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スポーツはフェアプレーと寛容性、チームスピリットで平和と開発に貢献できる

2018年04月13日

2013年、ソマリアのモガディシュで、バスケットボールのパス練習をする少女。過激派集団アル・シャバーブにより禁止されていたバスケットボールは、モガディシュで再び盛んになっている©UN Photo/Tobin Jones

「平和と開発をともに促進するスポーツの力によって、国連のメッセージを伝えることができる」国連高官は2018年4月9日、ニューヨークの国連本部で開かれた特別イベントの参加者に対し、「私たちの内なるスポーツファンを呼び起こし」、プラスの変化をもたらす力としてスポーツを活用しようと呼びかけました。

「フェアプレーと寛容性、チームスピリットを特徴とするスポーツには、前向きなライフスキルと価値観を育成、強化し、視野を広げることに資する独特の潜在的可能性があります」国連薬物犯罪事務所(UNODC)のユーリ・フェドートフ事務局長は「スポーツを通じた犯罪防止と持続可能な開発」に関する国連本部でのイベントで、このように語りました。

フェドートフ事務局長は、スポーツが暴力と犯罪を防止するとともに、2030年までに人々が貧困と飢餓のない暮らしを送ることのできる健全な地球を実現するための青写真として、2015年に世界のリーダーが採択した持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための、現実的で費用効果の高い手段となることを強調しました。

「本日のイベントは、開発と平和のためのスポーツの国際デーと、その極めて重要なメッセージに対する認識をさらに高めるための素晴らしい機会です。このチャンスを活用して、スポーツ関係者や、全世界の若い男女との連携を図ろうではありませんか。私たちが力を合わせれば、スポーツをプラスの変化をもたらす力として活用できるのです」と事務局長は語りました。

フェドートフ事務局長は、オリンピックやワールドカップなどの大規模なスポーツ・イベントには、「感動を与え、人々をつなぐ力がある」として、その重要性を強調しました。

「私たちは、意識を高め、寛容と尊重を促進し、平和と SDGs 達成に向けた取り組みを進めるための絶好の機会として、こうしたイベントを活用しなければなりません」

韓国の平昌(ピョンチャン)で、オリンピック聖火リレーに参加するミロスラフ・ライチャーク第72回国連総会議長©Office of the President of the General Assembly

イベントで開会の辞を述べたミロスラフ・ライチャーク総会議長は、2030年までに世界をより良い方向に変えるためには、犯罪対策が欠かせないことを強調しました。

議長は「2030アジェンダが犯罪対策と持続可能な開発を関連づけているのも、そのためです。そして、私も同じ理由から、その両方を推進するスポーツについて、この場で確かめられることを嬉しく思っています」と述べてました。

スポーツを犯罪対策手段の1つに挙げたライチャーク議長は、犯罪を拒絶し、SDGs に貢献できる可能性がスポーツ参加者の間で高くなっていることは、調査結果でも裏づけられていると指摘したうえで、チームや団体は強力な社会的ネットワークを構築できる一方で、スポーツは自尊心を高め、コミュニティーがその違いを乗り越えて「同じチームを応援する」ことに役立つ可能性があると述べました。

議長はさらに、教育活動や地域密着型活動としてのスポーツが「犯罪や過激化の予防」に役立つことに言及しました。

議長は、若者の大多数が犯罪には手を染めていないものの、あまりにも多くの人々が暴力と犯罪活動の連鎖から抜け出せなくなっていることを指摘しました。

そして「犯罪防止におけるスポーツの役割について話し合うのであれば、若者が議論の主導権を握るべきです」と語りました。

韓国の平昌(ピョンチャン)で最近、開催された冬季オリンピック大会を振り返り、ライチャーク議長は、数カ月に及ぶ緊張状態の高まりにもかかわらず、南北朝鮮のアスリートたちが「同じ旗の下に」参加したことを指摘しました。

「まだそれをサクセスストーリーと呼ぶことはできないものの、私たちが正しい方向に動いていることを示す兆候ではあります。このことは、開発と平和の手段としてのスポーツ振興に向けた私たちの活動が、この壁の外の世界も大きく変えられることを示しています」

ライチャーク議長は「私たちの内なるスポーツファンを呼び起こす必要があります。私たちはもっと大きな声で、この取り組みを応援しなければなりません」と述べ、開会の辞を締めくくりました。

元NBAオールスター・チームのディケンベ・ムトンボ選手をはじめ、オリンピック選手や、その他の著名なアスリート、スポーツ関係者も参加して開かれたこのイベントでは、スポーツが開発・犯罪防止戦略や若者向けプログラムをどのように促進できるのかに関するパネル・ディスカッションも行われました。

このイベントは、毎年4月6日の開発と平和のためのスポーツの国際デー記念行事として、UNODC とコロンビア、イタリア、モナコ、カタール、ルワンダ各国の国連常駐代表部が共同で開催しました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。