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G8サミットの公約はアフリカにとっての転機にも
アナン国連事務総長、カナダで記者会見

プレスリリース 02/058-J 2002年07月04日

 以下は627日、カナダのカナナスキスで開催された先進8カ国(G8)首脳会議における記者会見でコフィー・アナン国連事務総長が行った発言内容です。

 親友の皆さん。私はここ、カナナスキスに来られたことを、とてもうれしく思います。この歴史的な会合で、アフリカの人々は私達に多くを期待しています。私はまた、このように並々ならぬ暖かな歓迎をしてくださったカナダのすべての方々に、感謝の意を表したいと思います。

 2年前、国連本部でのミレニアム・サミットで、世界のあらゆる指導者たちは、アフリカの特殊なニーズを明確に認識しました。ですから、国連がこのサミットに出席し、しかも、G8の指導者たちがNEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)に対する支持を誓ったことは、まさに理にかなったことといえます。

 NEPADは、アフリカの指導者とその人民との協約です。よき統治という規範によって裏打ちされたこの関係は、アフリカの国際社会との協約の綱領となるものです。NEPADは、紛争を終結させ、難民と国内避難民の流出を食い止め、投資環境を改善するための、すなわち、アフリカにおける持続可能な開発の必須条件を整備するための枠組みを提供しています。

 アフリカの人々がNEPADで自分自身に対し、そしてお互いに対して行った公約を真の意味で守り、かつ、G8がきょう(627日)発表する行動計画を実質的に遂行すれば、今次サミットは将来、アフリカの歴史、そして実際、世界の歴史の転機として捉えられることになるかもしれません。これは私たちすべてにとっての課題なのです。

 私たちがこの課題に十分に取り組んでいるかどうかは、ほんの2カ月後、私たちが再びアフリカで別のサミット、つまり「持続可能な開発に関する世界首脳会議」を開くときに明らかになるでしょう。サミット開催地の南アフリカは、貧困とHIV/エイズ禍によって大きな打撃を受けている地域の中心に位置します。しかも、この地域は現在、厳しい干ばつの被害を受けており、うち数カ国は飢饉の深刻な脅威にさらされているのです。

 深刻な困窮状態にある人々に対し、緊急に人道援助を届ける必要があります。そして国連と援助機関は、援助を提供するために最大限の努力を行っています。しかし、世界全体がこの干ばつから教訓を学ぶことも、同様に緊急の責務といえます。環境面はもちろん、経済および社会面でも、真に持続可能な開発モデルを見出せない場合に、私たちや私たちの子孫を待ち構えている運命のむごさを、この干ばつは物語っているからです。これらの問題はアフリカだけでなく、全世界にとって、きわめて重要なのです。

 私たちは何をなすべきかを知っています。少なくとも10年前のリオ会議以降はわかっているはずです。しかし、この知識の実践は遅々として進んでいません。この状況を変えなければなりません。ヨハネスブルク・サミットの目的は、まさにこの点にあります。

 私はきょう、ここにいらっしゃるすべての指導者、そして、その他多くの国々の指導者が2ヵ月後、再び一堂に会し、地球とそこに住む人々の将来に関する具体的な決定を下すことを期待してやみません。