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国連アカデミック・インパクト(UNAI) 説明会と意見交換会が開催されました

2012年10月04日

国連アカデミック・インパクト(UNAI)の説明会と意見交換会が2012年9月26日、国連広報センター(UNIC)の主催により開催されました。前半の説明会には、国連と世界各国の大学のパートナーシップを育むこの取り組みに関心を寄せる諸大学の関係者はじめ、約50名が参加しました。後半の意見交換会では、UNAIのメンバー団体が今後の活動について活発な意見を交わしました。

【第1部・説明会】

説明会では、山下真理UNIC所長の挨拶に続き、公益財団法人フォーリン・プレスセンター理事長の赤阪清隆氏より、UNAI発足(2010年)の経緯、現状、そして参加の意義について話がありました。赤阪氏は今春まで国連広報担当事務次長を務め、UNAIの発足に貢献し、その後の発展を見守ってきました。今では115カ国の835大学等がUNAIに参加していますが、赤阪氏は参加の諸々のメリットについて言及し、世界各地で展開されるUNAI関連事業について報告しました。
-赤阪氏の発表資料はこちら→120926_UNAI_PPT.pdf

次に、メンバー大学4校より活動報告がありました。

九州大学
「ユヌス&椎木ソーシャルビジネス研究センター(SBRC)」では、国内外の機関と連携して優良ソーシャルビジネスのあり方について研究をすすめ、多数のプロジェクトを展開している。国連MDGアドボカシー・グループのメンバーであるユヌス氏と共に、SBRCを核として国連とコラボレーションを行っている。

明治大学
人権問題への取り組み、とりわけ難民学生の受け入れを含む難民支援活動を実施している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の難民映画祭を学内で上映するなど、学生を支援活動に取り込みつつ活動を行なっている。

中央大学
水環境に関連する専門家の育成を目ざす「国際水環境理工学人材育成プログラム」を実施している。留学生を積極的に受け入れ、世界諸地域の水環境の改善を目ざしている。

文教大学
紛争地域を含む諸外国や日本の被災地において、学生を取り込みつつボランティア活動を積極的に展開している。

ビジネス、難民問題、水環境理工学、ボランティア活動など、それぞれの大学や学部がその得意分野に即して、様々な方向から国連の活動につながっている様子が鮮明にわかり、有意義な報告会でした。

続いて国連広報センターから、UNAIに新しく参加するための手続き等について簡単に説明しました。また、UNAIジャパンのウェブサイトを運営する中央大学が、サイトの紹介と活用方法の説明を行いました。

最後に、質疑応答の時間が設けられましたが、参加者の質問を通して、UNAIに参加することで大学側に特定の義務が生じることはないということ、また、参加は高等教育に携わる団体に限られることが確認されました。

【第2部・意見交換会】

説明会終了後、メンバー大学の意見交換会が行われました。日本からは14大学と2つの団体がUNAIに参加していますが、この日は明治大学、中央大学、大阪商業大学、関西学院大学、桜美林大学、愛媛大学、東北大学、文教大学、南山大学、立教大学、国際大学の11大学と、日本産学フォーラムと国際学術コンソーシアム(AC21)の2団体の代表者が集まりました。引き続き山下UNIC所長が司会を務め、赤阪氏も同席しました。

赤阪氏の挨拶に続いてディスカッションに入り、日本におけるUNAIの今後の活動について活発な意見が交わされました。UNAIに参加する大学は国連の関係者を招いて講演会等を企画することで国連との連携を強め、学内にもUNAIの原則を普及することができることが確認されました。また、スケジュールさえ許せば、国連事務総長が訪日する際にUNAI関連イベントを企画することも可能であろう、と赤阪氏は指摘しました。参加者の中からは、国連を巻き込む形でUNAIメンバーによる共同イベントを開催してはどうか、という発案がなされました。「ジャパンAIデー」の提案もありました。

共同イベントの開催には運営本部の設置や資金の調達など、様々な問題が伴うとの指摘もありましたが、UNAIの活動を大きく展開することへの意欲が全体的に示され、今後の発展に大いに期待が感じられる意見交換会でした。

* *** *

説明会には国連アカデミック・インパクト(UNAI)に関心を寄せる大学関係者約50名が参加
前・国連広報担当事務次長の赤阪清隆氏がUNAIについて説明
出席者からの相次ぐ質問に答える赤阪氏と山下真理・国連広報センター所長
メンバー大学の意見交換会では、日本におけるUNAIの活動展開に向けて意欲が示された