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委員長からのメッセージ

プレスリリース 01/19-J 2001年02月26日

国際麻薬統制委員会(INCB)
年次報告書:
2001221

国際薬物統制条約の主な目的は、薬物の乱用とそれに関連する問題を防止することです。ここ数年、国際麻薬統制委員会(INCB)の年次報告書は、特別テーマとして、医学的または科学的な正当性がない薬物使用の防止に直接・間接的に関わってきました。

そうした薬物の使用を防止すべきだということは明白です。しかし、そのためにどのような行動を取るのが最善なのかは明白ではありません。薬物乱用の原因は1つではなく、それらは互いに絡みあっていますから、防止のための活動も複雑にならざるを得ないのです。どのようなレベルの活動であっても、すべてのアプローチのかなめとなるのは、法的な規制によって医療目的以外で薬物が手に入りにくくすることです。以前にはそれが薬物乱用を抑制するほとんど唯一の方法でしたが、それだけではけっして十分ではないことが徐々に明らかになってきました。不法な供給が完全に絶たれるまで(これは達成が不可能な理想です)、薬物の乱用は続くでしょう。また、薬物の乱用が完全になくなるまで(これも同じくらい不可能な理想です)、不法な供給は続くでしょう。したがって、薬物の供給と需要を同時に減らしていくことこそ、両方のアプローチの効果を高めるために必要なのです。

国際的な条約は、不正に用いられる薬物の需要を削減する措置を取るよう各国に求める一方で、医学的な処置のために薬剤を必要とする人にそれが供給されるようにすることも求めています。当委員会は、1999年の年次報告書で、世界の多くの地域で痛みや苦しみを軽減するために有効な痛覚緩和剤が容易に手に入らないという事実について、国際社会の注意を喚起しました。また、私たちは、この問題を補足するため、同様に重要な問題、すなわち国際的な統制下にある薬物の過剰消費について詳しく検討することにしました。

2000年の報告書では、統制された薬物がいくつかの国で過剰使用されている現状と、それに関わると思われるさまざまな要因の分析が取り上げられています。過剰消費を抑えるのに役立つ方法、ならびに医療専門家、製薬会社、専門家組織、消費者団体、政府、そして国民の責任についても論じられています。

社会的な問題を医薬で解決するという最近の傾向を転換させることは重要ですが、薬剤の適正な使用を制限しないことも同じくらいに重要です。当委員会は、向精神薬の問題、そしてその使用によってもたらされるさまざまな問題を深く憂慮する一方で、この50年、こうした薬剤が精神病の治療に革命を起こし、薬や向精神薬による薬物療法が医療の中で重要になっていることも認識しています。

最も有効だと思われる予防的手段には、包括的な教育プログラムのほか、厳しい罰則をもつ実効性のある法の執行によって薬物を入手しにくくすることが含まれます。そうした罰則は、不正な薬物を取り扱うことによって巨額の利益を得ている人々にそれを思いとどませるほど厳しくすることが必要です。しかし、処方薬の過剰な使用を削減する手段は、理性ある処方に関して医師およびその他の医療専門家を教育することが中心になります。こうした面での前進は、薬剤全般、特に向精神薬に対する一般の人々の態度を変えるという長期的な目標と密接に関わっているのです。

ハミド・ゴドズ
国際麻薬統制委員会
(INCB)委員長

社会問題への対処のために薬物を用いる習慣が拡大
国連の麻薬統制委員会が警告

国際麻薬統制委員会(INCB)は、最新の報告書で、社会的な圧力によって引き起こされた心理的な問題に対処するためにベンゾジアゼピンや各種のアンフェタミン系覚醒剤などの統制された薬物を過剰に使用する習慣が、特に先進国において、社会的に受け入れられたものとして拡大し続けていると警告している。2001221日に発表された年次報告書の中で、同委員会は、統制された薬物(薬物および向精神薬)の過剰消費の問題には政府諸機関、医療専門家、製薬会社、消費者、そして「患者」自身に等しく責任があると注意を促している。

向精神薬が容易に手に入るようになっているのは、不十分な規制、および本当の医療目的での統制薬物のニーズに関する不確かな推測と情報が、攻撃的なマーケティング手法、そして不適切または非倫理的でさえある処方の慣行と組み合わされているからである。こうした現状は主に先進国で広がっているが、途上国にも見られないわけではない。同委員会が指摘しているように、薬物が簡単に手に入ると、薬物乱用の形で、または医学以外の問題に対処するために薬剤を用いる文化を促進するという形で、過剰消費が導かれる。

国際的な薬物の状況を定期的に監視している同委員会は、1999年の報告書では、主に発展途上国において、痛みやその他の苦痛を緩和するといった一定の医療目的で十分に薬剤が手に入らない状況について報告した。続く2000年の報告書で、主に先進国における統制薬物の過剰使用に焦点を当てることにより、世界のある地域では医療のために必要な薬剤が十分に供給されず、別の地域では統制薬物が過剰に供給され、広く消費されているという世界の現状をはっきりと描き出している。

同委員会は、特にすばやい解決が好まれる一方で、長期的な悪影響が看過または過小評価されたり、短期的なコスト削減の影に隠れたりしがちであることを憂慮している。同委員会によって引用されている多くの調査によると、社会的な圧力に苦しんでいるかなりの数の患者が、精神的または身体的な真の病気であると診断されないのに向精神薬を処方されているという。

向精神薬(バルビツール、アンフェタミンの一部、ベンゾジアゼピン)は、多くの場合、不眠、不安、肥満、子供の活動過多、各種の痛みの治療のために処方されている。肥満や注意欠損症などの基礎にある生理学的なプロセスは、過去数十年、科学的な解明があまり進んでいない。有効な根本的治療法がないため、今なお対症療法が続いており、その多くが向精神薬を含む薬剤を利用している。

また、しばしば不合理な組み合わせによる複数の薬剤の使用、不適切な投薬量、過剰に長い処置期間も問題である。薬剤の長期にわたる過剰な摂取は、依存症や、その他の身体的・精神的な苦痛をもたらす可能性がある。

近年、医師と患者の関わり方は大きく変化している。健康に関連する情報にアクセスしやすく、セルフケアや医師と共同で意思決定をする習慣が広がってきた今日、治療プロセス全体に患者が重要な関与をするようになっている。そのため、責任は医師と患者の双方にある。同委員会は、理性ある処方が行われる文化が確立されるよう、医師、その他の医療専門家、そして一般の人々に対する教育を求めている。

また、同委員会は、医薬品の販売促進に関して責任ある倫理的な行動を要求している。医薬品の販売促進に関する倫理規範が設けられているが、それを守らない企業もある。攻撃的な販売方法は依然としてなくならず、ときには各種の擁護集団を財政的に支援する場合も見られると報告されている。よりよい処置のオプションがある疾病に対して一部の統制された薬物の販売を促すなど、企業の方針として問題の多いものもある。

国によっては、医師に対してだけではなく、大衆に対しても販売促進の矛先が向けられている。これは、国際的に統制された薬物の広告に対する制限を尊重していない。直接的な広告ではしばしば、薬物がふつうの消費財と同じように扱われる。そのため、同委員会は繰り返し、1971年の向精神薬条約によって一般大衆への向精神薬の広告が禁じられていると警告している。

遠隔医療やインターネット処方は、新しいチャンスを提供しているばかりではなく、新しい危険ももたらしている。インターネット処方は、多くの人々が低コストで医療や薬品のサービスにアクセスできるようになるという意味で、大きな力をもっている。しかし、一方で、ミスや意図的な誤用の可能性も非常に大きい。患者と医師の直接的な接触を電子的なコミュニケーションで代替するのには問題がある。特に、精神病の診断や統制された薬物の処方に関しては危険がつきまとう。そのため、同委員会は、実効ある国内および国際的な保護対策を確立するよう各国政府に求め、同時に、医療の専門家とコミュニケーション技術の専門家を結び付ける国際的な協議の仕組みを提案している。

消費のパターンと医学的な慣行については、国によって、またそれぞれの国内でも違いが大きい。各国の過剰な薬物消費の原因は、商業上、社会文化上および教育上の環境に関わっている。豊かな国では、気分や行動を矯正するために統制薬物を利用することが社会的に容認されつつある。急速な経済成長を遂げている地域(マレーシア、シンガポール、香港特別行政区、タイ)でも薬物の消費の急速な増加が見られる。これらの国々では、新たな富のために、薬物を摂取することが流行になっている。

薬物が過剰に入手できる状況は、その横流れによる薬物の不法売買と乱用を招きやすい。同委員会が警告しているように、過剰に入手でき、法規による統制が不十分であると、容易に新たな薬物乱用のパターンが作られてしまう。横流れに関わる問題を削減するのに最も効果があると証明されている方策は、国際的な統制制度の規定を遵守すること、そして、信頼できる情報とニーズ分析を通して向精神薬の医学的なニーズと世界の製造・販売量をしっかりと一致させることである。

過去30年間にいくつかのタイプの統制薬物の消費が大幅に削減されたことは、現状の改善が可能であることを示している。向精神薬の悪影響が明らかになったとき、1971年の向精神薬条約の採択に続き、すぐに世界的な統制が行われることになった。これによって大幅な削減が達成された。しかも、この統制によって治療に支障が生じることはなく、反対に、同じ医療目的での安全な薬剤の研究が導かれた。こうした安全な薬剤は徐々に、アンフェタミン、メタンフェタミン、バルビツール、ベンゾジアゼピンに取って代わったり、それらを補完したりするようになった。

消費の削減は、そうした物質の大規模な横流れをなくす上で決定的に重要な役割を果たしている。一部の向精神薬の過剰使用が厳しく規制されると、それほど厳しく規制されていない薬剤が同程度に過剰に使用される傾向が見られるという事実は、継続的な国際協力の必要性を浮き彫りにしている。

同委員会が強調しているように、一部の統制薬物の使用量が減少したことから、各国の粘り強い努力とそれを補完する国際的な統制によって、大きな成果を上げるのが可能であることがはっきりと証明されている。多くの統制された薬物の場合、国際的な薬物統制条約が採択されると、製造・販売される量と医療目的での使用の範囲が妥当なレベルに下がっているのである。

注:国際薬物統制条約、国際麻薬統制委員会の活動、薬物乱用に関する背景情報は、同委員会のホームページwww.incb.orgで見ることができる

各地域の概況

アフリカ

  • アフリカのほとんどの国で、薬物、中でも向精神薬の乱用が増加しつつあるように思われる。特に、薬物を乱用している女性と子どもの数が増加し、はじめて薬物に触れる年令が低下している。
  • この地域では、内戦、貧困、HIV/エイズ、犯罪、汚職が薬物統制の問題と密接に関わっている。不十分なライセンス制度と検査の仕組みが向精神薬の乱用の増大に拍車をかけている。
  • 1999年、前年に比べてコカインの押収量は減少したが、大麻、ヘロイン、向精神薬の押収量は著しく増加した。しかし、アフリカ諸国では、薬物統制の資源が不足しているため、押収されるのは不法薬物のごく一部にすぎない。したがって、実際には、押収の数値に示されるよりずっと多量の薬物が取引されている。
  • モロッコは、税関の規制をはじめ、法執行機関を強化するために相当の力を注いでいるが、依然として大麻樹脂の主な供給源となっている。世界税関機構およびICPO/インターポールによると、ヨーロッパで押収される大麻樹脂の7080%、および世界で押収される大麻樹脂の半分がモロッコ産である。
  • アフリカ諸国は、ヨーロッパへ流れる薬物の通過点となっている。南米諸国から主にブラジルを通過してやってくるコカイン、およびアフガニスタンとミャンマーからやってくるヘロインが、アフリカを通してヨーロッパへ流れている。
  • 南アフリカは、メタカロンの乱用が世界で最も多い。

アメリカ

  • カナダ、メキシコ、米国では、引き続き、大麻が最も多く乱用されている。効果の強い大麻の水耕栽培がカナダおよび米国の一部で拡大しつつあり、依然として法執行機関の主な懸念の1つとなっている。カナダでは、大麻の生産者と密売者に下される裁判所の判決が甘い場合が多く、法執行機関の努力の効果が弱められている。
  • 米国では、法執行機関が不法大麻の生産の根絶において大きな成果を上げている。薬物の悪影響に関する教育と情報キャンペーンにより、若い人々の大麻の乱用を減らすことに成功している。
  • 国際麻薬統制委員会は、最近カナダ政府が44の向精神薬を「統制された薬物・薬剤法」に取り入れたことを歓迎する。
  • 北アメリカでは、主に若者の間で、メタンフェタミンの乱用に加え、MDMA(エクスタシー)の乱用が広がる傾向が見られる。
  • 委員会は、米国で、6才以下の子どもに対する向精神薬の処方が急増していることに気づいている。また、委員会は、医薬品として広く利用されている薬物、または若者や子どもに乱用されている薬物について、米国政府が科学的な研究を実施していることを評価する。
  • 南アメリカ各国では、包括的な国内法規と適切な政策が設けられているが、組織面や政治・経済上の障害がその実行を阻んでいる。
  • ボリビアでは「ディグニティ・プラン」の成功により、コカの生産が大幅に削減されている。このような進展は国際社会の支援に値すると委員会では考えている。しかし、委員会は、ボリビアのコカ栽培がチャパレ地域からユンガス地域に移る可能性があると警告する。
  • コロンビアは、不法な薬物の製造および取引と戦うために、多様な部門を取り込んだ包括的な戦略、「プラン・コロンビア」を実施している。委員会は、南アメリカ諸国政府に対し、この実行に当たってコロンビアと密接に協力するよう要請する。
  • コロンビアでは、不法なアヘンの栽培が拡大しつつあり、ヘロインの押収量が急激に増加している。
  • 不法な薬物の積み替えと保管にカリブ海地域が利用されることにより、薬物の乱用とそれに関連する犯罪が増加している。大麻、「クラック」、特にコカインが著しく入手しやすくなり、乱用も増大している。
  • 中央アメリカおよびカリブ海諸国における前駆物質の適切な識別と追跡の統制システムは、不十分であるか、またはまったく存在していない。中には、前駆物質に関する国家法規がない国もある。

アジア

  • 依然として、アフガニスタンにおけるアヘンの生産、およびそれによってもたらされる西アジアでのアヘン剤の密輸入とそれに関連する犯罪活動が大きな問題である。アフガニスタンでの前進は、20003月にヘロインと大麻に対する課税が禁止されたこと、およびタリバーンによって20007月にアヘン用ケシの栽培を禁止する法律が可決されたことである。
  • 特に中央アジア諸国において、小型武器の密輸入、暴動、および薬物の不法売買は相互に関連している。薬物の不法売買グループは、協力のネットワークを国際的に広げ、汚職、薬物問題への関心の欠如、人的・金銭的資源の欠如による法執行の脆弱さを利用している。
  • イランとパキスタンは、アヘンとヘロインの中毒者の率が世界で最も高い。
  • アフガニスタンとパキスタンにおいて、錠剤の形でのベンゾジアゼピン(ロヒプノール)の乱用が蔓延しつつある。ベンゾジアゼピンは、アヘンやヘロインと組み合わせて乱用されることが多い。ベンゾジアゼピンの乱用はトルコでも増加している。
  • CIS諸国では不法な薬物の価格が下がり、ヘロインが入手しやすくなっていることから、注射によるヘロインの乱用が増加している。
  • 東アジアおよび東南アジアでは、アンフェタミン系の覚醒剤の製造、不法売買、乱用が急激に増加している。この地域のほぼすべての主要都市において、若者が主な乱用者になっている。
  • 東アジアおよび東南アジアの一部の国では、MDMA(エクスタシー)の乱用者の数が著しく増加している。また、MDMA(エクスタシー)との関連でケタミンを乱用する青少年も増えている。この地域で押収されたMDMA(エクスタシー)のほとんどは、ヨーロッパ、特にオランダから流入したものである。しかし、ミャンマーとタイの国境地域ではすでに、地元で使用するための比較的安価なMDMA(エクスタシー)が生産されていると思われる。
  • 覚醒剤の不法売買の利益が上昇を続けている。東アジアと東南アジアでは、アヘン剤よりも覚醒剤の不法売買が広く行われている。
  • レバノンでは、薬物の不法売買に関わる事件での銀行の秘密保持規定がまだ廃止されて いない。レバノンの現行の法的枠組みでは、マネー・ローンダリングを調査するのがきわめて難しく、薬物不法売買者の資産を差し押さえるのが実質的に不可能である。

ヨーロッパ

  • ヨーロッパでは薬物の入手がますます容易になっている。大麻の乱用は増加していないが、合成薬とコカインの乱用はヨーロッパのほとんどの国で増加を続けている。
  • ヨーロッパは不正に製造されたアンフェタミンおよびアンフェタミン系覚醒剤の主な供給源である。特にMDMA(エクスタシー)は、ヨーロッパ内ばかりでなく、世界中に供給されている。
  • ヨーロッパの薬物統制戦略では、薬物乱用に関連して「ハーム・リダクション」活動が主な要素の1つになっている。委員会は「ハーム・リダクション」活動の重要性を認識しているが、それは不法薬物の需要を減らすための包括的な国家政策に代わりうるものではないことを強調する。
  • アルバニアは、ヨーロッパで唯一、国際的な薬物統制条約に加盟していない。委員会は、可能な限り早急に3つの国際薬物条約に加盟するようアルバニア政府に強く勧告する。
  • ヨーロッパでは引き続き、大麻が最も広く不法売買されている。大麻樹脂の主な供給源はモロッコであるが、大麻の葉の主な供給源はアルバニアである。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナは、薬物売買の重要な通過国になっている。この問題への対応策を実施するには、この国における2つの政体の密接な協力が必要である。ゆえに、委員会は、調整された新しい薬物統制法案が20002月に合意されたことを歓迎する。
  • 西ヨーロッパでは、依然として、屋内での大麻の栽培が重要な問題になっている。今も大麻の種子、および大麻の栽培に関連する付属品がインターネットで販売されていることが、この動きを拡大する一因となっている。
  • 中央ヨーロッパおよび東ヨーロッパ諸国は、西ヨーロッパ諸国向けのヘロインとコカインの保管地として利用されている。
  • 近年、西ヨーロッパのコカインの乱用が増加している。最近の調査によると、コカインの乱用は、ベルギー、フランス、ギリシャ、ルクセンブルク、オランダ、スウェーデン、イギリスで増えている。コカインの需要は東ヨーロッパ諸国でも高まっている。
  • アルバニア、ブルガリア、エストニア、ルーマニア、ロシア共和国およびスロベニアではヘロインの乱用が主な問題となっている。ハンガリーでは、静脈注射によるヘロインの乱用が急激に増加している。

オセアニア

  • オーストラリアでは、依然として、ヘロインの乱用が蔓延している。ヘロインに関連する死亡者数と逮捕件数が増加している。
  • オーストラリアとニュージーランドでは、引き続き、ハーム・リダクションが薬物乱用防止戦略の主な要素になっている。
  • ニュージーランドでは、MDMA(エクスタシー)の需要が増加する一方、LSDも依然として主な問題である。
  • 押収のデータによると、ヘロインとコカインの積み替えの場所として太平洋諸国が利用されることが増えている。
  •  パプアニューギニアからエフェドリンと擬似エフェドリンの大量の注文がなされている。両者はメタンフェタミン(アイス)の不正な製造に用いられるため、委員会は、それらの大量の化合物を不正な薬物密造に用いようとする試みがないか、パプアニューギニア政府が徹底した調査をするものと信頼している。