機材、商品および技術を判定すること。
    5. 上記パラグラフ8 (D)および8 (E)により課された措置に服すべき追加的な個人および主体を指定すること。
    6. 本決議により課された措置の実施を促進するため、必要に応じて指針を発布すること。
    7. 少なくとも90日に1回、特に上記パラグラフ8により課された措置の実効性を強化する方策に関する所見と勧告を添え、安保理にその活動報告を行うこと。
  13. 外交努力をさらに進め、緊張を高めかねない行動をいずれも慎み、朝鮮半島の検証可能な非核化の達成と、朝鮮半島および北東アジアにおける平和と安定の維持のため、中国、DPRK、日本、韓国、ロシア連邦および米国が2005年9月19日に発した共同声明の速やかな実施を念頭に、6者協議の早期再開を促進しようとする全関係国の取り組みを歓迎するとともに、これをさらに奨励する。
  14. DPRKに対し、無条件で直ちに6者協議に復帰し、中国、DPRK、日本、韓国、ロシア連邦および米国が2005年9月19日に発した共同声明の速やかな実施に努めるよう呼びかける。
  15. 安保理はDPRKの行動を継続的に審査しなければないこと、および、DPRKによる本決議の規定遵守状況に照らし、その時々の必要に応じて、措置の強化、修正、停止または解除を含め、上記パラグラフ8に盛り込まれた措置の適切性を再検討する用意がなければならないことを確認する。
  16. 追加的措置が必要となった場合には、さらなる決定が必要であることを強調する。
  17. この問題について引き続き積極的に関与していくことを決定する。